胎内記憶について
2022年4月3日の日記
ようやく桜が咲きました。4月2日撮影。レンズは60年前のNikkor 35mm F2.5です。
昨日までの予報が一転し,予報では今日はだったのに,夜明け前から。昨日の予報と全然違うのに驚きました。2つ高気圧が並んでいて,今日は気圧の谷に入るのに,雨の予測をどこかで間違ったようです。
冷たいが降る中,娘は巣立っていきました。
自分の生まれ育った地元・北陸の大学には落ち,遠く離れた大学に行きました。
親としてはやれやれ,と言う感じと,何かしらやはり寂しさを感じます。iruchanも20年ほど前,親元を離れて1人暮らしを始めましたけど,親たちはこんな風に思っていたのか.....と思いました。
さて,娘のことですけど,あれから18年も経つのか,という気がします。
初めての子で,結婚してから4年,子供ができなかったので,生まれたときはうれしかった.....と書きたいのはやまやまですが,正直,とても不安でした。この子をどうやって育てればいいのか,自分を親と思ってくれるのか,将来,非行に走ったりしないか....とか,そんなことが頭をよぎりました。
まあ,それなりに娘はいい子で,ちゃんとiruchanを父親だと思ってくれていますし,彼女なりに尊敬もしてくれているようです。
と言う次第ですけど,生まれたときはiruchanも産科の病院で嫁はんの出産に立ち会ったので,やはり女性は偉大だな,と思いましたし,なによりそれこそ血まみれで生まれてくる我が子を見てびっくりしたのは事実で,不安に思ったのも無理ないのかもしれません。
赤ん坊は正常分娩なら,母親の背中を向いて生まれてきて,最初のうちは狭い産道をくぐり抜けるため,頭蓋骨が折りたたまれて小さくなり,頭が三角になっていて,それが出たり入ったりする,と言うのは聞いていましたけど,実際にその様子を見ると驚くというより,正直,怖かったです。それに,首が完全に出ると今度はクルッと90゜回転して横を向く,なんて実際にそうだったわけですけど,後から本を読んで知ってビックリ,と言う次第でした。おまけに目はつむったまま,また,首が圧迫されるからか,チアノーゼみたいになってどす黒い顔をしているのにもビックリでした。
思わず,「先生,大丈夫ですか?」なんて聞こうとしたくらいですから,今思い出しても,やはり不安になるのも無理はない,と思います。
さすがに嫁はんのお世話になった産科の先生は地域の名医として有名な先生で,平然としておられるので,大丈夫,とは思いましたけど.....。
さて,今日はその娘に聞いた胎内記憶の話です。
以前からiruchanは興味があって,知りたい,と思っていました。
ところが,どうも残念ながら,人間の記憶というものは4,5歳になると一度,どういうわけかリセットされるらしく,もちろんiruchanも自分が生まれた前後のことなんか,まったく記憶していません。一番古い記憶は幼稚園でお漏らしした,ことです.....
でも,4,5歳で消える,ということは3歳なら記憶があるはず,ですね。それに,最初は,あ~~,とか,う~~~,とか喃語をしゃべっている赤ん坊も,3歳くらいになると特に女の子は成長が早く,それなりの会話ができるようになりますから,聞いてみれば何かわかるかもしれません。ちなみに下の坊主はiruchan同様,3歳ではまだ会話ができませんでした。
ということで娘が3歳になった頃,聞いたことを書いておきたい,と思います。
○○(娘の名)ちゃんはお母さんのお腹の中にいたときのこと,覚えてる?
って聞いたら,娘ははっきり,
おぼえてる~~~。
と答えました。
ちょっと驚きましたが,続いて質問。
中はどうだった?
うかんでた.....。
と答えました。う~~ん,なんかウソくさいけど,娘はそう答えました。羊水の中で,頭を下にして寝ているわけですし,そんな風に感じていたのかもしれません。
ひょっとして,目が見えているかもしれないと思い,
目は見えてた?
と聞くと,
くらかった.....。
と言うことは目が見えている,と言うことですね
iruchanが子供の頃,赤ん坊は目が見えない,と言うことになっていました。ネコの子なんか,完全にそうですよね。そもそも目をつむっていますし。
でも,最近の研究では人間の子は生まれた直後から目が見えている,と言うことになっています。
まあ,恐竜がiruchanが子供の頃は爬虫類でしたけど,かなり前から鳥類の先祖で,温血動物で羽毛が生えていた,と言うことになっているくらいなのですから,科学の進歩はスゴいです。とはいえ,そういや,1910年代に提唱された大陸移動説はまったく受け入れられませんでしたが,ある程度,理解されるようになってからもその理由がずっとわからず,基礎であるプレートテクトニクスの理論が確立したのは1960年代になってから,と言うのですから最近です。これじゃ,地震の予知なんてできるわけがない,と思います。
と言う次第ですけど,赤ん坊が生まれた直後から目が見えている,ということなら,胎内でも,まだ当然,羊水の中ですから,ぼんやりと明かりが見える程度のことだとは思いますが,娘は目が見えていて,少なくとも明るさは感じていたようです。
ついでに,もし,目が見えているなら,耳も聞こえているはず,と考えました。
お母さんやお父さんの声は聞こえていた?
きこえてたよ。
と娘は答えました。やっぱりそうか。
よく,赤ん坊が母親の顔を見て笑いますが,これは心理学者によると,親は子供の笑い顔を見てそれがうれしくなって,子供の世話をするので,それを子供が本能的に知っていて笑うのだ,という説明がなされますが,単に,胎内で声を聞いていたので,聞き慣れた声がして安心して笑っているのではないでしょうか。この人がおかあちゃんか....って思っているのでしょう。
生まれたときはどうだった?
くるしかった......。
なるほど。やはりそうか。どおりで苦しそうな表情でしたし,赤ん坊にとっても出生は一大事業なのだと思います。
あと,胎内記憶じゃないですけど,この頃,小児科の先生に,
食べるものはなにが好きかな?
と聞かれ,
やさい~~。
と答えたので,先生が喜んで,
じゃ,野菜の中ではなにが好きかな?
ぶろっこり~~。
と答えてなおさら先生が喜んだ,と言うのも思い出しました。そういや,娘はよく,小さなプラスチックの皿に載せた,小さく刻んだブロッコリを手づかみでよく食べていました。
iruchanは今はちゃんと食べますけど,ブロッコリはあまり好きではなく,子供の頃になくてよかった,と思っています。昔は日本では見かけない野菜でしたからね....。
おまけに,その先生は高齢の女性でしたが,驚いたことにiruchanが子供の頃,よく診ていただいた先生と学生時分同期だった,とわかってビックリした記憶があります。その頃,iruchanは自分が生まれたところとはずっと遠くに住んでいたんですけど.....。こういうこともあるのですね....。
☆ ☆ ☆
こうやって生まれてきた娘もとうとう,大学生です。▲のようなことをしゃべっていたのに,この前聞いてみたら,そんなこと言ってたの,と言う次第ですから,やはり幼少期の記憶は消えてしまうようです。
それに,もうひとつ,実験すべきことがありました。
どうも,日本人の子は "うまみ" をおぼえているらしく,だしを薄くお湯でのばして哺乳瓶で与えるとうれしそうな顔をする,とのこと。そういや,娘は魚が好きなので,たぶん,娘もこうやってみたら,喜んだだろう,という気がしますが,実験し損ねました......。
最後に,なんかやれやれ,と言う気持ちもしますけど,彼女の将来に幸あれ,と思います。
また,本当に嫁はんには感謝,です。母もそうだったと思いましたけど,やはり女性は偉大です。