SSブログ

ソニーのAMステレオ対応ラジオ SRF-M100の修理~2台目,3台目~と後期型について [ラジオ]

2024年3月31日の日記

ソニーが国内で最初に発売した,AMステレオ対応ポータブルラジオのSRF-M100を持っています。

なかなかいいラジオで,音もよく,感度もよいので愛用しています。残念ながら,スピーカーではステレオで聴けませんし,ステレオインジケータもヘッドホンをつながない限り,点灯しないのが残念です。

iruchanは新品で購入した後期型と,最近,ジャンク品と言うことで購入した前期型を持っています。

今回,性懲りもなく,もう1台,ジャンク品を購入してしまいました。

前回で,修理個所も方法もわかったし,今回のは修理可能,と思ったのですが......[雨]

実際,オークションで落札して,届いてみると,確かにスピーカで音は出ませんが,ヘッドホンなら聞こえる,という故障で,これなら例の四級塩コンデンサを交換すれば直るはず,でした......。

そこで,届いて早々,そのコンデンサ4個を速攻で交換し,無事にスピーカからも音が出るようになり,楽勝,と思いました。

詳しくは▲のリンクをクリックしてください。

srf-m100-m20.jpg 交換後

このコンデンサ4個を交換しました。220μFは秋月で売っている,ニチコンのオーディオ用です。470μFは,千石で日ケミの固体導電性電解コンデンサの6.3V耐圧品があったので使いました。秋月のはPanasonic製で高さが高すぎます[曇り]

srf-m100-m21.jpg 交換したコンデンサ。

220μFは液漏れしているようです。470μFは問題ない感じで,あとで中国製の部品チェッカで測定したら,430μFくらいの数値を示しました。220μFはダメで,どちらもpF単位の値がでました。

ところが.......。

しばらくして,何日かしてから再びスイッチを入れてみると,ウンともスンとも言いません......[台風]

あちゃ~~~,なにか,修理した際に壊してしまったのか,と思いました。

現象をよく観察してみると,一応,マイコンは動作していて,時間や周波数は表示します。

ただ,スピーカからも,ヘッドホンからも何ら音はしません。まずい.....。

しかも,選局時にピッと言うビープ音もしないので,おそらく,スピーカとの配線が断線しているのでは,と予想します。

前期型SPコネクタ,FMアンテナ端子.jpg スピーカ端子

基板とはスプリングで接続されるようになっています。ついでに,FMアンテナの接続もばねですが,向きを間違えるとFMの感度が低い,ということになるので,写真の向きになるよう,取りつけてください。

結果はビンゴ!で,実際,本機はプリント基板とスピーカの間はスプリングで接続するようになっていて,プリント基板を再度外して,本体から顔を出している,2つのスプリングの間の抵抗を見てみると,∞になるので,この部分の接触が悪いようです。

本来なら,数Ω以下の値になるはずですので,おかしいです。

と言う次第で,プリント基板の裏にある,接触部分とスピーカの端子部分をきれいにアルコールで拭いて,タミヤの導電性グリスを塗ると抵抗が数Ωになりました。

これで安心して再度,組み立ててみるとOKで,無事に修理完了です。

の,はずだったのですが......。

翌日,再度,電源投入してみると,また音が出ません。スピーカとの接触は直したはずです。

しかし,今回はボリウムを上げてよく聴いてみるとサーッと言うホワイトノイズは少し聞こえますので,マイコンと低周波部分は動作していて,RF部分が動作していない,と言う状況のようです。

となると考えられるのは,本機で使われている,ラジオICのCX20111に電源が供給されていない状況,と思われます。

う~~ん,困ったな......[曇り]

幸い,CX20111の規格表はネットでダウンロードできますので,端子を調べてみると,#23ピンがVccです。

CX20111.pngCX20111ピン配置

そこで,電池を接続して,#23ピンの電圧を見てみると,0.8V程度です。

これじゃ,CX20111が動作せず,ラジオが聞こえないのは当たり前,です。

例の,四級塩コンデンサから漏れ出たアルカリ性の電解液でパターンが切れているか,と思って電源の+Bと#23ピンの間の抵抗を見てみると,300Ω前後の値になっています。回路図▼を見ると,この間にはL7が入っていますが,これは27μHと小さいので,直流抵抗もほとんど0Ωのはずですから,おかしいです。

CX20111周辺回路.png C26が問題のコンデンサです。

それで,C26のはんだづけをやり直したりしてなんとかラジオが動作するようにしました。

ところが,これでもダメで,しばらく放置するとまた音が出ません。

それにケースに力を加えたりすると直ったりするので,どこかで接触不良になっているようです。

これ,よくあるんですけど,こういう故障は厄介ですよね......。

結局,散々調べて,やはりCX20111の#23ピンのはんだづけ個所が不良,と判断しました。

どうもそのコンデンサから漏れ出た電解液で,ピンが腐食し,接触不良になっているようです。

それで,#23ピンの周辺のレジストを剥がし,銅箔を露出させて,はんだづけをやり直しました。

もちろん,再度,アルコールで電解液を除去しておきます。

そもそも,この電解液,非常にクサいですよね......。はっきり言って,○○○コの臭いがします.....[台風]

この臭いがするラジオというのはやばいです。どこかで四級塩電解コンデンサを使って液漏れしている可能性が高いです。

ということでいろいろ洗浄したり,はんだづけし直したりしていたら,#24ピンがぽろっと外れてしまい,頭真っ白......[台風]

srf-m100-m22'.jpg ひぇ~~~っ!!

