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AMステレオラジオキットの組み立て~エレキットJE7514~ つづき [ラジオ]

2013年6月2日追記

昨日,カホ無線のAMステレオラジオキットを組み立てて無事に完成しました。ただ,ちょっと音質が悪い気がするので,今日は改良を試みました。セラミックフィルタを取り換えました。

残念ながら,エレキットJKE7514に使われているセラフィルの型番は当時のムラタのカタログを見ても記載がなく,わかりませんでした。ただ,前回の写真を見る限り,***-450Jという型番であることは明らかです。

末尾のJは帯域幅を表しており,ムラタのカタログを見ると,PFW-455Jというのが類似品のようです。形状も近いのですが,大きさから判断して別物のようです。ただ,これの帯域幅は5.5kHz±1.5kHz(-6dB)となっていて,帯域幅が同じだとすると,かなり狭いです。ただ,正直なところ,AMラジオとしてはごく標準的な帯域幅で,9kHzピッチのアジア地域ではこれくらいの帯域幅にしてあるものが多いと思います。普通にAMラジオとして考えるとこれくらいでもいいのかもしれませんが,AMステレオだともっと広い帯域幅のものにしたいと思います。

実際,当時,AMステレオ用として販売されていたSFG-450Dだとfn±10kHz以上(-6dB)となっていますから,ずいぶんと広いです。ちょっと表記のしかたがわかりにくいですが,PFW-455Jと同じ表記だと20kHz以上の帯域幅があることになります。

また,形状がPFWシリーズの方が小型なのは素子が1つしかないためで,SFGシリーズなどAMステレオ向けの広帯域のものは4素子以上になっていて,形状も大きくなっています。ご存じの通り,セラミックフィルタは圧電素子を用いてフィルタを形成していますが,SFGなどのタイプはちょうどTVのスタガ増幅回路のように,微妙に中心周波数の異なる素子を複数使って帯域を広げているのだと思います。単純に,1素子タイプのもので帯域を広げようとすると特性の裾が広がりすぎ,混信が増えるので,HiFiとフィルタ特性を両立させるには多素子のものが必要なのだと思います。

と言う次第で,手持ちのSFG-450Dに取り換えてしまいます。SFGシリーズは4素子構造のため,形状が大きいし,ピン配置が異なるので,プリント基板の改造が必要になります。

SFG-450D.jpg SFG-450D

SFG-450D-1.jpg セラミックフィルタを取り換えました。

残念ながら,SFG-450Dはサイズが大きすぎ,隣のケミコンと干渉するので,斜めになってしまいました。

ついでに,この際アンテナ同調回路のQもダンプしておきます。この回路のQが高すぎるとせっかくIFの帯域幅を広くしても意味がありませんのでやっておきます。

elekit am stereo radio7.jpg チップの22Ωを入れました

アンテナコイルとパラにバリコンが入っていますが,一度,パターンを切って,その回路の途中に22Ωを入れました。LとCで同調回路を構成していますが,その回路の直列抵抗分が大きいほど,Qが低くなるので,帯域幅が広がります。抵抗値としては数Ω~50Ωくらいです。あまり大きな抵抗を入れるとQダンプしすぎて混信したり,感度が低下しますのでご注意ください。

さて,結果は.....。

思わず,おぉ~っ! と思いました。非常にHiFiになりました。アナウンサーの声も非常に自然に聞こえます。音楽もFMとまではいきませんが,非常にHiFiです。やはりAMステレオはこうじゃなくちゃ,という感じのいい音です。

実を言いますとSFG-450Dでも帯域幅が狭く,米国向けのAMステレオのラジオではもっと広いものが使われていると思います。ちなみに,ソニーの米国向けSRF-42(AMステレオ)を持っていますが,このラジオの音のよいのには驚かされます。セラフィルはもっと帯域幅の広いものが使われていると思います。

米国ではメキシコなどの大出力の混信が南部であるくらいで,広い大陸だし,もともとコミュニティFMのようなラジオ局が多く,出力も小さいということもあり,混信も少なく,また音質にも厳しいので昔からラジオの音はHiFiでした。AMステレオじゃなくても米国でラジオを買うと,音のよいのに驚かされます。もっと日本のラジオメーカやAM局も早くから音質に気をつけてくれていれば,と思う今日この頃です。

 


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