さよならAMラジオ~送信所めぐり~その3:NHK鍋田ラジオ放送所 [ラジオ]
2023年9月25日の日記
今日は名古屋の送信所を訪ねました。ここはNHKだから,2028年以降も存続すると思いますが,AMラジオの送信所はとても興味深いので行ってみます。
iruchanは名古屋で暮らしていたことが長いので,NHK名古屋やCBCや東海ラジオをよく聴いていました。それに,もともと北陸からだと大阪の放送局はNHK大阪以外,ほとんど入らないので,名古屋のこれらの放送局を聴くことが多かったです。
また,名古屋って,美味しいものがたくさんあって,とても好きです。一番好きなのはあんかけスパ!よくもまあ,パスタにピリ辛のソースかけて食べよう,なんて考えたものだ,と思いますが,ウィンナーやフライが載っていてボリュームもたっぷりで大好きです。きしめんも名古屋らしく,関東みたいに醤油ベースなのに,かつおだしがすごく効いていて,和洋折衷ならぬ,東西折衷で,とても好きです。
☆NHK鍋田送信所
NHK名古屋の送信所です。1983年に木曽川河口の弥富町(現弥富市)に建設されました。1955年までは鍋田村で,今も町名として残っていますが,この送信所の所在地は隣りの上野町となっています。
このとき,名古屋市南部の桶狭間にあった送信所は廃止されています。
ちょっと失敗だったのは,この桶狭間送信所は2008年3月まで局舎が現存していたらしいので,見に行けばよかった,と思います。
一時期,鉄塔が4本もあった時代があるようです。今は戸建ての住宅地になっています。今昔マップ on the webから。1935年の地図にも載っていますが当時は鉄塔は2本のようです。
ここはNHK名古屋第1(729kHz)と,NHK名古屋第2(909kHz)の送信所で,空中線出力はそれぞれ50kWと10kWです。iruchanの住んでいる北陸からだとNHK第2は名古屋が一番,感度よく受信できますが,ノイズが多く,困っていましたけど,出力が10kWでは納得。夜だと秋田のNHK第2大潟ラジオ放送所の方がきれいに入りました。500kWですから当然かも。ただ,ここはNHK第2だけだから,廃止になる可能性があり,一度,見に行きたいと思います。
鍋田送信所へは 関急 弥富駅前から,弥富市営コミュニティバスきんちゃんバスがあります。このあたりは低地のため,金魚の養殖が盛んですから,きんちゃんです。
最初,googleさんに名古屋駅からのルートを教えてもらおうとしたら,「乗換案内ルートを計算できませんでした。」と答えるので焦りました.....
なんとか,弥富市のホームページでコミュニティバスがあるのを知って行くことができました。ただ,残念ながら,ここへ行くには1日3本しかありませんのでご注意ください。
どう見てもおよげたいやきくんなんですけど......。古っ!
と思って調べたら,やはり同じデザイナーの作品でした。どおりで。
バス停はいこいの里で,ここから東に700mほど行ったところにあります。
ただ,せっかく苦労して行ってみたのですが........。
残念ながら,送信所の南側はうっそうとした森の中にあり,ほとんど写真を撮れる場所がありません。局舎へは広い敷地の中に道路がありますが,入り口からかなり遠く,しかも折れ曲がっているので,局舎の写真も撮れません。
STL用のマイクロ波アンテナ。栄の放送センターを向いているのでせう。
幸い,隣りに下水処理場(日光川下流浄化センター)があり,そこの駐車場越しに写真が撮れました。
周囲は伊勢湾台風で大被害を被ったところで,危険な場所のため,民家やレストランなどはなく,その代わりにゴミ焼却場やこの下水処理場や火葬場や霊園など,いわゆるNIMBYとよばれる迷惑施設のオンパレードでした。NIMBYとはNot in my backyardの略で,「オレの裏庭はダメ!」の意味です。AMの送信所もある意味,迷惑施設でしょう。
伊勢湾台風と言えば,この送信所も今後,地球温暖化に伴い,伊勢湾台風級の巨大台風の襲来が予想されますし,南海トラフ地震では名古屋は最高3.6mの津波が襲う,と予想されています。そこで,この送信所も予備の送信所として,刈谷市内に建設が進められている? はずですが詳しいことがわかりません。NHKの経営委員会の議案では来年,運用開始となっていますが,どうなっているのでしょう。どうも場所は依佐美送信所のすぐ近くのようで,つくづく通信に縁のある場所なんですね。
名四国道(23号)がすぐ近くを走っていますし,最近は伊勢湾岸道が開通し,インターもできたことから,IKEAを初めとした巨大な物流倉庫がずらりと並んでいます。1日中,トラックが出入りするので,これも迷惑施設ですね.....。
帰りは,コミュニティバスは本数が少ないし,弥富駅まで1時間以上かかるので,名古屋競馬場で少し遊んでから,そこの無料送迎バスで名駅へ出ました。
といって,ここから炎天下を名古屋競馬場まで3km近く歩きましたけど......
正直,この送信所は労多くして成果はほとんどありません.....
おまけにここへ行くにはとても時間がかかるので,レンタカーでも借りない限り,CBCの長島送信所や東海ラジオの七宝送信所とは一緒に回れません。▲のgoogleさんの地図で☆のところで,近くなんですけどね。周辺は名古屋港南部の埋め立て地や木曽川河口の中州で,人があまり住んでいない場所のため,公共交通はとても不便です。
なぜか,ヒマな文系女子大生となった娘が競馬にはまったらしく,そんな子に育てた覚えはない! 結構,かわいいよ,と言うので見てみました。なるほど,結構,見ていると楽しいですね。
なお,どういうわけか,名古屋競馬場の開催日は平日のみなので,注意が必要です。
帰りに大須ういろのういろうと,カエルまんじゅうを買って帰りました。どちらも子供らの好物です。東京や博多がひよこまんじゅうなら名古屋はカエルまんじゅうだぎゃぁ~
さよならAMラジオ~送信所めぐり~その2:NHK彦根ラジオ中継所,KBS京都・滋賀放送局~ [ラジオ]
2023年10月1日の日記
ちょっと,iruchanは最近は鉄道なんか止めて鉄塔にはまっています。
だって~,iruchanが追いかけてきた国鉄型車両はあらかたなくなってしまい,もはや追いかけるものがない,という状況になっちゃいましたからね.......。国鉄は遠くなってしまいました。今どきの若い人に国有鉄道なんて言ったって,ちんぷんかんぷんなんでしょうね......
なによりJRになって,各社,個性を出してきて,まったく統一したデザインじゃなくなった,と言うこともありますが,個性が出始めた割に,大手私鉄のように確固たる個性があるわけでもなく,ひとつの会社でもバラバラなデザインで,一貫した個性を確立するまではまだまだ長い年月がかかりそう....。挙げ句の果て,某デザイナーの魔の手にかかってしまった会社もあって,正直,支離滅裂,奇妙奇天烈な車両ばかりでまったく興味ありません。
また,国鉄型車両だとマニアの間で共通の話題にできましたけど,それがなくなってしまった,と言うのも面白くない理由。やはり鉄道車両というものは普遍的で,かつ虚飾を排した合理的なものでなくてはならない,と思います。
さて,AMラジオもとうとう,民間放送がほとんど撤退することが決まり,2028年以降はNHK第一のみ,と言うことになりそうです。TVもそうですけど,コマーシャルに頼る民間放送のビジネスが大きな曲がり角を迎えていることは事実。視聴者の方も,今どき決まった時刻に決められたものを見る,と言うのは面倒だし,コマーシャルを見るのもバカバカしいし,ドラマすらも展開の早いものでないと時間のムダ,と言う感覚なんじゃないでしょうか。
それにiruchanはいつも思うのですが,今,民放のTV番組って,見る価値あるのか,と。タレントを何人か集めてYou Tubeの動画を見て笑いこけてる,なんて番組ばかりですけど,誰が見るんでしょう.....
さらに,ネット広告の方がTV CMより収入が大きくなってしまった,と言う現状では,より収入の少ないラジオは斬り捨てざるを得ない,と言う状況なのでしょう。特にAMラジオは設備に膨大な費用がかかるので,余計,廃止圧力がかかってしまうのだ,と思います。特に,TVとの兼営局はともかく,AMだけの放送局は死活問題でしょう。
とはいえ,災害に強いラジオを簡単に捨ててしまっていいものか,と思います。電池だけで相当長時間,聴くことのできるラジオは非常に重要だとiruchanは思います。
さて,AMラジオ廃止のひとつの理由でもある,送信塔の姿を記録に残しておきたい,と思いました。これから,見かけたらマメに写真を撮っておこう,と思います。
今日は前回のTBS,AFNに引き続いて,子供の頃からよく知っている,琵琶湖岸の送信所を再び見に行きたい,と思います。
☆NHKラジオ彦根中継所,KBS滋賀放送局
彦根市南部の琵琶湖岸に赤い送信塔が建っています。
たまたま北陸の家から,琵琶湖に水泳に連れてきてくれたのか,鮎釣りに連れてきてくれたのか,分かりませんけど,子供の頃,何の塔か分からなくて,父に「あれはなに?」って聞いた記憶があります。
TVや電話のマイクロ波中継アンテナだとパラボラアンテナがついていたりして,すぐにアンテナ,と分かりますが,AMのアンテナは単なる棒? で何なのか,さっぱり分かりませんよね.....
高校の物理で,電気力線とか電界強度とか,習わないとどうなっているのか,さっぱり訳が分からない,と言う代物だと思います。
でも,再び見に行ってみて,夕日に照らされた送信塔はとてもきれいでした....。
ここは,NHK大津第一(945kHz)とKBS滋賀(1215kHz)を1kWで送信しています。KBSと言っても京都放送で,韓国 ではありません。日本の民放のパイオニアのひとつです。また,NHKはTBS(954kHz)とすぐ近くなので,このあたりで夜,TBSが聴けない理由になっています。ニッポン放送は割によく聞こえて,中坊の頃,オールナイトニッポンをたまに聴きました。
てっぺんには容量環を備え,高さは108mと低めです。鉄塔高さは1/2波長にするのが効率がよいので,そこから考えると,KBSにあわせてあるようです。民放の中継局だったらこの出力だと半分の高さ(1/4λ)でもいいはずですが,NHKと共用なので,立派な施設です。
また,どういうわけか,普通,ステーのアンカー部分も含め,放送局の土地ですが,ここは局舎のみのようで,局舎周辺だけフェンスで囲まれていて,送信設備を近くで詳しく観察することができました。
周囲は田んぼ。すぐ東にある曽根沼は琵琶湖の内湖で,米原駅西側の入江内湖同様,戦後干拓された農地です。
このあたりもそうかな~という気がしますが,田んぼなので,接地もよく,アンテナの性能としてはとてもよいでしょう。
湖岸道路をはさんで1.6kmほど南東の荒神山(こうじんやま)山頂にTV用の中継局があります。そこにSTLのアンテナもあるのでしょう。スタジオは大津にあるので,そこからSTLで荒神山に飛ばして,そこからさらにAMはここに飛んでいるようです。
明治政府が意地悪して,滋賀県の県庁所在地は大津になってしまい,放送としては県中央部の彦根にある方が電波の伝播状況もよいようです。そういや,福島だって,会津若松の方が中央だし,iruchanの北陸にある金沢もさすがに,一応,県庁所在地として残りましたけど,県の名前は石川県なんて,隣の町の名前を冠しています。
たまたま,農作業に見えたおばさんと話をしましたが,いつもだと中継局の周りに彼岸花が咲いて,きれいだそうですが,今年はまだ咲いていないのでヘン,とのことでした。おばさんもラジオ深夜便を聴いているそうです。また,年に4回,中継局の周りの草刈りをするそうです。どうも大変ありがとうございます。
60秒も露出しました......。もう,真っ暗なんですけどね。
トンビがたくさん飛んでいて,iruchanは子供の頃,トンビが魚を捕まえるのをよく見ましたが,琵琶湖の魚を狙っているようです。さすがに暗くなってきて,ねぐらに帰らんとまずいのでは......と思ったら,容量環に留まったやつがいて,まさか,そこがねぐらか,と思ったら,そのうち山の方に飛んでいきました。
周囲は畑か田んぼで,琵琶湖を背景に美しい写真の撮れる場所でした。雪が降ったらまた行ってみたいです。
パソコンヘッドホン用ダミープラグの製作 [パソコン]
2023年9月30日の日記
今日は簡単電子工作です。パソコンのヘッドホン端子につなぐダミープラグを作ろう,と思います。
というのも,今は在宅勤務で,職場のパソコンにリモート接続する,と言うことが多い,と思います。
そのとき,WEB会議をやっていたり,サボってらじる☆らじる聴いていたりすると,うっかり自分の席のPCから音が出る,ということがあります。
iruchanは普段,職場のPCにはヘッドホン挿しているので,問題ないですけど,うっかり抜いていると音が出ることがあります。
ノートPCなら普通ですけど,デスクトップ機でもDELLのPCなどだと,驚いたことに本体内部にスピーカーがあって,これが音を出すことがあります。
ものすごく音が悪いスピーカーなんで,こんなのいらんと思うんですけどね.....。
この前も同僚のパソコンからWEB会議の音が出ていて,慌ててiruchanのヘッドホンを挿してやりましたけど.....。
でも,そいつ,あとで礼も言わなかったので,ちょっと......
放っておいて,赤っ恥かかせてやればよかったかと思っています
まあ,ヘッドホンもたくさん予備を持っているわけではないし,こういうときにダミープラグを挿しておこう,と思いました。
それに,困ったことに,いつからか,Windowsはヘッドホンやスピーカなどのデバイスをつないでおかないと,サウンドデバイスがない,ということで音を再生しなくなりました。
WEB会議を録音しようとすると,デバイスがない,と言う認識になって,録音できなかったりして,これはこれで困るのでダミープラグを挿しておきます。
ひょっとして,DELLのPCはこういうことがないよう,予めスピーカはつないであるのか,という気がします。
iruchanは自分が席にいないのに,音が出るというのは困るので,内部のマザーボード上のピンヘッダからスピーカ端子を抜いてあるので,音が出ないので安心ですけどね。
また,あとで分かったのですけど,DELLのPCの場合,BIOSに内部スピーカの設定があって,使わない,と言う設定ができるようです。
まあ,安心のため,端子を抜いておく,と言うのが一番無難,という気がしますけどね。
ところが,これやっちゃうと,▲のとおり,「デバイスがない」と言う状況になって,PCの音を録音できません。
と言う次第で,簡単にダミープラグを作っておきます。
ヘッドホンのインピーダンスは8~32Ωくらいなので,φ3.5mmのステレオプラグに22Ωの抵抗をはんだづけしました。
Visual Studioで世界時計ソフトを作りました パリ時刻も表示しています。サマータイムも自動対応します。
ダミープラグを挿したあと。
ヘッドホンを挿している,と誤認? しています。ちゃんとWEB会議の録音もできました。
さよならAMラジオ~送信所めぐり~その1:NHK新開放送所,TBS戸田送信所,AFN和光送信所 [ラジオ]
2023年9月18日の日記
とうとう,2019年3月,民放連は2028年にAM放送を終了し,FMに移行することを表明しました。2028年以降,中波帯にはNHK第1と,北海道放送(HBC),札幌テレビ放送(STV),秋田放送(ABS)の3局が残るだけになりそうです。これらの局はエリアが広く,また,人口も少ないところが多いので,現状のAM放送を継続する方がよい,との判断に基づくもの,と思います。
一方のNHKは,と言うと,2021年にAM一波とすることが経営方針に盛り込まれており,その後,音沙汰ないのですが,FMで基礎英語やっていたりするとこ見ると,やはりAMは一波にする予定のようです。
う~~ん,ラジオ大好きなiruchanとしては,非常に残念なのですが.....。まあ,音声放送はデジタル化することに決めた欧米と違って,FMは残すことになったので,その意味ではマシなのかもしれませんが.....。
FMのデジタル化は意味ないでしょう。別にradikoやストリーミングで聴けばいいわけですし.....。
と言う次第で,iruchanは今のうちにAMの送信所や送信塔の写真を撮っておこう,と思いました。
そう,なぜか,iruchanはAMラジオの送信塔に惹かれるんですよね......。
天高く,1本だけそびえていて,電波だけとは限らない何かが空に吸い込まれていき,世界に伝わっていく.....というイメージがするからなのでしょうか。
それとも,東京タワーや名古屋や札幌のテレビ塔のように,TVだとかっこうよいタワーが建っていて,それこそスターのような存在ですけど,AMの送信塔は地味で,人里離れた人家もまばらなところに建っていて,それこそ,地元の人でもよく知らない,と言うような存在に惹かれるのか,という気もします。ラジオ局の送信塔って,東京タワーみたいに観光名所になるわけでなし,展望台どころか,お店はもちろん,そもそも無人で,中には普通は誰もいないという設備のところばかりです。
iruchanの生まれたところにも10kmほど離れたところに1本,建っていて,子供の頃,父に「あれはなに」って聞いた記憶がありますけど,その頃から興味があったのかもしれません。父は「放送局」と答えたように思います。
ということもあり,久しぶりに上京したので,レンタル自転車借りて回ってきました。
☆NHK新開放送所
ずっと,しんかい放送所と思っていましたが,しびらきと読むそうです。さいたま市桜区にあります。駅は武蔵野線・西浦和駅が最寄り駅です。
NHK東京第1(594kHz)およびNHK東京第2(693kHz)の予備送信所です。本送信所は久喜市にある菖蒲久喜ラジオ放送所(300kW)で,そこが核攻撃で破壊された場合の緊急設備となっています。ただ,予備としても10kWじゃ出力小さすぎ。その割に立派な局舎には驚きます。普通は掘っ立て小屋みたいなのが建っているだけです。
NHKなのでここが消えることはないはずですが,一度も行ったことがないので見学させていただきます。
よく,第2放送が「減力放送のため,聞きにくい場合があります」と放送している場合は200kWに減力されているのですが,久喜で送信装置を切り替えて放送しているだけで,ここが使われることは試験以外はほとんどないだろう,と思うのですけどね。
西浦和駅から1.6kmで,比較的,駅から近いのですが,歩くと結構しんどいです。
中波の送信塔は支線式基部絶縁型アンテナ多く,地面に近いところに基部碍子があります。ここから上は高圧がかかっているので危険です。
頂冠部には日本では容量環(capacity ring)がついていることが多く,対地容量を増やして共振周波数を下げることで鉄塔高を下げる効果があります。ちなみに,この鉄塔の高さは130mのようです。
放送音声を受信するSTLのパラボラアンテナです。ひとつは渋谷を向いているはずですし,もうひとつは久喜を向いてんのか,と思ったのですが,NHK堂平無線中継所を向いているそうです。
たぶん,向かい合った小さな電極は放電ギャップですね。
ステーから電波が放射されるとよくないので,鉄塔からすぐのところで絶縁されています。
ただ,それにしてもここ,本来あるべきものがない
どこにもNHKラジオの送信所であることを示す看板はありません。それに,驚いたのですが,ほかの方のWEBを見ると,局舎の壁に大きく,例の玉子をかたどったNHKのロゴが設置してあるのですが,iruchanが見たところ,撤去されているようです。
普通はNHKに限らず,どこの送信所の局舎も放送局のロゴを壁に設置してあるはずです。
これじゃ,何の設備かはまったく不明......
いったい,撤去した,というのは,どういう理由によるものなのか.....。
NHKのプロパティであることを隠しておく必要があるのか......。
皆様のNHKなんじゃあ,ないんですか。
正面の局舎の壁にNHKのロゴ看板があったようなのですが.....。拡大して見たら,撤去した跡がありました。
一応,浸水に備えて高床式になった局舎の入り口ドアの横に日本放送協会 新開ラジオ放送所という銘板があります。
中波の送信所はアンテナの他にアースも重要で,接地抵抗を少なくするため,河川敷や海沿いにあることが多いのですが,ここも荒川河川敷にあり,国有地を借りているのだと思います。
それにしてもここは堤防の内側。別に核攻撃じゃなくても,荒川が増水すれば浸水して送信不能.....になるんじゃないでしょうか。大丈夫ですか,NHKさん。
アナログTVやBSアンテナもあり,中で生活? できるようになっているようです。たぶん,スタジオもあるのでしょう。
ますます,某国営放送の謀略施設......という気がします。中国語に堪能な美人アナウンサー使って対中謀略放送をしているんじゃないでしょうか。東京ローズ かよ。
まあ,放送設備と言えば,戦前なら完全に機密施設で,カメラなんて持ってうろついていようものなら憲兵につかまってスパイ容疑で尋問される,と言うところでしょうし,電波は武器とされ,対外謀略のためのプロパガンダをしていましたよね。
iruchanが子供の頃も,モスクワ放送や北京放送が中波帯でも強力に受信できましたし,今でも北朝鮮の朝鮮の声放送なんかありますよね。
昔はモスクワ放送や北京放送なんか,散々,日本やアメリカの悪口をずっと話していて,非常に気持ち悪かったですけど,よく覚えていますけど,ここも普段は使われていないし,そういう謀略放送をしているのか......なんて勘ぐっちゃいました......
実際,無人なんですが,機器は稼働しているようで,空調装置の轟音が外まで聞こえていました。
☆NHKさいたまFM & TV埼玉 平野原送信所
新開放送所にすぐ近くに,もうひとつ,タワーが建っています。すぐに分かると思います。
こちらはFM用で,1970年,NHK埼玉放送局のFM送信用として建てられ,1979年にはTV埼玉,1988年にはFM埼玉(Nack 5)が利用するようになりました。FM埼玉は1998年には本送信所は移転し,現在,ここは予備となっているようです。局舎もあったようですが,現在は撤去されています。
新開放送所から300mくらいと近いので,一緒に見学してきました。
ただ,申し訳ないのですけど,笑っちゃうくらいかっこ悪い....
東京タワーや重要文化財の名古屋のテレビ塔を設計した,搭博士と呼ばれる内藤多仲ならこんなデザインにはしなかっただろう,と思います。
もう,まるでウルトラセブンかなにか,SF映画,それも完全にB級映画にでてきそうなダサいデザイン。
もう少しなんとかできなかったのか.....。
ちなみに内藤多仲はこの塔が着工した年に亡くなっているようです。
一番上はTV埼玉の送信アンテナで双ループアンテナ,真ん中はVHF帯に特有のスーパーターンスタイル型アンテナと思いますが,複雑に絡んでいて,何が何だかよくわかりません。よく見るとバタフライ型のようなんですけどね。東京タワーなんかに張り付いているアンテナはバットタイプウィングアンテナと言って,wikiを見ると,なんとRCAの開発のようです。
☆TBS戸田送信所
普通はかういふ銘板があったり,無人局でも放送局の看板が建つてゐます。
民放の場合,本局が核攻撃で破壊されても,放送が継続できるよう,送信所にもスタジオを設け,核戦争が始まっても放送ができるやうになってゐます。う~~ん,やっぱ放送局は軍用設備だ~~~。
とはいえ,近くの電柱に津波浸水高5mとありました。鉄塔の基部が浸水しちゃいますけど,TBSさん,大丈夫ですか~~
実際,ここは常駐している人がいるようです。行ったときに荷物が配送されてきていました。
新開放送所から7kmほどのところにあります。割に近いのですけれど,地下鉄や公共交通機関はバスだけなので,自転車の方が便利です。とはいえ,至るところに高速道路があり,交通量も多く,自転車で移動するのは危険だし,しんどいです。本当に日本は自動車社会なのだな~と実感させられます。かういふ社会にしちやいけなかったのに.....。
こちらの方は住宅街のど真ん中にあり,周囲が田んぼだった新開送信所とは趣が異なります。鉄塔もAMのはすごく高いので,よく目立つのですが,マンションの影に隠れて近くまで行かないと気がつかない,と思います。
1951年9月1日に新日本放送(毎日放送)および中部日本放送(CBC)が開局したのを皮切りに民放が誕生します。どちらが第1号か,と言うと一般には新日本放送と言われますが,CBCの10年史 "東海の虹" を読むと,朝6時半に放送を開始していて,毎日放送は正午だったようなので,CBCが第1号です。"民間放送30年史" も同様の記述があるので,間違いないと思います。
TBSは12月25日に放送を開始し,民間放送の先駆けのひとつです。同じ日に京都放送(KBS京都)も開局しています。
戦前は日本放送協会だけだったのですが,若い人は知らない人が多いんですね。つい最近も,某掲示板で「TBSって戦前はなかったの」なんて書き込みがありました......
情報統制のため,戦前は日本放送協会だけで,政府のプロパガンダを担っていました。戦後,放送の民主化を目指して,GHQが民間放送の設立を促した,と言われることが多いですが,実際は,NHKの民主化を進めただけでお茶を濁し,一方で純粋な民間放送は占領政策の妨げになるため,設立を遅らせた,と言うのが実態のようです。実際,冷戦下において,ソ連や中共の影響で日本の左傾化を恐れた,というのが実際のところでしょう。
送信塔は戸田競艇場の北側にあります。やはりAMの送信所のため,接地面積を稼ぐため,広いグランドが必要で,広い草っ原に2つ,鉄塔が建っています。1本は予備とのことですが,どう考えても,構造が違うし,トラス構造で,古そうで,おそらく,1951年の開局時のものなんではないでしょうか。昔は大きな鋼管柱が作れず,こういう板材を組み合わせたトラス構造のものが多かった,と思います。
本鉄塔は高さ150mで,一般に送信用鉄塔は1/2波長で作るのが効率がよいので,TBSが954kHzとすると波長は318mなので計算が合います。とはいえ,これだけの高さの鉄塔は高コストなので,小出力の地方局だと1/4波長のところが多く,ここも予備の鉄塔は57mらしいので,これもほぼ1/4波長になっています。
と言う次第で,やはりこの予備鉄塔は開局時の鉄塔で,1971年11月に50kWから100kWに増力したときにお役御免となり,その後は予備となったんじゃ,ないでしょうか。違っていたらごめんなさい。
周囲に放射状に接地線が埋設してありますので,AMの送信所は広大な敷地が必要です。
やはり古めかしい構造です。もし,予備として同じ時期に建てたのなら鋼管鉄塔でしょうし,基部の構造も同じでしょう。
よく見ると容量環も構造が異なります。
新開放送所でも使われていましたが,碍子にパラにチョークコイルが取りつけられています。高周波電流がステーを伝わって地面に流れないようにするためと,雷電流を逃がすためです。
残念ながら,ここは2028年以降,取り壊されてマンションでも建つんじゃないでしょうか......。
☆戸田送信所の変遷
TBSの最初からの送信所ですが,同じ場所で何度も鉄塔は移転しているようです。地図は今昔マップon the webから拝借しました。
なにもな~~い。
けど,戸田ボートレース場はこの頃からあったのですね。戸田市は市制前で,埼玉県北足立郡戸田町です。 市制施行は1966年です。
残念ながら,肝心の開局当初の1950年代の地図がないのですが,ほぼ建設当初と思います。鉄塔→の南に小さな局舎が見えます。
鉄塔が南に1ブロック移動し,北側に新局舎→ができています。この鉄塔は時期から見て,100kW用ですね。
再度,鉄塔が移動します。新たに建設されたのか,移動したのか,不明ですけど,現在の鉄塔だと思います。局舎はもとのままです。東北新幹線&埼京線が開業しました。田んぼ⇒工場⇒宅地と周囲の環境が変わっていきます。
予備の鉄塔が建設されました。開局当初の鉄塔ではないか,と思うのですが,増力時から13年経っていますし,保管していたのを再度,建てたようにも思えないですけど......。でも,今の予備鉄塔はちょっと古そうですよね。
現在の局舎が建設されました。旧局舎の部分の土地は売却され,現在は別の建物が建っています。
☆AFN和光送信所
こっちはマジで軍事設備です.......
カメラで写真撮っていて,米兵に撃たれても,MPに拘束されて極東軍事裁判所で「人道に対する罪」で裁かれてもiruchanは関与しません.....。
驚いたことに,この鉄塔は2006年に建て替えられているようです。
TBSの戸田送信所のように,1本が予備,と言うわけではなくて,2本同時に使って指向性を持たせています。特に神奈川方面へ飛ぶようにしているらしいです。
国内では他にもニッポン放送の木更津送信所やラジオ関西の淡路送信所が指向性を持たせるため,鉄塔が2本あります。この場合,両方の鉄塔に送信機をつなぐ双給電方式と,片方にはつながない単給電方式があります。おそらく,どれも双給電方式だと思いますが,確信はありません。
1945年,日本が敗戦すると米軍が日本に進駐し,各地に散在した米兵の慰問,情報伝達のため,英語の放送局が各地にできました。Far East Network: FENですね。
現在はAMは岩国,三沢,佐世保,那覇にあります。終戦直後は各地にたくさんありました。
1997年にAmerican Forces Networkとなり,AFNと呼ばれています。
iruchanは英語の仕事が多いんですけど,ここはほとんど聴きません。なによりあまりに話すのが早くてとても聞き取れないのと,ロックばかり流していて,あまりに文化的にアメリカンでとてもついて行けません。
同僚が,「これからFEN聴く」なんて言っていましたけど,あんた,ジジイ!!
戸田送信所から6kmほどなんですけど.....しんどかった
川や首都高があるし,その上,地形も丘陵地帯で,結構,和光市内ってアップダウンが激しいんですね.....。ここへ行くならレンタカーの方がよさそうです。
周囲の柵は高いし,非常に頑丈です。上の方は有刺鉄線です。中は地雷原かも......
また,日本の送信所は草刈りこそしてありますけど,芝生じゃありません。やっぱ,アメリカだな~~。
日本の鉄塔のように,容量環はありません。容量環があると,高さを稼げる(鉄塔が低くてもよい)のですが,さすがアメリカは容量環なしでも大丈夫なようです。といって,建て替え費用は日本が出したんじゃ,ないでしょうか。
旧鉄塔は,皆さんの写真を見るとTBSの予備鉄塔同様,トラス式のようです。
残念ながら,局舎を見てみたい,と思いましたが,どういうわけか,気がつきませんでした。道路に沿って,送信塔の南側にあるようですが,なぜか見落としちゃいました。理化学研究所の敷地内にあるのか,と思ったのですけど,そもそも,なんでこんなところに理研があるのか......。
理研って,戦前の日本の科学研究の最先端を担っていました。今,この組織がどういう研究をやっていて,どういう収益を得ているのか,知っている人は少ないでしょう。ひょっとして,今も政府から委託を受けて ニ号研究 をやっているのかも......
送信所となりの和光市第四小学校で保存されているC12 85。iruchanはすらっと細長い煙突のC12が好きなので,写真を撮りました。
でもこの機関車,前照灯と煙突の間にヘンなものが.....なんと,ベルがついています。
もとは野牛などを追い払う目的で,米国製蒸機ばかりでなく,機関車には取りつけられています。踏切や構内走行時などに鳴らされますね。でも,なんでC12についているのか......。
和光市にはFENの放送局ばかりじゃなく,南側は米陸軍第8軍団の基地である,キャンプ・ドレイク(朝霞キャンプ)がありましたので,米兵のご機嫌を取るためベルを取りつけたのか,と思いましたが,どうも晩年は大宮工場の入換機として活躍していたらしく,構内走行時の警報として使用されていたようです。
さて,ここから16kmほど先,川口市の文化放送送信所を訪ねたかったのですが,あまりに暑いし,車も多く,アップダウンも激しいのでギブアップ!
また,次回,です。
☆ ☆ ☆
☆おまけ~名寄ラジオ中継放送所~
以前,北海道のラッセル車を撮りに行ったときに,道道252号線を走っていたら,名寄の中継施設があったので,写真を撮っておきました。このとき,今はなき,北星駅へ行く途中でした。
ここから北にはラジオ放送の送信所は稚内の他,オホーツク海側の中頓別,日本海側の遠別にあるだけです。
NHK旭川第1(837kHz),第2(1125kHz)の中継放送所です。いずれも出力は1kWです。
STVラジオ(1197kHz)はTVと共用で,名寄市砺波に,北海道放送(1494kHz)は名寄市緑丘にあります。今度,ラッセルを撮りに行ったら見に行こう,と思います。
普通,かういふ風に,NHKのロゴがあります。
立派な銘板
2020年2月2日撮影
ソニーSRF-A300のAM広帯域化&ワイドFM対応改造ほか~その2:ワイドFM対応&スイッチ不良,AMステレオインジケータ取付~ [ラジオ]
2023年9月9日の日記
先週に引き続いて,ソニーが1993年に発売した,AMステレオ対応SRF-A300の修理&改造をします。
☆ワイドFM対応工事
FMは従来どおり,76~90MHzで,ワイドFMには対応していませんので,FMバンドを再調整します。
すでにたくさんの方がやっておられるようですが,iruchanはまだやっていませんでした。なお,本調整はテストオシレータや周波数カウンタなど,測定器が必要ですし,後戻りできない部分もあるので,あまりお勧めしません。
FMラジオはスーパーヘテロダインなので,局発の周波数をラジオの受信周波数よりIF分(10.7MHz)だけ低く発振させます。AMの場合はIF(450kHz)分高く発振させますし,海外のFMラジオも同様に高い方にしますが,日本ではFMバンドのすぐ上にTVの放送帯があったため,下側ヘテロダインとなっています。
そのため,76~95MHzを受信するためには,65.3MHz~84.3MHzで発振させればよい,と言うことになります。
もっとも,ギリギリだとすべての局が受信できるとは限らないので,多少,幅を持たせてありますし,実際,上限が90MHzのFMラジオでも,TBS(90.5MHz)くらいは受信できますね~。TBSはこれを狙ったのか......。
詳しくはこちらの記事もご参考になさってください。
さて,FMのバンド変更の場合,バリコンのトリマと,発振コイルを調整する,と言うことになります。トリマが上限,コイルが下限周波数を決めています。また,トリマコンデンサはスーパーの場合,2つありますので,あくまでも局発コイルに並列に入っているトリマをいじりますので,ご注意ください。
→の位置に黒いマジックの印をつけておきました。これが元の位置です。かなりずれていることが分かると思います。
基本的には,
①トリマの容量を減らす‥‥‥‥羽根の重なり具合を小さくする。
②コイルのインダクタンスを増やす‥‥‥コイルを詰める
という方向で調整します。コイルはFMの場合,空芯コイルであることが多く,一度,調整すると測定器がないと,後戻りはできなくなりますので,注意が必要です。
バンド調整には,局発のバリコンのトリマと発振コイルをいじります。入力側(RFやANTの記号がある)はいじりません。日本ではFMでは不要電波輻射防止のため,高周波増幅(RF)がついています。RFコイルやトリマはいじりませんのでくれぐれも間違えてこちらをいじらないようにしてください。
さて,バンド調整には......
スーパーヘテロダインのラジオでは,トリマで fH が決まり,コイルで fL が決まります。最初に,トリマで fH を決めると,fL が上がってしまうので,コイルを調整して下げる⇒再度,トリマを調整⇒コイルを調整⇒.....を繰り返します。
この調整を何度も繰り返して,76MHzと95MHzがちゃんと受信できるようにします。
なんですが.......。
今回,驚いたことに,①で95MHzを受信できるようにしただけで,おしまい,にしちゃいました。
というのも,ちゃんとダイヤルの下の方で76MHzがほぼ元の位置で受信できましたので....
おそらく,もとのソニーの調整担当の方が,▲の←→のように,75.5MHzくらいまで受信できるように調整していたため,と思います。
最初に書きましたとおり,ある程度,局発の発振周波数は幅を広げておかないとギリギリの局は受信できないためで,下限が少し,余裕があったのだ,と思います。
と言う次第で,あえてコイルは調整せず,このまま,としました
iruchanは完成品を再調整する場合はできるだけ,故障したり,劣化して不具合がある場合を除き,オリジナルの状態をいじらないようにしています。特に,fL はコイルをいじらないといけないので,こちらをいじっちゃうと元に戻せませんのでできるだけいじらない方が無難です。
これで無事にワイドFMが聴けるようになりました。
なお,当然ですけど,▲の図からもおわかりの通り,もとのダイヤルの90MHzのところで95MHzが受信できるようにするので,指針はダイヤルの下の方にずれちゃいますので,ご注意ください。これはダイヤルを作り直さない限り,直せません。
☆電源SWの不良
次に,電源を切っても,かすかに音が出ているという怪談 を退治したい,と思います。これ,よくある現象ですけど,気持ち悪いですよね~~。
おそらく,内部の端子が汚れていると思います。
一番よいのはSWを交換しちゃう,と言うのがいいですが,問題は同じスライドSWを入手できるかどうか不明です。6Pの双極双投のタイプで,ごくありふれたSWですけど,まったく同じサイズ,と言うのを見つけるのは大変そうです。
と言う次第で,カバーを外して接点を磨くことにしました。
やっぱり,接点が黒く汚れていて,アルコールで拭いてきれいにし,タミヤの導電グリスを塗っておきました。
簡単には接点復活材を使えばいいのでしょうけど......うっかり,バリコンにかかったりしたら大変ですので,使わないようにしています。言うまでもないですが,接点復活材は導体ですので,これをバリコンにかけるとラジオが使用不能になりますので,ご注意ください。
これで,無事にスキッと電源がoffできるようになりました
夜中にボソボソとラジオがしゃべってる,という 怪談 はまっぴらですので......
☆AMステレオインジケータ
苦労してここにステレオインジケータLEDをつけたのですが......。
ソニーのAMステレオラジオは,ステレオ受信時にLEDが点灯する,という仕組みになっていません。せっかく,AMもステレオになった,というのに,ちょっと,これは残念。AMステレオが普及しなかった理由のひとつかも.....
前回,本機のAMステレオデコーダは,CXA1657MとCXA1758である,と書きました。Motorolaや東芝と違って,ソニーのAMステレオデコーダは2つになっているのが特徴で,AMステレオラジオ第1号のSRF-A100でもCX857とCXA1017Mの組み合わせになっています。前者がPLL同期検波用で,後者がステレオマトリクスとなっています。
そう,ソニーのAMステレオICはモノラル時でも同期検波をするようになっていて,Motorolaなど他社のAMステレオICと異なります。だから,モノラル受信時でもひずみや雑音の少ない良好な音質となっているはずです。
実際,Motorolaや東芝のICはL+Rは通常どおり,エンベロープ検波をして出力しており,L-Rの差信号はPLLで同期検波して出力しています。
やはりエンベロープ検波ではひずみが多いし,何より同期検波じゃないので,雑音や混信に弱くなります。
ソニーのAMステレオラジオは同期検波しているので,モノラルの局を受信するときでも音がよい,と思います。
さて,ステレオインジケータですが,Motorolaや東芝のAMステレオデコード用のICはステレオインジケータがついています。
ソニーのも同じで,インジケータ機能があるだろう,と思っていました。
ただ,確認しようにも,残念ながら,CXA1657MとCXA1758の規格表が入手できません。
困ったな....
ただ,米国向けのSRF-42が同じICの組み合わせで,サービスマニュアルを入手することができました。
すると......
SRF-42のAMステレオデコーダ回路
同じサービスマニュアル中のCXA1657Mのブロック図
CXA1657Mに,ST INDというピンがあるではないですか!。ラッキー
ところが,このピン,どうもステレオインジケータではないようです。
SRF-A300では,この#12のピンは基板を確認したところ,GNDに接続されています。
と言うことはオープンコレクタか,と思います。これだったら,このオープンコレクタがonのときに外部から電流を吸い込むので,LEDを接続できるはずですし,使わないときはGNDに接続しても,ICは故障しないはずです。
と考えて,実際に配線してみたのですが.....。
ダメでした
確かに,バンド切替SWをAMにし,モードをstereoポジションにしてみると,このLEDが点灯するのですが,点きっぱなし
FMにしたり,モードをmonoにすると消えるので,配線は間違っていません。
残念ながら,このCXA1657MというICのST INDという#12ピンは,"AMステレオを受信する準備ができました" と言うだけのピンのようです.....
はつかりがっかり。
SRF-42のCXA1758には,#4ピンにINDというピンがありますが,残念ながら,これを利用するのもダメなようです。
と言うのも,CXA1758は同期検波用のICで,このピンは内部のPLLが動作し,VCOがロックしたことを示すインジケータのようで,ラジオとしては,ステレオであろうが,モノであろうが,局に同調してVCOがロックすると点灯するので,ステレオインジケータにはならない,と思います。
残念ながら,結論として,ソニーのデコードICにはその機能はないようです。だから,ソニーのAMステレオラジオにはインジケータがないのです。
残念ながら,ステレオインジケータは失敗でした.....
なんとか,リベンジしたい,と思います。
2023年9月14日追記
今日,とうとう阪神タイガースが優勝しました
いや~~よかったです
クソ巨人 破って甲子園で胴上げ,なんて最高でした
早速,改造後のSRF-A300でAMステレオで録音しました。
ちょっと録音はノイジーですけど,選手の方は全然打たんしあかんな~,やはりAMステレオはいいですね~。
セラミックフィルタも広帯域のものに交換したので,オリジナルとは全然違う音質です。最後の表彰式の女声アナウンスなんて,いい音でしょ。
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
PCのラインイン入力を使って録音しました。
それにしても次,阪神が優勝するときはニッポン放送もAMステレオどころか,AMやめちゃってるだろうな......
2023年10月2日追記
ちょっと,▲の阪神優勝の時はノイジーだったので,今朝,ニッポン放送の開始放送を録音しました。
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
Enyaの曲が美しいですね~。君が代を流すのは民放ラジオではニッポン放送だけのようです。
できるだけ長く,AMステレオの音が聴けるようにお願いします。
2023年11月5日追記
とうとう,阪神タイガースが38年ぶりに日本一になりました
iruchanはちょっと怖くて,とてもTVは見ていられないので,ずっとニッポン放送を聴いていました。
4回のノイジーの3ランホームランは本当に値千金でした。
といふことで,けふは六甲おろしをSRF-A300で録音したので,お届けします。
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
ソニーSRF-A300のAM広帯域化&ワイドFM対応改造ほか~その1:セラミックフィルタ&ダイヤルバックライトLED交換~ [ラジオ]
2023年9月3日の日記
残暑お見舞い申し上げます。それにしても暑いですね~~
ただいま,ワイドFM受信中。バックライトも明るくしました
iruchanもすっかり夏の間はぐったりで,なにもする気がせず,ブログの更新もできませんでした。地球はもうすでに,point of no return(もう引き返せない点)を通り過ぎてしまった,と思います。将来どうなることでしょうか.......
さて,先日,実家へ行って,ソニーのSRF-A300を聞いていたら,ちょっと故障気味なので持って帰ってきました。
症状としては,
電源SWをoffにしていても,音が聞こえる.......
マジかよ.....
それこそ,誰もいない部屋でラジオが鳴っているのを聞いたら,真夏の夜の怪談 って思っちゃいますよね......
これ,よくあることで,電源SWの接触不良で,接点が微妙にoffにできず,多少,抵抗値を持っていても導通してしまっている状態,です。
そのほか,たまにTVが夜中に突然,onするっていう恐ろしい怪談 もありますのでご注意ください。
怖っ~~~
TVの場合,たいていはリモコンの電池が古くなってきて,電圧低下して誤動作している場合が多いです。
と言うことなんですが,ソニーのSRF-A300もいずれ,ワイドFM対応改造をしよう,と思っていたし,他にもやりたいことがあったので,この際,修理ついでに改造しちゃいます。
☆ ☆ ☆
ソニーのSRF-A300は1993年10月,ソニーが発売した,AMステレオ対応スピーカーつきポータブルラジオです。
AMステレオ放送は1992年3月に始まっていますが,当初,ソニーはSRF-M100やSRF-AX51Vなどを発売しましたけど,いずれもヘッドホンで聴く,と言うラジオだったので,本格的なスピーカーつきラジオを待っていました。
iruchanは速攻で1台買いました。
何より音がよいし,AMステレオにも対応しているので,愛用しています。FMは76~90MHzで,日本の従来のFMバンドラジオです。
惜しいのは,TV 1~3ch.にも対応して,108MHzまでだったら,ワイドFMにも対応していたのですけどね.....。
残念ながら,AMステレオはもはや風前の灯火で,国内ではニッポン放送,ラジオ大阪,和歌山放送がやっているだけになりました。
TBSなんかは大相撲中継なんかもやっていて,NHKで聴くより断然,臨場感がよく,とてもよかったのですけどね....。TBSは2011年にAMステレオから撤退しています。
それどころか,とうとう2028年には民放各局はAM放送から全面的に撤退するようで,2027年以降はNHK以外はごく一部の民放がAMバンドに残るだけ,と言う状況になりそうです。
ラジオ大好きなiruchanはとても残念なんですけど.....。
さて,SRF-A300ですが,音がよいのにとても感心しているんですが,まだちょっと不満が残っています。
なにより,ミョ~~に図体が大きいのもちょっと残念で,ソニーにしては図体が大きすぎます。ソニーだったら,米国向けのSRF-A100くらいのかっこよい小さなラジオを発売してほしかった,と思います。
大相撲中継もステレオでやっていたし,ポータブル,据置両方で使える,ということで高齢者向けに大きくしたようです。PLLシンセじゃなくて,アナログチューニングなのもそのためのようです。AC100Vが直接使えるようになっているのもこのためか,と思うんですが,必要だったのか......電池とACアダプタでよかったんじゃ,ないでしょうか。
また,音がよいと言ってもAMについては,iruchanは少し,不満を持っていました。
例の狭帯域病です
日本のAMラジオって,アジア各国の強力局からの妨害がひどいため,帯域幅が異常に狭くなっています。特に,1978年11月に,アジア地域の置局間隔が9kHzに変わってから余計ひどくなりました。帯域幅±3kHzなんてラジオも多く,高音がまったく出ないため,「AMは音が悪い」というイメージが定着する原因にもなっています。
SRF-A300はAMステレオ対応,と言うこともあり,広帯域のセラミックフィルタを使っているようですけど,これでもまだ狭い,と思っています。もう少し高音が出てもいいのでは,と買ったときから思っていました。
今回,分解するついでに,もっと広帯域のセラフィルに交換してやろう,と思っています。
さらに,
ダイヤルにバックライトがついていて,暗いところでチューニングするのに便利なんですけど,これが暗い
緑色のLEDを使っていて,ダイヤルが緑に光るようになっていますが,かなり暗い。
まあ,当時は青色LEDも発明されていないし,LEDはありましたけど,まだ輝度が低く,暗いです。
ソニーのチューナーはどれも確かに,バックライトが暗く,iruchanが持っているST-5000Fなんて点いているのか分からないくらい,暗いんですが,SRF-A300も暗いので,最近の高輝度LEDに交換したい,と思います。
最後にもうひとつ。
AMステレオ対応,って言っているのに,AMステレオのインジケータがありません......