どうも,#23や#24ピンはC26に近いので,ピンが腐食してしまったようです......[台風]

まあ,CX20111の規格表を見ると,#24ピンは帯域幅設定ピンで,開放でもよいらしいのですが,一応,なんとかICのモールドを削って,再度,はんだづけして,導通するようにしておきました。

たぶん,ラジオが鳴ったり鳴らなかったりしたのは,Vccの#23ピンとパターンの間が腐食して導通不良となっていたため,と思います。

▲の写真のように,レジストを剥がして再度,はんだづけしました。

#24ピンは取れちゃったので,ICのモールドをルーターで削って再度,なんとかはんだづけしました......[曇り]

        ☆          ☆          ☆

と言う次第で,とんでもなく苦労しちゃいましたが,なんとか修理できました。

しばらく,実用ラジオとして,使用します。


☆後期型について

iruchanはSRF-M100が現役最後の頃に,秋葉原にあった石丸電気で購入しています。買ったのは1999年のようです。

石丸電気は輸入CDの専門店もあったりして,とてもお世話になりました。

さて前回も書いているのですが,iruchanはSRF-M100は買っただけで,ほとんど箱に入れてしまったままでしたが,四級塩コンデンサで鳴らなくなる,と言うのは聞いていたので,先日,25年ぶりに電源を入れてみて,動作を確認しました。

それで,時代的にすでに四級塩電解コンデンサの問題点がクローズアップされた後の製造なので,対策品が使用されているのでは,と書きました。

今回,確認のため,フタを開けてみてみました。

後期型内部.jpg 後期型内部。

前期型と比較してみてください。すぐに,バーアンテナ下部にある,青色のフィルムコンが変わっていることがわかりました。ほかにも,セラミックフィルタがいくつか,変わっています。

それに,驚いたのは基板~スピーカ間の接続で,後期型はなんと,はんだづけに変わっています。

後期型SP接続.jpg スピーカ接続

やはり,前期型でスプリングが接触不良になり,鳴らない,という現象が出たのでしょう。

で,問題の電解コンデンサなんですが,見た感じでは同じコンデンサのようなのですが......メーカは同じで,外観もほとんど同じです。

それでも,念のため,先日購入した▲と同じコンデンサに取り替えてみてみました。

すると......。

取り外したコンデンサはチェックしてみると,やはり対策品のようだ,と思います。

ニチコン 4V 220μF.jpg 4V 220μF。後期型は刻印があります。

コンデンサ(後期型用).jpg 220μFも封止材が変わりました。

elna 4V 470μF.jpg 4V, 470μF。封止材が異なります。

フィルムの外装はどちらも同じで,一見,変わっていないようですが,封止材が変わっているし,やはり対策済の製品のようです。

また,容量を計ってみると,いずれも正常で,ESRの値も低いです。

それに,例の臭いはしません......[晴れ]

と言う次第で,全部がそうだとは言えないと思いますが,後期品はコンデンサに四級塩電解コンデンサは使われていないように思います。

ちなみに前期型と後期型の違いですが,こちらの写真にあるとおり側面のVOLUMEとPHONESが前期型はシルクスクリーンで,後期型はモールドに変わっています。

ほかに,前面のAM STEREOのロゴの位置が多少,異なります。

前期型,後期型1.jpg

後期型(左)はAM STEREOのロゴの位置が少し,上がっています。


2024年4月10日追記

またまた性懲りもなく,3台目を買っちゃいました.....[曇り]

現役の頃,新品で買った,後期型は永久保存し,残りの2台を普段用にしよう,と思います。

例によって四級塩電解コンデンサを交換しましたが,これはダメで,このようにしてもまったく音が出ません。

▲の2台目の前期型は,サーッというホワイトノイズはしていて,ラジオだけ鳴らない,という現象だったので,ラジオICのCX20111に電源供給されていないのが原因でしたが,これはそもそも低周波部も動いていない,という感じです。

これは,基板とスピーカーの間のスプリングの接触が悪いか,オーディオ出力のパワーアンプIC CXA1522Mにも電源が供給されていない状況と思います。

もうすでに,親切な方がWEBに載せておられますが,例の四級塩電解コンデンサ(C26 4V,220μF)が液漏れして銅箔パターンを腐食させて断線させてしまっているようです。

こうなるとCXA1522Mに電源が供給されませんので,スイッチを入れてもマイコンは動いているので,液晶パネルに表示が出ますが,ボリウムを最大にしても,サーッというホワイトノイズはおろか,まったく音が出ません。

と言う次第で,プリント基板とスピーカの間に入っているスプリングの抵抗を見ましたが,正常で,やはりCXA1522Mに電源が供給されていないようなので,この部分のパターンをジャンパ線でつないで復活させます。

ジャンパ線接続個所.jpg この部分をつなぎます。

左のピンはどちらでもOKです。この2つのピンは接続されていますので。

ジュンフロン電線でこのピンと,松下の2個のTrを内蔵した,電源制御用のXN4608の#3ピンを接続すればOKです。

4級塩電解コンデンサ.jpg 問題のコンデンサです。液漏れしてます[台風]

今回も220μFの不良で,あとで部品チェッカでチェックしたら,完全に容量抜けでした。

右の470μFの不良にはぶつかったことがありません。今回も480μFくらいの値で,正常でした。

どうもSRF-M100の470μFの方は特に問題ない感じです。

こうして無事に音が出るようになりました。

感度も音もよいので,実用ラジオとして使う予定です。


nice!(5)  コメント(0) 

nice! 5

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント