タワー型扇風機の修理 [電子工作]
2020年7月20日の日記
ちょっとiruchanは怒っちゃいました
どうにもずっとが続いて困ってしまう,と言うのもあったのですが,室内で干していた洗濯物を晴れてきたので外に出そうかと持ち出したらうっかり▲の扇風機に引っかけてしまい,扇風機が倒れてしまいました.....。
まあ,倒れたくらいで壊れることはないし.....と思って立て直してスイッチを入れても全然風が来ませんし,中でカラカラ音がしますし,しまった,と思いました。どうもやっちゃったようです。
タワー型扇風機なので,中でシロッコファンが回っているのですが,そのシロッコファンの羽根が吹っ飛んで壊れてしまったようです。
と思ったのですけれど,しかし,そもそも▲のようなフローリングの床じゃなく,畳の上に倒しただけで壊れてしまう扇風機って.....と頭にきました。
去年の夏に買ったばかりの,山善という会社のYSR-WD90というタワー型扇風機です。実質,1年の寿命でした.....orz。
おそらく,倒した拍子に,中のシロッコファンが内部の突起かなにかにぶつかって羽根が折れ,連鎖的に何枚かの羽根を吹っ飛ばしてしまったようです。
なんの写真か,わけがわからない状態になっちゃってますが,6段ある,フィンのうち,最上段のほぼ2/3の羽根が飛んじゃってしまい,シャフトを支持する天板が外れちゃってます。
まあ,そのときは中のファンだけ替えればいいや,と思ったのですけれど.....。
メーカーの山善に聞いてみると,"別売部品での販売をさせていただいておらず、全て、お預かり修理対応iいたします。" とのこと。おまけに,修理代は7,000円くらいかかるから,修理するのも面倒くさいし,買った方が安いよ,という意味のことを言われました。
もう~~っ!! ファンだけ替えれば簡単に直るのに.....。
確か家電製品は経産省の指導で,製造中止後,8年は部品の保管をしておくことが義務づけられていますし,普通はサービス用として部品の販売もしないといけない,と言うことになっていると思います。
実際,iruchanは過去,何度もソニーのラジオやMDプレーヤのケースをへこましたり,割っちゃったりしたので,サービスセンターで部品を買っています。ソニーさんはいつも親切に対応していただき,部品もきちんと売っていただきました。
それなのに,この山善という会社は部品の販売をしないばかりか,修理すらも代理店経由,ということなので代理店の手数料も取られるわけで,これじゃ修理なんてしてもムダだから新しいの買ったら,という対応。
頭にきて,iruchanは自分で直すことにしました。捨てるにも粗大ゴミなので,500円くらいは払わないと持って行ってくれませんしね。
もちろん,もう,この会社の製品は二度と買いません。
そもそも,タワー型扇風機はこれも含め,もう1台,山善のもっと大きいのを買ったのですが,とにかくうるさい! ので頭にきていたのも事実。TVを見ていられないくらいなんですよね.....。
中のシロッコファンの取り付け,芯出しや動的バランスなどの設計・調整がうまくできていないんですね。振動が大きく,ケースが共振してガタガタとうるさいです。扇風機だから,シューッという風切音がうるさいにはしかたないと思うのですけど,ガタガタと機械的な騒音がするのは困ります。
もう山善のは買わない,と決めたので,あとで,日立製のタワー型HSF-DS500Aというのを買ったらあまりに静かで嫁はんもびっくり。最強にしても多少,風切音がするくらいで,まったく機械的な音はしません。値段はちょっと高いんですけど,さすが日立,と思っています。日立さんや,先のソニーさんの対応は昔ながらの日本のメーカらしい,優れた製品と誠意ある対応だと思います。なお,もちろん,iruchanは日立の関係者じゃありません。
山善は中国製だからしかたないとしても,日本のメーカが自分のところのブランドをつけて販売するのなら,もっとしっかりした製品を売って品質管理もしっかりしてほしいものだと思います。そもそもタワー型扇風機なんて,背が高いのだから,ユーザーが倒してしまうことくらい想定して耐久試験をやらないんですか? 思いっきりあきれています。
☆ ☆ ☆
ということで分解して調べます。タッピンねじでケースを留めているだけですから,分解も簡単です。
ファンは先ほどのような状態なので,まずは対応として,接着剤でくっつけることを考えますが,ABS樹脂の接着がむずかしいことはよく知っていますので,実は,最初から毛頭ダメ,と考えていました。
予想どおりで,材質はABS樹脂なんですが,某社のABS用という接着剤ではくっつきません。いつまでもネチャネチャとしているだけで,まったくくっつきません。
ABS用の接着剤としては,ブタノン(メチルエチルケトン)か,模型マニアではよく知られている臭化メチレンですね。どちらも割にくっつきます。ただ,先ほどのABS用接着剤はこのような薬剤は使っていないようです。
おそらく,家庭用として安全を考慮した接着剤なんでしょうね。
ブタノンは一度使いましたが,揮発性が高いし,毒物及び劇物取締法の規制対象物質です。臭化メチレンも危険な薬剤のようです。iruchanはこちらは使ったことがありません。
ということで,この接着剤ががダメなら接着することはあきらめた方がよさそうです。
となると,もう,機械的に接合するしかなさそうです。
でも,これも大変。
30mmのスペーサーで高さを確保したんですが.....。
シャフトは当然,1段減って長さが足りないので,延長シャフトを使ってみました。もとはボリウムやロータリーSWのシャフトを延長するための部品ですが,日本製のボリウムはφ6mmなので,ちょうど,ぴったりです。うまい具合に,ファンの軸と同じ径(6mm)でした。
予想どおり,さすがは日本製らしく,φ6mmの円形部分は精密で,軸受にぴったりと収まりますし,真円度も高いようです。スムーズに回転します。
でも.....完成して取り付けて回転させてみるとかなりの振動。危険なのですぐに止めました。
要は延長シャフトはよくできているんですが,どうしてもこのやり方だとスペーサーが直角につかないので,軸が曲がってしまい,アンバランスになっちゃうんですね。
しかたなく,1段目はあきらめてすべての羽根を取ってしまい,2段目にM3のねじで固定しました。これなら回転軸はほぼ直立位置で固定できると思います。センターも,軸がついている板と2段目の板が段差なく取りつけられればきちんと取れるはずですよね。
こうすると60mmほどフィンが短くなっちゃうので困っちゃうのですが,さいわい,延長シャフトは長いのがあるので,L=50mmの延長シャフトを買ってきて,それを使います。
なお,1段減っちゃったので,上か,下かどちらかでなくなった分のスペースを確保すればよいですけど,下で確保しました。さっきは延長シャフトをファンの上部につけたのですが,今度はモータ軸につけました。こうするとファン部分が上に移動した形になります。こうすると,風は一番上から吹きますよね。下の方はあまり吹かなくてもよいと思います。
ただ,これだとうっかり,ファン固定用のねじが緩んじゃうとファンが落ちて軸受から外れてまたバラバラになっちゃうでしょうから,φ10mmのアクリル製パイプをかぶせて上下方向を固定しました。
また,すべてのねじはLOCTITEのねじロックで固定しました。これなら安心です。
☆ ☆ ☆
ようやく修理完了。特に軸のぶれもなさそうで,振動も大したことありません。
iruchanはタワー型扇風機が気に入っています。何よりあまりスペースを取らないのと,なぜか,普通の扇風機に比べると非常に涼しい感じがします。
せっかく買ったのに,倒れただけで壊れてしまう扇風機にはブチギレしましたが,ようやく修理完了です。本来の寿命まで使いたいと思います。
2021年8月4日追記
これとは別に,山善のもっと大きなタワー型扇風機YSR-PD1101を使っていましたが,とうとう動かなくなりました。
タッチセンサがうまく働かないようです。一度,プラグを抜くと再度,動作するようにはなるのですが,買ったときからうるさくてたまらなかったし,大きくて邪魔なので,この際,捨ててしまうことにしました。
本機同様,運転するとガタガタと大きな音を立て,TVの横に置いていたのですが,うるさくてTVが聞こえないくらい
動的バランス調整ができていないのはもちろん,そもそも,組み立て時に芯出しすら,やっていないのではないかと思います。中国人の工員がファンの軸受部分を本体にネジ留めしておしまい,なんでしょう。
これでようやくお別れです。
ざま~~みろ。せいせいします。もうこんな会社の製品は買いません。よくもまあ,こんな製品を販売しているものだと思います。
代わりに日立のHSF-DS500Cを買いました。最近は500Aではなく,500Cとなっているようです。これは本当に静かでよくできた(というか日立さんには悪いけど,当たり前だと思いますけど)製品だと思います。