SSブログ

AMステレオラジオキットの組み立て~エレキットJE7514~ その1 [ラジオ]

2013年6月1日の日記

AMステレオが大好きで,放送開始の頃から対応ラジオや本を集めています。残念ながら,東京,名古屋,大阪で各1局ずつ残っているだけとなり,非常に残念です。本国? の米国ではとうに絶滅してしまっています。臨場感はもちろんのこと,AMラジオの音質改善に劇的な効果があるのですが,NHKが対応しなかったこともあり,十分に普及する前に消えていくのは残念です。

と言う次第ですが,昔からAMステレオ対応のラジオを集めています。前回はソニーの1号機SRF-A100のことを書きました。今回は九州のカホ無線が発売したAMステレオラジオのキットについてです。

おそらく,古今東西,AMステレオのラジオのキットが発売されたのはこのキットが唯一だと思います。米国でもキットというのはなかったと思います。1992年の発売のようですから,国内での放送開始と同時くらいに発売されているようです。当時,秋葉原のパーツ屋さんなんかで売られていたのを記憶しています。買っておけばよかったのですが,値段が¥7,210(税込み。もちろん,消費税は3%です)と高く,ちょっと躊躇しているうちに品切れとなってしまいました。今から考えてみると,7,210円という値段は部品を1個ずつ集めていたらこれくらいになってしまいますし,秋葉への交通費なんかを考えたらずいぶんと安い値段でしたが,後の祭りです。ICはモトローラが発売したAMのフロントエンドとAMステレオデコーダが入った1チップタイプのMC13024Pを使っています。

以来,ずっと探していましたが,なかなかパーツ屋さんでは売れ残りを見つけることができず,結局,Yahoo!で落札しました。20年ぶりに入手できました。

さすがに20年も経っているので,部品の劣化が心配でしたが,ヘッドホンのウレタンが劣化して,ぼろぼろになっていたくらいで,何の問題もありませんでした。

未使用キット,と言うことなので,そのまま組み立てずに保存する方がコレクションとしての価値は高いかと思いますが,私は工作屋さんなので,組み立ててしまいました。

カホ無線は部品類の販売の他,エレキットのブランドで各種電子キットを発売していました。その後,キット部門が独立してイーケイジャパンとなっていますが,本社所在地はカホ無線時代と同じのようです。いまもキットを発売しているので,非常にありがたいと思います。やはり,青少年の科学に対する興味を満たすにはキットが一番だと思います。私もずいぶん,こういったキットには昔からお世話になりました。

elekit am stereo radio1.jpg エレキットのAMステレオラジオキット

elekit am stereo radio2.jpg パーツと説明書です。

説明書は全部漢字にはふりがながうってあり,図も丁寧で,わかりやすくなっています。でも,さすがに小学生でこのキットを組み立てるのはむずかしいんではないかと.....。また,説明書にはAMステレオに使われているモトローラの方式はL-Rが位相変調だと書かれていますが,これだとマグナボックス方式。モトローラ方式はL-Rが直交変調なので,たしかに位相が変化しますが,単に位相検波してもL-Rにはならないので,注意が必要です。

回路自体は自作のMC13024を使ったAMステレオラジオとほとんど同じです。ヘッドホンアンプも同じ東芝のTA7376APでした。ただ,本機はスピーカがついていて,モノラルですけどスピーカから音が出るのがおもしろいところです。ステレオで聞くにはヘッドホンが必要ですが,この点,ソニーの名機SRF-M100と同じですね。TA7376APでスピーカをドライブできるとは思いませんでした。

elekit am stereo radio3.jpg プリント基板

プリント基板はシルク印刷で丁寧に部品の位置や番号が書かれていて,とても親切です。上の黒い部分は切り離してラジオのパネルになります。

elekit am stereo radio5.jpg バーアンテナ。ソケットつきです。

バーアンテナはリッツ線が切れやすく,特に,いざ完成して調整,と言う段階になると切れたりして,今度は作っている人が切れたりしますが,これはわざわざICピッチの台座をつけて切れにくくなっています。また,リッツ線の配線を間違えたりして動作しない原因になりますが,これなら配線を間違えませんね。

elekit am stereo radio4.jpg 何かちょっと見たことがないセラミックフィルタ

セラフィルはムラタのものが使われていますが,SFGシリーズなどの四角い大きなタイプではなく,FM用みたいな小さなタイプです。ちょっと今まで見かけたことがありません。

elekit am stereo radio6.jpg 

基板が完成しました。ICはソケットをつけました。

さて,配線自体は仕事から帰ってきてからやったので,二晩と言う程度です。休日なら楽勝で1日で完成すると思います。

あらかじめ,コイルやバリコンは調整済みであるので,コアを回したりしないで下さい,と注意書があります。ラジオの調整はやはりAMと言ってもむずかしく,オシロやテストオシレータがない小中学生には無理でしょう。

ということで,とりあえずはこのままの状態で組み立てて鳴らしてみます。

やはりうまく調整されているようで,トラッキングは問題ないようです。バリコンのアンテナ側のトリマを若干回してOKでした。

ただ,なかなかチューニング用のLEDが点灯しません。IFが450kHzでないとステレオにならないどころか,LEDも点灯しないのでこの辺り調整がむずかしいです。セラミックフィルタがついているので,IFが450kHzになるよう,各IFTの出力が最大になる点を探します。

と言う次第で,やはりテストオシレータを持ち出して調整しました。2つあるIFTも調整が必要でした。

elekit am stereo radio8.jpg 完成しました。スケルトンのケースがいいですね。

elekit am stereo radio9.jpg 背面。Made in Japanと書いてあります。

使ってみると,ちょっと音が悪いです。きれいに高域が伸びていません。どうも使用しているセラミックフィルタの帯域が狭すぎるようです。そもそも,同調点も非常に狭く,チューニングがやりにくいくらいですから,かなり帯域が狭いようです。これじゃ音も悪いはずです。型番不明なので,あとで調べることとします。

MC13024の特徴である,LEDが同調時に点灯し,ステレオになるとさらに明るくなるのですが,無事に明るく点灯し,ステレオに移行しました。ただ,すぐにモノラルに戻ってしまいます。調べてみると,3.6MHzのVCOにはLC同調回路が使われているのですが,そのL1(SOL1)というコイルも若干調整が必要でした。完全に同調した状態でLEDが点灯するようにして下さい。組み上げたままの状態では微妙にずれた位置でLEDが点灯するので,調整が必要です。VCOがロックする位置もずれてしまうので,音が歪みますし,安定していないのですぐにロックが外れます。また,音が悪いのはセラフィルの交換も必要のようですね....。

とりあえず,完成しました。まだ調整が必要な感じですが,AMステレオのラジオがまた1台増えました。ナイターを聞くと最高です。今日も阪神が勝ってくれるといいんですが.......。あ~~っ!,負けたぁ~!。井川なんかに負けるなよ~~....orz。

 


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント