ディスプレイポート問題について [パソコン]
2022年8月13日の日記
先日,職場のPCがリース期限が切れたので更新されました。
今までは国内E社のPCだったのですが,今夏からは米D社のものに変わりました。
iruchanはパソコン自作派なので,家のPCはずっとWindows95の頃からずっと自作で,メーカ製を使ったことはありません。確かに,1台目を自作するとメーカ製より高くなり,デザインもいまいちなのでメーカ製の方がよいと思いますが,2台目以降はケースやHDDなどの部品を流用できるので,安くできます。それに,最近はおとなりの赤い国のおかけでケースも非常にかっこうよいのが手に入るので,自作でもそうかっこ悪いことはなくなりました。
とはいえ,会社で自作のPCを使うことはできませんしね。しかたないので,あてがわれたものを使う,と言うことになりますね。
今回,D社製ということで嫌な予感がしていました......
どうにも黒を基調としたデザインが嫌いだし,何より安物! どうにもコストをケチった印象がして,あまりいい印象は持っていません。すぐに壊れると言う,H社同様,米国製共通の定評? もありますしね。
何より驚いたのはキーボード。少しこちらに書きましたけど,ペラペラの薄っぺらいキーボードで,ノートPCと同じ,パンタグラフ式のキーを使っていて,いかにも,ついてりゃいいでしょ,と言う感じの代物。
おまけに,F1~F12キーがFnキーと組み合わせていろんな機能がついている困りもの。確かに,ノートPCなんかこうなっていて,SPの音量調整や,モニターの切替なんかができるようになっていますが,デスクトップ機では不要なはず。おまけに,このおかげで左下のCtrlキーの横にFnキーがあって邪魔。Windowsボタンと間違えます。
まあ,このキーがCtrlキーの左にあって,一番左下のキーがCtrlじゃなくてFnキーになっているやつよりマシ35ですけどね......。
これ,本当に大迷惑。CtrlキーのつもりでFnキー押しちゃうので,大問題なんですよね~。
デスクトップなんだから,普通に日本語109キーボードつけてほしい。
もう,ひと目見ただけでこんなキーボード使う気がしないので,FILCOのメカニカルキーボードと交換しました。
おまけに,さらに驚いたのはビデオ出力がディスプレイポート,ということ。
ディスプレイポートはロクなことがないのは知っています。
ディスプレイポートだと4Kや8Kの画像も表示でき,リフレッシュレートが高いのでHDMIより高精細な画像が見られる,と言うのが売りですけど,普通に仕事用に24インチ程度のモニター使うんだったらまったく不要,だと思います。
おまけに,マルチディスプレイにはなんとか対応していて,もうひとつ,ビデオ出力がついているんですが,なんとVGA!
今どきVGAかよって気がしますけど......
デュアルディスプレイにする人もいるだろうから,それに,余ったモニターをつける人が多いから,VGAの方が便利か,と考えたのでしょうが,今どきVGAもないだろう,という気がします。
でも,あるだけマシかもしれません。iruchanもWEB会議は2台目でやって自分が関係ない話の時はメインのモニターで内職(本職?)してますしね.....内緒。
で,まあ,なんとか2台目のモニターもつけて,Windowsやofficeの設定も終了し,メールも最近は自動でデータ移動もしてくれるので便利になり,まあ,大体,半日でほぼ旧PCの設定&データの引き継ぎもできました。
ついでに,WOLの設定やリモート接続の設定もできたので,翌日から在宅勤務再開! と思ったのですが....。
なんと,翌日,自宅からリモート接続してビックリ。
どうしても解像度がSXGA(1280×1024)にしかなりません。あまりに低解像度で,これじゃ,仕事になりません
いろいろ調べてみると,この解像度は2台目のモニターでソニーのSDM-X73と言う家の余り物の古いモニターをつないでいたのですが,それの最高解像度のようです。
げっ!
こんな解像度じゃ,仕事になりません.....
おまけに,どこを探してもD社のモニターが顔を出しません。
デバイスマネージャを見てみても,ソニーのモニターのみです。画面右下の "通知" ボタンをクリックし,表示をクリックしても,普通なら,2台つないでいるのだから,"拡張" や "複製" にすることができますが,"PC画面のみ" となっています。
不具合のあるときの状況じゃなく,申し訳ありません。モニターの電源を切ると,この,DELL P2422Hというのが消えちゃいます。
おっかし~~な~~
D社のモニターはどこ行った? うっかり,昨日,コネクタを外してきたかって,思っちゃいました。
どうもWindowsでそのモニターが認識されてない感じです。デバイスマネージャにない,というのは明らかにそうです。
早速ググってみたらすぐに判明。
なんと,ディスプレイポートはPlug & Playに対応していて,モニターの電源offを検知すると,PCが認識しなくなる,のです。いらんことするな~~~
そりゃ,当たり前。デバイスマネージャにも顔を出さなくなるわけですし,デバイスの検索をやってみても,レガシーデバイスの表示をやってみても出てこないはずです。
しかたないので,こういうときの対策は....
モニターの電源を入れっぱなしにしておく
ということです。
しかたないので職場に電話して,親切な女性にモニタの電源を入れてもらったらすぐに高解像度(1920×1080)のFHDで表示できるようになりました。
そう,つまり,ディスプレイポート採用のモニターの場合,リモート接続時には電源を入れっぱなしにしておく必要があるのです。
う~~ん,なんだかなぁ~~って感じですね。
今これほど省エネが叫ばれているのに,電源入れっぱなしってあり得ないし,なによりPlug & Playって省エネが目的なのに,これじゃ本末転倒。
おまけに,リモート接続のソフトによっては作業中の画面が丸見え,と言うことになるのも困りもの。うっかり疲れたからってネットサーフィンしてたらバレちゃいます.....
まあ,さすがに,iruchanが職場で使っているソフトは今はWindowsのロック画面になっているようなので,この点心配ないようですが,それだって,同じソフトの以前のバージョンは作業中の画面が丸見えで,幸い,うっかりモニターの電源切り忘れて帰ったときは親切な同僚がメールで教えてくれたから助かったことがあります。
以来,必ず退社時にはモニターの電源を切って帰っていたのですが,これが今後はできない,と言うことになります。
他には,この問題に対応したモニターに買い換えることですが,会社のだと,実際には無理ですよね~。
iruchanは家ではソニーのやつが4:3で在宅勤務しにくいので,コロナが始まったときに長年憧れていた,EIZOのEV2360に買い換えました。明るく美しい画面と,普通より少し縦長の16:10というサイズもよいです。フレームレスでコンパクトだし,これはすでにこの問題には対応しているようです。さすがはナナオ。もう,EIZOと会社の名前も変えちゃったけど,iruchanはこの会社の製品が気に入っています。
そもそも,この問題,ネット見ると2017年くらいから発生しているようなので,D社もきちんと対応すべきだと思います。
ということで,いろいろ調べてみるといくつか対策があるようです。いつも世話になっている後輩がいろいろ教えてくれました。
まず,タダでできる対策としては,
レジストリを書き換えて別のビデオ出力の解像度を高くする。
ということです。
たいていはPCには2台,ビデオ出力があるはずなので,ディスプレイポートにつながっているモニターをoffにしているときでも認識する,もう一方の別のビデオ出力の解像度を高くします。
iruchanの場合はVGAポートにつないでいる,ソニーのSDM-X73の解像度がSXGAまでなので,1280×1024までしかできないので,これを書き換えてFHDで表示できるようにします。
ちょっとレジストリ書き換えるのは怖いですが,うまくいきました。
☆レジストリの書き換え
タダでできる方法ですが,結構ハードルは高いです。
後輩に教えてもらった,こちらのWEBを参考にさせていただきました。ありがとうございました。
ただ,デュアルディスプレイにしていたり,接続しているモニターが違いますので,使用している環境により,かなりレジストリの内容は異なると思います。
書き換えるレジストリは,
\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\GraphicsDrivers\
Configuration
ですが,この中は結構,混沌としています。
iruchanの場合,D社のモニターをoffにしていると,ソニーのSDM-X73が初期値として表示されるので,これの解像度を書き換えます。SNYというレジストリがありますから,これです。
この,PrimSurfSize.cxおよびPrimSurfSize.cyレジストリを書き換えます。これがモニターの最高解像度を決めています。
表示が16進数なので,10進数にしてみると,案の定,値は1280になっています。
▲のように,1920にします。同様に,PrimSufSize.cyのほうも,1024に書き換えれば,FHDで表示できます。
iruchanが在宅勤務で使っているEIZOのEV2360は,画面サイズが縦に少し広く,16:10で,1920×1200ドットなので,PrimSufSize.cyを1200で書き換えればOKです。1024にしておくと,自宅のPCで上と下に黒いエリアができてしまい,最初はそんなものか,と思っていたのですが,1200にすると画面ぴったりで表示できて満足です
16:10だとA4 2枚がぴったりと画面に収まり,スクロールしなくても全体が見えて仕事がやりやすいです。さすがはEIZOと思いました。
さて,結果は.....。
ちゃんと設定のディスプレイのところをを見てみると.....。
最高解像度は1280×1024です。
FHDが表示できます。
これで,ようやくFHDで表示できるようになりました。
☆ダミープラグ
ただ,レジストリを書き換えるのは結構危険ですし,また,かなり面倒です。タダでできちゃうのは魅力ですけどね.....。
もうひとつの方法は,
別のビデオ出力にダミープラグを差しておく
と言うものです。つまり,ダミーのプラグを差しておいて,パソコンをだましちゃおう,と言う作戦です。
iruchanは,早速VGAのダミープラグを作ってみました。
皆さん,すでに作っておられるようです。
D-SUB 15ピンオスのコネクタを買ってきて,#1~#6,#2~#7,#3~#8ピンに50~100Ωくらいの抵抗を接続する,と言うものです。
VGAビデオ出力のR,G,Bのアナログ出力にダミー抵抗をつなぐ,と言うわけです。
D-SUBコネクタはハンダ面から見た図です。wikipediaの図は嵌合面から見た図ですので,ご注意ください。
VGA規格ではこれらのポートの出力インピーダンスは75Ωのようですから,75Ωを接続するのが正しいのですが,iruchanは75Ωの手持ちがなかったので,100Ωをつないでみました。
もちろん,自作じゃなく,amazonあたりでダミープラグ,と言うものを売っているので買ってもいいと思います。でも,VGAのダミーで1,000円以上するようです。
ほかに,HDMIやDVIなどのダミープラグもあるので,2つめのビデオ出力がHDMIやDVIでも可能です。
ディスプレイポート用のダミープラグ,と言うのもあるようですけど,これって,買ったところで,メインのモニターがディスプレイポートだけ,と言う場合は,退社する度にプラグにいちいちつけ替えなきゃいけませんね....
そういうこともあろうかと,中継器みたいになっていて,ダミープラグの後ろにさらにディスプレイポート用ケーブルをつないでおくこともできるようになっているものもあるようです。
どういうわけか,VGA用のダミープラグが一番高いようです。
自作すると,300~500円ってところでしょうか。意外にD-SUB 15ピンのコネクタって高いんですよね。名の通ったメーカだと400円以上するようです。
で,iruchanはamazonで中国製5個入り653円ってやつ買いましたけど,これは失敗
すぐに届いたのはいいけれど,来てみてがっかり。いかにも安物ってやつ。やはりomronやミスミなどのメーカ品を買う方がよいです。なにより日本メーカ製のものはピン番号がモールドしてありますけど,amazonのは印字してなくて,規格を調べないといけませんでした.....
さて,実際につないで確認してみます。
無事にダミープラグをつないでもデスクトップが表示されますし,プラグを抜き差しすると,きちんと切り替わっているようなのでOKのようです。
ところが......
これで大丈夫って思ったんですが,よく見てみるとアイコンがないし,壁紙だけ表示されています。
はは~~ん,おそらくデュアルディスプレイとしているので,画面が "拡張" か,セカンドモニターが表示されているのだな,と思ったのですが.....。
画面右下のツールバーにある,"通知" ボタンが表示されていません。これじゃ,画面モードの切り替えができません。
が~~ん
でもググってみて,判明。
こういうときはWindowsボタンとPを押すと画面モード切替ができます。
ようやくモニター切替ができました。
今度はWindowsのディスプレイの設定で,プライマリディスプレイをいつものD社のモニターにし,セカンドディスプレイをダミープラグを差しているVGAにしておけばOKです。
☆ ☆ ☆
それにしてもやってみて本当に大変。相当パソコンに詳しい人でないと難しいと思います。
結局,これだったらディスプレイポートのモニターの電源を入れっぱなしにしておく,と言うのが一番無難な対応かと思います。でも,リモート勤務中に,作業内容が丸見えでも知りません。
はっきり言って,ディスプレイポートの電源について,省エネのため,Plug & Playに対応させればいいや,って考えた人は何にも考えてない人ですね。あまりにも浅知恵と思います。製品の規格を考える人はありとあらゆる事態を考えて,また,いろいろ自分でも実験して確認しながら決めるべきです。
モノラルレコード用CR型イコライザーアンプ(EQアンプ)の設計と製作~その5:ロータリーSW交換 [オーディオ]
2022年8月10日の日記
皆さん,暑いですね~~
くれぐれもお身体ご自愛ください。
さて,iruchanはこのところたまってしまった工作関係を片付けることにしました。
まずは2年前に完成したモノラルLP用EQアンプの修正から.....。
ナショセミの超低ひずみメタルキャンOPアンプLME49720Hを採用し,極めて音のよいEQアンプだと思っています。
ただ,ひとつ問題が....
EQカーブの切替用に,ALPSの基板取付タイプのロータリースイッチSRBM149501を使ったのはいいのですが,残念ながら接点切替がオープンタイプ。
これ,接点を切り替える際に,瞬間的に回路がオープンになってしまうタイプです。
そのため,切り替える度にSPからブツっと大きなショックノイズが出ます
対策としては,数MΩの抵抗で接点を接地すればよいのですけど,これだとEQカーブに影響が出ちゃいます。
しかたないので交換します。
ところが,もう,ロータリースイッチといってもオーディオに使えるのは同社のM型くらいしかないんですね.....。
いつも使ってはいるのですが,ちょっと大きすぎるのと,結構,チープ過ぎる感じがいやです。
とはいえ,同社のY型はとうにありませんし,何より改めて探してみるとショーティングタイプはこれだけです.....。
基板用のものがあるとこういう機器に便利なんですけど,市販されている基板用は全部,オープンタイプ。
なんとか,3回路4接点のものに交換しました。
基板との接続は10pのピンヘッダ&ケーブルを使いました。ここは外せるようにしておくと何かと便利だと思います。
ようやくロータリーSWを交換しました。
☆ ☆ ☆
これで,CR型EQアンプも1台,完成です。金田式は全部NF型で,現在,金田氏がGOA時代に一度だけ発表したCR型を作っているんですけど,音を聴いてみると,やはりどうもNF型はCR型には勝てない感じです。
また,本機はOPアンプにLME49720Hを使っていて,抜群に音がよいことも確認できましたが,残念ながら,このOPアンプはバイポーラ入力。
ということでMM型専用になっちゃいます。本機はRIAAはステレオでも再生できるように作ったので,なんとか,DL103を使いたいんですけど....。
バイポーラ入力を使うと,OPアンプの入力電流がカートリッジに流れてしまい,コイルを直流磁化してしまうので,バイポーラ入力OPアンプはNGです。
実際,LME49720Hのデータシートを見ると入力バイアス電流はtyp. 10nAで,規格上は70nAまで許容しているようなので,NGです。
MC型カートリッジの許容電流は "オーディオ用FETの活きた使い方" (誠文堂新光社1981年刊)を読むと,5nAらしいので,LME49720Hはアウトです。じゃ,ってんでコンデンサを入れてDCをカットすればいいんですけど,でも,こういうのをブログに発表しちゃうと,「こいつはバカか」と言われそう.....。
FET入力のOPアンプを使えば解決なんですけど,iruchanも愛用しているLF356Hとか357HならFET入力だし,入力電流も30pAと,文字通り,桁が違うので,問題ないのですが,どうもLME49720Hの音を聴いちゃうと,ちょっとこれらを使う気がしません。
と言う次第で,FET入力差動アンプをディスクリートで構成して作り直そうか,と思っている今日この頃です。それに,EQカーブももう1本,欲しいな.....って思っています。英HMVのカーブを作っていませんので。
では,また。