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サブミニチュア管DCプリアンプの製作~その6・調整編~ [オーディオ]

2022年10月22日の日記

サブミニ管DCプリアンプ.jpg こちらも完成間近です[晴れ]

コロナ禍のため,ずっと家にいる生活を続けてきて,その間,プリアンプを4台製作中ですけど,どれもほぼ完成に近づきました。

こちらのアンプは今年2月以来です。ようやくケースに入れて基板を取り付け,周辺の配線をしました。ケースは奥澤のRE-2Uを使いました。サイズは430(W)×60(H)×150(D)mmです。

iruchanは横着なことに,電源一体型で作っています。これで雑音の問題が出ないのか......ちょっと心配ですけどね。

オシロの波形を見る限り,問題なさそうです。特に,金田式真空管DCプリはハムが出る,ということが問題になっていますけどね。

さて,早速,特性を測定してみます。

☆EQアンプ

うまく特性が取れましたけど....。

EQアンプ特性1.5'.jpgEQアンプ特性です。

ch. Lは低域に大きな偏差のピークがあり,2dBくらいあります。また,ch.Rは100Hzくらいから下はかなりずれてダラ下がりにしまっています。

困ったな......[雨]

さて,どうしてこんなに低域の偏差が大きいのか.....。

ch.Lは金田氏の記事(No.174 MJ '03.12)を見ても同様で,Spiceのシミュレーション結果━━を見ても同様ですので,iruchanの問題ではなさそうです。

原因はオートトラックレギュレーター(ATR)のDC検出用LPFの時定数不足です。このカットオフが高すぎて,EQカーブに影響が出ている,と言う状況です。SAOCを採用した,IVC型EQアンプも同様です。

ここは,6.8MΩの抵抗と,0.1μFのV2Aコンデンサを使い,ミラー効果を利用してLPFを構成しているのですが,カットオフが高すぎるようです。

もともとはNo.145(MJ '97.3)に解説がありますけど,33000pFのSEコンを使っていましたので,容量が増えています。「さらに低い周波数までフラットにしたければ0.1μFにするとよい」と書かれているので,金田氏も認識はしておられるようです。

ただ,0.1μFでもまだ容量が小さいようです。

と言う次第で,LTspiceでシミュレーションしてみると,このコンデンサはもっと大きな容量のものが必要なようです。

また,どうにもch.Rは大きく低い方にずれていて,これはこれで問題。

どうもATRが動作してない,感じです......[雨] 

どこかでイモはんだか,はんだブリッジが発生しているかもしれません。

また,高域もプラス側にずれていますが,これはEQ素子の3.6kΩのせい。

NF型EQアンプの欠点として,この抵抗がないとNF100%となってしまい,超高域で発振することがあるため挿入してあるのですが,この抵抗のせいで,高域の偏差が大きくなってしまいます。

そこで,LTspiceで0Ωにしてみました。

EQアンプ回路.jpgシミュレーション回路

57026AK5と同特性なので,モデルは6AK5で代用すればいいのですがダメ。なぜか,transient analysisで解析してみると電極電圧がおかしい。初段のプレート電圧は10Vくらいになっちゃいます。しかたないので,6AU6で代用しました。これだと金田氏の記事や,iruchanのアンプの電圧,電流がほぼ一致しました。

2SK170のドレインと2SA872Aのコレクタに入っている0.1μFは0.47μFに増量します。また,1kHzのゲインは50dBくらいにしたいので,初段の5702のカソード抵抗は160Ωにしたいと思います。

EQアンプ特性4.6.jpgSpiceのシミュレーション結果

Spiceでのシミュレーションは1kHzでのゲインは51.6dBで,低域,高域ともに最大偏差は0.2dBほどになりました。

サブミニ管DCプリアンプ内部.jpg 内部です。

電源トランスはオランダに発注したトロイダルトランスで,英国製です。真空管とカップリングコンデンサは旧ソ連製。ブリッジDiは1960年代? ドイツ製の高圧セレンです。こう書くと高そうですけど,どれも安いです。

ボリウムは往年のVIOLETです。安くてもとてもいいボリウムを作っていました。Tr類はほとんどメタルキャンにしました[晴れ][晴れ]

金田氏はレベルシフトにモールドの2SA1967使っていますが,iruchanはモトローラのTO-5 2N5416を使っています。音がいいかどうか.......まだわかりません[曇り]

☆フラットアンプ

こちらの方はいつも通り,100kHzまでフラットで良好な特性でした。ch.Rだけ,高域に少しピークがありますけど,発振してませんし,この程度のピークなら,無視することにします。

ただ,なぜか,ch.Lとch.Rで3dBほどゲイン差があります。

何かおかしいですけど.....これも無視することにします(爆)。

FLATアンプ特性.jpgフラットアンプ特性

         ☆          ☆          ☆

と言う次第で,再調整となってしまいました[台風]。つづきはまた次回,です

サブミニ管DCプリアンプ1.jpg パイロットは3個つけました[晴れ]

左から順番に,AC100V,ヒータ用DC12V,高圧表示のLEDで,100Vレギュレータの出力です。DCはリップルフィルタやレギュレータを通っていますので,ゆっくり点灯します。真空管にも優しいですね[晴れ]


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