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さよならAMラジオ~送信所めぐり~その15:和歌山放送・橋本,高野山放送局,ラジオ大阪・石原送信所,NHK第1美原放送所,第2羽曳野放送所 [ラジオ]

2024年3月15日の日記

昨年末に関西方面の送信所を訪ねましたが,冬将軍の来襲でとても寒く,自転車で撮影に行く予定だったのであきらめました。和歌山でも雪が降っていました.....[雪]

今日はリベンジです。

☆和歌山放送橋本放送局,高野山放送局

和歌山放送橋本放送局.jpg 橋本放送局

和歌山放送の基幹送信所である,狐島送信所を訪ねましたが,今回は橋本と高野山にある中継局を訪ねました。どちらも周波数1485kHz,出力は100Wとごく小規模の送信所です。

出力100Wということだと,昔なら4P55がよく使われていました。オーディオの出力管としてもポピュラーですよね。東芝製が有名ですが,iruchanもNEC製を持っています。ほかに,日立やTENもあるようです。

もちろん,これらの和歌山放送の送信機はソリッドステートになっていると思います。

始発の電車で大阪に出て,南海高野線で橋本まで出かけました。

橋本放送局(送信所)は和歌山線に乗り換えて,隣りの紀伊山田の駅から南に1kmほどです。

紀伊山田の駅を出て,少し西に歩いて,自動車も多い県道を南に歩くと見えてきます。隣りに大きな病院があり,まるで病院の送信所です.....[晴れ]

驚いたのは周囲は湿地で,まるで沼に送信用の鉄塔が建っているような感じでした[雨]

支線式の鉄塔の場合,広い接地面積が必要で,接地抵抗を下げるためにも湿地は有効です。田んぼの真ん中や河川敷に建っていることが多いのも同じ理由です。

和歌山放送橋本放送局6.jpg 周囲は湿地です。

和歌山放送橋本放送局1.jpg 局舎です。

和歌山放送橋本放送局7.jpg 表札もついていました。

和歌山放送の基幹送信所は狐島送信所と表札がついていましたが,ここは放送局とあります。

ただ,出力100Wはいかにも小さく,帰りにまた橋本駅で放送を聞きましたが,かなりノイズが乗っていて,聞きにくい状況でした。直線距離で3.4kmほどなんですけどね.....。

和歌山放送橋本放送局2.jpg 容量環を備えています。

和歌山放送橋本放送局5.jpg 基部。

和歌山放送橋本放送局4.jpg STL用のVHFアンテナ。

八木アンテナを2段スタックで使用しているようです。FMのDX受信用として使うことがありますね。iruchanはスタックはやっていませんが,屋根に8素子を上げています。

☆高野山放送局

さて,橋本放送局からさらに南に歩いて,紀ノ川を渡ると南海高野線の学文路駅に着くので,そこから高野山を目指します。

関西や北陸の人には高野山は憧れの地で,ぜひ一度,行ってみたい,と思っていましたが,やはり遠く,ようやく行くことができました。

残念ながら,和歌山県は地形が複雑で,さすがに中波の電波といえども届かないところが多いようで,和歌山放送も高野山に中継局を設けています。

ここなら橋本の中継局で十分では,と思ったのですけど,実際,直線距離で10kmほどなのですが,やはり山の中のため,中継局が必要なようです。

それにしても南海高野線も九度山駅を過ぎるともう山の中ですね。どんどん山の中に入っていき,まるで黒部峡谷鉄道って感じでした。

終点の極楽橋でケーブルカーに乗り換えて高野山駅へ。ここから高野山の街中へはまたバスに乗り換えとなります。

高野山駅.jpg とうとう来ました~[晴れ]

さて,高野山放送局へは,大門南駐車場行きのバスに乗り,愛宕バス停で降りて山の方に歩くと女人道という看板が出てくるので,そこから女人道を歩くと送信所に着きます。

女人道とは,江戸時代,高野山参りは女性は禁じられていて,それでもお参りしたい,という女性は高野山を取り囲むように山の中のお堂を廻ることを強いられていました。なんともひどい差別ですね....。

今ではハイキングコースですが,かなり険しく,踏破するにはかなりの装備が必要な感じですし,最近は熊も出るそうなので気をつけてください。

高野山放送局は女人道に入ってすぐに見えてきます。残念ながら,googleさんに尋ねると南側の国道371号からの道を指示しますが,こちらからアクセスする道はないようです。

女人道1.jpg 女人道です。

和歌山放送高野山放送局'.jpg 少し外れたところに看板が見えました。

和歌山放送高野山放送局2.jpg ダウンリード式の鉄塔です。

鉄塔は景観に配慮して茶色に塗られています。本当に素晴らしいですね[晴れ]

和歌山放送高野山放送局1.jpg 整合器と送信機を収めたキュービクル

出力100Wとしても小さな箱に驚きます。

残念ながら,周りはうっそうとした森のため,送信所全景は撮影できませんでした。

金剛峯寺.jpg 金剛峯寺

帰りに金堂と金剛峯寺をお参りしてまた橋本駅まで出ました。

この日は和歌山駅で休憩かねて和歌山放送を聞きました。

ところが.....。

マクドで休憩しようかとマクドナルド和歌山駅前店へ行こうとして止めました。結構,遠いんですね.....。

国体道路に面したところにあり,和歌山駅から500mほど離れています。

まあ,どこもファストフード店は駅前と言うより幹線道路前の方が儲かるのでしょうから......[雨]

でも,これは正解だったようです。

駅前のLotteriaに入って,ハンバーグ食べて和歌山放送を聞いていると,マクドでトラブっているらしく,全世界でPOSシステムが動かず,営業休止しているところがある,とのこと。びっくりしました。

☆紀伊中ノ島駅

さて,帰りは和歌山駅周辺でお茶して休憩しよう,と思いましたが,どうしても1個所,寄っておきたいところがあります。

紀伊中ノ島駅.jpg 洒落た格子が美しい駅舎

1935年建築の美しい駅舎です。どうか末永く保存してくれるように祈っています。この駅舎は阪和電鐵ではなく,鐵道省が作った旧和歌山線の駅舎です。

実は,和歌山線はいまでこそ和歌山駅へ直行していますが,昔は南海の和歌山市駅が終点で,紀伊中ノ島駅で阪和電鐵と交差していました。和歌山港への貨物輸送や,紀ノ川対岸の扶桑金属(→住友金属→新日鐵→日本製鉄)などの工場群への輸送も兼ねていたのだ,と思います。

ということで,この駅には廃線跡があるんですね~。

その昔,iruchanは阪和線や紀勢線を荒らし回っていて,EF58やED60なんかを追いかけていたので,この駅に廃線跡があるのは知っていましたし,実際,今も紀州路快速から見えますよね。

それで,一度,実際に降りてみたい,と思っていました。

紀伊中ノ島駅1.jpg

駅舎の裏に和歌山線のホームが残っていますが,1974年に廃止となっています。

紀伊中ノ島駅2.jpg 上は阪和線。

【紀伊中ノ島駅周辺の変遷】

和歌山'37.5.25-1.png 1937年5月

省線和歌山線は和歌山市駅へ直行しています。阪和電鐵は東和歌山がターミナルで,今の紀和駅が和歌山駅となっています。まだ紀伊中ノ島駅は開業していません。

和歌山市駅から,加太電鐵が出ていますね。阪和電鐵の駅は阪和中ノ島と名乗っています。

和歌山'49.3.30.png 1949年3月

和歌山線に紀伊中ノ島駅が開設され,阪和線の駅も南に移設されました。このとき,旧阪和電鐵の駅舎は解体されているようです。

和歌山'69.3.30-1.png 1969年3月

1961年に田井ノ瀬駅から東和歌山駅へ連絡する線路が敷設されましたが,まだこのときは貨物線です。また,依然,和歌山駅が存在しています。1968年に東和歌山→和歌山,和歌山→紀和と改称されています。

加太電鉄は戦時中に南海電氣鐵道に吸収され,南海加太線となりますが,戦時中の1944年に紀ノ川経由の現路線が貨物線として開業し,戦後,運行系統はそちらの線路に移行することになりましたが,もとの加太線は1953年の水害で橋梁が破壊され,北島まで廃止,その後,東松江までの全線が1966年に廃止されています。

いまも紀ノ川には河西橋が架かっていて,人が渡れるのですが,あまりに細いので,もとの鉄道橋ではなく,掛け替えられたものではないか,と思います。

和歌山'86.2.28-1.png 1986年2月

        ほぼ現在と同じです。

いずれも地図は今昔マップ on the webから引用させていただきました。

紀伊中ノ島'47.9.27 USA-R510-1-41s.jpg 1947年9月

戦後,米軍撮影の空撮写真です。扶桑金属の工場があったので,戦時中はこの周辺は重要偵察対象だったでしょう。

なぜか,この空撮写真は国土地理院のサイトで公開されているものですが,戦時中に米軍が撮影した写真は公開されていません。ちょっと,それが不思議なんですけどね.....。

田井ノ瀬駅からの短絡線はすでにこのときには工事が始まっていたようです。路盤整備が始まっているようですし,資材置き場? らしきテントみたいなものも見えます。

☆ラジオ大阪石原送信所

ラジオ大阪石原送信所.jpg

さて,今晩は前回と同じ,阪和線・信太山駅で下車して,グリル若さんで美味しい食事をいただいて,みまつ旅館に泊まりました。ふかふかの布団と朝食がうれしかったです。

ラジオ大阪は堺市石原町に基幹送信所があり,出力50kWで送信しています。信太山だと近くなので,きれいにAMステレオで受信できるので,録音していました。

近くに毎日放送や朝日放送の基幹送信所がありますが,どこもスタジオを備えた大きな設備です。ラジオ大阪は今もAMステレオで送信しているので,本当に感謝しています。

それで,一度,送信所を見に行こう,と思っていました。

ラジオ大阪石原送信所2.jpg 入口

ラジオ大阪石原送信所1.jpg 会社の名前は大阪放送株式会社です。

交通としては,南海高野線初芝駅から1.2kmなんですけど,iruchanはほかにもそこから5kmほど離れた,NHKの送信所へ行きたかったので,泉北高速鉄道の深井駅でレンタサイクルを借りました。残念ながら,この周辺でレンタサイクルがあるのはここだけのようです。深井駅からだと5kmもあるんですけどね......[雨]

親切な職員の方にお願いして自転車を借りました。300円/日なのに驚き[晴れ]

自転車はとてもきれいに整備してあり,快適でした。

周囲は池や古墳があるところで,昔は田んぼが多かったようですが,今ではすっかり住宅地になり,送信所も住宅や駐車場に囲まれています。今度,古墳めぐりをしてみたいな,と思っています。

ラジオ大阪石原送信所3.jpg 鉄塔設置部

STL用のパラボラは▼の反射板に向けてある,とのことです。

ラジオ大阪石原送信所5.jpg 塔頂部

   MBSやABC同様,容量環はありません。

ラジオ大阪石原送信所6.jpg 給電部。

夜間航空標識灯用のオースチントランスがあります。

ここから,毎週,iruchanが聞いている番組がステレオで流れている,と思うと感無量です[晴れ]。どうかできるだけ長く,続けていただきたいです。

☆NHK大阪第1 美原放送所

NHK大阪第1美原送信所.jpg

ラジオ大阪の送信所から,5kmほど東にNHKの第1と第2の送信所があります。どちらも近畿の基幹送信所で,出力も大きいです。第1は666kHz,出力100kWで,第2は828kHzで300kWです。第2の方が大きいのは送信所の数が少ないから,ですが,iruchanの住んでいる北陸では聞きにくく,よっぽど秋田第2 774kHzの方が聞きやすいですけどね。まぁ,もっとも,秋田は500kWと日本最大ですけどね......。

美原送信所は旧南河内郡美原町にあったため,美原送信所と名乗っています。2005年に堺市と合併し,今は美原区となっています。

大きな池に囲まれた送信所で,半島のようになったところに送信設備があります。

NHK大阪第1美原送信所4.jpg 池に浮かんだ局舎。

NHK大阪第1美原送信所1.jpg 美原送信所入口。▲の写真の反対側です。

NHK大阪第1美原送信所2.jpg 容量環

小さく見えますが,直径10m以上あるはずです。

NHK大阪第1美原送信所3.jpg 基部

☆NHK大阪第2 羽曳野放送所

直線で500mほど離れたところに第2があります。ただ,自治体は羽曳野市のため,送信所は羽曳野放送所です。

鉄塔は第1が円管柱ですが,こちらはトラス構造です。建設時期がよくわかりませんが,こちらの方が古いのでは,と思います。

NHK大阪第2羽曳野送信所1.jpg STL用の鉄塔?

絶縁されたリード線が主塔の方向にのびています。指向性を持たせているようです。

NHK大阪第2羽曳野送信所4.jpg 池の中です。

大座間池という池の中に鉄塔が建っています。右はゴルフの打ちっぱなしで,網はそこの設備です。

すぐそばに第1の鉄塔が見えます。第1は高さ196m,第2は155.2mだそうです。

NHK大阪のホームページによると,どちらも運用開始は1969年2月のようですが,どうして構造が異なるのか,わかりません。どうも建設時期は違うのでは,と思います。

急に昼から霞んできて,きれいな写真が撮れませんでした。やっぱ,送信所は冬に行かないとダメですね......[霧]


NHK大阪第2羽曳野送信所3.jpg 基部

ここでかわいい柴犬を散歩させているおじさんに会いました。この送信所はいずれ廃止されます,と話したらびっくりしておられました。

NHKは今年中の第2放送の廃止を表明しています。さすがに施設を保存することはないでしょうから,鉄塔も撤去されるでしょう。

また,そのおじさんは第1の鉄塔に登ったことがあるそうです。もちろん,仕事なんでしょうけど,「ものすごく揺れて怖かった。」とのこと。

ただ,「中を登った。」と話しておられましたけど鉄塔内部にも登れるよう,はしごがあるのでしょうか。

菖蒲久喜ラジオ放送所を見学しましたが,さすがNHKの鉄塔はゴツく,直径1m以上ありそうでしたが,中を登れるとは聞いたことがありません。もっと詳しくお話を聞いておけばよかった.....。



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