鳩時計の "夜鳴き" を止めた話 [電子工作]
2015年8月2日の日記
どうにもこうにも暑くてたまりませんね~。急に暑くなって参っています。皆さんもお体ご自愛ください。
さて,今日は鳩時計の "夜鳴き" を止めたいと思います。
私は鳩時計がとても好きで,小さな頃,まだ機械式の鳩時計を見て喜んでいた記憶があります。最近のものはクォーツ式になり,毎日,分銅を巻き上げる必要もなくなりました。
ただ,うちのはクォーツ式になってもCdSなどのセンサを設けて夜は鳴かない,と言う風にはなっていなくて,夜中もポッ,ポッと鳴いています。
私は全然気にならないですけど,ある日ネットをのぞいていたら集合住宅で隣のお宅の鳩時計がうるさい,と書いている人がいました。確かに,同じ部屋で聞いているとうるさいですし,集合住宅でも壁を伝わって隣のお宅でご迷惑となっているかもしれません。
私が使っているものはちゃんとスイッチがついていて,offにできるようになっていますが,これだといちいちスイッチをon, offしないといけません。
と言う次第で,センサをつけて暗くなったら自動的に鳴くのをやめるようにしました。
これはCdSを使うと簡単です。フォトトランジスタだと応答が速すぎて,逆に使いにくいです。
回路はこのようになります。
右側にあるのが鳩時計内のon,offスイッチで,この機械的なスイッチは常時offとしておき,その接点をフォトMOSリレーが明るいときだけonするようにしています。
使用したCdSは大阪の共立電子で売っていたもので,台湾製のSEN9006というものです。特性は▲の図のようになっていて,暗抵抗5MΩのものです。実際には家の中だとどんなに暗くても多少は明るさが残っているので,実測してから設計した方がよいです。
このCdSは家の中で実測してみると3kΩ~300kΩくらいの間で値が変化します。この抵抗値とTrのベース~エミッタ間に挿入された抵抗値が電源電圧を分圧し,この電圧がTrのベース~エミッタ間電圧VBE(≒0.6V)を超えるとTrがonするようにします。なお,この回路の場合,明るいとTrがonします。常夜灯など,逆にしたい場合は抵抗とCdSを逆にすればよいです。式で表せば,
と言う具合になります。実際には使用したCdSの測定値から検討すると,
1kΩ~4.7kΩくらいの間が適しているように思えます。ところが,最初1kΩで実験したら明るくなってもうちの嫁はんみたいに昼寝? したままで,鳴かず,抵抗値を2.7kΩに変更しました。設置する部屋の明るさによって最適値は変わりますので,可変抵抗にしておく方がよいかもしれません。 もちろん,電源電圧によっても変わりますので,ご注意ください。
なお,フォトカプラにしろ, フォトMOSリレーにしろ,入力側はLEDとなっていて,そのLEDを点灯させるため,最低1.7Vくらいの電圧が必要で,電池1個では無理です。3Vもあれば十分ですが,006Pが余っているので9Vとしました。
2SC1815で直接,負荷をon,offしてもよいのですが,この鳩時計はこのTrでモータを駆動するようになってしまうようですが,このTrでモータ電流をon,offするのは厳しそうで,実際,やってみるとモータが回らなかったのでフォトMOSリレーを入れてみました。
フォトMOSリレーというのはソリッドステートリレーとも呼ばれますが,フォトカプラとよく似ていて,入力側のLEDが出力の素子をドライブするようになっています。
フォトカプラと違うのは,リレー同様,制御する電流の向きは関係ないということと,出力電流は入力の電流とは比例しない,ということですね。
フォトカプラは出力のTrが1個しか入っていないため,電流を制御できるのはあくまでも出力Trのコレクタ→エミッタの方向の電流のみです。リレーだと単に接点なので,反対側の向きの電流も流すことができますし,もちろん,交流も流せますね。この点がフォトカプラは異なります。
また,フォトカプラは入力側のLEDの明るさに比例して出力の電流を制御することができます。と言う次第で,音声信号も伝達できます。もっとも,残念ながら出力Trの周波数特性が悪いので,せいぜい数百Hzくらいまでです。
反対にフォトMOSリレーは単に,入力側のLEDが点灯すると放出された光子をゲート電極に蓄積し,飽和すると出力側の電流が双方向に流れるように設計しています。だから応答もフォトカプラより遅くなります。また,入力と出力間の電流値は無関係で,リレー同様,単に電流をon,offする用途に適しています。
と言うことで使用したのは東芝のTLP-222というフォトMOSリレーです。
別にプリント基板にしなくてもよいほど簡単な回路なんですが,アンプの基板を焼くついでにプリント基板にしてしまいました。CdSはこの裏側に取り付けています。
振り子の部分から下にCdSが飛び出て,外の光を受けるようにしました。
それにしても何で日本では鳩時計と言うんでしょうか? 英語だとCuckoo clockで,カッコー時計のことです。何で外国ではカッコーで,日本ではハトなのか,ちょっと不思議ですね~。
コメント 0