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さよならAMラジオ~送信所めぐり~その9:ラジオNikkei長柄送信所, ニッポン放送木更津送信所 [ラジオ]

2023年12月16日の日記

前回,三河地方の送信所を訪ねましたが,今日はいよいよ,ニッポン放送の木更津送信所を訪ねます。ここはiruchanにとっては,やはり一番の聖地です。

何より,オールナイトニッポンを中坊の頃から聴いていますし,設備も立派で,ぜひ,一度,訪れてみたい,と思っていました。

iruchanが中坊の頃,ラジオの深夜放送をみんな聴いていて,iruchanも小さな松下の6石スーパーで聴いていました。

こんなラジオでしたけど,ニッポン放送は強く,北陸の田舎でも夜になると聴くことができ,たまに聴いていました。

たまに.....と言うのは当時はオールナイトニッポンは夜,1時スタートだったからで,さすがにこんな遅くまで起きていることはないし,でも,宇宙戦艦ヤマトの特集があったのは今も覚えていて,ちゃんと起きて聴いていたりしました。

と言うこともあり,iruchanが中坊の頃は本当に木更津のニッポン放送を受信しないと聴けなかったので,昔から憧れていました。

それに,「東京有楽町のニッポン放送からお届けします......」ってアナウンスもなんか田舎の中学生にはものすごく刺激的で,かっこよくて,しかも,ちょっと挑発的な感じもして,「ゆうらくちょうってどんなとこだろう」,と憧れた記憶があります。

大人になって,有楽町へ行ってこんな雑然としたところだったのか,ってがっかり.....でしたけどね。

☆ラジオNikkei長柄送信所

長柄送信所2.jpg 山の尾根に沿って鉄塔が並んでいます。

木更津送信所へ行くついで(失礼!)に,もう1ヶ所,どこかへ回りたい,と思ったのですが,千葉県って,AM局の送信所はニッポン放送だけ,なんですね~~[雷]

ちょっとビックリ[雷]

FMやデジタルTVの中継局はたくさんあるんですが,そんなの興味ないし,AM局は残念ながら,ニッポン放送だけです。

NHKは久喜の 総本山 から 布教 発信しているだけだし,民放各局も中継局は設置していません。房総半島の太平洋側,鴨川や勝浦などでは問題なく聴取できるのでしょうか.....。

ちょっとこれじゃ,時間がもったいないのでどこかほかに見に行くところはないか,と思ったらラジオNikkeiの長柄送信所があるじゃ,ないですくぁ~~[晴れ]

諸先輩の中には,私的にここはラジオたんぱです,って書いておられる方がいらっしゃいましたが,iruchan的には日本短波放送なんですけどね.....[雨] この前,行ったラジオ日本だって,iruchan的にはラジオ関東なんですけどね.....。

ここ,日本じゃ,3ヶ所しかない,短波の送信所ですし,短波の送信所を見るのも初めてなので,一度,見ておこう,と思いました。短波の送信所はラジオNikkeiの送信所だと,あとは根室送信所[雷]ですし,ほかにはKDDIの八俣送信所しかありません。さすがに根室は遠いな~。

でも,調べてみてまたビックリ。

首都圏だというのに,ここ,行くのは本当に大変です

茂原駅か,八幡宿駅からバスが出ていますが,本当に少ない。

どちらも,ロングウッドステーションというショッピンセンター跡にできたイベント施設行きのバスで,当然,行きが午前,帰りが午後,と言うダイヤだし,どういうわけか,そういう施設行きのバスなのに,土,日は本数が減るので,送信所を訪問するには不便です。

茂原駅7:25発のバスで行きました。車内は数人のお客さんがいるだけ。ロングウッドステーション行きと言っても,実際は茂原市内か,長柄町まで行く方ばかりだと思います。

長柄送信所へ行くには,六地蔵局前というバス停で降ります。やはりiruchanが最後のお客さんでした.....。

すぐに県道から離れて山の方へ行く道がありますので,うっかり,そこを歩きたくなりますが,送信所へはもっと先の,道の駅ながらを越えたところにあるキャンプ場という看板があるところを右折します。

周りはうっそうとした杉林と竹林で,それこそが出そう~~[台風]

ちなみに,九州はツキノワグマは絶滅しましたが,本州でも千葉は熊はいないそうです。というのも,広い関東平野を横切って千葉まで行くことが難しいから,だそうです。

長柄送信所.jpg こんな細い道を歩いて行きます。

送信所はバス停から歩いて15分くらいの所にあります。

市津湖(しづこ)という1985年完成の長柄ダムの建設でできた,人工湖のそばですが,人工湖のため,一応,周回道路があるようで,一部,遊歩道として開放されていますが,この辺りは湖岸に立ち入ることはできません。崖になった地形だし,湖も急に深くなるので,危険なのでしょう。

周囲は別荘やキャンプ場もあり,それなりに人が住んでいるところですし,そもそも,送信所自体,中波の送信所だとたいてい無人ですが,ここは有人の施設で,24時間体制で設備が維持されているようです。

ここで1時間ほど写真を撮って,先ほどのバス停から,10:28発の1日3本しかない労災病院行きのバス⇒八幡宿駅東口行きバスと乗り継いで八幡宿駅に出ました。一応,房総半島縦断しました.......。

幸い,六地蔵局前のバス停そばに道の駅ながらがありますので,お土産を買って,少し休憩しました。新鮮な野菜,お弁当,お菓子など,たくさん売られていて,開店早々,とても賑わっていました。お土産に大きなさつまいもを買って帰りましたけど,ものすごくホクホクの美味しいさつまいもで,嫁はんが喜びました[晴れ]

送信所は本当に重厚な設備でした。

1969年2月に,戸田送信所から移転しています。TBSの戸田送信所から東へ3kmほど行ったところにありました。

日本短波放送戸田送信所 '66.10.22 MKT666X-C2-13s.jpg 旧戸田送信所(1966年10月)

国土地理院の地図・空中写真閲覧サービスで探しました。

残念ながら,1/25000地図には鉄塔の記号がありません。同じ時代のTBSの戸田送信所には鉄塔の記号があるのですけどね。

河童さんのQSLカードを見ると,鉄塔高さは20mしかなかったようなので,記載していないのかもしれません。

短波の送信所なので,当時の写真を見ると4本の鉄塔が並んで,やはりダイポールアンテナが5面,設置してあったようです。所在地は埼玉県北足立郡戸田町大字下戸田3689番地でした。

長柄送信所の鉄塔はあわせて5本あるようです。局舎をはさんで南と北に1組ずつ鉄塔があり,2系統の電波を送信しています。どちらが第1で,どちらが第2か,また,どちらがどの周波数で送信しているのか,ちょっとわかりません。

南側の1本にはSTL用のパラボラアンテナがついていました。現在は光回線で中継しているらしく,このパラボラアンテナは予備だと思います。

ただ,それにしても山の中で全体が見えない,と言うこともありますが,本当に全体がどうなっているのか,よくわかりません。

普通,短波の送信所は八俣送信所みたいに平地に作るもの,と思いますけどね。

短波だとダイポールアンテナ(T型アンテナ)にすることが多く,両端に大きな鉄塔を建て,真ん中で地上に降ろして給電する,と言うタイプが多いのですが,ここも同じです。給電点にも電柱が建っているし,とてもややこしいです。特に,北側の1系統は給電点までの距離が長く,延々と電柱でリード線がのびています。

長柄送信所1.jpg STLのパラボラがついています。

北側はどうにも水平に張ってあるはずのリード線が地形に合わせて沈んでいるし,T型じゃなく,Y型アンテナ[雨]みたいになっているようです。リード線は水平に張る必要はないのでしょうか。

それに,ラジオNikkeiはかつては7波あったこともあり,アンテナは指向性6面,無指向性が2基という具合で,複雑です。

長柄送信所6.jpg 局舎からのリード線引き出し部。

空調装置が轟音をたてていました。送信機はNEC製で,出力部は4CX50000Aなどで,真空管のようです[晴れ]

▲のように,北側の鉄塔には給電点まで,延々とリード線がのびていて,これも2系統あるようです。

この局舎の左側(東)に1本,無指向性の支線式アンテナが建っているようなのですが,写真を撮ることはできませんでした。googleの空中写真で見えますけど,木が邪魔して撮影できません。

長柄送信所7.jpg

長柄送信所8.jpg ダウンリード部です。

長柄送信所9.jpg 終端部はこんな感じです。

日経ラジオ社送信所.jpg 銘板

残念ながら,局舎は奥まったところにあり,うまく撮れませんでした。

ところで,ここ,ダムの完成は1985年と書きましたが,送信所の移転は1969年なので,周囲が水没する前の状況はどんなだったのでしょうか。

長柄送信所'75.1, '88.10'.jpg 

    1975年1月         1988年10月

やはり5本の鉄塔が見えます。こんな風に周囲が変わっちゃったんですね。

それにそもそも,どうしてこんな山の中なのか......。

武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(国民保護法)の指定機関ともなっているからか,という気がしますが.....。

でも,その法律はここの建設よりずっと後にできていますしね。

武力攻撃を受けた際に優先的に防護すべき施設,と言うことなんでしょうね。

第3次世界大戦で北半球が壊滅し,死の灰が降って生きている人はいないはずの日本の房総半島付近から,かすかに短波で音楽が流れて来るのを,オーストラリアの傍受施設が気がつく.......。

ってネヴィル・シュートの "渚にて" みたいなことになるんじゃないでしょうか.......[台風][台風]

☆ニッポン放送木更津送信所

木更津送信所1.jpg 3本の鉄塔が見えます。

ここは指向性を持たせてあり,手前から,主塔の奥に副塔,主塔の左にSTL用鉄塔が見えます。

八幡宿の駅から内房線に乗り,木更津で久留里線に乗り換えて東清川が最寄り駅です。駅から1kmほど北に歩くと送信所がありますし,木更津を出るとアンテナが見えてくるので,行くことは容易だと思います。
 
途中,五井駅で途中下車。
 
お目当ては五井駅の駅弁です[晴れ]
 
小湊鉄道との連絡通路で,販売しています。
 
以前,小湊鉄道へ行ったときに見つけたので買っておけばよかったのですが,そのときはお腹いっぱいだったので,買わず,とても後悔してます。
 
ここは地元の膳料理やり田さんが販売している駅弁で,とても安くて美味しそうでしたので,次回,行ったときに買おう,と思っていました。
 
ところが......。
 
やり田.jpg 残念~~[曇り]
 
やはりコロナ禍のせいと,先日の水害で小湊鉄道が不通になった影響か,11月28日から年内一杯,休業とのこと。
 
本当に残念です。手作りの美味しそうなお弁当がたくさん並んでいたので,ぜひ,再開をお願いします。
 
小湊鉄道.jpg 小湊鉄道
JR東日本から来た,キハ40もいましたが,レトロな旧型気動車がとてもいい感じです。
 
9月の台風13号の被害で,月崎~上総中野間が不通になっていましたが,12月から土,休日を中心として全線運転再開しました。しかし,まだ全面復旧という訳ではなく,工事のため,まだしばらく区間運休がつづくようです。工事関係の皆様に感謝したいと思います。
 
と言う次第ですけど,こちらもお腹が空いてきたので,今度は東清川駅前の大衆食堂とみさんで食事。
 
最初は五井駅の駅弁をお土産にし,昼はここで食べて,駅弁は夜にしよう,と思っていたんですけどね。
 
こちらの食堂もすごかったです。ハンバーグ定食を頼んだら,普通の3倍はあろうかという巨大なハンバーグ[晴れ]
 
とみ.jpg 大衆食堂とみさんのハンバーグライス[晴れ]
 
とても美味しくいただきました。ニッポン放送の送信所を訪れるときはここで食事するとよいと思います。本当に木更津はよいところですね。 

さて,送信所ですが,ほぼ南北に主塔と副塔が並んでいて,高さはそれぞれ120mと60mで,双給電および単給電の両方に対応しているそうです。出力100kW,1242kHzで送信しています。 

