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ソニー TR-4100 [ラジオ]

2011年11月12日の日記

この前,常紋峠へ行って石北本線の臨時貨物列車を撮ってきました。さすがに北海道の山奥で,ヒグマ出没地帯なので,熊よけに鈴とラジオを持参しました。キタキツネやタヌキを見かけましたので,ヒグマが現れても不思議ではありませんでした。

熊よけに持っていくラジオをいろいろ考えました。ラジオも好きなので,昔から集めてあります。やはり感度がよく,小型なものがいいですね。といって,あまり小さすぎると音も小さいし,ある程度の大きさも必要ですね。

結局,選んだのはソニーのTR-4100でした。1972年10月の発売で,6石スーパーになっています。RF部はシリコンTrで,出力だけゲルマニウムTrを使っていて,混成になっています。'70年代になってもまだゲルマニウムTrを使ったラジオが発売されていましたし,Tr自体も部品屋さんへ行くと普通に売っていました。東芝の2SB54など,50円だった記憶があります。

TR-4100は香港製で,私が持っている2台とも香港製です。ただ,調べてみると日本製もあったようで,内部のTrも違うようです。日本製のはRF部に三菱の2SC710が使われていて,ソニーのICF-5800などBCLラジオなどにも多用されているのですが,銀メッキされたリード線が硫化銀を生じて導通不良になりやすく,ラジオの故障の原因ともなっています。銀メッキは要注意で,ウィスカと呼ばれる銀の結晶が成長して針状になったものがとなりの電極とショートする,なんて故障も起きます。ウィスカはスズでもよく起き,スズはハンダとの相性もよいので,Trなどのリード線のメッキによく使われているため,スズのウィスカによる短絡事故もよく起きました。ただ,スズはなぜか鉛があるとウィスカを生じず,ハンダは最近までPb-Snハンダでしたから問題はなかったのですが,鉛フリーハンダが使用されるようになり,また問題となっています。自作マニアにとっては,鉛フリーハンダは融点が高く,使いにくいので,鉛入ハンダを買いだめしてあります。

香港製のは出力に三洋の2SB187を使っている以外は,頭が丸くなっている日本ではあまり見慣れない形状のTrが使われています。型番の表記がなく,どこ製かもわかりません。外国製のような気もしますが,かえって外国製だと当時は高かったと思いますから,日本製だとすると形状から日本無線の2SC955か,と言う気もしますが,まったく確信はありません。

正直なところ,真空管と違って,トランジスタはPNPとNPNや電極さえ間違えなければどんなものでもよいと言ってよく,どこか,安いTrを調達して使っているのでしょう。もちろん,fTやCObなど,うまくそろえないと発振などのトラブルに見舞われることもありますが,シリコンTrであればなんでもよいでしょう。ゲルマニウムの場合はfTが低いので,ある程度,高周波用とか低周波用になっているものをきちんと分けて使用しないと使えませんけど。

とてもよいデザインでいまでも通用するデザインだと思います。お気に入りのラジオです。SONYのロゴは細い旧ロゴです。日本で1台見つけて買った後,米国の蚤の市で安く見つけて2台目を持っています。1台,10ドルでした。

sony TR-4100.jpg 優れたデザインだと思います。

TR-4100-1.jpg 内部

内部はバリコンがTWD,IFTとコイルが東光,スピーカがFOSTERと日本製が多いですが,黒いTrはどこのかわかりません。ケミコンは日本メーカのものではないようです。出力はOTLになっていて,出力トランスはありません。

感度がよく,音もよいので昔,愛用していました。20年ぶりくらいで取り出して電池をつなぐと無事に鳴りました。ダイヤルがガタガタするので,基板を外してバリコンとダイヤルを直結しているM2.6のネジを増し締めしました。日本製のラジオのガンとも言うべき,ボリウムのガリもなく,快適です。日本は湿度が高いせいか,どうにもボリウムがガリオームになりやすく,困りますね。その点,米国のAllen & Bradleyなどはガリになることがほとんどなく,さすがは軍用? と言う気がしています。

北海道から帰ってきてからもNHKのニュースなんかを毎日聞いています。

 


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