さよならAMラジオ~送信所めぐり~その10:ラジオ関西・淡路送信所,朝日放送・高石送信所,毎日放送・高石ラジオ送信所,和歌山放送・狐島送信所 [ラジオ]
2023年12月26日の日記
いよいよ年も押し詰まってきました。皆様,本年1年間,ご愛読ありがとうございました。
さて,今年最後ですが,青春18きっぷも出たので,今回は関西方面の送信所を訪問します。こういうとき,青春18きっぷは便利ですね~
☆ラジオ関西・淡路送信所
さすがに淡路島でも雪雲が流れ込んできて,こんな天気でした。曇り空の中,逆光で撮影すると,なにか,もう,この世のものとは思えない,神々しいばかりのかっこよさですね~。
いや~,ここ,ニッポン放送の木更津送信所と並んで,絶対に行きたいところでした。大阪湾に面して,ものすごくかっこよい鉄塔が,しかも2本も並んで立っている絶景を一度,見てみたい,と思っていました。
それに,ラジオ関西って,iruchanの北陸でもよく聞こえて,また,やはり神戸だけあって,洒落た品のよい番組が多く,よく聴いていましたので,一度,送信所を見てみたい,と思いました。
この送信所は,開局時は神戸市須磨にありましたが,1960年に淡路島の北端,津名郡淡路町松帆に移転し,さらに明石海峡大橋と支障するため,1994年に南の東浦町小磯に移転しました。今は淡路市となっています。
ややこしいのは以前の送信所で,岩屋の送信所,と言われることが多く,淡路町になる前の津名郡岩屋町からそう言われるようですが,移転時には淡路町となっていました(淡路町の成立は1956年4月)。
現在の淡路送信所は,大磯港に面していて,関西方面からだと三宮から高速大磯号に乗ると1時間ほどで着きます。本数も多く,日中1時間2本あります。
と言うことなんですけどね.....。
なんか島に行くのに,往復高速バス,というのもなんかなぁ~,って感じなので,明石港からフェリーに乗りました。
何度も徳島~大阪の高速バスは乗ったことがあり,便利なことはよくわかっているんですけどね。便利だし,実際,淡路島から京阪神方面へ通勤,通学する人も多いでしょうけど,淡路島へは船で行きたい,って思いました。
まずは新快速に乗って明石へ.....。中央線の鈍行快速にくらべてスゴ速いっ!!
着いたらおもわず,さぶ~~~っ!
今年一番の寒気団がやってきて,瀬戸内海側も雪雲が流れてきて曇っているし,時折,しぐれています。
駅から歩いて10分ほどで明石港のジェノバライン乗り場に着きます。
2010年11月に明石海峡大橋の開通後も運行されていた明石淡路フェリーが廃業し,2015年7月からジェノバラインが事業を継承し,新造船も就航しています。
明石海峡大橋は125cc以下のバイクは走れないし,当然自転車はダメなので,貴重な足です。それに岩屋地区は高速バスから取り残され,近くのバス停まで遠いので,貴重です。
朝,9:30発のまりーんふらわあ2で岩屋港へ。たった13分の船旅でしたけど,楽しかったです。料金は600円でした。
岩屋ポートターミナルは新築で,中のお土産コーナーはとても賑わっていました。関西以外じゃあまり手に入らない,巨大な金時芋をお土産に買って帰ったら,ホクホクの芋で,嫁はんが喜びました
どう考えても,関東とかで売られている,紅はるかや紅あづまは西日本じゃ,ベチャ芋なんですよね~~
ここからバスあわ神あわ姫バス①時計回り東浦・津名方面で大磯港へ。
ちなみにgoogleさんは,フェリーからこのバスの乗り継ぎは,次の岩屋海水浴場前バス停を指示するのですが,どうもおかしいので,時刻表を見たら,ちゃんとポートターミナルにバスが停まりますので,ご注意ください。
ただ,大変申し訳ないけど,料金500円は高杉晋作!
しかも均一料金なので,近くの病院なんかへ行く人には余計割高になりますね。まあ,補助金がなくて,純粋に経費だけで計算するとこういう料金になっちゃうんでしょうけど.....。
大磯港に近づくと,巨大な鉄塔が2本見えてきます。
バス停から,Panasonicの物流倉庫の脇を通ると鉄塔に着きます。
あまりに立派な鉄塔にビックリ。
敷地面積が狭くて済む,ダウンリード式の鉄塔となっています。
普通の支線式の鉄塔の場合,鉄塔が大地から浮かせてあり,そこに給電して電波を発射しますが,ダウンリード式は鉄塔自体は接地してあり,リード線をてっぺんから何本も垂らしてそこに給電します。通常の絶縁型鉄塔の場合は,鉄塔が絶縁してあって,モノポールアンテナとして動作しますが,ダウンリード式の場合,リード線の上で鉄塔に接続して接地してあり,接地型アンテナとして動作します。一方,下部には碍子がはさんであります。
こんな風にリード線を碍子で絶縁しています。
ニッポン放送の足立予備送信所もそうですし,山梨放送の送信所もそうですけど,1990年代以降に設置された送信所は敷地面積が狭くて済むこの方式の送信所が多いです。
残念ながらこんな立派な鉄塔もあと5年でご用済に.....。何か有効活用を考えてほしいものです。
60m以上の高さの構造物は航空法51条の規定で,昼間と夜間の航空障害標識が必要です。例の赤白の塗装は前者です。
ただ,昼間でも白色の高光度航空障害灯を設置すれば,塗装をしなくてもよい,と言うことになっています。高光度というのは最大で150,000~250,000cd必要なので,かなりの光量ですね。
東京タワーは赤白塗装しているのに,スカイツリーやこの送信所が銀色なのは,高光度の障害灯を設置しているからですね。昔はこういう明るい照明装置がなかったのでしょう。ちなみに淡路送信所の鉄塔は溶融亜鉛メッキをしてある,と思います。
ちなみに赤白と言いますけど,赤はマンセル10R5/14で,白はN9.5です。よく見ると赤はオレンジ色なのですが,たまに本当に赤い塗装になっている場合があるようで,鉄塔が何本も並んでいるところを観察すると,色が微妙に違ったりします。
ちなみに,この鉄塔は高さ135mあるそうですから,航空法の規定に引っかかりますね~
なお,ラジオ関西は周波数558kHzと言うことなので,この高さはぴったり1/4λです。効率的には1/2λの方がよく,この倍の高さが必要です。50kWのTBSは1/2λで,中小局だと1/4λの場合が多いのですが,ここは20kWなのですけど,1/4λでもよいようです。さすがにNHK菖蒲久喜送信所みたいに240mもの鉄塔は建てられませんよね~。
リード線に給電する部分です。絶縁状況がよくわかりますね。八木アンテナはVHF帯のSTL用と思います。
たぶん,誰かデザイナーの手が入っていると思います。まったく事務的じゃなく,海岸の風景に溶け込んだ優れたデザインだと思います。
本当にかっこうよい,鉄塔ばかりのQSLカードでしびれちゃいました~
本当にどうもありがとうございました。もう,大感謝!です。
撮影後,港近くのお食事処 渡舟さんで昼ご飯。あぶり太刀魚とカンパチの海鮮丼&あら汁が超美味でした
帰りは目の前のバス停からここから高速バス大磯号に乗ることにしていましたけど,ちょっと時間が空いていたので,散歩がてら歩いて,東浦BTから乗りました。
バスは明石海峡大橋を渡る頃には満席。結構,乗っているんですね~。
高速舞子のバス停で結構,降りる人がいます。明石や姫路方面だとここで降りるのがよいですよね。
iruchanも一度,ここで降りてみたかったので,降りてみました。
4Fに自由通路があり,そこからさらにエレベータで舞子駅へ。ここから快速に乗って大阪駅で出ました。三宮まで行って新快速に乗ってもいいんですけどね。
☆ ☆ ☆
1995年1月17日の阪神淡路大震災の2ヶ月前にこの送信所が完成しています。鉄塔は無事で,神戸のスタジオがのちにほぼ全壊と判断されるにもかかわらず,わずか13分後,放送を再開しました。
あの日,iruchanは静岡県に住んでいたのですが,カタ,カタと初期微動が始まり,すぐに起きました。継続時間×8で震源までの距離がわかるのですが,ベッドの中でカウントしたら30秒くらいだったので,300kmくらいかと思っていたらグラッと大きな揺れが来て,距離が遠いのにこれほど揺れるとは大地震と直感し,すぐにラジオをつけたら神戸で震度6,と放送していて,ビックリしたことを覚えています。
まだ当時は最高震度階数は6でした。おまけに,NHKですら,神戸放送局が沈黙し,かなりの間,「神戸放送局から応答がありません.....」と放送していて,これは大変なことになった,と思いました。6,000人を超える人が亡くなっています。ご冥福をお祈りいたします。
☆朝日放送・高石送信所
大阪で紀州路快速に乗り換えて,さらに鳳=テブナン駅じゃなかった なんのこっちゃ,鳳駅で各停に乗り換えて北信太へ。
阪和線は久しぶりです。その昔,EF58やキハ58の臨時 "きのくに" やED60やEF15の牽引する貨物をよく撮りました。懐かし~~。
夜行もよく乗りましたね~。最初はEF58牽引の12系で,新宮までよく乗りました。その後,165系に変わってからも乗りましたが,紀伊田辺行きになってからは乗っていません。もう,列車自体,なくなっちゃいましたね.....。
そもそも,阪和線~環状線の直通は国鉄時代は「できない」と言われていたのに,いつの間にか,できちゃって,ビックリです。天王寺で乗り換え,は当たり前,だったのですけどね。時代は変わりました......。
北信太から逆方向に富木まで歩くと,朝日放送と毎日放送の送信所を見ることができます。
北信太の駅からは,いったん,南に出て,府道沿いに第2阪和国道,堺泉北有料道路の高架をくぐると見えてきます。1kmほどなんですけど,意外に遠かったです。また,送信所の周囲は住宅が建て込んでいて,なかなか近づけませんでした。
基幹送信所だけあって,TBSの戸田送信所やCBCの長島送信所みたいに立派な局舎がありました。太陽電池パネルに囲まれているのもCBCと同じです。まあ,送信所はラジアルアースと言って,半径100mほどの広い接地面が必要なので,空き地にしておくくらいなら,こういった有効活用ができますね。
鉄塔は従来どおりの支線式。開局時は堺市の埋め立て地にありましたが,1960年11月に現在地に移転しています。周波数1008kHz,出力50kWです。鉄塔の高さは130mもあります。
赤色の航空障害灯が2つ,ついています。
てっぺんに低光度の航空障害灯がついているのみなので,絶縁用のオースチントランスがついているのはどこも同じです。
不思議なことに隣接している毎日放送同様,容量環はなく,阪和線からもよく見えます。
周囲は住宅に囲まれていますし,西側は時間決め駐車場,北側は某宗教団体に土地を割譲? しているようです。ヘタに写真撮っていると向こうから写真撮られるかもしれないので,早々に退散しました。場所もよいし,周囲は住宅地なので,2028年以降,あっという間にマンションか何か,建つでしょう。
それに,もう3時過ぎ。明日は冬至なので,日が沈むのが早く,急がないと毎日放送まで行けそうにありません。
☆毎日放送・高石ラジオ送信所
ABCの送信所から,直線で800mほどのところに立地しています。道が結構細くてややこしいので,歩くと最短でも1.1kmほどあります。
こちらは周囲は鴨公園という公園の中。子供達が野球してたり遊んでいました。かと思うと,足元で小さな黒いチワワがにらみつけていて,飼い主のおばさんに笑われちゃいました......
ま,そりゃそうですよね。こんなところで望遠レンズ構えて写真撮っているオヤジなんて,変質者と思われてもおかしくありません.....
チワワってあの体のくせに気が強く,飼うと後悔する,なんて話を聞きますけど,そのようです。おばさんに,「ここ,もうじきなくなるんですよ」って説明すればよかった,と思います。
送信所の周りに遊歩道もできていて,散歩もできます
子供達が野球をして遊んでいましたけど,本当にいい場所です。AM放送終了後は公園となることを期待します。
送信所の敷地は丸くなっていて,周囲がフェンスで囲われていますが,きれいな写真が撮れます。
STL用にパラボラと垂直偏波のFM用八木アンテナが取りつけられています。
土地は一部,第2阪和国道に面していることもあり,店舗用に賃貸されているようで,ケンタッキーなんかがあります。
また,CBCみたいに毎日放送ラジオ送信所と大きなネオンサインがついていて,とてもきれいそうです。
局舎の銘板。
局舎は気がつかなかったのですが,googleの航空写真で上から見ると,三角形の建物なのですね。1961年9月の千里丘放送センター完成まで,ここで放送していたようです。
もう日没だし,ネオンが点灯してもいいのでは......と思って待っていましたが,いっかな点灯する気配じゃありません。このネオンサインは点灯しているのでしょうか。
また,訪問した日はなにか引っ越しか作業をしているようで,たくさんの人が来て作業をしていました。
もとの送信所は大阪市住吉区苅田町にあり,苅田送信所と言いましたが,ABCの半年後,ここに移転しています。同じく出力は50kWです。
残念ながら,ABC同様,北陸はもちろん,近畿北部では聴きにくく,それどころか京都市内で聴きにくい状況だったので,JRの廃止中継局を借りてこの10月まで再送信していました。京都中継局と言いましたが,もう,radikoもあるし,ワイドFMもあるので,必要ないと判断されたのか,廃止になりました。
今日はここで終了。もう周囲は夜のとばりが降りています。
今晩は信太山に泊まります。あまり泉南地域はホテルがありませんね.....。関空の周辺にビジネスホテルがある以外は少なくて困ります。
夕食はグリル若さんで。ちょっと駅から遠いんですが,創業50年目だそうです。今は息子さんが継いでおられるようで,個人の洋食屋さんが減っているので,本当に貴重です。すごく大きなフィッシュフライ定食をいただきましたが,美味しかったです。
魚が大好きなiruchanは大満足でした~。
みまつ旅館さんに泊まりました。ビジネスホテルだと狭い風呂と毛布1枚のベッドにまいっちゃいますけど,広い風呂と羽毛布団でよく眠れましたし,朝食が豪華でとてもよかったです。なにより戸建ての木造なのでラジオがよく入るし,ラジオ大阪のステレオ放送を聴けて大満足でした。ビジネスホテルだとヘタするとAMラジオはノイズがひどくてまったく聴けないことが多いので.....
☆和歌山放送・狐島送信所
土入川沿いの狭い敷地にありました。
さて,2日目は本当はレンタサイクル借りて,ラジオ大阪とNHKの羽曳野送信所へ行く予定だったのですが,どうにも体調がよくない......。
たぶん,昨日の疲れかと思いますが,朝から体がしんどい.....。熱があったりするわけじゃないので,風邪とかじゃなく,単に疲れただけ,と思います。それに,寒波のせいで,天気も悪い。ポツ,ポツと雪まじりの雨が降っています....。
と言うことで今日はサイクリングはやめて,和歌山に行くことにしました。和歌山放送はAMステレオまだ継続中,なので,ぜひ聴いてみたい,と思います。
阪和線で和歌山駅へ。iruchan的には東和歌山なんですけどね......いつの話だ?。紀勢線の夜行に乗るとちょうど,和歌山駅が午前0時くらいだったのを覚えています。
南海加太線の東松江駅すぐそばに和歌山放送の狐島送信所があります。
すでにICカード対応の改札口が島式ホームの端に設置してあるので,もとの駅舎は撤去してしまってもいいのですが,待合室として残っています。某JRは駅舎を取り壊してバス停みたいな駅を作ってしまってブーイング浴びてますけど,南海さんはお客さんに優しくて,とてもうれしいですね。素敵な木造駅舎です。
その某JRのバス停駅? は写真見て唖然としましたけど......。
とはいえ,南海のターミナルは和歌山市駅だし,JRの和歌山駅とは3km近く離れているので,ちょっと厄介です。JRの和歌山市駅行きは少ないですしね。今は日中,1時間に1本のようです。昔はもっと多かったような.....。
と言う次第で,駅前から和歌山大学前行きのバスに乗る方が便利ですが,たまたまiruchanの場合は和歌山市駅行きの接続がよかったので,東松江駅まで,鉄道で行きました。
基幹局とは言え,たった5kWなので,こぢんまりした送信所でした。
ステーの絶縁に玉子碍子使っているのは驚きますね。
それにしても小さなオースチントランスがかわいい。▲の障害灯に給電しています。
容量環のついた小さなかわいらしい鉄塔がありました。海が近いせいか,塗装が剥がれ,さびが見られました。
あとは2時間ほど,近くのマサキ珈琲和歌山福島店で休憩。和歌山放送をAMステレオで聴けて大満足でした。
それに,和歌山放送って,昔のAM局みたいにずっと日中は独自編成なのも好ましいです。最近はどこもリストラしているのか,夕方にちょっと自社ニュースをするくらいで,ほとんど東京の放送を中継しているだけ,と言うところばかりなので,和歌山放送の姿勢はとてもよいです。
全国どこでも "オールナイトニッポン" が聴ける,というのはある意味,マズいのではないか,と思います。
実は和歌山放送も中継しているんですけど,和歌山県自体,地形のせいか,他局が聴きづらいところなので,これはしかたないと思いますし,日中は独自編成の地域密着の番組をやっているのはとてもよいです。
本来,ラジオ局ってこういうことが大事なのでは,と思います。AMやめてFMに移行する,なんて言っていますが,現在,FM局の方が地域密着の番組やっていたりして,AM局の努力は足りないし,これじゃ,やはり衰退するだけでは,と思います。
ワイドFMに移行するならするで,やはり原点に戻って,和歌山放送のように地域重視の放送をしてほしい,と思いました。
それにしても和歌山なのに,雪。時折,非常に小さな雪粒がザーッと降ってきて,舞っています。この日,和歌山市の最低気温は4.2℃だったやうです。
さて,昼飯はどうしようか,と思ったのですが,あまり周囲に食べるところもないし,ちょっと長居したかったので,ここにしました。それで,実を言うと,iruchanは名古屋に住んでいたので,コメダにお世話になっていたこともあり,近くにあれば,と思ってgoogleさんに聞いたら,このお店が出てきた,と言う次第です。
コメダは創業者が引退され,事業を引き継いだ社長に後事を託しましたが,新社長が東海地域を出て,全国展開すると申し出たとき,創業者からは従来どおりのサービスや経営方針を維持するよう,頼まれたそうです。ゆったりした室内と温かくて美味しい食事は某外資系にないよさだと思います
最近はその某外資系はiruchanはほとんど行かなくなりました.....
狐島送信所もこちら▲です。
どう見てもコメダのパクリ
なんだか,店の雰囲気はそっくりだし,11:00までモーニングになっていて,コーヒー1杯にトーストとゆで玉子がついていたり,メニューはそっくり。ものすごく落ち着いた雰囲気で,くつろげるし,追加で昼にフィッシュフライバーガーを食べたら巨大で,美味しかったのでいいのですけど....。
モーニングです。500円
まー,コメダによー,どぇりゃ~そっくりだでかんわ。
和歌山放送を受信中。ちゃんとステレオです
ソニーのPCM-A10が製造中止になる,と聞いて慌てて買いました。CDと同じ,リニアPCMはもちろん,ハイレゾでも録音できるスグレものです。本来はICレコーダなんですけど,こうやってライン入力もついていて,レコードやラジオの録音もでき,録音レベルもAVCじゃなく,manualも設定できるので,iruchanはこれでアナログ音源をPCに取り込んだり,CDにしたりしてます
電池の保ちもよく,旅行中も安心ですし,内蔵メモリも十分で,SDカードを挿入しなくても問題ないでしょう。録音用のケーブルは秋月で買ったプラグで自作しました。
帰りは紀州路快速で大阪へ出て,サンダーバードに乗って帰宅しました。
阪和線の車内で聴いていましたが,残念ながら,やはり山中渓の駅から北はほとんど和歌山放送は聴けなくなりました。本当に和歌山県内だけのエリアになっているようです。
☆ ☆ ☆
さて,これで今年のブログ更新も終わりです。1年間,どうもありがとうございました。
残念ながら,私的には今年もよくない年で,悪いことばかりつづいて,また,今も先の見通せない不安な年越しとなりましたが,唯一,阪神タイガースが日本一になったのは本当によかったし,勇気づけられました。
皆様,どうぞよいお年をお迎えください。
2024年2月19日追記
和歌山放送からQSLカードをいただきました。ありがとうございました。
たぶん,ワイドFM用と分けておられるようです。
見ているだけで楽しくなるカードです
また和歌山へ行って放送を聴きます。
ソニーのAMステレオ対応ラジオ SRF-M100の修理 [ラジオ]
2023年12月17日の日記
ちゃんと,AMステレオのインジケータも点灯しています
ソニーが国内で最初に発売した,AMステレオ対応ポータブルラジオのSRF-M100を持っています。
確か,1992年3月,日本でAMステレオ放送が始まったとき,最初のAMステレオ対応ラジオだったと記憶しています。wikiを見るとアイワのCSD-SR80の方が早いようですが,こちらはラジカセですね。ちょっと,iruchanはこちらは覚えていません。
まだ,iruchanも愛用している,SRF-AX51Vなどは確か,もう少し後だったように思います。
AMステレオ放送が始まったけれど,それを聴こうにも,しばらくはSRF-M100しかない時期があったように思います。”ラジオの製作” (懐かし~)でも特集が組まれましたけど,リファレンスはやはりこのラジオでした。
iruchanは速攻でこのラジオを買って,と思っていたのですが,当時,秋葉原にあった石丸電気(こっちも懐かし~~)で買ったらしく,1999年の日付の入った石丸電気のハンコが押してありました。
石丸電気は電気製品だけでなく,輸入CDを買いによく行きました。どうもありがとうございました。
それにしてもどうしてこんなに遅かったのだろう......
しかも,買っただけで,そのまま保管していました。普段,聴くのは,もっぱら,モトローラのMC13020Pを使った自作チューナーでした。
やはり,ちょっと妙に大きいのと,PLLシンセサイザチューナというのがどうにも気に入らなかったのだ,と思います。
東京,大阪,札幌,福岡などの局はプリセットしてあり,こういう大都市に住む人には便利なラジオなのでしょうけど,iruchanみたいに田舎に住んでいるといちいち,近所の局を登録しないといけない,というのが面倒だし,どうにも反体制派なので,こういう大都市優遇みたいなラジオが気に入らなかったのだ,と思います。
でも,そろそろAMステレオどころか,AM放送自体が終わりが見えてきたので,それこそ30年ぶりに取り出して楽しんでいます。ただ,iruchanはこのラジオ,SRF-AX51Vなどの方が好きで,持ってはいましたが,ほとんど使わず,新品箱入りの状態でずっと保管していました。
やはりいいラジオですね~~。
音質もよいし,非常に高感度だし,ポータブルラジオの最高峰のひとつ,なんではないでしょうか。
実際,オークションなどでも高いし,新品に近いものだと1万円を超えますね。
ということなんですけど,このラジオには困った病気があるんですね......。
内部の電解コンデンサが液漏れして音が出ない,という症状が出るようです。
幸い,iruchanの持っているのはほとんど使っていなかったせいなのか,それとも,対策品だったのか,なんの問題もなく,ちゃんと音が出ます。
と言うことなんですけど,せっかく,新品同様のものを持っているのでこちらは保存用とし,普段用でいまさらながら,もう1台,オークションでジャンク品を購入しました。
ジャンク扱いとのことなので,やはり,音が出ません......
ということだったのですが,チェックしてみると,まったく音が出ないわけではなく,静かな部屋に持っていったら,かすかに音が出ている状況です。
これ,まずはおそらく出力に使われている電解コンデンサが容量減になって音が小さい状況,と思います。
その昔,トランジスタラジオがまだ6石スーパーだった頃,よくあった現象ですね。
6石スーパーだとOTLじゃなく,OPTを使っているので,出力コンデンサはないですけど,段間のカップリングの電解コンデンサが容量減になって音が小さくなってしまうんですね。
SRF-M100はパワーアンプICを使っているはずですが,単電源のアンプでは,BTLアンプでもなければ必ず,直流カット用のストッピング(出力)コンデンサが必要です。真空管のOTLアンプと同じですね。
この場合,スピーカーのインピーダンスが低いので,大容量の電解コンが必要で,SRF-M100も470μFが使われています。これが容量減となっていることが予想されます。
しかし,まあ,1990年代だし,電解コンデンサの容量減というのは普通,優秀な日本製電解コンならそれほど心配しなくてもよい,と思うのですけどね.....。
このラジオの病気はすでに有名で,いろんな先輩諸氏が治療しておられるので,参考にさせていただきました。
要は,この時代,電解コンは低ESR品が開発されたばかりで,封止材との相性が悪く,その電解液が外へ漏れて容量減となるばかりでなく,どうもひどい場合はアルカリ性の電解液のせいでプリント基板のパターンを腐らせて断線させてしまうようです。
いわゆる電解コンデンサの四級塩問題ですね~
第四級塩化アンモニウム塩溶液を内部の電解液として使用していた時代があり,最近の製品は使用していませんし,発熱のひどいコンピュータ用などは固体電解に変わってきているので,問題は減っていると思います。
☆四級塩電解コンデンサの交換
SRF-M100で使用されている電解コンデンサは時代的に電解液に四級塩電解液を使用しているようです。他にもソニーに限らず,四級塩電解コンデンサを使っている製品が80年代末~90年代には多いようなので,注意が必要です。
iruchanが買ったSRF-M100がなんの問題もないのは,おそらく,買ったのが遅かったので,すでにこの問題の対策が取られていて,四級塩電解コンデンサを使用していなかったためではないか,と思います。
実際,実はSRF-M100は2種類あって,前期型と後期型に分かれるようなのですが,iruchanが買ったのは後期型で,今回,オークションで落札したのはやはり,前期型でした。
ひょっとして,後期型はコンデンサは対策済なのかもしれませんが,未確認です。iruchanが買ったのは1999年なので,その頃にはこの問題は広く電機業界では認識されていたので,対策がされていたのかもしれません。
なお,前期,後期の違いはソフトケースの違いと,本体は側面のVOLUMEとPHONESの表記がシルク印刷(前期)か,モールド(後期)か,の違いのようです(一番下に写真を載せました)。
以前,オイルコンやペーパーコンのリークについて書きましたけど,これも封止処理が悪く,封止材として使われているゴムが劣化して内部に水分が侵入して絶縁が低下するのですが,この電解コンデンサの場合も同様で,どうも電極引き出し部分から電解液が漏れてしまう,ようです。
ついでですけど,古いラックスの真空管アンプなど,日本製のオイルコンが使われている場合はすぐにフィルムコンデンサに交換してください。音が悪くなるばかりでなく,出力管が昇天したり,OPTが断線する原因になります。
と言う次第で,問題の電解コンデンサを交換したい,と思います。
さて,取り替えないといけないのは,220μFと470μFのコンデンサです。場所は▼です。
C26,C65の220μFのコンデンサとC64とC53 の470μFコンデンサを交換します。
C65が出力コンデンサで,これが容量減となると音が小さくなります。C53も重要で,これは電源のフィルタコンデンサですが,これが容量減となったり,液漏れしてリークするようになるとVccが低下して音が小さくなったり,最悪,ラジオ全体が動作しなくなります。
C26とC64はデカップリングコンデンサですね。真空管アンプでおなじみだと思います。フィルタと同時に,低周波増幅段が電源を介して結合し,低周波で発振するのを防ぐ目的があります。
半導体のアンプだと全段直結が当たり前なので,普通は0.1μFくらいで,これは高周波ノイズを低減するためのパスコンです。
しかし,なんでこんな大容量なのか.....。
真空管アンプなど,デカップリングのほか,AC電源を使う回路だとリップル低減のフィルタ目的のため,数十μF~数百μFにしますけど,デカップリングが目的なら,WEのアンプみたいにほんの数μFでOKのはずです。
このラジオは電池が電源だし,そんなに大容量は必要ないと思うんですけどね.....。
なお,回路図は国内モデルと海外モデルで異なり,ネット上で入手可能な回路図は海外モデルで,ソニーの場合はAEP modelと書いてあります。アジア,欧州,太平洋地域を意味しています。
残念ながら,仕向地がAEPのモデルの場合,AMステレオ非対応なので,回路は異なります。ピンクで書いている部品は海外モデルの部品番号です。国内モデルと基板上の部品番号が違うので,ご注意ください。iruchanは国内版の回路を持っているんですが,出力部分が欠落していて,海外版から借用して修正しましたが,ちょっと違うかもしれません。
まずは分解します。
背面にねじが4個所と,電池箱の中に1個,ねじがあるので,それらを外します。
電池箱の左右に,ツメがありますので,マイナスドライバーを突っ込んでツメを外せば,簡単にフタが外れます。
ところが......。
何かクサい
四級塩の電解液の臭いでしょうか.....酸っぱい,酢みたいな臭いがします。
基板もねじで留まっていますので,ねじを外し,▲のフレキケーブルを外せば,基板を取り出せます。
オレンジで記載した電解コンデンサを交換します。
幸い,基板パターンへの影響は少なく,スルーホール部分もきれいでした
この部分が腐食してパターンが消えているとちょっと削ってパターンを復活させる必要があります。
470μFは液漏れした跡があります。220μFも底部になにやら黄色い物質が付着しています。メーカは違うので,電解液も少し違う感じです。
それに,負極側がリークする,と言う話でしたけど,一番右の470μFは正極側からリークしているようですし,▼のパターンが断線する個所も,正極側です。
一番左は正常だったようで,▼のチェッカーで400μFくらいの数値を示しましたが,問題を起こすのが予想されるので交換します。
案の定,中国製の部品チェッカーでテストしてみると,そもそも,コンデンサじゃなくて,ものがなんなのか,判断つかないようです。ちなみに確認のため,正常なコンデンサを挿すとちゃんと470μFとか表示しました。
なお,iruchanのは問題なかったですが,液漏れがひどいものはパターンまで腐食し,パターンが断線し,そもそも電源がきちんと供給されない,と言う場合もあるようです。
左側の2個所はもともと導通していますので,右側のQ10のデュアルTr XN4608の#3ピンとの導通を確認してください。右上に拡大図を載せておきました。
もし,この間の導通がない場合,こちらのように,ジュンフロン電線で接続するとOKです。
ただ,どうにもそのXN4608の周辺がきたない......
