SSブログ

さよならAMラジオ~送信所めぐり~その14:茨城放送・下国井送信所,土浦中継局 [ラジオ]

2024年3月10日の日記

下国井送信所.jpg 下国井送信所

茨城放送の基幹送信所です。冬だとまるで荒野に立つ送信鉄塔で,映画にも出てきそうですね[晴れ]。周波数1107kHz,出力5kWです。

前回,ロンドンのAM局の送信所を訪ねました。

さすがに,英国では日本より一足先に,10年前にはAMラジオの一部停止を行い,かなりの局がFMやデジタル(DAB)に移行しているようです。実際,BBCは4(トーク)と5(ニュース,スポーツ)のみ,AMで放送しているだけですし,どちらもFMまたはDABで並行して放送している状況です。民放もニュース専門のLBC Newsという局が放送している以外は宗教系や移民向けの民族系放送局が放送しているだけ,という寂しい状況でした。

日本でも,先月からAM放送の一部を停止し,リスナーからの意見を募集する実験が始まっています。

今回,茨城まで行ったのは,前回訪問した,県西中継局(筑西市)と土浦中継局が実験に参加し,送信を中断しているためです。

同社のホームページによると,期間は半年,とのことですが,リスナーの反応がなければ,このまま閉局となる公算が大きい,と思います。

う~~ん,AMラジオ大好きなiruchanとしてはとても残念ですが,完全に閉局して取り壊される前に見ておきたい,と思いました。

なお,このAM停止実験は茨城放送のほか,岩手放送,新潟放送,北日本放送,南海放送,RKB毎日放送など13社で,東京,大阪の局は参加しませんが,名古屋は東海ラジオが参加します。いずれもこれらの放送局は一部の中継局を停止するもので,東海ラジオは豊橋と新城の中継局を停止しています。なお,山口放送は徹底していて,7月には本局まで停止するようです。

とはいえ,どの局も,苦情を言っても,ワイドFMやradikoのご案内をしておしまい,なんじゃないでしょうか....[台風]

と言う次第ですけど,久しぶりに上京したiruchanは青春18きっぷ使って水戸まで行ってきました。

☆下国井ラジオ送信所

水戸駅から約10km,レンタル自転車で訪問します。

残念ながら,水戸市の郊外の下国井町にあって,大きな集落がありますが,農村と言うこともあり,公共交通機関は乏しく,近くを通るコミュニティバスは早朝に1本あるだけで,東京からだと間に合いませんし,そのほかは夕方以降,4本あるだけで,利用できません。

しかたないので,大宮営業所行きのバスに乗ろうかと思いましたが,その場合,最寄りの豊喰(とよばみ)バス停から2kmほど,歩くことになります。

前回の栃木放送・鹿沼送信所の場合とほぼ同じ距離です......。

ちょっと悩んで,水戸駅からレンタル自転車を借りることにしました。北口と南口に市営のレンタル自転車があり,電動式で1,000円/日,非電動式で500円です。

健康のため,iruchanは非電動タイプにしましたが......。

なんと,水戸って,関東平野にあるし,平坦なところ......って思っていたのですが,いきなり駅の前から崖[台風]

常磐線はこの崖に沿って敷設されているので気がつきませんでした。

有名な偕楽園もこの崖の上にあります。

それに,送信所までの間に那珂川など,川も多く,堤防の上り下りがあるので,結構しんどいところでした。やっぱ,電動借りておくんだった....[雨]

レンタサイクル.jpg 今日の旅のお友達[晴れ]

駅の南口を出るとすぐに駐輪場の看板が見えて,そこで貸してくれます。親切な職員の方が手続きしてくださいました。自転車はとてもきれいに整備されていて,快適でした。iruchanはパンク修理をしたりするのですけど,本当に大変です。たぶん,自転車修理の技術のある方が,遠方から来るお客さんのため,心を込めて整備してくださっているのだと思います。どうもありがとうございました。

iruchanは鉄ちゃんなので,水戸も何回も来ていますが,実際に,街を散策したのは今回が初めてでした[雨]

それにしても,iruchanは高校生の頃,毎日,片道5.5kmの道のりを15分で走っていましたけど,平均時速22km/hと,とても速いですね......。

途中に8号線の大きな交差点があり,かなり待たされたのに,15分で高校に着いていたのは驚き。

今考えてみるととんでもないスピードで,今じゃ,とてもこんな速度で走れません[雨]

ということですけど,今回は10kmなので,45分くらいで着くか,と思ったら,ほぼ1時間かかりました.....[台風]

それに,鉄塔も低いせいか,なかなか見えてこないので,不安になります。特に,ここは常磐道の高架が邪魔をして,鉄塔がそれをくぐるまで見えてこないので,ちょっと心配になりました。

下国井送信所1.jpg 下国井送信所のゲートから。

入口には,以前はちゃんとしたゲートがあった感じですが,今はチェーンだけです。

局舎は非常に珍しい,瓦葺きです。日本の送信所ではおそらくここだけだと思います。ぜひ,訪れてみたい,と思っていた理由です。木造ではない,と思いますが,鉄筋モルタル造瓦葺きという感じなのでしょうか。青い瓦がとても美しいです。

下国井送信所3.jpg 背面です。

周囲は広い田んぼ。AM電波の送信には非常に適したところだと思います。

さすがに民放AM局は設立から60年経っていることが多く(茨城放送の開局は1963年4月1日),▼の土浦中継局やNHK豊橋放送所のように,周囲が都市化してしまって送信所が住宅に取り囲まれている,という場合がほとんどですが,ここは建設当初のままのようです。