1971年6月に,足立区六月町から移転しました。現在は予備送信所となっています。この送信所については,こちらをご覧ください。 

敷地はとても広く,大部分,太陽光電池パネルが設置されていて,CBCの長島送信所と似た感じです。また,長島送信所同様,局舎はスタジオが設けてあるらしく,かなり大きな建物です。

木更津送信所2.jpg 逆さ鉄塔[晴れ]

天気もよく,小櫃川を渡る橋からきれいな写真が撮れました。

木更津送信所3.jpg

主塔も副塔も,どちらもトラス構造です。主塔には容量環はなく,てっぺんには航空障害灯のランプが見えます。

木更津送信所4.jpg 主塔の基部

  障害灯に給電するオースチントランスが見えますね。

それにしてもコンクリートの土台が低いです。長島送信所は5mくらいはありそうでしたけど。

小櫃川の橋梁には水位計がついているのに気づきましたので,氾濫する可能性がありそうです。そういえば,小櫃川は利根川に次いで千葉県内では2番目に長い川,だそうです。

木更津送信所10.jpg 副塔頂部。容量環がついています。

木更津送信所12.jpg 副塔基部。整合トランスがあります。

副塔にも給電できるよう,整合器が設置されています。

木更津送信所5.jpg 入り口。とうとう来ました!

残念ながら,ここから道が局舎まで延びているんですが,途中で曲がっているため,局舎正面の写真は撮れません。

木更津送信所6.jpg 局舎。

木更津送信所7.jpg STL用の鉄塔。ちょっと支線が邪魔。

現在は光回線で中継しているはずですので,60MHzVHF帯用の八木アンテナが見えますが,予備だと思います。

木更津送信所13.jpg 結構,有名? な看板。

残念ながら,たくさんこの看板があったのですが,どれも色あせていました......[曇り]

かと思ったら,全面的にこのフェンスを交換している様子。工事の方がいらっしゃいました。フェンスはとてもきれいになっていました。

木更津送信所google.png 木更津送信所(googleマップから)

ところで,この送信所,敷地が丸くなっていますし,googleマップを見ると道路も丸く湾曲しています。

どうもヘンだな,と思ったら,ここは小櫃川が蛇行していたところで,捷水路工事といいますが,川の流れを直線化した工事の跡地なんですね。

元は川底なので,湿っていて,送信所としては最適の土地だったのでしょう。

木更津送信所(建設前)USA-M50-68 '47.2.22s.jpg 木更津送信所CKT7413-C41-13 '75.1.6s.jpg 空中写真

   1947年2月         1975年1月

建設前の1947年に米軍が撮影した写真では小櫃川はもっと北側を流れていました。現在の本流地点は何か工事が始まっているようですね。

送信所建設後を見るとすでに鉄塔が3本建っています。

     ☆          ☆          ☆

ようやく長年ずっと行きたいと思っていた,木更津送信所を訪ねることができ,とてもうれしいです。それこそ,iruchanが中学生の頃からですから......。

美味しいお食事もいただいたし,楽しく帰宅しました。

ニッポン放送 '23.10.10s.jpg AM Stereoと書いてありますね[晴れ]

ニッポン放送からQSLカードをいただきました。

あの送信所から電波が届いているのか,と思うとこんなにうれしいことはなく,感慨無量です[晴れ]


2024年4月1日追記

ニッポン放送がとうとう,昨日をもってAMステレオ放送を止めちゃいました。

詳しくはこちらに書きました。

文化放送が止めてからも10年以上,AMステレオを続けてくださいまして,ありがとうございました。

また,ベリカードの発送も昨日で終わり,のようです。

▲のように,AM Stereoと書いてあるから,だったのか......という気もします。

iruchanは10年前にもカードをいただいているので,よかったですが,すでに新潟放送,北日本放送,北陸放送の3局がカードの発送を中止していますし,大手のニッポン放送が止めちゃうと,追随する局が出てきそうで,ちょっと心配です。

せめて,AM放送の廃止まで続けてください。

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