Garrard 301のオーバーホール~その2~ [オーディオ]
2022年11月22日の日記
無事に帰ってきました.....
前回,英国の業者に送ったところまで,でした。
日本で修理する業者さんもあるんですけどね......。でも,値段は結構するし,それにパーツは結局,英国から輸入しているはずだし,下手すると修理もその業者に送っているだけじゃないか,と言う気もします。
普通はひと月もあれば修理してきれいに塗装し直して送り返してくれるのですが,結局半年かかりました...
なにより,どうにも連絡がつきませんでした。何度メールしても返事は来ないし,と言う状況で,まいりました。
おそらく,こっちのメールを見ていないんだろう,と思いました。
ということは今の時代,セキュリティソフトで迷惑メールになっている可能性もあるので,そう問い合わせても,そのメールは当然,見てない,と言う感じで,コミュニケーションに苦労しました。
どうも会社のメールアドレスに送るとダメ,と言うことがわかったので,相手の個人的なメールアドレスに送って連絡がつきました。
と言うことで,迷惑メールの話もしたのですけど,ITには詳しくないらしく,メールソフトの設定変更もできない様子。
さすがに,iruchanはそれこそインターネットすらない時代からレコードや真空管なんかを個人輸入していますけど,こういう経験は初めてです。かえってインターネットになって,面倒なことになった,という訳でしょうか。このGarrard 301は手紙でやりとりしてドイツから購入したものです。
まあ,iruchanの職場の人間もまったくITに疎い人が多いので,こんなものか,と思いますけど。うちの職場じゃ,Wordすら満足に使えない人がいます......。箇条書きとか,段落番号なんて言っても, "?" って人が多いです。
8月末に返送されてきました。
仕上がりは見事で,シャシーの左手前部分が曲がってへこんでいる部分があったのですが,溶接して修理してくれたようです。
各レバーや小さなばね類,アイドラーは新品に交換され,モータも分解して清掃,注油してくれたようです。
モータはiruchanもうっかりしていて,注油を忘れていたので,すっかりスラスト玉軸受が錆びていたようです
モータ軸受です。げっ! ベアリングも交換して給油してくれました。
どうも水が入ったらしく,軸受が錆びていました。新品に交換し,注油してくれました。
蛇足ですけど,この部分も含め,ターンテーブルのシャフトなどの油はなにがよいのか,と思って聞いたら,「オレは3-IN-ONEを使っている。高価なオイルはバカだからやめろ」とのこと。
3-IN-ONEって何? って思ったら,米英で売られているエンジンオイルのようです。そういや,よく見かけますよね。
下手するとスクアランなんかの高級オーディオ用オイルを使う人がいるかもしれないけれど,こういう安い油で十分だそうです。iruchanも同感。そういえば,昔の "Audio Accessory" かなにかで,Mobile1を使う,と言う人がいましたけど,自動車用オイルで十分なようです。3-IN-ONEには電動モータ用,なんてのもありますから,今度,アメリカかどこか行ったらスーパーで3-IN-ONE買ってこ,と思いました。
リンク類はすっかりカドミウムメッキが剥がれ,錆びていましたが,メッキを剥離し,防錆処理してくれました。
防錆処理と言っても,クロム酸処理でしたけど.....一部の業者さんはクロムメッキをしてくれるようです。
ただ,クロムメッキも,自転車がそうですけど,やっぱ錆びますよね。
クロム酸処理というのは重クロム酸液に浸して表面に六価クロムの被膜を作る方法で,一番安い処理です。
ただ,正直,これが一番,さび止めにはよい方法ではないかと思うのですが,いかがでしょう。
プレート類もリベットを外して磨かれていました。
さて,ということでいよいよ配線してレコードを.....と思ったのですけれど.....。
なんと,ターンテーブルを回すと,キーッと鋭い音がします。
慌ててターンテーブルを外してみると....。
渦電流ブレーキの円盤が馬蹄形の永久磁石と接触しているようです。
まあ,この渦電流ブレーキの円盤がずれちゃったと思いますので,ねじを緩めて固定し直せばOKのはずです。
でも,この渦電流ブレーキの円盤を止めているイモねじはインチ!
もちろん,iruchanはGarrard 301は英国製なので,インチねじであることは想定していていて,以前,amazonでインチの精密六角レンチを買っておりました。
ところが.....。
どうにも六角レンチがあいません。
ほぼ3mmのねじですので,インチねじだと#4(1/8")のねじのはずで,とすると六角レンチは対辺1/16"のはずですが,はまりません。
逆に,その下の1/20"だとゴソゴソです。
困ったな......
ただ,よ~く見てみると,この円盤は新品。取り替えてくれていたようです。
とすると,最近の英国製のはずだから,ねじはISO(mm)のはずです。
実際,相手に聞いてみたら,たぶん,1.5mmとのこと。なんだ,最初からそう言え! って感じです。英国から発送する前に,プーリーのことを聞いたりしていたのですけど,"Screws are inches." と言っていたのに.....。そんなこと,百も承知ですけど,新品の部品はISOねじでした。
と言う次第で,ようやくISOの六角レンチで締めて完了,のはずですけど.....。
まだありました。
何と,プーリーまでずれていて,▲の写真を見ていただくとわかるんですけど,アイドラーの接触位置が45回転になっています
こちらは単にマイナスねじなので少し緩めて位置をあげて固定してOKです。
あとはストロボを見て,渦電流ブレーキを調整して33 1/3回転にあわせればOKです。
☆ ☆ ☆
さて,ようやくこれでレコードが聴けます。
今日は,オリヴィア・ニュートン=ジョンを聴いてみませう。
残念なことに,彼女は8月8日にがんで亡くなっています。昨年末には神田沙也加さんも亡くなり,9月8日には敬愛するエリザベス女王も亡くなり,本当に残念です。
ということで,オリヴィアのレコードを聴いてみます。やっぱ,Xanaduでしょう
iruchanが昔,買ったレコードです。
ELOとのコラボでミュージカル映画を作りましたけど,楽曲は最高でした。彼女は英国出身で,カントリー音楽主体に活動していましたが,これでひと皮むけて人気爆発,という状況でしたね。
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
う~~ん,やっぱレコードで聴く "ザナドゥ" もいいですね~
プリアンプはオールメタルキャンTrスーパーストレートプリアンプです。
とても懐かしく聴けました。レコードも30年以上,経っているんですけど,ノイズもなく,いいですね~。
では。
☆ ☆ ☆
2023年3月21日追記
ちょっと,ターンテーブルの固定法に悩んでいました。
Garrard301は4本のねじで固定するようになっていますが,そのねじを固定するとシャシーの塗膜が剥がれちゃうんですよね.......
まあ,アルミに塗装してあるだけなので,塗膜が割れてしまって簡単に塗装が剥がれちゃいます。
と言うことで,何かいいものはないか,とずっと探していました。
柔らかいワッシャーがあればいいな,と思っていましたけど,たいていはナイロンワッシャーというものしか売られていません。これはナイロン樹脂を使っていますが,硬く,Garrard301に使われているような丸皿ねじをはめると割れちゃいます
ちなみに,もちろん,Garrard301はインチねじで作られているので,この固定ねじはW 1/4のねじ(Φ6.25mm)ですので,この径より大きめの内径のワッシャーなら使えるはずです。
ということでamazonではダメで,ロクなものが見つかりませんでした
ようやくmonotaroに,ぴったり,と言うのものがありました。
材質はウレタンエラストマーで,非常に柔らかく,また,外径もΦ13mmだし,厚みも1mmなので,締めてもはみ出しません。
これを使うとねじが塗膜を傷めることもなく,きれいに固定できました。
なお,このねじを固定するときはねじを回すのではなく,ナットの方を回すようにしてください。
ソニーSACDプレーヤ SCD-XE600の修理 [オーディオ]
2022年11月19日の日記
このところ,いろんなものを修理しています。この前はPanasonicのシェーバーの充電式NiCd電池を交換しましたし,その前の週は,嫁はんや娘の自転車のスポーク交換やパンク修理をしました。
今日はソニーのSACDプレーヤ SCD-XE600の修理をします。2004年の発売ですから,もう20年近く経つのですね。
値段は37,800円ですから,SACDプレーヤとしては破格の安値でした。ほかは10万円以上,と言うところですよね。
ということからか,どうもこのところ調子が悪く,トレイがなかなか開きません。
これ,CDプレーヤでよくありますよね~~
実を言うと,本務機? は1994年発売のソニーのCDP-XA5ESなんですけど,こっちの方がずっと古いのに,いまだになんとも問題ありません。古い方のが丁寧に作ってあって,問題ないのか....。
原因はトレイ駆動用のプーリーについているゴムベルトが伸びちゃったんです。
昔のCDプレーヤだとこの部分はプラギヤで駆動しているのですが,どうもコスト低減のためか,ずいぶん前からゴムベルト式になってしまい,そのうちゴムが伸びてトレイが開かなくなります。
本機も半年くらい前からスムーズにトレイが閉まらなくなり,モーターがウンウン唸った末,なんとか閉まって再生がはじまる,と言う具合で,いずれ完全に動かなくなるだろう.....とは思っていました。
案の定,先月,起動してみるとトレイをうまく収納しませんし,なんとか収納できてもCDを再生できません。
トレイがちゃんと規定の位置まで移動せず,センサーが収納完了という信号をマイコンに送らないようです。
昔はこのセンサはリミットスイッチの機械式でしたけど,今はどうなっているんでしょうか。
と言う次第で,ゴムベルトを交換したいと思います。
まずはフタを外して観察します。フタを止めているのがタッピンねじというのに驚かされますけど......。締め付け時に金属くずが内部に入ることがあるので,普通,精密機器には使わないですよね.....。
残念ながら,フタを外したくらいではゴムベルトは見つかりません。
困ったな~,と思ったのですが,再度,電源を入れてトレイを開けてみて判明。
トレイを少しずらせばトレイすぐ下にありました
これなら簡単。最初はCDドライブ自体を外して底部にあるのか,と思いました。それだと厄介です。
とはいえ,これでも結構面倒。
よく見ると,ゴムベルトがついているトレイ側のプーリーにはピニオンがついていて,それでトレイ側のギヤを駆動しているのでギヤが邪魔で,このギヤを外さないとゴムベルトが外せません。
もちろん,トレイが外せないことにはそのギヤもゴムベルトも外せません。
それで,まずはフロントパネル外しちゃったのですが.....その必要はありませんでした。
よく見てみると,トレイをいっぱいまで引き出すと,ドライブのプラシャシーにストッパがあり,そこにぶつかってそれ以上トレイが前に出ないので外れないようになっているのですが,トレイにあるレバー状の部分を持ち上げてやればトレイが外れました。
↓ 部分のストッパにぶつかるので,⇒のように,レバーを少し持ち上げます。
あとは簡単。
例の邪魔なギヤ▲は引っ張るだけではすれました。
ゴムベルトを外して交換します。
iruchanは事前にamazonで,40本入りの何種類も入ったゴムベルトを買っていました。
本来はラジカセ用らしく,元のソニーのよりずいぶん細いですけど,まあ,使えないことはないでしょう。
オリジナルは□1.4mmで,φ42mmくらいのようです。
まあ,ゴムベルトの交換のしかたはわかったので,またいずれ,もう少しゴツいベルトに交換することにしませう。
☆ ☆ ☆
無事に直ったので,CDを聴いてみませう。
劇団四季のアナと雪の女王を嫁はんと見てきましたよ~~~
もう~~大感激!! 本当に素晴らしかったです。
エルサがノース・マウンテンに向かう途中,変身しながら歌う,"Let it Go~ありのままで~" はアニメの松たか子さんも本当に素晴らしかったですが,劇団四季の谷原志音さんも素晴らしかった~~
とはいえ,実を言いますと,iruchanが見に行ったのは去年の12月末......。そう,神田沙也加さんが亡くなった直後のことでした。それで,とても涙なくしてみられなかったんですけど.....。チケットはずっと前に取っていたので,まさかこんなことになるとは思いもしませんでした.....。
最初に,ちびアナとちびエルサが出てくるともう涙が出て止まりませんでした。
たくさんの子供たちが変装して見に来ていたのがかわいかったです。なぜかみんなエルサの格好しているのはなんででしょ。ご丁寧にもみんな髪の後ろを束ねてエルサみたいにしているのがかわいかったですけど,髪が少ないし,短すぎるので,どう見ても弁髪.....。
おまけに,嫁はんにシークレットチャームを買ってもらいましたけど,9種類あって,アナかエルサだとよかったんですが,2種類しかないオラフ.......。
よりによってなんでこいつを引くんだよ......