下国井送信所2.jpg 基部。

給電線とオースチントランスが見えます。この鉄塔は高さ60mはないようで,赤白の昼間航空標識には塗られていません。

下国井送信所4.jpg 頂冠部。

下国井送信所5.jpg STL用のパラボラアンテナ。

以前は頂冠の直下にももう1個,パラボラアンテナがあったようです。

下国井送信所7.jpg 支線基部

支線周りも田んぼです。アースには具合がよいでしょう。

帰りは快適。さすがに,行きはしんどいですが,帰りは気分的にも楽ですね~。

レンガ家.jpg レンガ家さんのジャンボハンバーグ[黒ハート]

お腹が空いてきたので,市役所横のレンガ家さんでランチ。手のひらの倍くらいある,ジャンボハンバーグで大満足。ほんの少し辛めのデミグラスソースがかかってとても美味しかったです。

ここは息子さんがレストランを継いでおられるようです。茨城大? の学生さんらしい,親切な若い子がバイトをしていました。こういう昔ながらの洋食屋さんは本当にいいですね~。食後にとても美味しいコーヒーをいただいて帰りました。

今日は梅祭り。偕楽園と千波湖の周辺をサイクリングして駅に戻ります。市のレンタサイクルは,千波湖の駐車場にも返却可能です。

梅3.jpg 梅がきれいでした[晴れ]


D51 515.jpg D51 515

千波湖の駐車場にD51が保存されています。補助灯がついているので,常磐線で使用されていたことは明らかですが,詳しい説明板がありません。

ちなみにこの補助灯は交流電化区間で前照灯のランプが切れたとき,架線下で交換するのは危険なため,区所に戻るまで点灯させるためのもので,模型などで両方共点灯するのはおかしいです。

1941年3月大宮工場製で,平機関区や水戸機関区で活躍したあと,1970年11月用途廃止のようで,翌年からここで保存されています。

とてもきれいに再塗装して,整備されていました。ありがとうございます。

偕楽園駅.jpg 偕楽園(臨)駅

帰りは偕楽園駅から。

ここは臨時駅なので,滅多なことでは乗れませんので.....[晴れ]

お前は知らんのか,と言われそうですが,iruchanはここは下り線だけ,というのは知りませんでした。

ときわ72号.jpg 

偕楽園駅を通過するときわ72号。このように,上り線側にはホームはありません[雨]

偕楽園駅乗車証明書.jpg

水戸黄門.jpg やっぱ,水戸は黄門様だっぺ。

iruchanが学生の頃,つくば出身の子と友だちでした。彼は今はどうしているかな.....。

☆土浦中継局

土浦送信所1.jpg うわぁ,すごい逆光!

残念ながら,ここは2月1日から停波しています。周波数1458kHz,出力1kWです。建設は1965年1月のようです。

以前から,鉄塔も塗装が剥がれ,局舎もかなり傷んでいる状態でしたので,近いうちに廃止になるのでは,と思っていましたが,それも停波実験に参加する理由かもしれません。

どこも同じ状況ですが,ちょうど,建設後60年と言うこともあり,減価償却期限を迎えますし,このままAMを継続するには局舎と鉄塔の更新が必要で,それなら儲からないAMは止めてしまおう,というのが民放各局の事情だと思います。

交通としては,土浦駅からイオンモール行きの直通バスが出ていますので,これを利用するのが手っ取り早いです。また,終点のイオンモールから南に,鉄塔が見えますので,とても楽です。イオンモールから,徒歩15分ほどです。

土浦送信所.jpg 送信所局舎と鉄塔基部

  手前に空き地があります。以前は畑かもしれません。

下国井送信所は瓦葺きでしたが,ここはトタン葺きです。建物の傷みがひどいようで,亀裂の補修個所が痛々しいです。鉄塔は赤白の航空標識で塗装されていますが,剥がれています。60m以下の鉄塔の場合,この塗装は不要ですが,おそらく,低くてもこのような鉄塔には赤白が似つかわしい,ということでさび止めをかねて赤白に塗られているのだろう,と思います。

土浦送信所6.jpg 西側から。

夕方近くになってしまい,夕日がまぶしいので,西側に行きました。ゲートも含め,局舎には何の看板もありません。

土浦送信所2.jpg 局舎裏側。

左に見える大きな箱は非常用発電機で,最近,取り替えられたようです。

土浦送信所3.jpg 塔頂部。

         下の方の箱はなに?

土浦送信所5.jpg 基部と給電線引出口

土浦送信所7.jpg 基部。

オースチントランスとスパークギャップがあります。コンクリの土台に銘板があって,製造年月や施工業者がわかるはずですが,本局もここもありませんでした。

土浦送信所4.jpg VHF帯のSTLアンテナ。

おそらく,中継回線は光回線化されていて,これは予備だと思います。

     ☆          ☆          ☆

ということで,iruchanはおそらくこれで関東地区のAM送信所はすべて制覇したと思います。1日でも長く,AM放送がつづくことを祈っています。

まあ,それにしても2月はとても暖かかったのに,3月になってとても寒いですよね~。今日も朝はとっても寒かったです。おまけにちょっと北風がきつく,自転車は

     あ~~,しんど~.....(笠置シズ子の声で)

でした。



nice!(6)  コメント(0) 

nice! 6

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント