SSブログ

電源同期式デジタル時計の周波数変更 [ラジオ]

2022年7月7日の日記

先週,ハワイで買ってきた,JENSENのCR-208と言うクロックラジオのFMバンドを変更し,日本のFM局が受信できるようにしました。

残念ながら,日本だけと言っていいと思いますけど,FMラジオの周波数が世界標準と異なり,外国で買ってきたラジオは日本では使えません。

おまけに,このラジオ,7セグメントのLED表示で時刻を表示してくれるのですが,60Hz専用になっていて,東日本では使えません。

まあ,iruchanは北陸に住んでいるので,50Hzなんて関係ないんですけど......。

以前は東京に住んでいたこともあり,周波数変更しようと思います。

デジタル時計は1970年代に7セグメントのLEDやクロックLSIが実用化され,市販されるようになりました。

最初,その斬新なデザインにビックリしたことを覚えていますけど,いまでも結構,よく使われていますよね。やはりひと目で時刻がわかる,と言うのは便利だし,LEDだと暗いところでも見やすいので便利です。

デジタル時計は水晶発振式と電源同期式があり,最近だと電波時計になっているものも多いか,と思います。

問題は電源同期式。

欧州では50Hz,米国では60Hzに対応しないといけませんし,なんたることか,日本は国の中で周波数が共存している,と言う世界でも相当,珍しい国なので,周波数切り替えが必要です。

まあ,これはもとはといえば,東電の元祖の会社と,明治のアホ役人のせいだ,と思っているのですが.....。

周波数なんて言われても,何のことか,さっぱりわからなかったのでしょう。

iruchanは今からでも遅くないから,いっそのこと60Hzに統一したら,なんて思っています。変圧器などは50Hz用なら60Hzに対応できるはずだし,問題になるのは工作機械など,誘導電動機を使った機械でしょうが,今だとインバータ式も多いはずなので,問題ないのでは,と思っています。

脱線しちゃいましたが,電源同期式のデジタル時計の周波数変更について考えてみます。

日本で販売されているこのような時計は必ず切り替えスイッチがあります。また,時計によっては自動切り替えになっているものもあります。

もちろん,水晶発振式だと電源の周波数は関係ありません。とはいえ,水晶発振式がいくら正確とは言っても,意外に狂いますよね。日本の電力会社は周波数管理が厳しいので,下手な水晶式より正確だと思います。

最初,iruchanは60Hzの発振器を作って,このラジオのクロックICの入力に使ってやろうか,と思いました。

実際,西村昭義著 "楽しく作る電子時計とカウンタ" (CQ出版1978)には,沖のMSM5562を使ったアダプタが紹介されていますし, 今だとPICなどのマイコンで水晶発振を分周して60Hzを作ることも可能です。

でも,ちょっと面倒だよな~~[雨]

と思っていたら,そもそもクロックLSIは周波数切り替え機能があるんじゃないか,と思い出しました。

結果はビンゴ!

一番ポピュラーなナショセミのMM5309や沖のMSM5509RSなどもその機能があります。LSIの何かのピンをHにするかLにするかで,簡単に切り替えできるはずです。

要は,入力の周波数を50回カウントして1秒とするか,60回カウントして1秒とするか,の違いだけで,カウンタの進数を変えるだけです。

蛇足ですけど,これらのLSIはもう貴重品で,入手困難ですが,いまだにこういうデジタル時計などの内部で使用されているのを見かけます。マイコン使うより,安いのでしょうか。MSM5509RSを使った秋月のキットも,つい最近まで販売されていましたしね。

と言う次第で,件のJENSENの時計つきラジオのフタを開けて調べてみます。

使われているクロックLSIは怪しげな中国製.......[雨][雨]

无锡硅动力微电子技术有限公司なる会社 読めへん SP8560NというLSI。英語のブランドはSi Powerというらしいです。

SP8560N-1.jpg SP8560N

データシートも簡単に見つかりましたが中国語......[雨][雨]

それでも,#26ピンが周波数変更用とわかります。このピンの電位をHにするか,Lにするかで周波数が変わるはずです。

なぜか,#26ピンと#28ピンは▲のように上に跳ね上げてあって,はんだづけしていません。

SP8560N.jpgSP8560N

ただ,そもそも中国がオリジナルでこんなLSIを作っていた,とはとても思えないので,もう少し調べてみると,もとは三洋のLM8560NというLSIだったようです。なぁんだ。

今は東芝など,日系半導体メーカ製の古い半導体のOEMを手がけている台湾UTC社が作っているようです。

三洋のデータシートを見ると,#26ピンをLにすると50Hzで,Hにすると60Hzのようですが,このピンは内部抵抗でプルアップされていて,オープンのままだとHになって,60Hzになるようです。

50Hz/60Hz切り替え1.jpg 雑な工作.....orz

CR-208も見てみると#26ピンはオープンになっています。

ここにスライドSWをはんだづけして,GND(VSS)と接続できるようにしておきます。

工事は簡単。1時間ほどでケースに穴開けして,スライドSWを取りつけて配線をはんだづけして終了。

50Hz/60Hz切り替え.jpg 周波数切り替えSWです。

ようやくこれで50Hzでも正確に時刻を表示するようになりました[晴れ]



nice!(7)  コメント(2) 

nice! 7

コメント 2

てにえ

毎回のご投稿、楽しく拝読しております。

今回のご投稿も面白いです。ただ、後半#24と書いてあるのは、#26の誤記ではありませんか?

私の勘違いなら無視なさって下さいくださ。
by てにえ (2022-07-07 09:03) 

iruchan

てにえさん,どうもご教示ありがとうございました。また,いつもご覧いただき,ありがとうございます。

すっかりボケておりました。ナショセミのLSIが#14ピンに周波数設定があり,その4だけ,妙に記憶してしまっていたようです。

本文も修正いたしました。どうもありがとうございました。
by iruchan (2022-07-07 10:25) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント