ソニー SRF-AX15 [ラジオ]
2011年11月19日の日記
今日はソニーのSRF-AX15を取りあげます。AMステレオ放送の開始と同時に発売されたと思いますので,1992年から製造されていると思います。残念ながら,今年の4月をもって製造中止となり,とうとう日本でAMステレオが聴けるのはパイオニアのF-D3というチューナのみとなりました。
AMステレオラジオとしてはSRF-A300が有名で,私も持っていますが,SRF-AX15はSRF-M100同様,スピーカはついていてもイヤホンのみステレオ再生が可能です。価格も一番安く,私が秋葉原で買ったときは3,000円ちょっとだった記憶があります。
ただ,私はもっと小型のSRF-AX51Vが好きで,こっちばかり使っていたので,SRF-AX15は箱に入れたままでした。なんかサイズも大きいし,デザインもいまいちですしね....。
わざわざFM/AMと印刷してあるのも何かな~,と言う気がします。シルク印刷なので,こすると消えてしまいそうですしね。また,FM付ラジオというのはちょっと困りもので,ロッドアンテナが邪魔だし,壊れやすく,聞いていると気になってしかたありません。よくFMも聞くのですが,SRF-AX51Vはイヤホンコードがアンテナ代わりで,ロッドアンテナがないのも,そっちの方ばかり聞いていた理由のひとつです。
今回,引っ張り出して聞いてみました。音もよく,とてもいいラジオだと思います。また,AMステレオは同期検波を採用しているのでノイズにも強く,インバータ式のスタンドを点けていてもかなりノイズは少ないです。夜,布団にくるまってラジオ深夜便(NHKだからステレオじゃないですけどね)を聞くのが好きなので,SRF-AX15などのAMステレオのラジオはノイズに強くて助かります。
といって,AMステレオはL-Rの差信号のみ同期検波で,L+Rは通常通りのエンベロープ検波なので,普通のダイオードを使ったラジオと同じはずなのですが,比較してみると明らかにAMステレオ対応のラジオはノイズに強く,インバータスタンドからそんなに離さなくてもきれいに聞こえます。
それにしても世の中,インバータだらけとなり,AMラジオにはきついですね。エアコンや洗濯機が動いているとAMラジオは聴けません。それに,FMだって,マンションなど,鉄筋構造の建物の中では聞けません。やっぱ,携帯でも聞けるRadikoやらじる★らじるみたいなネットラジオが今後,主流になるのでしょう。RadikoはAM局もステレオで放送していますしね。
保管するときはきちんと電池は抜いておきましょう。'80年代の日本製の電池は絶対に液漏れしないという信頼がありましたが,水銀0になってから間違いなく液漏れするようになり,残念です。特にアルカリ電池は液漏れがひどいのでご注意ください。電池は放電すると水素ガスが出て内部の圧力が高まり,液漏れします。これを防ぐのが水銀だったのですが,使用できなくなり,いくらシールをしっかりしても液漏れするようです。
それにしても電池もいつの間にかアルカリ電池ばかりになり,困っています。ラジオくらいならマンガン電池で十分だし,マンガン電池の方が液漏れは少ないです。ところが,マンガン電池は相当探さないと売ってない状況になりました。
ICはすべてフラットタイプの表面実装タイプになっていて,この基板の裏側についています。それにしても,前回のTR-4100とちょうど20年の差があるのですが,TR-4100がディスクリート構成で,しかも出力段にゲルマニウムTrを使っていたのに対し,こちらはもうフラットICやチップ抵抗を使っていたりします。エレクトロニクスの進歩には驚かされます。それでもバリコンやバーアンテナなど,懐かしい部品が見えて,基本的なところは変わらないのだな,と思います。
AMステレオのデコーダはソニー独自のCX857とCXA1017Mだと思いますが,よく型番が見えません。ソニーのデコーダICはAMステレオ検波部とマトリクス回路が別々のICになっているのが特徴で,おそらく米国のAMステレオ5方式に対応させるため,こうなっているのだと思います。
裏蓋に誇らしげにMade in Japanと書いてあるのが懐かしいです。いい時代だったな~と思います。
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