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けふのドクター・イエロー

2025年1月19日の日記

けふは上りのぞみ検測でした。

Dr. Yellow2.jpg

Dr. Yellow.jpg

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水力発電所めぐり~その1:姉川水力発電所跡,関西電力伊吹,小泉発電所~ [紀行]

2025年1月7日の日記

姉川発電所.jpg 近江水力電氣姉川水力發電所

皆様あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。

さて,新年早々,iruchanは前から行ってみたかったところに行ってきました。

iruchanは昔から地図を見るのが好きで,なかでも発電所の場所に興味がありました。

山奥の人里離れた場所にあって,そこから電気が流れてくると言うことにどうも惹かれました。また,そこには人がいて,寒いだろうし,どういう生活をしているのか.....。それに建設するのは大変だったはずで,どうやって建設したのだろう......という風に思っていたのだと思います。

だから,昔,黒部ダムの本を読んだりしていましたし,実際に,現地も見に行きました。やはり,黒部ダムはすごかったです。発電所の中も見学させていただきました。先日も佐久間発電所を見学してきました。

ということで,今日は昔から気になっていた場所へ行ってきました。

滋賀県北部の姉川(もちろん,姉川の合戦で有名な場所です)の上流に,発電所がいくつかあり,iruchanは昔,自転車で行ったことがあります[晴れ]

今回は北陸の実家から,クルマとばして見に行きました。

まずは関西電力の伊吹発電所と小泉発電所から。

ここはまだ平地で,交通の便もよく,周囲は開けた平野と美しい渓谷の入口になっていて,美しい景色の場所です。発電所の周囲には桜も植えられていて,ちょっとした公園もあり,春は美しい桜が楽しめるでしょう。

☆関西電力伊吹発電所,小泉発電所

どちらも戦前の建設で,前者は1940年2月,後者は1931年6月の運用開始です。出力はそれぞれ5400kW,966kWとなっています。どちらも戦前に,関電の前身の宇治川電氣が建設したものです。後者の出力が小さいのは落差も流量も小さいからで,▼の地図にあるとおり,1kmほど離れた場所から導水しているだけのためのようです。

建屋はおそらく,戦前のままでしょう。ごく事務的な建物ですが,少し優美で,古風な感じが水力発電所らしいです。

伊吹発電所.jpg 関西電力伊吹発電所

伊吹発電所2.jpg 変電所と併設されています。

右から,変圧器,交流遮断器,断路器と並んで送電しています。

小泉発電所1.jpg 小泉発電所

橋を挟んで2つの発電所が並んでいます。とんがり屋根が不思議ですが......。

小泉発電所.jpg 正門

小泉発電所2.jpg 裏手

発電所の裏に回ってみました。

それにしても水力発電所って,うるさいんですね......。ガーッと水車の回っている音がします。伊吹発電所も同じでした。あまり近くに行ったことがないので,知りませんでした。

☆近江水力電気姉川発電所跡

さて,今日のメインはここ。

姉川発電所7.jpg ここから送電線が引出されていました。

姉川の対岸の杉林の中に,ひっそりとレンガ作りの洋館の発電所が廃墟となって,たたずんでいます。

iruchanは昔からこのことを知っていたのですが,橋もない場所を渡河して渡らないと行けないところだし,林の奥,と思っていたので,あきらめていました。

ネット上の情報を見ると川からそう離れていないし,なんとか行けるところのようです。

そうですよね,発電所は最後は放水するところなので,基本的に川の近くに建設されるはずです。

と言うことで見に行ってきました。

ここは1917年,近江水力電氣株式會社が建設した発電所で,出力は615kWだったようです。同社は5年後,宇治川電氣に吸収されます。

姉川発電所.jpg 美しいU字型のアーチを描いた窓。

1940年に▲の伊吹発電所が完成し,1944年には廃止となっています。

理由がよくわからないのですが,取水口が伊吹発電所の取水口である,曲谷ダムの直下にあったため,流量が低下し,そのため,一時的に伊吹発電所の導水路から分流して発電していたようなのですが,それでは伊吹発電所の発電量が減るので結局,廃止となったようです。また,廃止になったのが戦争末期の1944年ということから考えて,戦時の鉄材不足から水圧管を供出して廃止になったのではないか,と思います。

そのためか,発電所の建屋は残っていますが,水圧管は撤去されています。建屋内の設備もまったく残っていません。

近江水力電気姉川発電所水路図googleマップ1.png 姉川発電所と導水路

場所の特定は難しいのですが,古い1/25000の地図を公開している,埼玉大の谷先生の今昔マップ on the webで見つけることができました。

現行の1/25000地図にも,伊吹発電所の導水路が記載されているので,googleマップ上に記載しました。

ただ,驚いたんですけど......。

1973年発行の地図と,1998年発行の地図では導水路の経路が違います。また,前者では伊吹発電所隧道と説明書きもありますが,後者では記載されていません。

まあ,1/25000地図は,実際の地図と異なる場合があり,しょっちゅう修正されている,というのは聞いていたのですが,びっくりです。が1973年版で,が1998年版です。

姉川発電所(虎姫山'24.10.30)s.jpg 1/25000 虎姫山(1924.10.30発行)

導水路の記載もあります。100年前の地図ですね[晴れ]

周囲はうっそうとした杉林。ヒルも出るそうだし,花粉症が心配だし,また,この堰堤は農業用で,農繁期には放水路を閉じて水位が上がるでしょうから,行くとしたら冬しかない,と思いますが,豪雪地帯ですので,お気をつけください。

姉川発電所5.jpg 立派なレンガ作りの洋館。

中に大きな穴があります。発電機からの放水用の穴と思います。

最初,この穴の中に水車が設置されていたのだと思いましたが,当時の絵はがきを見ると,横軸型の水車が建屋内に設置されていたらしいので,放水管が入っていたところのようです。そういえば,まだ立型の水車はあとのことでしょう。

小さな小屋が2つ,あります。ひとつは便所のようです。もうひとつは不明ですが,蓄電池小屋か,燃料庫ではないか,と思います。当時は常時,誰かがいたはずですから,灯油も必要でしたでしょうしね。発電機の励磁用の水銀整流器か,回転変流器(こっちの方が可能性は高い)と,蓄電池も必要だったでしょう。蓄電池も鉛蓄電池でしょうから,充電時に水素を出すので,保管時には換気が必要で,別の小屋が必要になることが多いでしょう。

山を見上げると,水圧管の礎石が延々と並んでいます。

姉川発電所4.jpg 裏手の小屋。
右側は厠で,左側の小屋は燃料庫か,蓄電池小屋か,と思いますが,はっきりしたことは分かりません。
 
苔むした石垣が周囲に結構,残っていました。

姉川発電所6.jpg 水圧鉄管の礎石。延々と並んでいます。

かなり登ってみたのですが,さすがに急傾斜だし,ギブアップ[雨]

昔の地図上にもありますし,ネット上に登った人の記事が出ていますが,頂上に貯水池があり,監視小屋もあったようです。

ただ,正直,本当に急傾斜ですし,立木につかまりながら登る,と言うことになるので,非常に危険です。遭難しても携帯電話もつながらないので,やめた方がよさそうです。

おそらく,上流の曲谷にある取水口から水平に近い勾配で導水し,ここに貯めた水を一気に落として発電していたのでしょう。

▲の地図を見ても,延々と導水路とトンネルが続いていて,本当に当時の苦労が忍ばれます。大正時代の偉大なエンジニアリングの成果に本当に感心しました。

伊吹発電所の完成後,どこかで導水路をつないで,水を引き込んだはずですが,どこからかは,分かりません。

姉川発電所跡 MKK6110-C7-27.jpg 1961年10月撮影

国土地理院のサイトで見られる航空写真です。すでにこの時点で屋根は抜け落ち,壁だけになっているようですが,周囲はまだ林になっていないようです。また,谷を渡る導水路が見えます。

☆曲谷ダム,小泉堰堤

これらのダムはそれぞれ伊吹発電所,小泉発電所の取水口です。どちらも小ぶりで,堤高15mはなさそうで,河川法のダムの定義からは外れますので,特に後者はダムと呼ぶのはおかしいですが,一般にはダムと呼ばれることが多いです。

クルマで伊吹発電所から走ってすぐに小泉堰堤が見られます。小ぶりのコンクリートの堰堤と取水口が見られます。コンクリートは黒く変色? していて,古めかしい姿が一層,戦前の偉大な建築物を想起させます。

小泉堰堤.jpg 小泉堰堤

対岸に取水口がありました。手前の魚道は最近設けられた,と言う話もありますが,昔からあった,と思います......。

小泉堰堤1.jpg 点検橋。

看板に,”小泉えん堤” とあり,ダムとは書いていません。

そこから,さらに上流へ走ると,曲谷ダムに着くはずだったのですが.......。

曲谷ダム.jpg 関電曲谷ダム

なんと,県道が姉川ダムの建設に伴い,迂回し,直接曲谷ダムへは行けなくなっています。県道はどんどん川から離れ,そのまま直進すると寺越トンネルに入って,滋賀県最奥の甲津原集落に行ってしまいます。

ちょっとビックリ[雷]

姉川ダムの建設により,県道が分断され,つけ替えられているのですね......。

ということで,先に姉川ダムを見学しました。

滋賀県じゃ珍しい,巨大なダムに驚き。2002年3月に完成した,大きなダムで,堤高80.5mです。

さらに驚いたことに,建設主体は滋賀県で,建設目的は治水なので,発電していません[雨]

それはもったいない,ということで2017年からいぶき水力発電という会社が放水路を利用して発電所を設けましたが,出力は900kWしかなく,これじゃミニ発電。これほど大きなダムなので,下流に発電所を設けて本格的な水力発電所を設ければ,10万kWくらいはとれそうだし,環境問題の観点からも,再生可能エネルギーの増加が図れるはずなので,ちょっともったいない気がします。

姉川ダム近くに大きな橋が2つかかっていて,その手前で右折し,もとの県道を走ると曲谷ダムが見えてきます。

☆姉川ダム

その曲谷ダムからまっすぐ,さらに県道を走ると巨大なダムが見えてきます。

姉川ダム.jpg

もとの県道に戻って姉川ダム事務所とある標識を左折すると事務所やダム湖が見えます。巨大なダムとダム湖に驚き。こんなのできているんですね......。

思わず,

frozen2-159-1.jpg

   こっちへ投げて~~。神田沙也加さんの声で!

と叫んじゃいました[晴れ]。まだアナ雪[雪]にはまっています。ダムに巨石を投げてはいけません!

     ☆          ☆          ☆

と言う次第で,AMラジオの鉄塔と一緒に,今度は水力発電所も訪れてみたい,と思っております。

偉大な先人の遺産を見学して,苦労を偲びたいな,と考えています。

皆様,何とぞ今年もよろしくお願いします。


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謹賀新年

2025年元旦の日記

皆様,あけましておめでとうございます。

旧年中は大変お世話になり,ありがとうございました。

皆様のご健康とご活躍を祈念しております。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

新年挨拶'25.jpg

                          いるちゃん



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けふは餅つき!

2024年12月30日の日記

とうとう,ものすごく暑かった2024年も終わります。今年は新年早々,能登半島の大地震があり,多数の方が亡くなり,その翌日には羽田空港で旅客機と海上保安庁の航空機が衝突するなど,不安な新年となりましたが,来年こそは大きな事故や災害の起こらないことを祈りたいと思います。

また,本年も当ブログをお読みくださいまして,厚くお礼申し上げます。

残念ながら,SSブログは3月末で廃止が決まり,いるちゃんは移転先を検討中です。so-netブログ以来,20年近い,つきあいでしたので,本当に残念です。

また移転先が決まりましたらお知らせします。

といふ次第ですが,我が家では長年の習慣で餅つきをするので,今日は餅つきをしました。

といって,杵と臼でペッタン,ペッタンやるわけじゃなくて,餅つき機でやっちゃうんですけどね......。

でも,これでついたお餅で食べる雑煮は最高です。死んだ父も家でついた餅を喜んでいました。

餅つき機1.jpg ぐぉ~~ん!

では,皆様,よいお年を[晴れ]

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さよならAMラジオ~送信所めぐり~その24:天竜川の送信所:静岡放送水窪送信所,NHK水窪,佐久間ラジオ中継放送所~ [ラジオ]

2024年12月24日の日記

AMラジオの終了に向けて,鉄塔を求めて全国神出鬼没のiruchanです......[晴れ]

今日は天竜川上流部の送信所を訪ねました。さすがに山奥だけあって,AMラジオといえども受信が難しい地域のため,多数の中継送信所があります。

まずは新幹線で豊橋へ。ここで飯田線に乗り換えます。特急「伊那路」1号で水窪へ。

伊那路特急券.jpg この切符です。

事前に別の駅でこの切符を買ったとき,「この駅,なんて読むんですか......。」って,駅員さんに尋ねられました 唖然 。某JRの駅員さんなのに,自社の路線の,それも特急が停まる駅なのに読めないなんて,驚き[台風]

水窪駅名標.jpg 正解はこれです。

実は,その,JRの別の駅で,倶知安まで,SLニセコ号の切符を買ったことがありますけど,年配のベテラン駅員さんは,ちょっとばつの悪そうな顔をして,同じ質問をされたことがあります。まあ,さすがに倶知安なんて読めなくてもしかたないですけど,その駅員さんは元国鉄の方だったようで,知らないのは恥,と思っておられるようで,恥ずかしそうにしておられました。でも,今回の若い駅員さんは,「こんな駅は知らねぇよ。変な切符買いに来るな~っ!」,という風で知らなくても当然,と言う態度。やっぱ,このJR[新幹線]だけでよいようです......[台風]

今度は温田まで伊那路に乗ってみようか,と思っています。絶対読めへんやろな.....。

水窪へは飯田線で何度も通っていますが,一度も降りたことがなく,ぜひ一度,降りてみたいと思っていました。山峡の小さな駅ですが,ちょっとした街があり,美味しいとち餅なども食べられます[晴れ]

水窪駅の裏側(東)に細い山道が延びているので,そこを南の方に歩いて山登りします。

googleさんは2.4kmと教えてくれますが,これが大変でした......[雨]

水窪~送信所.jpg こんな道を登っていきます。

細い山道を200mも登ることになります。iruchanは息も絶え絶えで休憩しながら山登りしました。

道は舗装されているので楽なんですけどね.....。これだったら豊橋か,浜松でレンタカー借りていく方が楽です。

でも,素晴らしい景色でした。紅葉もきれいで,とても楽しい山登りでした。

水窪.jpg 美しい風景です[晴れ]

頂上付近に,上村農村公園という広場があり,屋根付きの休憩所や自販機もあります。ここで休憩して,すぐ横の送信所を見学させていただきました。

☆静岡放送水窪送信所 & NHK水窪ラジオ中継放送所

NHK水窪ラジオ中継放送所.jpg SBSとNHKの共用送信所です。

なにも看板や銘板はありません。四角いSTLアンテナのある方がNHKかと思います。

アンテナはダウンリード式ですが,リード線は基部から頂部に行ってそこで折り返す,フォールデッドタイプのようです。

NHK水窪ラジオ中継放送所5.jpg ダウンリード式鉄塔

近年建設された送信所に多いダウンリード式です。

NHK水窪ラジオ中継放送所4.jpg 基部と給電部

給電するリード線は鉄塔と絶縁されていて,碍子が入っています。

銘板には,"中波放送30M3方向支線式鋼管柱 製作1997年12月 製作 施工 電気興業株式会社" とありました。

NHK水窪ラジオ中継放送所2.jpg VHF帯用のSTLアンテナ。

よく見かける,VHF帯のSTL用受信アンテナですが,この電波は垂直偏波のようです。

水窪デジタルテレビ中継放送所1.jpg なんじゃ,こりゃぁ~~~[台風] 松田優作の声で!

すぐ南にある,デジタルTVの中継施設です。それにしてもけったいなアンテナに驚かされます。こちらも民放とNHKの共用設備です。てっぺんには携帯電話のアンテナも見えますね。

☆NHK佐久間ラジオ中継放送所(閉局)

さて,今度は向市場の駅から,電車に乗って佐久間へ。ここに,NHKの放送所がありました。

と言うのは,iruchanはうっかりしていたのですが,ここは今年の9月30日をもって閉局になっています[曇り]

残念。

実はここは全国でも3ヶ所しかない送電線を利用した送信所(残りは岐阜県白鳥と新潟県津南)なので,ぜひ,一度見てみたい,と思っていたのですが,すでに閉局された後でした。

せめて,設備が残っていれば,と思ったのですが,どうもすでに撤去済のようです。ネット上に,9月8日に撤去工事の入札が行われた,という記録が出ています。

まあ,予めそうだろう,と思っていたし,iruchanは水力発電所というのも興味あるので,ぜひ,佐久間発電所も見てみたい,と思っていたので,発電所が見られれば,と思って出かけました。

佐久間発電所建屋.jpg 佐久間発電所

一番古い,建物です。この4階に送信設備があったのでは,と思いますが,詳細は不明です。

どうも4階はなにもないように見えますが......。

建物は建設当時から比べるとたくさん増えているようで,周囲にたくさん建物がありました。

佐久間発電所3.jpg 放水路。

4基の10万kW発電機を回転させています。

佐久間ダムと発電所は1956年に完成しています。戦後の経済復興期に電力需要が急増し,それに応えるため,特殊会社電源開発株式会社が設立され,わずか3年という工期で完成させ,京浜地区や中京地区に電力を供給しました。

つまり,発電機も50/60Hz両対応になっていて,回転数を変えて需要に応じて発電する周波数を変えているようです。

もちろん,トランスも両周波数対応のはずで,それで佐久間に周波数変換所が置かれているのかも......。

一方,その超高圧送電線がコロナ放電を起こすと電波障害を引き起こしてラジオの聴取に影響が出るため,翌年,NHKが送電線を利用して送信所を作って試験を行い,認可を得て1964年2月から本放送を開始しています。

ここから,東京都町田市の電源開発西東京変電所まで184kmの送電線を利用して放送しています。

ところが送電線の改良でコロナ放電の発生が減り,既存の送信所からの電波が聞こえるようになったため,閉局されたようです。

ということで,町田市周辺でも1341kHzで第1放送が聞こえたそうなのですが,実験するのを忘れていました.....[曇り]

佐久間発電所は先も書きましたとおり,中京方面へも送電しているのですが,こちら側の送電線には電波を流していなかったようで,いろいろ資料を見ても,豊田近辺で聞こえた,とは書いていないので,ということは東幹線の送電線のみ流していたのか.....。

東幹線,西幹線.jpg ものすごい送電線。

発電所と反対側の,天竜川の左岸です。左側が東幹線,右側が西幹線で,それぞれ東京と中京地区へ送電しています。

低周波の高電圧電流を通さず,高周波電流のみ送信所から流さないといけないので,局舎から高周波トランスや低周波フィルタなどを介して送信電流が流れていたはずですが,これらの部品は見つけられませんでした。

☆飯田線の廃線跡

帰りは佐久間駅から,中部天竜駅へ歩いて行きます。

実は帰りの電車は中部天竜発で,佐久間からだとさらに1本遅いのになってしまいます。

でも,佐久間~中部天竜間は近く,1.7kmほどだし,実は,飯田線の天竜川橋梁の脇の保守用通路が開放されていて,歩いて行けます。国道があるんですが,細くてトンネルもあり,歩行者には危険なのと遠回りなので,住民に開放されているようです。JRの鉄橋なんて渡れる経験はなかなかありませんよね。おまけに橋の上から,佐久間発電所がよく観察できます[晴れ]

天竜川橋梁.jpg 右側が歩行者通路です。

googleさんは鉄橋の東側に通路があるように表示しますが,通路は西側に沿ってついています。

また,よく知られていますが,佐久間~大嵐間の約18kmが佐久間ダムの建設に伴い,つけ替えられ,佐久間駅付近には廃線跡があります。この鉄橋もつけ替えに伴い,新たに建設された橋です。

三信鐵道殉職碑.jpg 三信鐵道殉職碑

鉄橋の南側のたもとに殉職碑が建っています。

この区間は三信鐵道が建設し,1929年8月に着工,開業は1937年8月です。三河川合~天竜峡間の67kmをつないだ鉄道ですが,山間部の,一番建設の難しい区間を工事したため,多数の殉職者を出しています。iruchanもお参りしてきました。

慰霊碑は工事を請け負った飛島組の熊谷三太郎が犠牲者を悼んで,開業の翌年9月に建立したものです。鉄道の工事は三信鐵道の資金不足から,会社は契約せず,彼が個人負担で請け負ったそうです。

碑には52名の犠牲者の名前が刻まれているようで,朝鮮人労働者も含まれています。碑文も彼が彫ったそうです。信用を高めた上,この工事で儲けた彼は後に熊谷組を創立します。経営者としても優秀な人だったようですが,犠牲者を悼んでこのような立派な碑を建て,大変な人格者でもあったようです。

なお,戦後▼のつけ替え工事に際しても多数の犠牲者が出て,大嵐駅に慰霊碑が建っているそうです。こちらもお参りしてきたいと思います。

中部天竜駅引上線.jpg 中部天竜引上線

この線路はもとの本線で,この先,鉄橋があり,佐久間(旧)駅につながっていましたが,発電所の土地と支障するため,撤去されています。左が現在の本線です。

この線路の延長上に天竜川鉄橋(旧)があり,その橋台に先ほどの慰霊碑が建っています。

どうもそれでは線路に支障していますし,おかしいな,と思って調べたら,もとの熊谷三太郎が建てた碑は大嵐駅に建っていたそうです。おそらく,新線の開業時に線路を支障したため,こちらに移設されたもの,と思います。

佐久間トンネル坑口.jpg 佐久間トンネル坑口

天竜川橋梁(全長323m)を渡った後,佐久間(旧)駅があり,すぐに佐久間トンネル(全長1555m)で飯田線最長でした。望遠レンズで撮影できました。

今は佐久間発電所の敷地にあり,トンネルは資材置き場として利用されているようです。

中部天竜 '48.3, '12.12.jpg 航空写真

   1948年3月          2012年12月

国土地理院の航空写真を切り抜きました。残念ながら,佐久間ダムの建設途中の写真はありませんでした。

左が建設前の状況で,右は現在ですが,中部天竜駅は佐久間ダムの建設のため,貨車の資材搬入のための留置線や,対岸に渡る資材搬入用の鉄橋も建設されます。今も残る,中部橋はその名残です。右側の写真に写っています。

その留置線はその後,電車の折り返しのための留置線として使われ,佐久間レールパークにも活用されていましたが,2009年に閉園しています。

1952年末,佐久間ダムの建設に伴い,水没する中部天竜~大嵐間の飯田線のつけ替え工事が始まり,1955年11月に開業しています。前後に峯トンネル,大原トンネルという長大トンネルがあり,大きく東に線路がずれてつけ替えられることになりました。

飯田線旧線地図2.png 飯田線つけ替え工事の概要

現在のgoogleマップに重ね合わせるとこんな感じで,旧線には,途中,豊根口,天竜山室,白神の3駅がありました。白神駅は,"しらかみ" ではなく,"しらなみ" と読みます。

もし,まだ飯田線の旧線が存在していたら,先ほどの駅員さんは絶対に読めへんやろな,と思います......[台風]

中間駅のうち,白神駅がかろうじて水没を免れているようですが,後の2駅は水没しました。

また,両端駅ですが,佐久間駅は400mほど,東に移設されていますし,大嵐駅も,少しずれています。

この辺りの古い地図は結構探すのに苦労しましたが,"佐久間ダム" (日本人文科學會編,東大出版會刊 1958年3月)に載っていました。

水没地域地図.jpg

     水没地域地図。"佐久間ダム" より。

秘境駅として有名な小和田駅は対岸の佐太という集落の最寄り駅だったようです。吊橋で対岸に渡ると集落があったようです。学校もあったのですね。また,白神駅も,同様に対岸の下山中という集落の最寄り駅で,学校や神社があったようです。

残念ながら,旧線はほとんど水没し,道路も大嵐方から廃村となった夏焼集落まで県道があるだけで,そこから先は廃道になっていますし,トンネルも多く,それらも水没しているようなので歩いて踏破するのは無理なようです。

現在の県道は対岸の天竜川右岸に沿って走っていて,渇水時には飯田線の遺構がいくつか見られるそうなので,一度,行ってみたい,と思います。佐久間ダムも,中部天竜の駅からは公共交通機関はなく,歩くと片道4.7kmもあるようなので,歩いては行けません。クルマで一度,見に行ってみよう,と思っています。


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New PCのはずだったんですけど,大トラブル!~WiFiがつながらない!!~ [パソコン]

2024年12月8日の日記

iruchanはお盆の真っ最中に引っ越しをしていました。

それで,実家に置いていた,ファンレスのPCでしばらく仕事をしていたのですが,残念ながら,あまりに遅いので,作り替えることにしました。

使っていたのは,インテルのCeleron J4105を使っていて,CPUファンのない,ファンレスPCにしていました。やはりCPUファンがないと静かですしね。

iruchanは台湾のAAEON社の作ったファンレスPCを何台か,仕事で使っていました。CPUもi7を使っているのに,真夏の炎天下でもちゃんとWindowsが動いたり,性能のよいことに驚いていたので,自作でもファンレスを,と考えていました。

ところが,やはりまだファンレスPCは自作はムリだと思います。

何よりCPUがショボく,Officeは動くのですが,インターネットも遅いし,DVDは再生可能ですが,ブルーレイはダメでした。

今回,仕事でZoomやTeamsをやることが多いのですが,これも時折,接続が切れる,と言う始末で,結局,中を作り替えて,最新のCPUにすることにしました。

メインのPCは,インテルの第10世代i3 10100を使ったもので,3年前に作ったものです。ブルーレイも再生できるし,とても速いので,満足しています。

今回,3年経っているし,同じi3でも,第12世代のものが使えます。

さすがに,iruchanはCPUは1万円程度,と考えているので,i5やi7は使えません......[雨]

CPUはi3 12100Tにしました。クロックは4.1GHzで,4コアのものです。

驚いたのは消費電力で,ベースパワーは35Wです。i3 10100だと65Wですから,半分です。

でも,これには落とし穴があったんですけど.......,あとで詳しく書きます。

メモリはDDR4-3200 UDIMM 8GBにしました。まあ,16GBも必要ないか,と思いました。

C:ドライブはウェスタンデジタルの250GBのSSDが余っていたので,それを利用,ケースも再利用します。

マザボはASUSのPRIME H610I-PLUS D4-CSMにしました。mini-ITXなので185mm×229mmと非常に小さいです。これだと机の上に置いておいても邪魔じゃありませんね[晴れ]

マザボをケースにセットし,配線を済ませたらWindowsをインストールします。

今は楽になりましたね~。MicrosoftのホームページからWindows10をダウンロードし,USBメモリにコピーしておけば,10分ほどでWindowsがインストールできます。

昔は30枚以上のフロッピーディスク使って,インストールするのに半日......,ってところでしたけど......[雨]

で,Windows10もインストールでき,ちゃんと起動しました。

ところが.......。

ここからトラブル続き。

数日で,なぜか,mini-ITXにはDC12VをACアダプタで供給し,マザボに電源ユニット(PSU)と呼ばれる小さな基板(中身はDC-DCコンバータです)を挿して,そこからマザボやCPUに電源を供給するのですが,これが故障。

出力がどういうわけかショートしていて,出力電圧は0V[台風]

過電流で壊れた,としても,出力~GND間がショートする,と言うのはおかしい.....。

基板を調べてもおかしくなく,周辺部品も壊れていないようです。どうもDC/DCコンバータのICが内部で壊れた感じです。

しかたないので買い直し。これ,結構,値がするんですよね~[雨]

amazonで3,580円もするのを買い直し。ファンレスPCで使っていたのを流用するつもりだったのに,残念です。

さらに,なぜかWiFiがつながらない......[台風]

1Fに光ファイバーのONUやルーターを置いているんですが,木造の家なのに,PCを置く予定の2FでWiFiがつながらないのはおかしい。引っ越し前の家では逆でしたけど,ちゃんと1F~2Fがつながっていました。

それで散々,いろいろ調べてもダメ。

そうこうするうちに,今度はビデオ出力がダウン。画面真っ暗です.......[台風]

別にマザボの中をいじっていたわけじゃないんですけどね......。

HDMIやVGA出力を見ても同じで,画面は真っ暗で,これはいよいよマザボのビデオ出力部分が壊れたな,と思いました。

結局,amazon経由で販売社に連絡し,保証が効くので交換してもらいましたが,新品が返ってくるまでひと月もかかる,と言う始末[雷]

こういうところ,amazonはダメだな,と思いました。

amazon自体が返品,交換を受け付ける期間が3週間で,それを過ぎてしまっているので,販売社と直接やりとりしろ,と言うことでした。

以前,sofmapで買ったマザボが不良でしたけど,即,交換してもらえたので残念です。amazonでPC関係の部品を買うのはやめた方がよさそうです。

これでようやく先月,マザボが返ってきたので,取りつけてみてようやく再起動,と言う状況でした。

ただ,まだWiFiがつながらない......[台風]

それもどうにも変で,たまにはつながるし,インターネットも見られるのですが,数分で切れる,と言うことを繰り返します。おまけに,スマホはつながるのに,PCはつながらない,という現象も変[台風]

確かに,画面右のWiFiのネットワーク状況を見ると電波が弱い状況なんですけどね.....。

そこで,Buffaloの中継器を買って,なんとかつなぐことができるようになったのですが.....。まだ,不安定[雨]

スマホは相変わらず,ちゃんとつながるのに,PCは不安定で,つながっても数分で切れる,と言う状況。

ネットワーク診断をしてみると,最後の最後,アソシエーションで原因不明のエラーと出ています。

中継器や親機(ルーター)の設定を散々いじってもダメ。

結局,親機を初期化して再度,ネットワークの設定をやり直したら,多少マシになり,数週間,無事につながりましたが,また現象が再発し,元の木阿弥......[台風]

でも,ようやく原因が分かりました。

おそらく,2.4GHz帯をワイヤレスキーボードやマウス,Bluetoothが使っていますが,どうもこのせいでWiFiがつながらないようです。

WiFi&Bluetooth接続1'.png 全然電波がダメです......[曇り]
 
mini-ITXは端子部が狭く,USBが隣接しているのも原因のようで,WiFiは離した方がよいようです。
 
M.2ソケットもついているので,これ用のWiFiモジュールを最初,使っていましたけど,ツノみたいな巨大なWiFiアンテナを接続していてもダメ。
 
このアンテナ,クソ邪魔なのでM.2のWiFiモジュールはあきらめてUSB接続のにしました。
 
ようやく,そういえば,引っ越し前の家で,Bluetoothのキーボードがつながらない,と言う問題が出たので,BluetoothのUSBアダプタをUSB延長ケーブルを使って離して使っていたのを思い出しました。

それで,そのUSB延長ケーブルを引っ越し荷物から引っ張り出してきて,それにWiFiのUSBアダプタをつけてみたら,中継器ではなく,本来の親機からもちゃんとつながるようになりました。

      なぁ~~んだ

といえばそうなんですけどね.....。

Bluetooth & WiFi.jpg こんな風に接続しちゃ,ダメなようです。

WiFi.jpg 延長ケーブル使って他の無線機と離してOKでした。

WiFi接続状況(改善後)'24.12.14.jpg 大幅に改善されました[晴れ]

次はACアダプタ。

なんと,一応,Windowsが起動して,インターネットも見られるようになったのですが,突然シャットダウンします。

どうも,ACアダプタの過電流検知で保護回路が動作している感じです。

i3 12100Tは省電力だし,i3 10100で5Aのアダプタを使っているので,今回も秋月で5Aのアダプタを買いましたが,i3 12100Tは平均消費電力が35Wですが,最大ターボ出力が69Wらしく,5Aでは足りないようです。ちなみに,i3 10100では65Wなのですけど,そんなに差はないのに,i3 12100Tでは5AのACアダプタは無理なようです。

しかたないので,取り急ぎ,Windowsの電源オプションの詳細設定で,CPUの消費電源を管理できるので,50%に落として使いました。こうしておくと,電源断はなくなりました。

プロセッサの状態.png CPUの電源設定。これを50%にして急場しのぎ。

次に,急いで,10A級のACアダプタを探しますが,売ってない[台風]

秋月も千石もダメで,売っているのは5Aまでです。なんとか,amazonで売っているのですがどれも高い[雨]

しかたないので,Ali Expressで8Aのものを買いました。

これは,内径2.5mmのプラグを使っているので,mini-ITXにぴったりです。秋月のはφ2.1mmなので,前回,プラグをつけ替えて使っています。

月曜に発注して,日曜に届きました。たったの6日で届きました。

12V AC adaptor Ali.png

早速,このアダプタに交換し,先ほどの電源設定で最大のプロセッサの状態を100%に戻しても大丈夫。

     ☆          ☆          ☆

ようやくこれでパソコンが完成しました。

ANNA PC.jpg Annaです[晴れ]

本当に今回は大変苦労しました。

妹分なので,PC名はAnnaにしました。ちなみにi3 10100マシンはElsaと名前をつけています[雪]

でも,なんか,妹の方が性能がいい,というのは変......。

新しいからしかたないですね.......[晴れ]


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さよならAMラジオ~送信所めぐり~その23:若狭地方の送信所:福井放送小浜放送局,NHK小浜,三方ラジオ中継放送所~ [ラジオ]

2024年11月24日の日記

初夏に,敦賀の送信所へ行ったばかりですが,ようやく涼しくなってきたので,今度は小浜へ出かけます。

ここに福井放送とNHKの送信所があり,特に,福井放送は支線式ではなく,ダウンリード式の自立鉄塔なので,一度,見てみたい,と思いました。

北陸の実家から今回はクルマで出かけます。

しかし.........。

もう,秋をとばしていきなり冬[雪]

まだ11月なので,雪が降るには早いのですが,iruchanが出発したときは快晴だったのに,小浜に近づくとかなりの雨[雨]

まあ,北陸だと時雨と言って冬はいつもこういう風に雨が降って,時には雪になるんですけどね.....。

冬型の気圧配置で,雨が結構,強く降って時折,土砂降りみたいになります[雨]

しかたないので,まずはお昼ご飯。

いつもだとiruchanは洋食屋さんへ行くのですが,さすがに若狭まで来ているので,今日はおさかな[晴れ]

と言うことで小浜港の刺身五右衛門さんへ。

刺身定食.jpg 五右衛門さんの刺身定食[晴れ]

サザエやブリ,サケ,サバ,イカ,甘エビのほか,ちょっと何の魚だか分からない地物の魚がたくさんのものすごい刺身の定食でたったの1,700円[晴れ]

おさかな大好きなiruchanは大満足。もう,びっくりのお昼ご飯でした。ありがとうございました。

☆福井放送小浜送信所

福井放送小浜送信所6.jpg 周囲は草が少し生えたグラウンドのある公園です。

さて,まだYahoo!天気を見るとしばらく降りそうなので,15分ほどクルマで待ってから福井放送へ。

市内の千種公園の一角に鉄塔が建っています。

敦賀の送信所と同じタイプで,円形の自立鉄塔です。たぶん建設された時期も同じなのだと思います。

ただ,どちらも敷地は広く,敦賀は柵に囲まれて広い草地に建っていましたが,こちらは公園になっています。

ひょっとして,以前は基部絶縁型の支線式鉄塔が建っていたのに,更新されたのではないか,という気がしました。実際,開局は古く(周波数1560kHz,出力100W),1957年11月のようですから,この当時だと支線式の鉄塔のはずです。

昔の航空写真を見ると,敷地はもっと広く,赤白の鉄塔が建っているように見えますし,支線の礎石らしいものも見えます。鉄塔を更新するときに自立鉄塔にして,空いた敷地を公園にしたのではないでしょうか。

小浜放送局(小浜’75.11.18).jpg 1975年11月

国土地理院が公開している航空写真です。福井放送はどうも赤白の鉄塔のようです。また,NHKは開設していないようです。

ダウンリード式だと,鉄塔は接地されていて,敷地は狭くても十分です。リード線が頂上から垂れていて,基部から給電することが多いです。ここも同様で,基部に給電部があるようです。

福井放送小浜送信所4.jpg 頂部。

リード線はそのまま鉄塔に接続されています。

福井放送小浜送信所5.jpg 基部。

リード線は絶縁されて円環状の金具に取りつけられています。

福井放送小浜送信所2.jpg 給電部。

給電線は3本あり,基部の円環状の金具に給電しています。

それにしても鉄塔の周囲には柵がありますが,本当にすぐ近くまで近寄ることができて,詳しく観察できます。

周囲は遊具が並んでいて,普段は子供達の遊び場でしょう。不思議な鉄塔が建っていて,子供達の興味の対象でしょうね。大きくなったら,あの鉄塔はなんだったのだろう,と言う風に思い出すんでしょうか....。

福井放送小浜送信所1.jpg それにしてもものすごい鉄塔。

周波数は1557kHz,出力は100Wですが,残念ながら,今年の2月から総務省のAM停波実験に参加し,iruchanが持参したソニーのICF-SW100をこの周波数に合わせても雑音しか聞こえませんでした......。


福井放送小浜送信所3.jpg 局舎。

つい最近まで,福井放送小浜ラジオ放送局という看板の掛かった大きな局舎が建っていて,ずっと昔には実際に放送もしていたようですが,敦賀同様,送信機のみの小屋に変わったようです。この周辺だけ,コンクリートの基礎があるのはそのためのようです。結構,こういう送信所は多いようです。送信機も真空管でしたから,保守のため,人が常駐しているところも多かったと思います。

また,福井県って,嶺北と嶺南では文化も言葉も違いますから,小浜を中心として嶺南地域独自の番組を作っていたのでしょう。それに,嶺北~嶺南間の交通は結構大変で,今でこそ,舞鶴若狭道や高規格の国道もできていますが,福井市と小浜市の間を車で行き来するには県内なのに昔は3,4時間くらいかかったはずなので,常時,職員の人が常駐していたんじゃないでしょうか.....。

☆NHK小浜ラジオ中継放送所  

NHK小浜ラジオ中継放送所.jpg 局舎の銘板。

NHK小浜ラジオ中継放送所3.jpg 容量環のついた支線式鉄塔です。

福井放送の前の道をそのまま走って,橋を越えると中州のような場所にNHKの放送所があります。すぐ,また川で,こういった,水分の多い土地がAMの送信所に向いています。

NHKは従来の支線式鉄塔で,周波数は第1が1161kHz,第2が1359kHzで,どちらも出力は100Wです。

昔だとこれくらいの送信機の出力管は4P55です。よく,NHKと書かれた4P55を見かけますが,こういう送信所で使われる予定の予備管か,定期的に交換された中古だと思います。実は,iruchanはOBCラジオ大阪のチャリティーオークションで落札した,NEC製の4P55を持っています。ラジオ大阪は出力50kWの堺市の送信所しかないので,4P55が使われていたはずはない,と思うんですけどね。ひょっとして出力管の励振管だったのかも......。一度,アンプを作って鳴らしてみたいです[晴れ]

福井放送は雨が降っていませんでしたが,ここに着いたら,途端に大雨。あまりきれいに写真が撮れませんでした。

NHK小浜ラジオ中継放送所1.jpg NHKらしい容量環。

NHK小浜ラジオ中継放送所2.jpg 局舎北側基部と給電部。

NHK小浜ラジオ中継放送所4.jpg STL用パラボラ。

内外海半島の先っちょの久須夜ヶ岳に中継局があるので,そこを向いているようです。

ここから三方町気山に行きます。

普通だったら国道27号経由なんでしょうが,このままこうのとり大橋を渡ると国道162号に出ますので,海沿いの道をたどります。

途中,半島をくぐる阿納トンネルを通ります。ここはかつては細い山の上のトンネルで,大変だったのですが,大きな2車線のトンネルができていて,びっくりです。阿納地区は陸の孤島,とも呼ばれましたが,このトンネルの開通で非常に便利になりました。

国道162号は海沿いのよい道。確か,親父が昔,クルマに乗せて連れて行ってくれたように記憶していますが,昔は細い道で大変だったように思います。今は山の上の方を通ってトンネルだらけですが,走りやすくなりました。でも時折,海が見えるし,展望台みたいな駐車場がちょこちょこあって休憩もできます。

烏辺島.jpg 美しい風景です.....[晴れ]

まるでひょっこりひょうたん島 よく見てたな~ みたいな三角の島は,烏辺島です。

☆NHK三方ラジオ中継放送所

NHK三方ラジオ中継放送所.jpg 左の局舎は非常用発電機小屋です。

ここは比較的新しく,三方町近辺でNHKが聞きにくい状況だったらしく,開設は2003年3月のようです。第1のみで,周波数1584kHz,出力100Wです。

小さな局舎があり,送信機と非常発電機を収めています。

NHK三方ラジオ中継放送所2.jpg 管頂部です。

NHKだと普通,容量環がついているのですが,ここは高さ36mで,ついていません。

NHK三方ラジオ中継放送所1.jpg 基部と給電部。

鉄塔の銘板には,"日本放送協会 36M支線式円管鉄柱 平成15年3月 NHKアイテック" とありました。

第1と第2の2つを送信しているので,2本,給電線が出ていますね。

敦賀の放送所の鉄塔と異なり,雪害対策で基部はカバーがついています。まあ,嶺南地域は積雪地帯ですけど,ここまでは積もらないでしょうから,風雪対策でしょう。

NHK三方ラジオ中継放送所3.jpg VHF帯STLアンテナ。

この辺りでは▼の久須夜ヶ岳に中継所があるので,そこを向いているはず,と思ったら反対向きなので,美浜か敦賀の中継局を向いているようです。

ここからほとんど交差点がなく,交差点はインターチェンジになって,名阪国道みたいに高速道路みたいになった国道27号で敦賀へ出て,帰りました。

それにしても国道162号線もそうですが,かつては夏になると大渋滞だった国道27号も極めて高規格な道路になり,びっくりです。iruchanの住んでいるところにはこんな道はありません。やっぱ,原発のおかげなんでしょうね......。

小浜送信所地図.png 各送信所の場所です。

      ☆         ☆          ☆

途中,一度,行ってみたかった,熊川宿へ寄ってきました。鯖街道の途中にある,とてもいい雰囲気の美しい宿場です。道の駅もありますし,古いお寺や素敵なお土産屋さんが並んでいます。

熊川番所.jpg 熊川番所。

宿場館.jpg 宿場館。

もと熊川村役場で,1940年完成の立派な建物です。内部は資料館になっています。


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また,やってまった!~自動車のバッテリー充電器の自作~ [電子工作]

2024年11月17日の日記

バッテリー充電器.jpg ただいまバッテリー充電中。

またやってしまいました[台風]

今年,10年ぶりに車を買い換えたのですが,やはり新車は慣れないのか,いきなりバッテリーが上がっちゃいました[台風]

うっかり,室内灯をつけたまま,一晩,屋外においてしまっていたようです。

しかたないな~[台風]

大体,5年おきくらいにやってしまいますが,iruchanのうちはクルマに乗るのは私だけなので,クルマは1台しかないので,ブースターケーブルつないで一発,なのに,それができません。

それで,毎回,充電器に半日つないでバッテリーを充電しているのですが,充電器を探しても見つかりません。

実家に置いてあったはずですが,どこを探してもありません。親父が死んで,誰か持ち帰ったか~~?

バッテリーの充電器って,普段は使わないのに,あると大変便利ですよね~。

とはいえ,充電器を買いに行くにも,クルマが必要だし,買えば1万円くらいするし,しかたないので,何か充電できるものはないか,と思ったら,以前,鉄道模型用に作ったコントローラがあるのを思い出しました。

HOゲージ用に出力12V,3Aで設計してあるので使えるはずです。電流制限型保護回路もつけてあるので安全だし,電圧計と電流計もつけているのでぴったりです。

そこで,まずはこのコントローラをつないで様子を見てみます。電流計もちゃんと振れて充電できているようです。

ところが.....。

出力電圧が12Vでは低すぎるようで,最初のうちこそ1A程度の電流が流れていましたが,すぐに100mAくらいになってしまいました。

翌朝,端子電圧を見ると10Vくらいになっているので,充電できているか,と思ってクルマにつないでも,セルモータはまわってくれません[雨]

この状態で端子電圧を見ると5Vくらいで,これじゃ,セルモータどころか,カーナビも動作しません。

ダメだ,こりゃ~~[台風]

iruchanは鉄道模型用のコントローラは全て自作で,このコントーラも自分で設計したもので,これは自動加減速になっていて,本物の電車のように,ノッチがついているし,ブレーキハンドルも別置きになっていて,マスコンで加速,ブレーキで減速ができ,かつ,ノッチオフして惰行もできる,というスグレものです。

とはいえ,PWMじゃないし,HOゲージもそう持っていないので,普段は押し入れで寝ています。遊んでいるのはもったいないし,今後,バッテリー充電器としても使おう,と思います。

本機はHOゲージ用に3Aの大容量で作っています。

これを活用しようか,と思ったのですが,残念ながら,こういう大容量のコントローラだと最大電圧は14~16Vくらいになることが多く,Nゲージなどでは危険なので,iruchanは最大電圧は12Vに制限するよう,定電圧回路を入れてしまっています。

これだと,自動車用のバッテリーは充電できないようです。

大体,市販の自動車用バッテリー充電器は14~15Vくらいの電圧を出力するようになっているようです。

そこで,今回,改造して,最大出力電圧を15Vくらいにできるようにします。

これは,簡単で,最大出力電圧を決めているツェナーDiの電圧を変えればOKです。

また,もうひとつ,注意しないといけないのは,鉄道模型のコントローラだと逆転スイッチがついていて,出力の極性を変えられるようになっています。

バッテリーを充電する際に,逆向きに電流を流すのは危険です。正しくは,バッテリーの+端子に充電器の+プラグを接続します。ブースターケーブルを接続する場合も同じです。

それで,鉄道模型用のコントローラを使うときには,実際に出力の極性を確認する必要があります。iruchanはテスターで事前に確認してからバッテリーにつなぎました。

でも,毎回,テスターで確認するのは面倒ですよね。

逆転スイッチの向きと,出力端子の極性を覚えていればいい,だけの話なんですけどね......。

ということで,今回,出力電圧の極性を確認できるよう,赤色のLEDを設置しました。

▼の赤色のジョンソン端子が+の時だけ,LEDが点灯します。

バッテリー充電器2.jpg 極性表示にLEDを追加しました。

 これで出力の極性は一発で分かりますね[晴れ]

結果はOK。

出力電圧を14Vくらいにすると2A流れて,十分充電できました。manualボリウムを回すと電圧と電流が可変できるので,便利です。

使われていたバッテリーはGSユアサのK-42Rと言うバッテリーで,5時間率で30Ahですから,2Aで充電すれば,15時間かかる,と言うことになります。また,充電時の電流はGSユアサの取説によると3Aのようですから,2Aだと安全側で,よいでしょう。制御Trの2N3055もそれなりに熱くなりますが,40℃くらいのようです。

でも,まあフルに充電しなくても,セルモータがまわればいいのと,フル充電近くなると,過熱したり,水素が発生して危険なので,長時間,充電器を接続するのはNGです。

とりあえず,2Aで6時間ほど充電してクルマに取りつけたらセルモータが回転し,無事にエンジンがかかりました[晴れ]

バッテリー充電器1.jpg 電流は2Aです。

自動加減速コントローラ回路.png回路図です。

ちなみに鉄道模型モードだとこんな感じです。LTspiceでシミュレーションしてみました。本機はHOゲージも運転できます。

自動加減速コントローラLTSpiceシミュレーション.png ゆっくり電圧が立ち上がります[晴れ]

充電器としての機能だけなら,▼のように,ずっと簡単な回路で済むんですけどね......。

なお,基準電源のツェナーDiは16Vのものを使っていますが,充電器の場合,▲の模型用コントローラの回路のように,ツェナーDiにパラに可変抵抗を入れて,出力電圧を可変できるようにすると,充電電流を調整できるので,便利です。

充電器回路.png

   ☆          ☆            ☆

自動車用バッテリーの充電器は最近はマイコン制御になり,細かな制御をして,デジタル表示もついていて,便利なんですけど,結局は,定電圧充電(CV)すればよいので,一昔前の充電器は3端子レギュレータを使っていましたし,ずっと前はセレン整流器で半波整流しただけというのが多かったと思います。Li-ion電池などは定電流充電(CC)する場合が多く,最初,CV充電で急速充電し,途中からCC充電する制御をする,というものも多いです。

クルマ用の鉛蓄電池の場合,CV充電する場合,むしろ,iruchanのように定電圧電源方式じゃなく,セレンで半波整流しただけ,だとピーク電圧は16V位出るので,こういうので充電する方が簡単だったかもしれません。


2024年11月23日追記

室内灯のせいでバッテリーが上がっちゃったのはこれで2回目で,頭にきてLEDに交換しました。新しいクルマでも,室内灯は電球のまま,と言うクルマが多いと思います。ついていたのは10Wの電球で,これじゃ,ひと晩でバッテリーが上がっちゃうはずです。

P2271W.jpg こんなLED室内灯を買いました。

35ルーメンと暗いのですが,消費電流が少ない方がよいので,これにしました。amazonやmonotaroで,もっと明るいLEDランプを売っていますけど,その分,消費電流は大きいので,やめにしました。

明るさは本が読めるほどじゃないだろう,と思ったのですが,意外に明るく,本も読めます。クルマの室内灯としては十分でした。


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かぼちゃが採れました。

2024年11月9日の日記

きょうは畑で採れたかぼちゃで嫁はんが蒸しケーキを作りました。

かぼちゃケーキ.jpg かぼちゃケーキを作りました。

今年,iruchanは庭の畑にかぼちゃを2株,植えました。西洋かぼちゃと坊ちゃんかぼちゃです。

実を言うと,今まで,うちでかぼちゃが採れたことはありません。せいぜい,夏みかんくらいのが1つできただけで,毎年,熱心に受粉させたり,やってみても,まともに大きなかぼちゃが採れたことはありませんでした。

今年は,ダメ元で3月にコンポストの堆肥を埋めてから,近所の園芸店で買ってきたかぼちゃの苗を植えました。

その堆肥がよかったのか,7月頃から花が咲き,また,人工授粉もしなかったのですが,ある日,庭を見てみると大きなかぼちゃが転がっていて,その後,10個以上,スーパーで売っているのより大きなくらいのかぼちゃが収穫できました。

そういえば,大きなマルハナバチが花の中に潜り込んでいくのを見ましたし,はちが受粉してくれたようです[晴れ]

かぼちゃは虫もあまりつかないし,大きな葉っぱで雑草が生えないし,手もかからないので畑に植えていましたが,実際に実ができるとうれしいですね~。

かぼちゃ '24.7.20.jpg ある日,見つけました[晴れ]

かぼちゃ.jpg かなり,大きいです[晴れ]

もちろん,煮付けにして食べてみましたがとても甘くて美味しいかぼちゃでした。

嫁はんも喜んで,何度もかぼちゃプリンを作りました。

かぼちゃプリン.jpg かぼちゃプリン[晴れ]

自分で作ったかぼちゃでケーキを作るのは楽しいですね。息子も美味しいと言ってあっという間にケーキを全部食べました[台風]


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ソニーのAMステレオ対応ラジオ SRF-M100後期型&前期型の修理 [ラジオ]

2024年11月10日の日記

先週,ソニーの短波つきマルチバンドラジオICF-SW1の修理をしました。オーディオ出力のパワーアンプICの交換が必要,というかなり大がかりな工事になりました。

つづいて,最近入手した,AMステレオ対応のSRF-M100を修理します。

☆後期型

iruchanはこのラジオが現役最後の頃に,秋葉原の今はなき石丸電気で後期型を入手しています。石丸電気はCDを買ったり,大変お世話になりました。

こちらで書きましたように,例の第四級塩電解コンデンサは後期型では使われてない,と思っていたのですが,どうも後期型でも初期のものは使われているようで,もう1台持っている後期型はダメで,やはりコンデンサを交換しました。

で,これはどうか,と思ったのですが,一応,念のため,交換しておく方がよいだろう,と思って問題のC26,C65の220μFのコンデンサとC64とC53 の470μFコンデンサを外してみました。

すると.......,

220μF,470μF.jpg 220μFと470μF

 正極側に液漏れ跡があります......[雨]

やはり液漏れしていて,交換が必要なようです。一応,容量計で測ってみるといずれもほぼ表記通りの容量を表示しましたが,液漏れしている以上,パターンを腐食して故障の原因になりますので,交換しておいた方がよいです。

これで無事に修理完了,ちゃんと音も出ました[晴れ]

と,喜んだのですが......。

なんと,しばらく使っているうちに音がしなくなり,バッテリー切れの表示が出ます[台風]

電池切れ表示.jpg あれ,あれ......!?

