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再びFMバンドの変更について [ラジオ]

2018年3月14日の日記

FM dial.jpg 

   このバンドを変更しました。大体,この位置が80MHzです。

6年前に,海外製のFMラジオを国内バンドに変更する方法について書きました。

どうもたくさんお読みいただいているようで,"FMバンド変更" なんて簡単なキーワードでググってみるといきなりトップに表示される始末。ありがたいことですが,前回は簡単にできる方法を書いたので,本当にきちんとFMのバンド変更をやることは書いていないのでちょっとヤバいな......とiruchanは思っていました。どうも申し訳ありません。

前回はFMのバリコンの局発側に15pF程度のコンデンサをパラに接続する,と言うものでした。ごくおおざっぱではありますが,ちゃんと国内のFM局に対応し,今もそのカナダ・Magnasonic社製のFMラジオはiruchanの机の上に鎮座していて,毎日使っています。

ただ,通常の日本のFMバンドに大体,対応していますが,最近はじまったAM局のワイドFMには対応しておらず,改造して受信できた範囲は77.5~90.9MHzです。このように,局発コイルにパラにコンデンサを接続する方法は,日本のFMバンドをほぼカバーできますが,ワイドFMは入りません。

そこで,やはりきちんとトラッキング調整をやり直して海外のFMバンドを日本のバンドに変更する方法について書きたいと思います。ついでに,ワイドFMにも対応させたいと思います。

さて,今回,バンドを変更するラジオは.....

GE 7-4813B.jpg GE 7-4813B

iruchanが20年ほど前に米国へ行ったときに買ってきたもの。GE製のAM/FM2バンドラジオで,アラームクロックが付いています。アナログチューニングのものは日本でもAMだけなら使えますしね。ちなみに,デジタルチューニングのものは米国はAMが10kHzピッチなので,バンドはほぼ同じなんですが,日本では使えませんのでご注意ください。

でも,実を言うと,AMバンドも米国は少し違うのです。

上が1605kHzじゃなくて,AM expanded bandといって1705kHzまでです。1992年に拡大されました。このラジオもダイヤルに1700の表示があります。日本だと上限の表示は1600ですね。大昔は警察無線の帯域で,戦前のRCAのラジオなんかにAMの一番上にPoliceと書かれたところがありました。これって,警察無線が普通のラジオで聴けちゃたの? 犯人が逃げちゃうじゃん。

まあ,当時,FMはあまり聴かないし.....と思ったのですが,時計つきは便利で,今も実家のベッドに置いてあります。AMはさすがに米国製のラジオは音がよいのです。かなりAMも気をつかって設計しているようで,米国でラジオを買うと,AMの音のよいことや感度のよいことに感心させられます。日本製はノイズが多いし,高音が出なくて音が悪いですよね.....。

でも,ワイドFMがはじまったし,日本のFM局が聴けないのも残念なので,これを改造します。

GE 7-4813B 内部.jpg 内部

米国の電気製品らしく,やはりMade in Chinaです。ただ,驚いたことに,AM/FMチューナICは東芝のTA2003Pが使われていますし,出力はTA7368Pです。

これ,よくあることなんですけどね.....。

さすがに,もっと前だとMade in Japanなんでしょうが,この時代,部品だけ日本製で組み立てが中国製,と言うのが多かったです。とはいえ,今だとスマホの中身なんか,日本製はカメラとチップのセラミックコンデンサだけ.......なんて状況なんじゃないでしょうか.......orz。

TA2003Pは今も入手可能で,規格表も手に入るので楽です。使われていたのはDate Codeが9604Uで,M'siaとあるので,1996年のマレーシア製のようです。そういえば,たぶんその頃,このラジオを買った記憶があります。東芝の規格表も2002.10の日付があるものがネットに出ています。

例によって,局発の部分をいじります。問題はどれが局発コイルか.....と言うことです。AMはコア入りでしかも赤と決まっていますので楽です。FMは空芯コイルが普通ですが,大体,2個か3個,空芯コイルがあります。本機は3個ありました。このうち,どれが局発コイルかが問題です。

でも,この点,意外にメーカ製は楽なんですよね。たいてい,基板の裏側,バリコンのトリマにFM OSCなどと書いてありますので,それにつながっているコイルが局発コイルです。高周波の回路なので,すぐ近くに設置してあります。