ソニーのAMステレオラジオはどれもついていなくて,SRF-M100もついていません。かろうじて,米国向けのSRF-42だけはAMステレオ時に同調用のLEDが明るく光るのですが,これくらいです。
せっかくのAMステレオラジオなのに,なんでステレオインジケーターがないんでしょ。
ということで,iruchanもずっと昔から疑問に思っているので,この際,ステレオインジケーターをつけられないか,検討することにしました。
さて,まずは分解。
図体がミョーに大きいことが幸いし,分解は簡単です。⇒と印のついた場所のプラスねじを全部外すと簡単にケースが離れます。電池箱の中にも1本,ありますので,ご注意ください。
プリント基板は両面基板で,上面にはパワーアンプのCXA1522Pがつけられています。
下面にラジオ関係のICがついています。
フロントエンドはCX20111で,AMステレオデコーダはCXA1657MとCXA1758が使われています。後者はシールドで覆われていて,見られません。
ただ,残念ながら,CXA1657MとCXA1758のデータシートは見つかりません。ステレオインジケータがつけられるかな.....。ちょっと,困ったな.....。
セラフィルはムラタのSFP-450Gでしたが,残念ながら,iruchanが持っている当時のムラタのデータシートに記載がなく,詳細な規格は不明ですが,末尾の文字は帯域幅を表していますので,Gということは-6dB帯域幅で±4.5kHz以上,ということを表しています。
う~~ん,やっぱまだ狭いよな~って思いました。
AMステレオ用としては,SFG-450Dと言うのが有名で,AMステレオ開始時に秋葉原でなんとか入手可能でしたので,iruchanもエレキットのJE7514や自作チューナで使っています。これは帯域幅は±10kHzです。これに交換するとかなり音がよくなるはずです。
幸い,ピン間隔も同じで,簡単に交換できます。
次に,ダイヤルライトも交換しておきます。
オリジナルは小型のリードタイプの緑色LEDです。非常に小さく,当時,最小のLEDではないか,と思います。
ただ,取り外して調べてみると,やはり暗~~い
現行の高輝度LEDに交換しよう,と思います。
ただ,こんなに小さなLEDは今じゃ,表面実装のものばかりです。はんだづけできなくはないですけど,何かいいものはないか,と秋月のWEBを見ていたら,いいものを見つけました。
驚いたことに,形状がソニーのオリジナルとぴったりなんですが,驚いたのは輝度。12000mcdです。
最近のLEDはとても明るくて,逆に明るすぎて苦労するくらいですが,それでも輝度は1000mcdくらい。こいつは一桁違います。最初,何か間違っているんじゃ,と思いました。同じ形状の赤や青だと4200mcdなので,どうも緑色は非常に明るいLEDが作れるようです。
台湾OptoSupply社のLEDですが,リード線もついているし,何か便利そうなので,他に白色も買いました。
やはり非常に明るい~~
ソニーのオリジナルのは9V電池と1kΩの抵抗を直列に入れた状態で,これでも点灯しているかどうか分からないくらい,暗いです
左はまだソニーのオリジナルのLEDです。これくらい輝度が違います。30年でこれだけ進歩したのか.....と。もっとも,オリジナルは東芝製だと思いますが,新しい方は台湾製ですけどね.....
反対にOptoSupplyのは明るすぎるくらいで,SRF-A300は▲の写真から分かるとおり,直列に220Ωが入っていますので,これを2.2kΩくらいにしないと明るすぎるか,と思いましたが,面倒なのでそのままLEDだけ交換しました。
結果オーライですけど,これで十分明るく,また,明るすぎる,と言うこともない感じなので,このままにしました。
オリジナルの状態を撮り忘れましたけど,それこそ,点灯しているかどうか分からないくらい,暗かったです。
やっぱ,非常に明るい~~
思わず,
♪ 明る~い○○○○○,明る~い○○○○○,
みんな~~,うちじゅう~~,なぁ~んでもソニー~~......♪
っと。
この歌が歌える人はもう相当なおじさん,おばさんだと思います。よく,水戸黄門見ていたな~~。やっぱ,水戸黄門はiruchanは東野英治郎なんですよね~~(古っ!)。西村晃は許せるけど,里見浩太朗や石坂浩二は許せないな~~
iruchanはソニー党で,昔から○○○○○の製品はもちろん,真空管や半導体は嫌いなので,ラジオやオーディオ,TV,HDDレコーダはすべてソニーです
この状態で,ラジオを聴いてみましたが,やはりAMはセラフィル交換しただけあって,びっくりするくらい,非常に音がよくなりました。冗談じゃなく,FMと遜色ない音質です。
ちょっと長くなりましたので,ワイドFM化工事はまた次回,とさせていただきます。お読みくださいまして,ありがとうございました。
E10に会いに......。~さよなら青梅鉄道公園~ [紀行]
2023年7月8日の日記
とうとう,青梅鉄道公園がリニューアルのため,9月から2年間閉園する,とニュースが出ました。
以前から,ここがしばらく閉園する,とは聞いていたのですが,9月とは思わなかったし,また,夏休みで混んでくる前に,と思って出かけました。
そう,ここにはiruchanの地元の北陸を走った,E10が保存されています。
30年前に一度,会いに行っているのですが,今回は家族連れて会いに行ってきました。
何より,一番の心配は新しく展示場所ができたから,とかリニューアルというついでに,今まで保存していた機関車を解体してしまう例が多いことで,例えば,EF58 122とか,ED62 14とか貴重な車両を簡単に捨ててしまったどこかの博物館とか,先例がありますし,ここも先ほどの記事にあるとおり,JR東日本は「リニューアルでは記念館を建て替え、展示車両を見直す」と言っているのが心配。
まあ,まさか,全国で1両しか保存されていない,E10を廃棄する,とは思えないのですけど......。
でも,屋根もないところに展示されているし,以前はスシ28が展示されていましたが,解体されていますし,1982年9月には大雨で法面が崩れ,今は大宮にいるC51 5が崖下に転落したこともあり,国鉄末期のずさんな経営のひとつとしてとばっちりで批判されたこともありましたけど,こういうことがあっただけに,ちょっと心配です。
E10は板谷峠向けに1948年に5両だけ製造されていて,JR東日本とは縁もゆかりもない訳じゃないですけど,翌年4月には直流電化されて,肥薩線へ飛ばされ,そこでもすぐに横圧過大とのことで北陸本線の倶利伽羅峠に移動するのですが,そこも1955年には新倶利伽羅トンネルが開通してご用済みとなり,結局は本領発揮できないまま,米原~田村間の交直接続で余生を送ったのはよく知られています。
結局,そこでも,余剰となったD51などを使う方が得策とされて,1962年には廃車になっています。iruchanが生まれるずっと前のことなので,現役の頃には見たことはないのですけど......。
ということですけど,E10に会いに行ってきました。
☆ ☆ ☆
なんて立派な おうめ......(島本須美さんの声で!)
って,つぶやいちゃいました......
このギャグ? で笑う人は相当なおじさん&おばさんだと思います
もちろん,1924年,青梅鉄道本社として建てられた歴史的名建築です。直線を活かしたアール・デコ風のデザインがとても印象的です。
同様に,1931年に豊川鉄道本社として建てられたアール・ヌーボー調のモダンな豊川駅を建て替えちゃったバカな会社と違って,ここは昭和レトロとして市を挙げて街作りに取り組んでいるところなので,駅舎は2005年にリニューアルしています。
1962年に,鉄道開業90周年を記念して建設されました。
某社の博物館は,鉄道記念物 蒸氣動車と十河さんが揮毫した石碑を捨てちゃいました。その会社は十河さんのおかげでご飯が食べられるんじゃないでしょうか........
どちらも,古い記念物を長く保存するとともに,博物館に来た,若い子供達が古い機関車や設備などの実物に実際に触れてみて,鉄道の長い歴史や昔の人たちの汗と努力の跡に何か感じてもらって,子供達の将来に少しでも何か役立てば,と十河さんが筆を執られたのだと思います。
ここがこの貴重な石碑を大切に保存し,末永く記念してほしい,と思います。
大好きな8620や9600も保存されています。どうもiruchanは昭和の機関車が好きになれません.....。英国風の優美な化粧煙突が美しく,大正期の機関車はとても好きです。
昭和期に入ると,途端に武骨なアメリカンな機関車デザインとなり,好きになれません。
どうも,第1次世界大戦が終結し,日英同盟を破棄することになって,日本が誤った方向へ進んでいくのと,軌を一にしている気がしてなりません。機関車は国を表す,のではないでしょうか。
残念ながら,iruchanは青梅,南武線のEF15は現役の時に写真を撮ることができましたが,さすがにED16は拝島駅で留置されている姿しか見たことがありません。小型の箱形デッキ付機関車はとても好きです。
残念ながら,1号機はすでに解体されてしまっていたので,保存されたのは2号機です。
残念ながら,汽車会社の銘板は取り外されていました。また,今は車号銘板は背景が赤く塗られています。
と言う次第で,30年前に撮影した銘板を載せておきます。
後退運転がもともと定位だったので運転台は助士席側に設けられていましたが,米原~田村間の交直接続が目的となったので,好都合だったでしょう。ブレーキ弁や加減弁が普通とは反対の位置についているのが分かりますね。
英Leaderや米Southern PacificのAC-12同様,日本で唯一のキャブフォワード機と見ることもできるのではないでしょうか。
1969年汽車会社製の22-75。大窓が懐かしいですね~。敵性文化? としてリニューアル後は微妙な車両ナンバー1じゃないでしょうか。貴重な大窓車だし,ぜひ,このまま保存してほしい,と思います。
ヘタすると,最近,びっくりしたのですけど,北海道の第1号機関車で小樽市総合博物館に保存されているED75 501号機みたいに,PCBを含んでいるから,ということで解体される可能性もあります。22型だから主変圧器積んでいるはずで,やばいな.....。
引き出し式のテーブルや,今じゃ考えられない灰皿が懐かしいです。
☆ ☆ ☆
ということで,30年ぶりにiruchanは青梅鉄道公園に行ってきました。あの頃は独身だったし,今回は家族連れで,でした。30年は長いですね~~~。
それにしても再開は2026年春のようですけど,車両は解体せず,このまま保存することを強く希望します。
お昼は麓のアトリエよぎさんで,美味しいチキンのトマト煮込みのランチをいただきました。挽き立てのコーヒー込みで850円ととてもお得でした。ご主人はギターアンプの真空管マニアで,話があいました。
☆おまけ☆
消えてしまった豊川駅舎です。
最近はマメに駅の写真を撮ることにしていますけど,次に訪れたときは駅が変わっている,と言うことが多すぎます。街の風景になっているところも多いし,何よりこういう戦前の名建築を壊してしまうことには大反対です。
USB扇風機の修理 [パソコン]
2023年7月9日の日記
ちょっと更新が滞ってしまいました.....
今日は頼まれモノです。
中華製のUSB接続の扇風機をどうも落として壊してしまったらしく,コネクタが完全に外れてしまって飛び出しているので,修理します。
ファンへつながる赤黒の線と,制御基板につながる4本の線があります。制御配線は何ら色分けもしてないので,簡単にマジックで印をつけました。
USB接続と言っても,単に電源線(4個所接点があるうち,両側2点)を使っているだけで,データ線(真ん中2個所)はつながっていないことは分かります。
なお,Micro USB以降,端子が同じ形状になったので,ホスト側とデバイス側を区別するため,IDという線が追加されています。スマホをつなぐ場合,ホストか,デバイスかどちらでもあり得るので,区別する必要があり,追加されています。普通は空きか,GNDに接続します。
まあ,ケースもプラですし,今,秋月でこんなコネクタ▼を売っているので,簡単だ,と思いました。
マイクロUSBコネクタを基板化し,さらにパネルに取りつけられるよう,L型のアングル金具がついています。マイクロUSBだけでなく,type C用もあります。使用するのはVBUSとGND端子のみです。
オリジナルの基板からパターンを読み取ってケーブルをはんだづけして終わりです。
無事に修理完了。
中身は昇圧コンバータを使用しているらしく,12Vのファンを動かしています。マイコンじゃなく,専用のファン制御ICを使っているのだ,と思います。昇圧比を変えて速度制御しているのでしょう。
青色LEDが気に入りませんけど.....中国の人はどうも青が好きなようですね......
Planex WiFiルーターの接続~Flet's光で自前のWiFiルーターを使う場合~ [パソコン]
2023年5月15日の日記
iruchanはNTTのFlet's光を使っていますが,ちょっと今回は引っ越しで作業中です。
前回,Planexのとても古いWiFiルーターを修理したところまででした。今回,引っ越し先ではひかり電話を使わないので,NTTが貸してくれる装置はなぜか,WiFiがついていないので,別途,WiFiルーターが必要と言うことを書きました。
これ,NTTのおばはんは,「お貸しする装置はLANが1個しかついていません。」という説明だけ,でした。
これじゃ,何を貸してくれるのかわからんだろ~~
今まで,iruchanはひかり電話を使っていたので,何回も引っ越ししていますけど,毎回,レンタルしてくれるのはルーターで,今回もルーターだ,と思ってしまっていました。
正確には,NTTが貸してくれる装置は,ひかり電話つきの場合,光回線終端装置(ONU)とルーターが一体化した,光ゲートウェイと言う装置と,ひかり電話がない場合,光回線終端装置(ONU)のみ,ということなのです。
「お貸しする装置はONUという装置で,お客様のパソコンと接続するにはLANで接続してください。ノートパソコンやスマホなど,WiFiをご利用になる場合は別途,WiFiルーターをご用意ください。」と説明してくれれば,すぐに分かった,と思います。
おまけに,引っ越し当日までに,宅配便で,ONUを送ってくれるのですが,説明書や接続ガイドが入っている,なんて思ってはいけません。送られてきたのは,以前,使っていた光ゲートウェイと同じ,沖電気製のもので,RT-400MIという機械のようですが,悪い予感がしていました......。
予想どおり,送ってきた箱に同梱されていたのはぺらっと紙1枚の装置そのものの説明書だけで,接続ガイドやマニュアルのようなものは一切入っていません.......
いったい,これでどう配線して,どう設定するんだよ......と思っても,"お客さんが弊社が推奨してもいない,WiFiルーターを買って勝手に接続するんだったら,弊社は一切関与しません。" と言うことなんでしょう。
と言う次第で,そもそも,接続から考えないといけません。
iruchanは,最初,送られてくるのはLANが1個しかないルーター,だと思ったので,えらい目に遭いました。
この場合,WiFiルーターの背面にある,WANにLANケーブルをつなぐ必要があるのですが.......これじゃ,つながりません。前回,紹介した,ネット上につながっているすべての機器のIPアドレスを調べてくれる,NetEnumというフリーソフトで調べてもPlanexのルーターが顔を出さないので,つながるわけがありません。
おっかし~~~な~~~~。
WANとはWide Area Networkのことで,LANのLocal Area Networkとは異なります。まあ,インターネットの場合は入り口のことですが,日本製のルーターにはWANと書いてなくて,internetと書かれていることが多いのは問題かもしれません。
また,同じRJ45端子なので,LAN端子の色が青になって区別していることが多い,と思います。
これで数時間悩んじゃいましたが,ひょっとして,これって,単なるONUか,と気がついてようやく接続が分かりました。
ONUは早い話,光ファイバー用のモデムと考えればよく,PCとは普通にLANケーブルで▼のように接続するとインターネットに接続できます。
まあ,Windows95の頃は,これでよかったのでしょうけど,今はスマホがありますし,単身赴任の人でもこんな接続にしてインターネットとつなぐ,なんて言うことはないでしょう。
この場合,Windowsの "ネットワークとインターネット" を設定し,プロバイダから提供された,ユーザIDとパスワードを入力するだけでインターネットにつながります。
次に,自分で用意した,WiFiルーターをFlet's光に接続する場合,正しい接続は▼の通りです。
今回,iruchanはデスクトップPCもWiFi接続するようにしたのですけど,有線LANで接続するときはルーターのLAN端子に接続すればOKです。
また,ルーターはルーターモードで設定します。アクセスポイント(AP)じゃないので,ご注意ください。
また,ONUとの接続は,LANケーブルをWANに接続します。ONUとルーターの間はDHCP接続にしておきます。
もうひとつ,iruchanは別の家で,ひかり電話を使っているので,WiFiユニットなしの光ゲートウェイを使っていますが,この場合,その光ゲートウェイにはルーター機能がありますので,別にWiFiルーターを用意した場合はそのWiFiルーターはアクセスポイント(AP)モードで設定します。この場合ケーブルケーブルはLAN端子に接続します。
そういう場合は▼のような配線と設定になります。BuffaloのWiFiルーターを使って,こんな風に配線しています。
ま,確かに屋内の機器接続については,いろんな接続方法や配線があるので,NTTがなんらネット接続の手引きみたいなガイドを入れてくれていなくても,しかたない,と言ってはそうなんですけどね......。
もちろん,NTTから,WiFiユニットをレンタルして,光ゲートウェイに取りつければ,別付けWiFiルーターは必要ありません。
ただ,そのWiFiユニットは330円/月取られるので,余っていた古いPlanexのWiFiルーターを使うことにしました。WiFiルーターは4000円くらいなので,1年もすれば,元が取れますね。
☆ ☆ ☆
さて,お次はWiFiルーターの設定です。
前回,Planexのこのルーターは不安定で,ネットの情報によると,製品自体,台湾のEdimax社のBR-6424nというOEM製品ですけど,なぜか,ファームウェアはBR-6425nのver. 1.21というのが適しているらしく,これだと安定して動作するようです。
実際,使ってみると,よほどPlanexのファームウェアより安定していますし,また,機能も多いです。
ただ,その分,設定は厄介で,Planexのだとすぐにつながりましたが,このEdimaxのファームウェアの場合は結構手こずりました。
と言う次第で,最初はPlanexのファームウェアで接続していました。ところが,Planexのファームウェアには,WiFiスケジュール,と言う機能がないので,Edimaxにして接続しよう,と思いました。
普通は,プロバイダから提供されたUser NameとPasswordを設定しておしまい,と言うくらい簡単ですが,ルーターとONUのあいだのDHCP接続がうまくいかず,意外に手こずりました。
なぜか,Planexのファームウェアでは,帯域は20MHzだけでないとつながりませんでしたが,Edimaxのファームウェアだと,20/40 MHzでもOKでした。接続速度を調べてびっくり。20MHzだと1Mbpsくらいしか出ませんでしたが,20/40MHzだと10Mbpsは楽に出ます。
なお,出力は25%に下げて,WiFiルーターが発熱しないようにしました。もとのPlanexのデフォルト設定だと,筐体がかなり熱くなりましたが,前回,放熱器もつけたし,出力も抑えたので,ほんのり温かくなる,と言う程度です。
最後にNTPサーバーの設定です。
残念ながら,Planexどころか,BuffaloのルーターもIPアドレスのみの入力になっていることがあるんですが,これもそうで,NTPサーバはしょっちゅう,IPアドレスが変わるので,ネットに書いてある,NTPサーバのIPアドレスの情報も当てになりません。
ようやく,英バーミンガム大学のNTPサーバで接続可能でした。
といっても,なかなかNTPサーバにつないでくれず,何度もon,offを繰り返したりしましたけどね.....
PlanexのルーターにはWiFiスケジュールという機能がなく,省エネのため,夜,WiFiを切っておく,なんてことができませんでしたが,Edimaxのは可能で,夜は省エネと長寿命化をめざして,WiFiを止めるようにしました
ちなみに,Edimaxのルーターの初期IDはadmin, パスワードは1234です。もちろん,ハッカー対策のため,すぐにユーザー指定のパスワードに変更しておきましょう。
蛇足ですけど,Windowsでネットワークを見ると,まあ,出るわ出るわ......Buffalo ****とか,Aterm ****というネットワークばかりですね......
皆さん,買ってきたWiFiルーターの初期設定のまま,なんですね.....。
ハッカー対策のため,せめてSSIDくらい変更しておきましょう。ヘタするとパスワードも初期設定のまま,と言う人ばかりなんじゃ,ないでしょうか......。また,WPSも新しく機器を接続するとき以外はoffにしておきましょう。
ついでに,MACフィルタの設定もしたかったのですが......なぜか,IO-DATAのQWatchというWEBカメラを使っているのですが,MACフィルタを設定するとどうしてもつながらないので,あきらめました。どういう理由なのか......。
と言う次第で,なんとかネットはつながりました。これで在宅勤務も可能です。
KATO ED71 2次形の整備~スナバ回路設置~ [模型]
2023年5月7日の日記
いよいよゴールデンウィークも終わっちゃいますね~~
今日は残念ながらだし,久しぶりに模型工作することにしました。
KATOが2018年4月に発売したものです。もう5年も経っちゃったのか......と言う気がします。
好きな機関車で,地元のED70より好きなくらいなんですが,発売直後に買ったものの,今まで整備せず,でした.....。
今日は分解して常点灯対応&反対向き前照灯点灯防止のため,iruchanが考案したスナバ回路を設置するとともに,ナックルカプラー,ナンバーを取りつけたいと思います。
スナバ回路というのはモータやソレノイドなど,インダクタンスを持った誘導性負荷の逆向きのサージ電圧を抑えてインバータのスイッチング素子やその他の回路を保護する目的で挿入されます。サイリスタやMOS-FETなどのスイッチング素子のアノード,カソード間にパラにCとRを挿入し,素子が電流遮断するときに逆向きのサージ電圧がかかって素子が破壊されるのを防ぐ目的があります。
もっとも,新幹線など,インバータ制御の電車ではスナバ回路が本来必要なのですが,ほんの数μF以下のコンデンサと言っても耐圧が高く,かつ数MHzの高周波に対応するためフィルムコンデンサが必要になるので,重量が馬鹿にならないため,今はスナバレス回路になっているのが普通です。
モータの入った回路にインバータやチョッパなどのパルス性の電圧をかけると,カットオフ時に逆向きに鋭いパルス性の電圧が出て,鉄道模型では,耐圧はまったく問題にならないのですが,尾灯や反対側の前照灯が点灯しちゃいます。
これを防ぐ目的で,KATOやTOMIXなど,LEDにパラにコンデンサを入れているのですが,このせいで,停車中には前照灯が点灯しなくなってしまいます。
昔はこれらは豆電球で,これらは熱時定数が大きいので,こんな瞬間的なパルスには反応せず,点灯しなかったのですが,LEDになっちゃうと,このコンデンサを撤去すると常点灯になる代わり,反対向きの前照灯が点灯してしまい,結構気になります。
そこで,iruchanがスナバ回路で逆向きの電圧を吸収することを思いつき,ブログで公開してます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
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実車は国鉄が東北本線電化用に1955年から59年にかけて,総計55両を製造したものです。北陸本線用のED70は実際にはED45の量産機,というような機関車で,試作的要素が多く,また,出力が小さすぎたため,あらためて2000kW級として開発されています。
トランスのタップを切り替えて速度制御を行うとともに,タップ間は水銀整流器にグリッドを設け,格子位相制御をしているのはED70と同様ですが,トランスのタップは高圧側(1次側)を切り替えるようになっているのが違っています。
国鉄はこのあと,しばらく高圧タップ切替をEF70,ED74まで使いますが,ED75からは低圧タップ切替に変わっています。新幹線0系も低圧タップ切替ですね。
一般的に高圧側の方が電流が小さくて電流を遮断しやすく,やりやすいと思いますが,それでもスイッチから火花が出て,金属粉が発生し,絶縁破壊するので,絶縁油にフィルターを入れるなど,苦労が多かったようです。ED75や0系で低圧切替になったのは気中切替(空気中で切り替える)ができるようにしたかったのでしょう。
デザイン的にもED60などと同じ小型D形機関車と同じスタイルになり,なかなか好きな機関車です。
まずはボディをバラします。
運転席の窓ガラスのパーツにツメがあるので,ガラスとウェイトの間につまようじを入れてボディを外します。
スナバ回路の定数としては,R=22Ω,C=0.1μFとしました。モータのインダクタンスにより,定数は変わりますので,試行錯誤が必要かと思います。
金属製のHOゲージキットの組立などに使う,塩化亜鉛を塗るとはんだが固まらず,スーッと広がるので,少し塗るとよいかと思います。プリント基板用のフラックス,と言うのは逆で,はんだが広がらないようにするものなので,ご注意ください。ハンダが膨らんで固まるとボディがはまらなくなります。
この状態で,PWM式のコントローラでテストします。逆側の前照灯が点灯しなければ成功です。スナバ回路がないと,反対側が全開くらいの勢いで点灯し,お前はどっち向きに走るんだ? っていう状態になります。
今回,iruchanはPFM式コントローラを使いました。PFM式の方が低デューティ時の性能がよく,鉄道模型用としてはPWM式より優れている,と思います。それに,PFMだとパルスが出っぱなし,と言う状況になるので,ボリウムを一番左まで回しても前照灯が点灯したままです。
あとはナックルカプラー,ナンバーをつけて完成。
ナックルカプラーはとてもつけにくいのですが,ボディをバラしちゃうのであれば,連結器スカート部分を外せるので,簡単です。
それにしても屋根上配管を真鍮製にしたり,本当に手のかかった模型です。やっぱ,Made in Japanだな~と感心するできばえです。
走行性能は言うまでもありません。スムーズに,静かに動きます。
ぜひ,KATOさんには1次形をお願いしたい,と思います。田の字型にルーバーがついている1次形はとても好きです。
こんな小さな機関車がコキ5000やク5000などの長大貨物を牽いていたのは驚きですね。EF210なんかが牽いているより,ずっとかっこよかった,と思います。