ソニーの海外向けAMステレオ対応ポータブルラジオSRF-42のFMバンド変更 [ラジオ]
2023年11月23日の日記
ソニーはAMステレオ対応ポータブルとして国内ではSRF-AX51Vを発売していましたけど,北米向けポータブルはSRF-A1を1983年に発売した後,1995年に本機を発売しています。どちらも国内向けより非常に大きく,ヘッドホンがバンドタイプで驚きます。当時,すでにソニーはNudeというイヤホンタイプのステレオヘッドホンを発売していましたけど,アメリカではこういうバンドタイプの方が受けるのでしょう。
1991年に米電子工業会(EIA)と全米放送事業者協会(NAB)が策定した,AMラジオ規格AMAXに準拠し,素晴らしく音のよいラジオです。もちろん,ステレオで,バンド幅は家庭用およびカーラジオで7.5kHz,ポータブルラジオで6.5kHzを確保し,ひずみに対してはNRSC-1規格を採用し,ワイドおよびナローの帯域幅変更(自動 or 手動)を備え,かつ,10kHzのホイッスルフィルターを必須とし,AM外部アンテナ接続を可能とすることなどを規定しています。
広帯域ほど,AMの音はよいわけですが,選択度と背反するので,フィルターを規定している,と言うわけです。
SRF-42は帯域幅変更や外部アンテナはついていないのですが,AMAX準拠のマークをつけています。
実際,恐ろしいほど音のよいラジオで,iruchanは今まで,これほど音のよいAMラジオは知りません。
残念ながら,AMAX規格は策定したものの,メーカーはソニー以外はほとんど関心を示さず,ソニー自体もおそらくAMAXに準拠した製品はこれだけではないか,と思います。
それに,放送事業者自体もその後,デジタルラジオにシフトしていくわけで......。
現在は全米の2000局近くがiBiquity社の開発した,IBOCシステムを採用しているようです。中波帯でデジタル放送をすると帯域幅が広くなりすぎ,また,夜間は聞こえないなど,問題が指摘されましたが,普及しているようです。IBOCだとAMはFMなみ,FMはCDなみの音質が再現できるそうで,一度,聴いてみたいです。
と言う次第ですが,日本ではデジタルラジオへ移行することは断念したようなので,アナログが継続しますし,AMステレオはもう風前の灯火ですけど,ポータブルラジオとして使えるので,バンド変更したい,と思います。当然のことながら,FMは88~108MHzとなっていますので。
海外製ラジオのFMバンド変更については,こちらをご参考になさってください。
3個所のねじ→を外し,→部分から広げるようにするとツメが外れて分解できます。
AM用のセラミックフィルタはムラタのSFG-450Fと思います。iruchanがよく使う,SFG-450Dより帯域幅が狭く,±6kHzですが,セット全体として,SRF-A300より音がよい,と思います。
チューナーICはCX20111です。
このL3を縮め,受信最低限を76MHzに近づけます。また,バリコンのトリマCT3をいじって,上限を95MHzにします。
予想どおり,局発のバリコンにパラに15pFをはんだづけするだけで,ほぼ,日本のFMバンドをカバーできました。
ついでに,同じ局発のバリコンについているトリマーを調整し,上限を95MHzくらいとしてワイドFMにも対応させました。
ただ,残念ながら,コイルは一応,縮めてみて下限を77MHzくらいまで調整することができましたが,76MHzギリギリは無理でした。どうも下限はいつもダメで,やはり本来はコイルを作り直すことが必要な感じです。
☆ ☆ ☆
さて,無事にFMバンドも変更できたので,日本のFM局が聴けるようになりました。ワイドFMもOKで,AM局も聞こえます。
SRF-A300同様,デコーダはCXA1758とCXA1657Mです。
AMステレオは完璧で,ニッポン放送やラジオ大阪がきれいにステレオで受信できます。それに,感度も高く,サイズは非常に小さいのに,SRF-A300より感度はよいようです。
2023-11-22 00:00
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