液漏れした電解液が付着しているのか,XN4608のピンや基板が茶色く変色しているし,何かが付着して,ちょっと盛り上がっている感じです。ヤッバ~~。
一応,アルコールできれいに拭いておきました。
これ,松下製の高PcのPNPと小信号用NPNのTrを1個ずつ内蔵したデュアルTrのようです。本機はタイマーがついているし,マイコンで電源をon,offしているのですが,このQ10で電源を制御しています。
まったく音が出ない,と言う場合はC53 470μFとPNP Trのエミッタをつなぐ▲の写真の裏側にあるパターンが断線してしまって電源を供給していない場合のようです。先ほどの回路図で×とあるところです。その場合はジャンパー線で接続してください。
さて,交換するコンデンサですが,結構,難航しました。
というのはこういう背の低いロープロファイルと呼ばれる電解コンデンサはもはや消滅寸前のようです。部品箱を探したら何個か出てきて,220μFは別メーカのを見つけました。昔,どこかで買ったようです。小型なので,いいコンデンサだと思うんですけどね......。
まあ,そもそもアキシャルリードの部品自体,そろそろ半導体でも抵抗でも,どれもやばい状況なので,しかたないのかもしれませんが......。
とりあえず,なんとか220μFはニチコンのオーディオ用MWシリーズが現行品のようで,秋月で入手可能でした。耐圧が10Vなので,ちょっと大きい(φ8mm×5mm)ですけどね.....。
で,問題は470μF。こちらはいいものがありません。
しかたないので,表面実装用のものが小さなリード線がついているので,それを利用しようか,とも思ったのですけれど.....。
残念ながら,耐圧が6.3V~25V品は全部高さが同じで,10.2mmもあって高杉晋作!
表面実装でこれか? って気がします。
しかたないので,ちょっと値段が高いんですけど,導電性高分子固体電解コンデンサはどうか,と思うと,秋月で売っているPanasonicのは高さ13mmもあります!
千石電商で日本ケミコン製の固体電解を売っていたのでそちらにしました。日ケミのSPCシリーズの6.3V,470μFは大きさがφ6.3mm×8mmで小さいので,こちらにしました。
中央の2個が,問題の四級塩電解コンデンサで,両側が交換用です。
これでようやくコンデンサが交換できました。
☆セラミックフィルタの交換
次に,いつもやることなんですけど,セラミックフィルタを交換したいと思います。
SRF-M100に使われているセラミックフィルタの型番が不明ですが,表記を見ると450Gという文字が見えますので,帯域4.5kHz品と思われます。
まあ,日本だと9kHz間隔で置局されていますので,妥当な帯域か,とは思うのですけどね......。
AMステレオ用に販売された,SFG-450Dの手持ちがまだあるので,交換したい,と思います。これは帯域幅10kHzなので,非常にHiFiです。前回,SRF-A300を改造するときにも使いました。
左:オリジナル,右:SFG-450D
残念ながら,ソニーのサービスマニュアルにも,CF2: FILTER, CERAMICとあるだけで,部品メーカの型番がありません。おまけにどういうわけか,黒いオリジナルの方は4本足です。
ムラタのカタログを見ると,たぶん,CFULA450と思います。足が多いのはGNDが2本あるため,のようです。
ちょっとサイズも大きいし,ピン配置も違うので,苦労しましたが,なんとかSFG-450Dに交換できました
☆ ☆ ☆
こうやって,仮組みして電池をつないでみると大音量で鳴るので,修理完了のようです。
外観は割にきれいですし,普段使うSRF-M100として愛用させていただきます。
2023年12月27日追記
残念ながら,セラミックフィルタの交換はやはりやり過ぎだったようです
というのも,帯域が広くなりすぎ,近隣の局だとひとつ上や,下のチャンネル(±9kHz)でもほとんど音質劣化なく,聞こえてしまいます。
SRF-A300などではこんなことはないんですけどね.....。
ひどい場合,微弱局だと隣接チャンネルの局の方に同調しちゃって本来の局が聞こえません
これ,原因はSRF-M100はバリキャップチューニングだから,ですね。
SRF-A300はバリコン式なので,フロントエンドでも帯域が決まっちゃうのですが,バリキャップはQが低く,帯域幅が広くなり過ぎちゃったのですね。
バリコンだと中波帯はQが100~200くらいはあるので,セラミックフィルタで広くしても意味がないくらいで,SRF-A300などではQダンプのため,直列に抵抗を入れていますが,SRF-M100ではセラミックフィルタの交換はしない方がよさそうです。
と言う次第で,元に戻すか思案中......です。
近隣局だとものすごくHiFiに聞こえる,と言うメリットはあるのですけど.....。
☆ ☆ ☆
iruchanが1999年に買ったのは後期型でした。ちょっと写真をお見せします。
今回,修理したのは前期型です。VOLUMEとPHONESがモールドになったのが後期型です。他にも,ソフトケースの形状が違うそうですが,前期型は本体のみなので,ケースがありません
さよならAMラジオ~送信所めぐり~その9:ラジオNikkei長柄送信所, ニッポン放送木更津送信所 [ラジオ]
2023年12月16日の日記
前回,三河地方の送信所を訪ねましたが,今日はいよいよ,ニッポン放送の木更津送信所を訪ねます。ここはiruchanにとっては,やはり一番の聖地です。
何より,オールナイトニッポンを中坊の頃から聴いていますし,設備も立派で,ぜひ,一度,訪れてみたい,と思っていました。
iruchanが中坊の頃,ラジオの深夜放送をみんな聴いていて,iruchanも小さな松下の6石スーパーで聴いていました。
こんなラジオでしたけど,ニッポン放送は強く,北陸の田舎でも夜になると聴くことができ,たまに聴いていました。
たまに.....と言うのは当時はオールナイトニッポンは夜,1時スタートだったからで,さすがにこんな遅くまで起きていることはないし,でも,宇宙戦艦ヤマトの特集があったのは今も覚えていて,ちゃんと起きて聴いていたりしました。
と言うこともあり,iruchanが中坊の頃は本当に木更津のニッポン放送を受信しないと聴けなかったので,昔から憧れていました。
それに,「東京有楽町のニッポン放送からお届けします......」ってアナウンスもなんか田舎の中学生にはものすごく刺激的で,かっこよくて,しかも,ちょっと挑発的な感じもして,「ゆうらくちょうってどんなとこだろう」,と憧れた記憶があります。
大人になって,有楽町へ行ってこんな雑然としたところだったのか,ってがっかり.....でしたけどね。
☆ラジオNikkei長柄送信所
木更津送信所へ行くついで(失礼!)に,もう1ヶ所,どこかへ回りたい,と思ったのですが,千葉県って,AM局の送信所はニッポン放送だけ,なんですね~~
ちょっとビックリ
FMやデジタルTVの中継局はたくさんあるんですが,そんなの興味ないし,AM局は残念ながら,ニッポン放送だけです。
NHKは久喜の 総本山 から 布教 発信しているだけだし,民放各局も中継局は設置していません。房総半島の太平洋側,鴨川や勝浦などでは問題なく聴取できるのでしょうか.....。
ちょっとこれじゃ,時間がもったいないのでどこかほかに見に行くところはないか,と思ったらラジオNikkeiの長柄送信所があるじゃ,ないですくゎぁ~~
諸先輩の中には,私的にここはラジオたんぱです,って書いておられる方がいらっしゃいましたが,iruchan的には日本短波放送なんですけどね..... この前,行ったラジオ日本だって,iruchan的にはラジオ関東なんですけどね.....。
ここ,日本じゃ,3ヶ所しかない,短波の送信所ですし,短波の送信所を見るのも初めてなので,一度,見ておこう,と思いました。短波の送信所はラジオNikkeiの送信所だと,あとは根室送信所ですし,ほかにはKDDIの八俣送信所しかありません。さすがに根室は遠いな~。
でも,調べてみてまたビックリ。
首都圏だというのに,ここ,行くのは本当に大変です
茂原駅か,八幡宿駅からバスが出ていますが,本当に少ない。
どちらも,ロングウッドステーションというショッピンセンター跡にできたイベント施設行きのバスで,当然,行きが午前,帰りが午後,と言うダイヤだし,どういうわけか,そういう施設行きのバスなのに,土,日は本数が減るので,送信所を訪問するには不便です。
茂原駅7:25発のバスで行きました。車内は数人のお客さんがいるだけ。ロングウッドステーション行きと言っても,実際は茂原市内か,長柄町まで行く方ばかりだと思います。
長柄送信所へ行くには,六地蔵局前というバス停で降ります。やはりiruchanが最後のお客さんでした.....。
すぐに県道から離れて山の方へ行く道がありますので,うっかり,そこを歩きたくなりますが,送信所へはもっと先の,道の駅ながらを越えたところにあるキャンプ場という看板があるところを右折します。
周りはうっそうとした杉林と竹林で,それこそ熊が出そう~~
ちなみに,九州はツキノワグマは絶滅しましたが,本州でも千葉は熊はいないそうです。というのも,広い関東平野を横切って千葉まで行くことが難しいから,だそうです。
送信所はバス停から歩いて15分くらいの所にあります。
市津湖(しづこ)という1985年完成の長柄ダムの建設でできた,人工湖のそばですが,人工湖のため,一応,周回道路があるようで,一部,遊歩道として開放されていますが,この辺りは湖岸に立ち入ることはできません。崖になった地形だし,湖も急に深くなるので,危険なのでしょう。
周囲は別荘やキャンプ場もあり,それなりに人が住んでいるところですし,そもそも,送信所自体,中波の送信所だとたいてい無人ですが,ここは有人の施設で,24時間体制で設備が維持されているようです。
ここで1時間ほど写真を撮って,先ほどのバス停から,10:28発の1日3本しかない労災病院行きのバス⇒八幡宿駅東口行きバスと乗り継いで八幡宿駅に出ました。一応,房総半島縦断しました.......。
幸い,六地蔵局前のバス停そばに道の駅ながらがありますので,お土産を買って,少し休憩しました。新鮮な野菜,お弁当,お菓子など,たくさん売られていて,開店早々,とても賑わっていました。お土産に大きなさつまいもを買って帰りましたけど,ものすごくホクホクの美味しいさつまいもで,嫁はんが喜びました
送信所は本当に重厚な設備でした。
1969年2月に,戸田送信所から移転しています。TBSの戸田送信所から東へ3kmほど行ったところにありました。
国土地理院の地図・空中写真閲覧サービスで探しました。
残念ながら,1/25000地図には鉄塔の記号がありません。同じ時代のTBSの戸田送信所には鉄塔の記号があるのですけどね。
河童さんのQSLカードを見ると,鉄塔高さは20mしかなかったようなので,記載していないのかもしれません。
短波の送信所なので,当時の写真を見ると4本の鉄塔が並んで,やはりダイポールアンテナが5面,設置してあったようです。所在地は埼玉県北足立郡戸田町大字下戸田3689番地でした。
長柄送信所の鉄塔はあわせて5本あるようです。局舎をはさんで南と北に1組ずつ鉄塔があり,2系統の電波を送信しています。どちらが第1で,どちらが第2か,また,どちらがどの周波数で送信しているのか,ちょっとわかりません。
南側の1本にはSTL用のパラボラアンテナがついていました。現在は光回線で中継しているらしく,このパラボラアンテナは予備だと思います。
ただ,それにしても山の中で全体が見えない,と言うこともありますが,本当に全体がどうなっているのか,よくわかりません。
普通,短波の送信所は八俣送信所みたいに平地に作るもの,と思いますけどね。
短波だとダイポールアンテナ(T型アンテナ)にすることが多く,両端に大きな鉄塔を建て,真ん中で地上に降ろして給電する,と言うタイプが多いのですが,ここも同じです。給電点にも電柱が建っているし,とてもややこしいです。特に,北側の1系統は給電点までの距離が長く,延々と電柱でリード線がのびています。
北側はどうにも水平に張ってあるはずのリード線が地形に合わせて沈んでいるし,T型じゃなく,Y型アンテナみたいになっているようです。リード線は水平に張る必要はないのでしょうか。
それに,ラジオNikkeiはかつては7波あったこともあり,アンテナは指向性6面,無指向性が2基という具合で,複雑です。
空調装置が轟音をたてていました。送信機はNEC製で,出力部は4CX50000Aなどで,真空管のようです
▲のように,北側の鉄塔には給電点まで,延々とリード線がのびていて,これも2系統あるようです。
この局舎の左側(東)に1本,無指向性の支線式アンテナが建っているようなのですが,写真を撮ることはできませんでした。googleの空中写真で見えますけど,木が邪魔して撮影できません。
銘板
残念ながら,局舎は奥まったところにあり,うまく撮れませんでした。
ところで,ここ,ダムの完成は1985年と書きましたが,送信所の移転は1969年なので,周囲が水没する前の状況はどんなだったのでしょうか。
1975年1月 1988年10月
やはり5本の鉄塔が見えます。こんな風に周囲が変わっちゃったんですね。
それにそもそも,どうしてこんな山の中なのか......。
武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(国民保護法)の指定機関ともなっているからか,という気がしますが.....。
でも,その法律はここの建設よりずっと後にできていますしね。
武力攻撃を受けた際に優先的に防護すべき施設,と言うことなんでしょうね。
第3次世界大戦で北半球が壊滅し,死の灰が降って生きている人はいないはずの日本の房総半島付近から,かすかに短波で音楽が流れて来るのを,オーストラリアの傍受施設が気がつく.......。
ってネヴィル・シュートの "渚にて" みたいなことになるんじゃないでしょうか.......
☆ニッポン放送木更津送信所
ここは指向性を持たせてあり,手前から,主塔の奥に副塔,主塔の左にSTL用鉄塔が見えます。
八幡宿の駅から内房線に乗り,木更津で久留里線に乗り換えて東清川が最寄り駅です。駅から1kmほど北に歩くと送信所がありますし,木更津を出るとアンテナが見えてくるので,行くことは容易だと思います。
途中,五井駅で途中下車。
お目当ては五井駅の駅弁です
小湊鉄道との連絡通路で,販売しています。
以前,小湊鉄道へ行ったときに見つけたので買っておけばよかったのですが,そのときはお腹いっぱいだったので,買わず,とても後悔してます。
ここは地元の膳料理やり田さんが販売している駅弁で,とても安くて美味しそうでしたので,次回,行ったときに買おう,と思っていました。
ところが......。
やはりコロナ禍のせいと,先日の水害で小湊鉄道が不通になった影響か,11月28日から年内一杯,休業とのこと。
本当に残念です。手作りの美味しそうなお弁当がたくさん並んでいたので,ぜひ,再開をお願いします。
JR東日本から来た,キハ40もいましたが,レトロな旧型気動車がとてもいい感じです。
9月の台風13号の被害で,月崎~上総中野間が不通になっていましたが,12月から土,休日を中心として全線運転再開しました。しかし,まだ全面復旧という訳ではなく,工事のため,まだしばらく区間運休がつづくようです。工事関係の皆様に感謝したいと思います。
と言う次第ですけど,こちらもお腹が空いてきたので,今度は東清川駅前の大衆食堂とみさんで食事。
最初は五井駅の駅弁をお土産にし,昼はここで食べて,駅弁は夜にしよう,と思っていたんですけどね。
こちらの食堂もすごかったです。ハンバーグ定食を頼んだら,普通の3倍はあろうかという巨大なハンバーグ
とても美味しくいただきました。ニッポン放送の送信所を訪れるときはここで食事するとよいと思います。本当に木更津はよいところですね。
さて,送信所ですが,ほぼ南北に主塔と副塔が並んでいて,高さはそれぞれ120mと60mで,双給電および単給電の両方に対応しているそうです。出力100kW,1242kHzで送信しています。
1971年6月に,足立区六月町から移転しました。現在は予備送信所となっています。この送信所については,こちらをご覧ください。
敷地はとても広く,大部分,太陽光電池パネルが設置されていて,CBCの長島送信所と似た感じです。また,長島送信所同様,局舎はスタジオが設けてあるらしく,かなり大きな建物です。
天気もよく,小櫃川を渡る橋からきれいな写真が撮れました。
主塔も副塔も,どちらもトラス構造です。主塔には容量環はなく,てっぺんには航空障害灯のランプが見えます。
障害灯に給電するオースチントランスが見えますね。
それにしてもコンクリートの土台が低いです。長島送信所は5mくらいはありそうでしたけど。
小櫃川の橋梁には水位計がついているのに気づきましたので,氾濫する可能性がありそうです。そういえば,小櫃川は利根川に次いで千葉県内では2番目に長い川,だそうです。
副塔にも給電できるよう,整合器が設置されています。
残念ながら,ここから道が局舎まで延びているんですが,途中で曲がっているため,局舎正面の写真は撮れません。
現在は光回線で中継しているはずですので,60MHzVHF帯用の八木アンテナが見えますが,予備だと思います。
残念ながら,たくさんこの看板があったのですが,どれも色あせていました......