この劇団四季版サントラもすごくよいです。多少,オリジナルのディズニーアニメと歌詞やメロディーが違うので,最初は戸惑いますが,歌もどれもよいです。音質もよいです。
ようやくSACDプレーヤも直ったし,久しぶりに聴きました。
Panasonicシェーバーの電池交換 [電子工作]
2022年11月3日の日記
このところ,嫁はんや娘の自転車のスポーク交換やパンク修理をしています。
ようやく一段落ついたので,ほっと......したいのですが,また壊れました。
今度はPanasonicのシェーバー。いくら充電してもウンともスンとも言わなくなりました。残念ながら,充電できない場合は寿命です。
本体にニッカド電池のリサイクルについて注意書きがありますので,充電池はニッカドのようです。
残念ながら,充電式の電池には寿命があり,最大充電回数が決まっていますし,また,困ったことに長年充電せずに放置していると死んでしまうことがあります。特に,最近はやりのリチウムイオン電池は充電せずに0Vまで放電しちゃうと死んじゃいます。過放電というのですが,困ったものです。
と言う次第で,修理に持ち込んで,電池の交換が必要です。
でも,iruchanが使っているシェーバーはES4820Pというやつで,2009年に買ったものです。
まあ,普通なら買い換えなんでしょうけど.....。
iruchanはそれほどヒゲが濃い方じゃないし,普段は風呂でカミソリ使っているので,本機はほとんど使っていません。状態もきれいだし,捨てちゃうのはもったいない。
と言う次第で,電池を交換することにします。
幸い,電池は鹿児島のでん吉さんで売っていました。495円でした。ありがとうございました。
ポチッと注文。4日ほどで届きました。
昨日届いたし,今日は休みなので,早速,朝から取りかかります。
驚いたことに,ニッカド電池はリサイクルが必要なので,説明書に分解図が載っていて,簡単に分解できました
分解しても修復は可能でした。
さて,分解します。
本体カバーのねじを外し,外刃フレームを外すとねじが2本あるので,どちらも#0のドライバーで外します。
ここからはかなり面倒。内刃を動かすためのリンク機構はまるで鉄道模型並みの精密さです。ヘタにバラして部品なくしたりすると動かなくなるので要注意です。
モーターの横に単三くらいのニッカド充電池がありますが,基板裏ではんだづけされているので,30W位のはんだごてで外します。
続いて新品のニッカド充電池をはんだづけし,組み立てて終了です。電池の極性にはくれぐれも気をつけてください。間違えると大変なことになります。古い電池はリサイクルに出します。なんせカドミウムが含まれているので有害です......
これで無事に直りました。
なお,ニッカド電池に限らず,充電式の電池は保存するときの残容量が決まっていて,ニッカド電池もある程度,充電した状態で保管する必要があります。また,ニッカド電池はメモリ効果があり,ちょっと充電しただけ,と言うのを繰り返すとその容量しか使えない,と言う現象がありますので,ご注意ください。また,使用開始時は,まずフルに充電しないといけません。
説明書には8時間以上,とありますので,まずはフルに充電します。
スイッチを入れてみるとブーンとモータが回転し,きちんとヒゲも剃れますので,内刃もちゃんと動いているようです。
これでひと安心です。買い直さずに済みました