おまけに,かなり再現性があり,周波数+,-のボタンを押しているだけですぐにバッテリー切れの表示になって,プツッと言う音がして,ラジオが鳴らなくなってしまいます。

これ,マイコンがバッテリー電圧低下を検知して,ラジオをoffにしてしまうのですね......[台風]

実はiruchanはこれを警戒していました。

というのも,問題のコンデンサのうち,470μFはこのラジオでは3個使われています。

ネットでは皆さん,ラジオ基板の2個を交換しておられますし,iruchanもこの2個だけ,交換していたのですが,実はマイコン基板の方にも,1個,使われています。

C110というのがそれで,どこに使われているか,というと,マイコンの電源電圧検知ICのS8052-ANBの入力ピンに入っています。これ,エプソン製のICのようです。

末尾の添え字が電圧検知レベルを示していて,-ANBだと,1.995~2.205Vの範囲で電圧低下を検知するようです。

C110, IC102.jpg C110を交換しました。

回路を見ると,S8052-ANBのフィードバックループに入っていて,HPFとして動作していますが,470μFが容量抜けし,ごく短時間の電圧変動でもこのICがバッテリー電圧低下,と判断しているのだろう,と思いました。

μPD1724周辺回路.jpg S8052-ANB周辺回路

このコンデンサを交換してからは,突然スイッチがoffしてラジオが鳴らなくなる,と言う現象は消えました[晴れ]

マイコンのμPD1724GBの#39ピンが電源制御のピンとなっています。後でまた出てきます。

☆前期型

こいつは非常に手間取りました。これほど時間がかかったのは初めてです。まったく原因が分からず,修理に手こずりました。

例によって,以上の3つの470μFのコンデンサと,2つの220μFを交換します。

これで,音が出るようになり,楽勝~~って思ったのですが.......。

しばらくして,プツッと切れ,スイッチを入れ直すと音が出る,と言うことを繰り返すようになり,そのうち,時々しか鳴らなくなりました.....[台風]

こういうの,ラジオやアンプを作ったり,修理したことのある人は経験がある,と思いますけど,一番厄介な故障ですよね.....。

どこかでパターンが切れていたり,はんだづけが外れていたりするのが原因ですが,どこがそうなっているかは簡単に分からないので,苦労します。よく,バラックの状態だと正常に動作しているのに,フタを閉めたら鳴らなくなる,なんてありますよね......[雨]

一応,無音の状態で耳をスピーカーに近づけてみると,かすかにホワイトノイズは聞こえるので,パワーアンプのICは動作しているようですし,周波数表示も変化するので,マイコンはきちんと動作しているようです。

となると,問題はラジオICが動作していない,と言うことです。

しかたないので,また基板を外してみてみますが,どこが悪いのか,さっぱり見当がつきません。

SRF-M100はソニー製のCX20111を使用しています。おそらくはこのICに正常に電圧が供給されていないのだろう,と思って調べてみます。

#23のピンがVccなので,電圧を見てみると1.4Vくらい[雨]

これでは,CX20111が動作しません。

かと思うと,なんとか音が出る状態が再現したので,そのときに電圧を見てみると1.6Vくらいです。

どうも,このICは1.6V以上なら動作するようです。

さらに,回路図を見ると,CX20111には,動作しているときには,電池が直接つながっている状況なので,#23ピンは3Vくらいの電圧になるはずで,ソニーのマニュアルにも3と書かれています。

この状況は以前,経験があり,こちらに書きましたように,#23ピンのはんだづけ不良が原因です。220μFの電解液が漏れて,はんだづけ部分が腐食しているようです。

実際,基板の裏にある,L7から,このピンまでの抵抗を見ると30Ωくらいの抵抗値があり,これで電圧低下しているようです。そこで,φ0.3mmの真鍮線でリード線を伸ばして直接,L7とこのピンが接続されるようにはんだづけしたら,この抵抗値はほぼ0Ωになりました。

CX20111 #23pin(Vcc).jpg Vccピンのはんだづけやり直し箇所。

ところが,これでも#23ピンの電圧は1.4Vくらいですし,やはりラジオから音が出ません.......[雨]

なんでや.......。

このラジオの電源回路には,松下のXN4608というPNP,NPNのTrが1個ずつ入った複合Trが入っていて,これがマイコンの出力を受けて,ラジオの電源をon,offするようになっています。

どうもこのTrが怪しく,一応,onするのですが,完全にonしていなくて,ここで電圧を消費し,出力電圧が低下しているのか,と疑ってみます。

要は,マイコンからの信号を受けて,NPNのTrがonし,PNPのTrのベース~エミッタ間の電圧が上昇するので,PNPのTrがonしてラジオがonするようになっていますが,おそらく,NPNのTrが完全に飽和せず,コレクタ電流が小さくて,PNPのTrも不飽和領域で動作しているのでは,と思います。

結果はビンゴ!やはり,XN4608が完全に動作していません。各ピンの電圧を見てみるとおかしいです。

XN4608周辺回路'.jpgXN4608周辺回路

×のところでパターンが切れていました.....。

そのうち,いろいろ調べたところ,やはりパターン切れで,まずはR41,R42のあいだのパターンが切れているようですし,また,NPNのTrのベースに入って,マイコンの信号を受けるR40とXN4608の#5ピンとの間も半断線のようで,時折,音が出る,と言うのはどうもたまには,このパターンがつながるようです。

これらのパターンは,C65の220μFの直下を通っているので,ここで,パターンが腐食して切れているようです。

正直,なんで電解コンデンサの真下にパターンやスルーホールを作るんだよ,と頭にきちゃったのですけど,これじゃ,まるでわざわざ地雷を埋めているようなもの.......[台風]

それに,▼の写真で分かりますけど,R41とR42の抵抗をつなぐパターンはわざわざこの地雷原を通っています.......[台風]

別にこの四級塩電解液じゃなくても,電解コンデンサである以上,液漏れすることはあり得るので,電解コンの真下をパターンが通っている,というのはまずいのではないかと。

と言う次第で,もう一度,C65を取り外して見てみると,やはり怪しい......。

レジストが塗ってあるので,気がつきませんでしたが,カッターでレジストを剥がすと2箇所でパターンが切れていました。

R41, R42周辺.jpg あちゃ~~~[台風]

よぉ~く見ると,パターンが変色しています。

部分で切れていました。も怪しいですが,切れていませんでした。

R41, R42周辺1.jpg こうやって直しました。 

ひとつは,R41,R42をつないでいるパターン───で,もうひとつは,XN4608すぐ近くにある,R40へ行くパターンです。

これじゃ,うまく動作するわけありませんね。

φ0.2mmの真鍮線や,ジュンフロン電線でパターンを直します。本当は切れたパターンの上から真鍮線で直せればいいのですが,あまりに小さく,はんだも載らないので,ジュンフロン線で,切れたパターンがつながっている,ランドやスルーホールを直接つなぐしかありません。

XN4608ジャンパー線.jpg ジャンパー線だらけ......[台風]

本体前期型,ケース後期型.jpg 中古ショップで買いました。

本体は前期型,カバーは後期型の組み合わせ? でした。どうも,この辺でトラブりそうだ,と気がつかないといけませんね......。

     ☆          ☆          ☆

ようやく,2台修理できました。どちらも意外な箇所が故障していて,修理に手こずりました。よい音で鳴って,感激です。


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