かと思ったら,全面的にこのフェンスを交換している様子。工事の方がいらっしゃいました。フェンスはとてもきれいになっていました。
ところで,この送信所,敷地が丸くなっていますし,googleマップを見ると道路も丸く湾曲しています。
どうもヘンだな,と思ったら,ここは小櫃川が蛇行していたところで,捷水路工事といいますが,川の流れを直線化した工事の跡地なんですね。
元は川底なので,湿っていて,送信所としては最適の土地だったのでしょう。
1947年2月 1975年1月
建設前の1947年に米軍が撮影した写真では小櫃川はもっと北側を流れていました。現在の本流地点は何か工事が始まっているようですね。
送信所建設後を見るとすでに鉄塔が3本建っています。
☆ ☆ ☆
ようやく長年ずっと行きたいと思っていた,木更津送信所を訪ねることができ,とてもうれしいです。それこそ,iruchanが中学生の頃からですから......。
美味しいお食事もいただいたし,楽しく帰宅しました。
ニッポン放送からQSLカードをいただきました。
あの送信所から電波が届いているのか,と思うとこんなにうれしいことはなく,感慨無量です。
2024年4月1日追記
ニッポン放送がとうとう,昨日をもってAMステレオ放送を止めちゃいました。
詳しくはこちらに書きました。
文化放送が止めてからも10年以上,AMステレオを続けてくださいまして,ありがとうございました。
また,ベリカードの発送も昨日で終わり,のようです。
▲のように,AM Stereoと書いてあるから,だったのか......という気もします。
iruchanは10年前にもカードをいただいているので,よかったですが,すでに新潟放送,北日本放送,北陸放送の3局がカードの発送を中止していますし,大手のニッポン放送が止めちゃうと,追随する局が出てきそうで,ちょっと心配です。
せめて,AM放送の廃止まで続けてください。
ソニーFM/ラジオNIKKEI/AMポータブルラジオ ICF-EX5の改造~その3:バックライト,周波数カウンタ~ [ラジオ]
2023年12月3日の日記
ただいま,ニッポン放送を遠距離受信中!
周波数カウンタつけました。バックライトも点灯して見やすいです。ノイズも出ません。
前回,ソニーのICF-EX5にバックライトをつけました。
今回,周波数カウンタを接続できるようにしたい,と思います。
☆局発信号の取り出し
ICF-EX5はスーパーのラジオなので,局発の周波数を外へ引っ張ってきて,周波数カウンタでIF分だけ,周波数を引いた周波数を表示すればよいです。
と言う次第で,まずは局発の信号を取り出して端子を設けておきます。
まず,回路を検討しないといけませんが.......。
残念ながら,ICF-EX5の全回路図は未入手です。
輸出モデルだと,海外の修理業者に配布したサービスマニュアルがネットに流出して入手可能だったりしますが,ICF-EX5は国内モデルのみのため,見つかりません。
それで,とりあえず,使用されているICを調べて考えます。
iruchanのICF-EX5は三洋のLA1205を使っていました。
それなら,簡単と思っちゃったんですが......
ちなみに,ICF-EX5は1985年発売で,2009年にMk2となっていますが,2018年に製造中止されるまで,LA1205を使っているようです。また,ちなみに低周波出力は三洋のLA4550を使っているようです。
ただ,どうもMk2となる前の2001年にモデルチェンジされているらしく,内部の回路はこれ以前と後で違うようです。
Mk2は,アナログTVが終了し,FMの上に1, 2, 3とアナログTVの音声チャンネルが表示されていたのをやめたり,NSB1,NSB2とあったのをラジオNikkeiとしたり,AM KOBEとあったのをラジオ関西としたり,いくつかダイヤル表示を修正しただけ,のようで,内部は変わっていないそうです。
iruchanのは初代の後期モデル,と言うことだと思います。本当に? 初代のモデルがどういうICを使っていたかは,不明ですけど.....。
そもそも,LA1205自体,とても古いICですし,ともかく,三洋自体,もう,ないのですから......。
半導体部門は2011年にオンセミに売却されています。この年,三洋電機は上場廃止となっています
半導体は,特にラジオ用の高性能ICを作っていて,ソニーだけじゃなく,トリオなどもたくさん使用していたのですけどね。東芝のラジオICより高性能なものが多く,一度,三洋のラジオICを使ってラジオを自作してみようか,なんて思っています。
ひょっとして,ICF-EX5の製造が終了されたのは,LA1205などの三洋製半導体の在庫がなくなったから,かもしれません。本当にどちらも残念です。
さて,使っているICがわかれば,大体,ラジオの回路は判明します。
データシートも簡単に入手できました。
ところが......。
あとで,ある方面から回路図を一部,入手できたのですが......。
なんと,驚いたことにICF-EX5はAM部はディスクリートになっています
もちろん,LA1205はAMフロントエンドがついているので,これを使えばいいはずなんですが,FM部のみ使用し,AMフロントエンドはディスクリートになっていて,RFアンプ,局発ともに,ICを使わず,FET,バイポーラTrの混成回路になっています。
RFアンプもついているので,どおりで高性能なわけです。
ディスクリートの他励式コンバータでIFを作り,その後,同期検波の基板に入力されています。同期検波のICはソニーのCX857ではないか,と思いますが,確認していません。
結局,振り出しに戻って,なんとか局発コイルを見つけて,そこから取り出すことになりました。
簡単には,局発コイルの1次側(バリコン側)から取ればいいですが,こちらはパラに引出し配線の容量分が加わるので,NGで,できれば避けた方がよいです。
Trラジオ用の局発コイルは2次側コイルを持っていますので,ここ→に小容量のコンデンサをつないで接続すると影響が少ないです。
真空管ラジオだと日本製ラジオは局発コイルは2次側がないので,しかたなくバリコン側から取り出さざるを得ないことが多いですけどね。エナメル線で数ターン,コイルを巻いて,そこから取り出したりしてもよいです。
さて,現実のICF-EX5で,局発コイルを探します。バリコンのすぐ近くにあるはずです。基板を見ると,ソニーの部品番号はL5のようです。
局発はコイル2次側から取り出しました。
難しいのがGNDで,ヘタに基板上から取ると電源SWと連動しないので,ご注意ください。電源のスライドSWの中点に接続しました。
こうして,ラジオの外に取り出せるようにしました。
下に,バックライト用のタクトSWが顔を出しています。目立たなくていいでしょ
☆周波数カウンタ
次は周波数カウンタを準備します。
昔だと三菱のM54821とか,沖電気がMSM5523とか,こういうカウンタICを発売していて,自作しましたし,iruchanも実際,何個か持っているので自作してもいいんですけど.....。
やっぱ,デジタルICの自作はめんどくさい。
それに,何より,国内でも,Ali Expressとかでも,こういうラジオ用の周波数カウンタキットや完成品を売っているので.....。
今回,Aliで昔,買った,周波数カウンタを使います。
驚いたことに,三洋のLC7265を使っていて,iruchanはこのICは知りませんでした.....
このIC,さらに驚いたことに,スタティック点灯タイプなので,ノイズを発生しません。
よく,7セグメントのLEDはダイナミック点灯と言って,各桁ごとに瞬間的に点灯し,順次,次の桁を点灯する,ダイナミック点灯をやっているのですが,これだとノイズを発生するため,AMラジオの周波数カウンタとしては使いにくく,シールドが必要だったり,かなり面倒です。
と言うことなんですが,このカウンタはノイズを出さず,よいカウンタだと思います。
ただ,本来はAM/FM両用なんですが,FM専用にカスタマイズされちゃっています。
FM用に使う場合,プリスケーラのLB3500とセットになっていて,いったん,周波数を1/8にしてから接続します。AMは必要ありません。
時代的には古いICと思いますけど,ネット上には1998年発行のLC7265の規格表が出ていますし,その頃までは現役だったようです。
実を言うと,本来は,Aliで真空管式FMチューナーを売っていて,それ用のカウンタなんですよね。
よく,日本でもいまだに真空管式FMチューナーなんて売っているところがありますけど,それらは低周波部に真空管を使っているだけで,RF部はICを使っています。
こういうの,真空管式FMチューナーって言っていいのでしょうか
Aliのチューナーは逆で,RF部は真空管です。これ,いいな,と思って買いました。さすがに,MPX回路部までは真空管でやっていなくて,東芝のICを使っていますが,これなら,真空管FMチューナーと名乗っても問題ないでしょう。
このチューナーはいずれまた紹介したいと思いますが,そのときに買ったカウンタを流用します。
ところが......,実は散々手こずりました....
というのも,まず,7セグのLEDがなぜか1個だけ,別のがついていて,さすがのチャイナクォリティ~~
しかたないので,秋月で買った7セグLEDに交換しました。使われているのはアノードコモンの7セグLEDです。
次に,AM/FMの切替などの設定には,LC7265の選択ピンをLにするか,Hにするかで,決まるので,簡単,と思ったのですけれど.....。
こういうカウンタICは三菱のも沖のもそうですが,何本かのピンをLにするか,Hにするかで決められます。AM or FMはもちろん,IFがAMだと455kHzか,450kHz,ほかには263kHz(カーラジオ)なんてのも選択できますし,FMだと10.7MHzはほぼ全世界,同じですが,これを足すのか,引くのか,の選択ができます。
日本では,世界のFMと違って,局発は下側ヘテロダインなので,+10.7MHzとします。AMはどこも上側ヘテロダインなので,-455kHzとかなんですけどね。
アナログTVはなくなったし,AMもやめちゃうこともあり,そろそろ,
世界ノ大勢ト帝国ノ現状ニ鑑ミ,非常ノ措置ヲ以テ......
FMのIFを上側ヘテロダインに変えるべき,と思います......なんのこっちゃ。
案の定,Aliで買ったカウンターはFM専用になっていますし,10.7MHzを引くようになっていました。
基板を改造し,まずはAM用にして,さらに,ICF-EX5はIFは450kHzなので,-450kHzを表示するようにします。
LC7265の規格表は簡単に手に入りましたので,上記の設定は簡単にわかりました。
本カウンタはFM設定用の#11~13ピンがすべてL, AM用の#14がH,15ピンはLとなっていました。また,AMか,FMかを決める#20はHとなっていて,FMとなっています。
これらのうち,#11をHとするほか,残りをLとすれば,AM用,IF=450kHz,FMは+10.7MHzと設定することができます。
ジャンパ線をつないでこれらのピンをLにしたりしてみたのですが......。
表示がヘンです。
まったく数字が表示されず,小数点のみ表示されています......
普通,カウンタとして正常に動作しているなら,デタラメな数値を適当に表示するはずです。なにも表示しない,というのはマズいです......。
散々調べたところ,#17ピンがLになってしまい,これはブランク表示(表示しない)のピンなので,こうなっちゃうんですね....。
パターンが#14と#17が共通になっていて,Hにプルアップされているようです。これを,#14ピンをプルダウンしたので,そのまま#17もプルダウンされ,ブランク表示になっちゃったようです.....。
しかたないので,#17ピンだけ基板から外して別途,プルアップしました。
ほかにも,小数点の ● がつきっぱなし
なんで? って思ったら,なんと,小数点はそのままGNDに接続されていて,常時点灯となっていました。
最後に,規格表を読んでいて気がついたのですが,入力レベルが0.5Vp-p以上となっていて,結構大きいです。
ICF-EX5のIF出力は▲のように,100mVrmsくらいだったので,23dB程度,増幅してやらないといけません。
ということで,1石のプリアンプをつけてやります。
簡単に,2SC1815で作ってやりました。
ところが,ちゃんとカウンター表示が変わるんですが,感度が異常に悪い。
LC7265の規格表を見ると,入力電圧は0.5Vp-p以上となっていますが,オシロで見てみると,6Vp-pくらい加えないと,正常な表示をしません......
どうなっとるんや......。
オシロで波形を見てみると,どうも直流オフセットしているらしく,なぜかAM inの#9ピンの電位は2.3Vくらいあります。FM inの方は0V近辺なので,本来ならAM inも0Vのはずです。
だから,6Vp-pくらい入力の振幅がないと動かないんですね。
散々パターンを調べても原因がわかりません。
ほかの方でLC7265を使っておられる方のブログも見ましたが,単にここはプリアンプからコンデンサを介して直結しているだけで,普通は問題はなさそうです。
しかたないので,3.6kΩを介して#9ピンに入力することにしました。こうすると直流分と合成(加算)してくれますので,信号の下限がスレッショルド値以下になって動くはずです。
最初,小数点がつきっぱなしだったので,接続を切り,あとでAM/FM切替時と連動して点灯するようにしたいと思います。
黒字はもとの基板上の配線です。ピンクの部品と配線を追加します。回路はiruchanが読み取った一部分だけです。
ちなみに,FMは1ターンのループアンテナが入力でした。
驚いたことに,Aliの説明を読むと,ラジオに近づけると,局発をとらえて周波数が表示される,とのことです。
実際,テストオシレータで確認できました。
とはいえ,ICF-EX5のように半導体のラジオではムリなようです。
2MHzで27dB程度,ゲインがあります。
☆ ☆ ☆
こうやってようやくソニーのICF-EX5にバックライトと周波数カウンタが接続できるようにしました。
次回,カウンタはちゃんとケースを作ってやりたいと思います。
また,ノイズが出ない,と書いていますが,LC7265自体はノイズを出さないものの,やはり外へ局発を引っ張り出したため,配線に若干,ノイズが乗って,微弱な局だと影響が出ますので,対策します。
これで,待ち受け受信して遠距離の民放AM局を受信したい,と思います
☆ ☆ ☆
2023年12月5日追記
やはり,本体内部にバッファアンプをつけました。
LC7265はスタティック点灯のため,IC自体はノイズを出さなくて,よいICですが,引き出しのケーブルや周辺回路がやはりノイズを拾ってしまいます。
ニッポン放送みたいに強力な局はいいですが,福島放送や信越放送のように遠距離の微小局だとノイズの方が大きく,遠距離受信時には支障します。
そこで,簡単にFET1石でバッファアンプを作り,前回,作った,バックライト用の基板に配線し,ICF-EX5に内蔵しました。
ゲインは6dBほどありました。OSC出力は400mVp-pくらいになりました。
600~700kHz付近で不安定な表示になる現象も消えました。やはりバッファーは必要な感じです。
う~~ん,これだったらプリアンプと一緒にして,2石式のバッファアンプにして本体に内蔵すればよかった,と思わなくもないですけど......