FM osc VC周辺.jpg 

  バリコン周辺。←→の部分にコイルが入っています。

まあ,こういうアナログチューニングのラジオの場合,最終的に調整しないとラジオとして使えないので,最後に調整をする人がやりやすいよう,必ずシルク印刷してあります。

ここで顔を出しているのがバリコンのトリマで,AM/FM2バンドなので,4個あります。

このうち,いじるのはFM OSCとFM RF(普通のラジオだとFM ANTと書いてあると思います)ですが,主にいじるのはFM OSCですFM RFは最後の最後までいじりませんのでご注意ください。もちろん,AM側はまったくいじらないので,絶対に触らないようにしてください。

さて,前回はこのFM OSCのところにつながっているFM OSCコイルに15pFのセラミックコンデンサをパラってやってバンドを変更していました。こうすると日本のFMが聞こえるようになります。

GE 7-4813B フロントエンド1.jpg フロントエンド周辺

 局発コイルは最初の状態です。これだけ開いていました。

さて,ここでスーパーヘテロダイン方式によるFMラジオと,FMのバンドについて復習しておきませう。

FMフロントエンド.jpgラジオのフロントエンド

AMもFMも原理的にはスーパーなので,ブロック図は同じです。FMの場合,不要電波輻射防止のため,高周波増幅をつけることが義務づけられているので,必ず混合の前に高周波増幅(RF)がついています。TA2003PもRF増幅がついています。AMはディスクリートの場合は面倒なのでRF増幅はつけませんが,ICの場合はたいてい,ついています。ICラジオが高感度なのはこのためです。

TA2003PはFM検波はクォドラチャ検波のようですが,本機はブロック図にあるとおり,セラミックディスクリミネータじゃなく,LCの同調回路になっているようです。

TA2003P ブロック図.jpgTA2003Pのブロック図

スーパーのラジオは内部で別の発振器(局部発振器)を用意し,中間周波数に変換しています。AMの場合は455kHz,FMは10.7MHzというのが世界的に決まっています。
局発の信号を混合器で入力の電波信号との積を取り,例の高校で習う三角関数の積→和の公式に基づいて,出力に中間周波数と,元の信号±中間周波数の信号が出てくるのをフィルタで中間周波だけ取り出して増幅します。
このとき,局発の周波数が元の電波より高い場合を上側ヘテロダイン,低い場合を下側ヘテロダインと言います。
FMは当然VHF帯を使うのですが,日本だけと言っていいくらい変な周波数バンドで,76~90MHzとなっています。海外では,米国など,88~108MHzのところが多いです。

日米正規FMラジオの局発.jpg日米・正規のラジオ

なんで,日本だけこうなのか......いまだによくわからないのですが,すぐ上にアナログTVの1~3ch.があったから,というのが理由ですけど,そもそもそこになぜTVがあるのか,というのもおかしな話で,米国だとすぐ上はTVじゃありません。

どうも,日本は占領の影響を受け,ずっと上に米軍用の周波数があって,TVがかなり下に移動せざるを得ず,とも連れでFMも世界標準より低い位置になった,らしいです。そういえば,最初は日本のTVは6ch.しかなかったのに,12ch.になったのはやはり使用中の米軍向けの周波数帯が開放されたから,だったですよね。

まあ,欧州ではFMやめちゃってデジタル放送に移行する,というくらいですから,いまさら世界標準にする,なんて話もありません。

AMの場合はバリコンの製作上の問題から上側ヘテロダインしかなく,局発は 電波の周波数+455kHz で発振するわけですが,FMの場合はこれも日本だけなんですけど,下側ヘテロダインになっていて, FM電波の周波数-10.7MHz となっています。米国は上側です。

これはなんでか,というと日本の場合はすぐ上にTVのチャンネルがあって,上側ヘテロダインだとTVの映像信号や音声信号を受信してしまって,FMが聴けないとか,FMのアンテナから局発が漏れて周囲のTVに妨害が出る,などの問題を避けるためです。

ということで,結局,▲の図のように,局発が発振しています。

さて,いよいよ米国製のFMラジオを日本のバンドに対応させる場合ですが.....

米国FMバンドを変更する場合.jpg米国製ラジオの改造

米国製のFMラジオは今も書きましたとおり,上側ヘテロダインなので,98.7~118.7MHzで発振します。

これを日本のFMに対応させる場合,下側ヘテロダインとしてしまうと,局発は65.3~69.3MHzとなってしまいますから,かなり周波数を下げないといけません。こうなると局発コイルを交換しないとダメだと思います。

しかたないので,上側ヘテロダインのまま,周波数を約10MHz下げてやれば日本のFM局が受信できます。

まあ,アナログTVはもう終了してしまったし,上側ヘテロダインでも問題ないと思います。

でも,これでも実際にやってみると非常に大変なんですけどね.....。テストオシレータは必須ですし,技術がないと大変難しい作業ですので,自信のない方はやめておいた方が無難です。

今回はワイドFM対応,ということなので,局発を86.7~100.7MHzで発振させます。

           ☆       ☆       ☆

さて,作業に取りかかりましょう。

まず,FMのバリコンを左一杯回し,一番低い周波数に合わせます。

当然ですが,まだ何もしていないので,この場合は88MHzしか受信できません。

次に,局発の周波数を下げるわけですから,局発コイルのインダクタンスを増やします。

この場合,コイルを交換するのが一番ですけど,それをやっちゃうとあとが大変なので,最後の手段とします。FMはVHF帯を使っていますが,局発コイルは数μHしかなく,ちょっとした寸法の違いで,とんでもないところに同調して変な周波数で発振します。となると,もちろん,まったく放送が入りませんし,テストオシレータやディップメータがないと調整できなくなってしまいます。

まずは,元のセットのコイルをいじります。

インダクタンスを増やせばいいので,巻数を増やすといいのですが,それはできないので,局発コイルを密にします

ピンセットでコイルをつまんで,縮めます。なお,トリマを回すドライバ同様,ピンセットも非金属製でないとまずいのですが,セラミックのピンセットはとても高いので,iruchanはステンレスのピンセットでやりました。こうすると,調整中は音が出ませんので,一度,縮めては外し,を繰り返します。

それと,もちろん,一気に縮めてしまうと泥沼にはまっちゃいますので,ちょっとずつです。

テストオシレータで,同調する周波数を確認しながら,ちょっとずつコイルを縮めていきます。うまい具合に,少しずつ,下に下がっていくのがわかります。

ところが....。

残念ながら,もうこれ以上縮められない,と言うくらいにしても受信する周波数は80MHzくらいです。これで,NHKも入ったのですけど,まだ足りません。

困ったな~~~[雨][雨][雨]

でも,iruchanは知っていました。

実は,たいていの場合,メーカ製のFMラジオの局発コイルにはパラにコンデンサがついているんです。

これ,なんでだかわからないのですが,たいていのメーカ製ラジオにはパラに入っています。もし,これがついていれば,前回と同様,このコンデンサを少し,容量upしてやればもっと周波数を下げられます。

案の定,このラジオもバリコンの周辺に22pFのセラミックがあり,局発コイルにパラになっていました。

普通,自作する場合はバリコンとコイルだけで作ってしまいますし,教科書にもこんなコンデンサについては書いていないんですが,メーカ製ラジオには入っていることが多いです。なお,▲の東芝のTA2003Pの規格表にはコンデンサがコイルにパラに入っているように描かれていますが,これはバリコンのトリマのことだと思います。

残念ながら,もしこのコンデンサがない場合は,同様に小容量のセラミックコンデンサをパラにしてやってみてください。

Cosc+Losc.jpg 局発コイル付近。

  一杯に縮めても80MHzまでしか受信できませんでした。隣の22pFを交換します。

理論上,コンデンサの容量は周波数の2乗に比例しますので,約10%周波数を下げるためには30pFくらいになりそうですので,30pFに交換してみました。ついでに,さっきのコイルを少し伸ばして,調整しろを作っておきます。再び,徐々にこのコイルを縮めながら調整します。

ようやくこれで76MHzが受信できるようになりました。

今度は上限が下がってしまいますので,バリコンを一番右に回して,上限をチェックします。当然,108MHzからは下がっているはずです。

この状態で95MHzが受信できるかどうか,確認します。

VC調整.jpg バリコンのトリマを調整します。

このようにセラミック製の調整ドライバで調整すると楽です。セラミックコンデンサは試験中のもので,あとで撤去しました。

iruchanの場合は93MHzくらいでしたので,今度はバリコンのFM OSCと書かれたトリマコンデンサを回して95MHzが受信できるようにします。

その後,再び,下限を調整するため,またコイルを少し伸ばしたり,縮めたりします。

さらにまた上限を......と言う具合で,何回もバリコン,トリマ,コイルを調整します。

まあ,正直なところ,AMラジオの場合も同じなんですが,完全に調整できることはなく,ある程度で妥協しないといけませんけどね.....。

iruchanの場合,大体,76MHz~95MHzとなったはずなんですが....。詳しくはまたあとで。

ここまで来て,ようやくFM RFのトリマを少し調整して,一番音量が大きくなる位置で止めます。

まあ,FMはVHF帯なので,コイルのQが非常に低く,せいぜい10とか20くらいしかないので,同調はシビアじゃなく,このトリマは調整しなくてもいいと思います。AMだと大きく違うんですけどね。

これでいいでしょう。ようやくNHK FMが聴けてゴキゲンです。今もこのラジオで "ミュージックライン" を聴きながらブログを書いています。今日は久しぶりに "ラジオ深夜便" をFMで聴いてみようかな~[晴れ][晴れ][晴れ]

LEADER 17A oscillator.jpg 76MHz付近が入ればOKです。

lubrication.jpg 少しグリスを塗り直してやります。

ついでに,ケースをばらしたので,ツマミなんかのグリスを洗浄剤で落としてから塗り直してやりました。

特に,このラジオは某国産メーカがよく使っていた黄色いグリスを使っています。これ,経年で固まってしまって,そのうち動かなくなりますので,きれいに落として新しいグリスを塗りました。


2018年3月17日追記

ようやく完了したと思ってラジオを聴いていますが,どうにも変な感じ.....。

FMワイドはガンガンはいりますが,どうも通常のFM局が感度が低いです。特に,NHK FMはザー,ザーとノイズが入ります。

やはり可能性としてはトラッキング。

再び調整することにしました。

やはり,上側に少しずれていて,上限が97MHzくらいになっていました。

実は,▲のテストオシレータのダイヤルに頼っていて,周波数カウンタをつながずにやっていました。

残念ながら,ダイヤル自体はあとで調べたらずれてはいなかったのですが,きちんとカウンタかオシロで正確な周波数を確認しながらやらないとまずいですね。

いつも使っているテクトロのオシロをつないで,周波数を見ながら再調整しました。

結局,受信範囲は77.4MHz~94.5MHzくらいとなりました。AMもそうなんですけど,完全にトラッキングをあわせるのは難しい感じです。どうしても下限を合わせると上限が大きくずれてしまいますし,今度は上限を合わせると下限が合わない,という感じで,ある程度で妥協せざるを得ません。

さて,これできちんと合ったはず.......なんですが.....。

これでもNHKの感度が低く,かなりノイズが乗ります。

こういう場合,疑うのは▲のTA2003Pのブロック図にあるとおり,入力にあるバンドパスフィルタ。

自作する場合はほとんど入れたりしないんですけど,メーカ製のものには入っていることが多いです。特に,カーステではノイズが多いので必ず入っていると思います。

ただ,これが実は大きな問題。

メーカ製のセットに入っているのはセラミックフィルタを使ったバンドパスフィルタ。残念ながら,これが手に入らないんですよね~。

閉店した,秋葉のお店で米国向けの88~108MHzというのは買ったことがありますが,国内バンドのものは見かけたことがありません。

幸い,本機をよく見てみると,入力には単なるLCの同調回路が入っているだけで,バンドパスフィルタ,というよりはハイパスフィルタ。バンドパスならあと2個,コイルが必要なはずです。

FM BPF.jpg入力のフィルタ。

残念ながらコイルは空芯コイルなので,外してインダクタンスを調べない限り,インダクタンスがわかりませんが。おそらく,80MHzより下をカットするようになっているはずです。それで日本のFM局が入りにくいと考えました。ただ,これじゃ,減衰率はそれほど高くはないし,このカットオフを下げてもあまり変わらないのでは,と予想しました。

結局は予想どおり,コイルにパラに入っている30pFを少し大きくしてみましたが,現象は変わりません.....orz。

BPF周辺.jpg 入力フィルタ部

 奥のRFコイルと結合しないよう,向きを変えてありますね。

しかたないので,奥の手を......。

米国製のラジオはよく,AC電源コードがアンテナ代わりになっていて,そこから電波を取り込むことが多いです。電灯線アンテナですね......。あ,今はそんなこと言わないか~。

iruchanが使っているBOSEのWave Radioもそうなっています。もっとも,Wave Radioは外部アンテナ端子もついていますけどね。

なんでだかわかりませんが,国内のFMラジオはAC電源を使うものでもたいていはアンテナ線が別についていて,たらりと電線を垂らすものが多いです。これ,邪魔で,いつもWave Radioみたいに電灯線から取りゃいいじゃん,と思っていました。

でも,うちで使っているWave Radioも電灯線じゃ感度が足りず,別にアンテナをつないでいることを思い出し,本機にも▲のLC同調回路のところに電線をつないでみました。

FM antenna.jpg アンテナ線をつけました。

やはり,大正解。感度大幅向上でした[晴れ][晴れ][晴れ]。NHKも雑音なく,きれいに聴けます。

いろいろやったけど,結局はアンテナが重要,という基本的なことを再認識して終わり,でした......。


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ロクタル管の話~オールロクタル管5球スーパーの製作~ [ラジオ]

2018年3月6日の日記

ロクタル管5球スーパー.jpg

ちょっと北陸の実家に帰っておりました。本当に今年は雪がひどく,びっくりでした。iruchanのところはそんなに雪が積もるわけじゃなくて,多い年でも30cmくらいで,それもここ10年くらいはせいぜい15cmくらいだったのに,今年はそれこそ子供の頃以来,という感じの大雪でびっくりしました。被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げます。

でも,やっぱりiruchanの実家でも確実に春が訪れており,小さな畑をのぞいてみたらたくさんふきのとうが出ていました。

残念ながら,すでに花が開いてしまっていて,食べられません.....。ふきのとうの天ぷらで泡盛を1杯,なんてサイコーなんですけどね.....。

そんなこんなで草刈りしよ.....と思っていたら,もう,種じゃがいもを売っているではないですか!!

あわてて畑を耕して石灰を撒き,肥料を混ぜて土を準備しました。さすがにまだ寒い日もあるので,芋を植えるのは4月になってからですけどね。

種芋看板.jpg いつもお世話になっている園芸屋さんにて。

もう種芋を売っているんですね。びっくりしました。

さて,ついでに実家の部屋に置いてあった5球スーパーを鳴らしてみます。

もう,20年ほど前に組み立てたものです。一時は毎日聴いていたのですが,最近はさっぱりで,しばらく電源を入れていませんでした。工作マニアなので,完成しちゃうと飽きちゃうんですよね~。

でも,あまり電気製品は使わずに置いておくものではありませんね。

やっぱり,スイッチをonしてみてもパイロットランプがつかないし,おかしいなと思ったらしばらくしてバチンと音がしてパイロットが点きました。

どうもトグルスイッチの接点が固まっていて,ちゃんと接点を構成しなかったようです。忘れた頃に力がかかって接点が閉じたようです。

そればかりじゃなく,真空管のヒーターが暖まってもウンともスンとも言いません。

ボリウムを回したらようやく音が出ました。これもボリウムの摺動子が導通不良になっていたみたいです。ヤレヤレ~。

スピーカはTEACの傑作,S-200が遊んでいるのでそれをつなぎます。

これ,コアキシャルスピーカになっていて,12cmウーファーの上にソフトドームツィータがついています。サイズも小さいのに,非常に音がよく,当時,出たときに即買いました。やはりコアキシャル,というのは音の定位もいいし,ウーファーやキャビネットの設計もよいのか,低音もよく出て,いいスピーカーだと思います。それに,普通,このサイズのスピーカーは密閉なんですけど,S-200はバスレフだったのが買った理由です。やはり密閉型SPはいい音がしません。

鳴らしてみると,AMとは思えないくらいのいい音で朗々と鳴ります。ああ,やっぱ真空管ラジオはいいな~[晴れ][晴れ]

       ☆         ☆         ☆

と言う次第で,今日はこの5球スーパーラジオを紹介したいと思います。

20年ほど前,ロクタル管で作りました。

ロクタル管というのは,RCAが開発したメタル管に対抗して,ライバルのPHILCOが真空管の供給元のSYLVANIAに作らせたものです。だから,ロクタル管にはPHILCOと書かれたものが多いのです。

メタル管はRCAが1935年に開発したもので,もちろん,金属でできていますから,割れないという特長があります。

ただ,特長はそればかりではなく,ボタンステムの採用もそのひとつで,従来はバンタムステムと言ってガラスの支柱に一斉に並んですべての電極のリード線が通っている,という構造でしたが,ロクタル管はピン配置と同じ構造で,円形にピンが並んでいて,そこにリード線が通っています。各電極の距離が離れているため,電極間容量が小さく,より高周波まで使用できる,と言う特長があります。

また,ピンも8ピンになり,従来,最大でも7ピンだったのが1本増えて多極管が作りやすくなりました。これがこのあとのGT管の基礎になります。

とは言っても,結局はもう1本必要なことが多かったわけで.....。MT管が登場すると消えていく運命にあります。おまけにメタル管は#1ピンがシールドになっていることが多く,外被を#1ピンに接続してシールドにしています。だからメタル管は#1ピンをGNDに接続しておく必要がありますが,このおかげで,使えるピンが1本,減ってしまうわけですからなおさらです。

一方,1939年にSYLVANIAが開発したロクタル管は,メタル管同様,バンタムステムを採用し,ピン数も同じ8本になっています。

残念ながら,外被はメタルじゃなく,普通のガラスです。これじゃ,割れるのでメタル管に比べると不利なんですが,その代わり,ピン中心のキーがメタル管はGT管同様,縦にはストレートな形状で,何らロック機能はないのに対し,ロクタル管はキーがくびれていて,ソケットのばねにはまり込んで抜けなくなる構造になっています。だから,lock-in-octalの略でLOCTAL管なんですね。もっとも,PHILCOの登録商標はLOKTALです。なお,この金属ベースはこのロックピンを接地して使うのですが,そうすると各ピン間がシールドされるので,より高周波特性がよくなります。この点に目をつけたのか,欧州Philipsが欧州版のロクタル管を作ったので,欧州にも同じロクタル管があります。

メタル管は管全体がシールドされる構造ですが,ロクタル管も電極そのものはもとからあとの6SK7GT6AU6とか6267などと同様,外周がシールドになっていて,ガラス管内でシールドされており,さらにベース部分は金属ベースでシールドされるのでメタル管同等のシールド効果が得られます。名よりも実を取った,と言うわけですね。ロック機能を考えれば,メタル管より優秀かもしれません。

ただ,これはメーカーの宣伝文句で,実際はJohn W. Stokesの "70 Years of Radio Tubes and Valves" にあるとおり,ロクタル管はどういうわけかかなり短足でピンが短く,抜けやすいのでその対策として考えられた,というのが本当のところなのかもしれません。実際,なぜかロクタル管は脚がほかの球に比べて異常に短いんですよね。

残念ながら,真空管は抜けやすく,特にGT管はうっかりすると抜けてしまうんですが,ロクタル管はかなりゴリゴリやらないと抜けないので非常に信頼性が高いです。

その意味で,メタル管もロクタル管も,まもなくはじまる第2次世界大戦中は軍用真空管として多用されるのですが,特に振動の激しい航空機用によくロクタル管は使われたようです。

ところで,iruchanは時代的にこの球はB29にたくさん使われているのでは,と思っています。日本人としては複雑な気持ちです........。

ただ,メタル管もロクタル管も戦後は不遇で,MT管が開発されると消えていきます。

             老兵は死なず,ただ消え去るのみ    (Douglas MacArthur 1880~1964)

.....ってか?

MT管の登場で,より小型軽量,高性能な機器を求める軍の需要が移ったのでしょう。それに,メタル管は中が見えないので,ヒータが切れていてもどの球が切れているかわからない,というのも軍用機器では問題だったでしょう。救援を要請しようとしたら相手が応答しない,どれか真空管が切れているらしいがどれかわからないんじゃどうしようもないですね。

しかし,よほど大量に生産されたのか,戦後は大量に放出され,神田(当時は今の神田須田町あたりが電気街でしたのでこう呼ばれます)で大量に売られていたようです。柴田翔の本ブログと同名の小説が有名ですね~。

iruchanもこの本は読みました。本編の "されど我らが日々" の方はiruchanは全共闘世代じゃないので,全然理解できませんでしたけどね。ただ,今どきの若い人がすっかり保守的で内向きになり,海外にも行かなくなったし興味もない,というのには呆れています。これじゃ,中国やアジアの若者には勝てないし,あの頃の若い人の方がまともじゃないかと思う今日この頃です。

日本ではメタル管は戦争開始前だったので技術が伝わり,東芝とNEC(当時は東京電気と住友真空管ですけどね)が作りました。と言う次第で,国産のメタル管というのは存在するのです。

一方,さすがにロクタル管は日本では製造されませんでした。

そのせいか,日本ではなじみがなく,ソケットも特殊で入手難だったため,製作記事はほとんどありません。浅野勇氏の "魅惑の真空管アンプ" で,7C5 PPの記事があるくらい,だったのですが,ここ20年ほどは海外から球やソケットが輸入できることもあって,たまに製作記事が出ますね。

iruchanはロクタル管のことは浅野氏の本で存在を知りました。メタルベースの小型の真空管で,ゲッターが燦然と輝き,かっこぇ~と思ったものです。いつかはこれでアンプを作りたい,と思っていました。

ただ,実際にこの球でアンプを作るのは大変です。

なにより,ソケットが問題で,今はインターネットなどで入手できますが,昔はピンに直接はんだづけするしかありませんでした。また,最大の球でも米国オリジナルのロクタル管には6V6同等の7C5しかなく,出力はPPで10Wくらいですし,ほかには6K6同等の7B5や低圧用の7A5くらいしか出力管がなく,選択の余地がありません。もちろん,3極の出力管もなく,当時,iruchanは3極管しか興味がなかったので,計画は中止でした。

これはなんでなのか,よくわからないのですが,メタル管は大出力の6L6があったのに,ロクタル管は7C5くらいです。もう少し大型の球があってもよかったのでは,と思います。

でも,ラジオなら7C5で十分ですし,何よりかっこよいので作ってみようと思って作ったのが本機です。

回路はごく簡単で,ロクタル管と言っても特殊な特性を持った球はほとんどなく,旧世代のST管や後のGT管と同じ特性のものばかりなので,通常のGT管5球スーパーと同じ回路でOKです。

ロクタル管5球スーパー.jpg回路図です。

アナログ入力も設けました。昔はここにクリスタルピックアップをつないでレコードを再生しました。米国なんかだとFMチューナをつないだわけですね。

この場合,切替SWで入力を切り替えるだけでは不十分で,レコードを聴いている最中にラジオが聞こえたりします。本当は局発コイルをショートするにしないといけないのですが,iruchanは知らなくてつけませんでした。まあ,今どきレコードプレーヤをつないだりしないので放置プレイです。

なお,ロクタル管は7C514N7など,7とか14と言う数字が頭についていますが,これはヒータ電圧が7Vや14Vという意味ではなく,ロクタル管を意味するためだけの数字で,ともにヒータ電圧は通常どおりの6.3Vと12.6Vですので注意してください。

球のラインナップは次の通りです。

7Q7(周変)-7A7(中間周波)-7C6(検波・低周波増幅)-7C5(出力)-7Y4(整流)

で,それぞれ,GT管だと6SA7-6SK7-6SQ7-6V6-6X5と言うことになります。本当は6SQ7同等管は7B6ですが,入手できなかったので7C6にしました。同じ2極3極管で,特性的にはST管の75と同じです。7C6はRCA製です。本来ならライバルの製品を作るわけはないと思うのですけど.....。軍用かと思ったら例のニッパーが描かれたRCA Victorの箱に入っていて,ラジオや電蓄などの民生用機器の保守用のようです。このあたり,米国はおおらかなんでしょうか。

ただ,iruchanはちょっと困っていました。

実はロクタル管は中が見えない球が多いんですよね~。

特に7C5は中が見えるものは少ないです。どうにもゲッターが飛びすぎていて,ガラスが全面銀色,と言うのが多いです。また,7Q7も中がアクアダックで塗装されていて,これはガラスが灰色で中が見えません。

アクアダックというのはカーボンで,よくGT管でも6SN76SK7などで塗られています。ブラウン管も普通,中が塗られています。シールドの役割をするのが多いようですが,いろんな文献を読んでみると真空管の場合,要は目隠しが本音だったようで......中の電極の仕上がりが悪くてもバレない,と言うのがマジで理由だったところも多いようです。

ということで,実は7C5以外の球はすべて米国のAntique Electronic Supplyから購入したもので,ついでにロクタル管用のウェハータイプソケットもそこで買いました。やはり人気がないのか,今でも安いですね。7C5も$9.90という値段になっています。

ただ,7C5は中身の見えるものを探していたので,これだけ国内で買いました。GEのが透明なガラスでした。

7Y4,7C5.jpg  整流7Y4と出力7C5

7Y4はTung-Solです。7C5はGEです。いずれもGT管の6X5GT6V6GTとほとんど同じ電極です。

バリコンはアルプスの小型2連です。おそらく,一番最後まで製造されたエアバリコンだと思います。90年代くらいまで,普通に部品屋さんで入手できました。

ただ,このバリコン,確か,430pFじゃなくて,少し大きめの440pFくらいだったような.....。トラッキング調整に手間取った記憶があります。

局発7Q7.jpg 局発の7Q7と中間周波7A7

CBSとSYLVANIAです。IFTは古い6BM8 PPの松下製電蓄からの再利用です。

アンテナコイルと局発コイルはトリオです。いまも入手は可能だと思いますし,気合いがあれば自作もできますので,何とかなります。

ロクタル管5球スーパー内部.jpg シャシー内部です。

ロクタル管は中心ピンが接地されるので,ちゃんとGNDに配線しておきませう。もちろん,出力管や整流管はその必要はないですけどね。

ネジ留め式のトリマはパディングコンデンサの代わりです。正規に今どき,パディングコンデンサを買うと大変な目に遭いますが,アマチュア無線の店などでこのようなセラミックを使ったネジ留め式トリマが売られていますので,それを使うとよいです。パディングコンデンサとしては600pF必要です。

もし,親子バリコンとか,トラッキングレスバリコンと呼ばれる,アンテナ用と局発用で容量が異なるバリコンを使う場合は不要です。中古のバリコンを買うときはこちらの方が便利だと思います。

整流7Y4,Fox condenser.jpg ん?

フィルタコンデンサはAESでまとめて安く売っていたものです。ただ,米国の部品屋で買ったのに,送ってきたのはなんと日本のフォックスコンデンサ。これ,ELNAの前身です。たまにこういうサープラス品で日本製というのがあります。米国製のケミコンには不安があり,いきなり高圧をかけてはいけません。内部の絶縁が破壊するものがあります。でも,これは日本製なので安心できます。実際,本機は最初,真空管が米国製だからとケミコンもMalloryを使っていたのですが,いきなりスイッチonしたら整流管の内部で火花が飛び,焦りました。このフォックスコンデンサ製のは何の問題もありませんでした。製造から50年くらい経っていると思いますが,ハムもなく,今も使えます。350V40μF×3という定格です。やっぱ,ケミコンは日本製ですね! もっと買っておけばよかったと後悔しています。

電源トランスはタンゴのPH-70にしました。本当はタンゴが5球スーパー用に販売していたM-60を使いたかったのですけど.....。今も探しているのですが,入手できません。

久しぶりに自作の5球スーパーを聞いて大満足でした。やはりいいスピーカをつないでAMを聴いてみたいですね!

         ☆         ☆         ☆

2018年3月10日追記

どうやら,国産のロクタル管が1種類だけ,存在したようです。

UL-6306, 5B/248M, EF50.jpg 

    左から,UL-63065B/258MEF50

いつも大変お世話になっている,河童さんからいくつか写真をいただきました。

太平洋戦争中に,レーダー用として作られた,UL-6306という球がそれで,驚いたことに双5極管という不思議な構造です。どうも共通カソードになっていて,ともに3結にして使っていたようです。

もっとも,レーダーとは言っても,高射砲による射撃用の電波標定機用だったようです。

電波標定機というのは飛来する爆撃機の位置を測定して高射砲の照準を決めるためのものです。有名なのはウルツブルグレーダーですね。本当はWürzburgなので,ヴュルツブルグと書くのが正しいと思いますが,日本ではウルツブルグレーダーと言われます。B29を撃ち落とした,と言われている五式十五センチ高射砲に使用されていました。

五式十五高は有効射高16,000mで,B29を撃ち落とせる性能を持っており,東京の久我山に配備されました。実際,2機撃墜したと言われていますし,米軍も久我山周辺が危険だとして飛行禁止とした,とされています。五式と言うことからわかるように,制定されたのは昭和20年なのですが,遅すぎました。戦後,米軍が接収したときの写真が残っていて,砲弾は隣に立っている米兵の身長より高い位で,相当大きく,驚きます。

もっと早く作って日本の海岸にずらりと並べておけば,アメリカが日本を焼け野原にすることも,広島,長崎への原爆投下もなかったのではないかと思うんですけどね......。終戦までに実戦配備されたのはわずかに2門のみでした。

今日は奇しくも73年前の東京大空襲の日です。この日未明,300機のB29が東京の下町を空襲し,10万人もの無辜の市民が犠牲になりました。ご冥福をお祈りします。

残念ながら,十五高の実戦配備はこのあとのようですし,当時,すでにB29も本来の目的であった,高空からの軍需工場へのピンポイント爆撃は効果がないと判断し,低空飛行による一般市民に対する無差別爆撃に切り替えていました。迎撃する飛行機も,高射砲も数がほとんどなくなっていることを見越した上での悪辣非道な行為だと思います。のちのキューバ危機に際して,東京大空襲をはじめとして,日本を焼き尽くしたルメイは空軍参謀総長として,核による対ソ先制攻撃を主張しました。"アメリカ人の1/3が死ぬだろうが,我々は勝つ!” 

東京都復興記念館.jpg 東京都復興記念館(横網町公園)

年末に息子と近くへ行く機会があったので立ち寄ってきました。1931年建立で,震災時に火災旋風が起こって多数の犠牲者が出た,陸軍被服廠のあったところに建っています。今は震災と東京大空襲の記憶を残すべく,記念館となっています。すぐ隣の慰霊堂で息子とお祈りしてきました。

もっとも,十五高に使用されていたのはドイツ型真空管ですが,戦時下なので安全に輸入できるわけもなく,国産化しないと実戦配備は難しいのですが,UL-6306は日本版ウルツブルグに用いられた "た号改4" 電波標定機に使用されたようですから,この球も十五高で使われていたのでは,と思います。

UL-6306は東芝が開発した旧海軍用のRH-8 5極管を2つ内蔵したものです。レーダー用の受信機の混合用として用いられたようです。

ただ,やはり問題となるのはソケットなんですけど.....。神田で米軍放出品を買った? んなわけね~だろ。

どうやら専用のクリップみたいな金具があって,ピンに挿して使ったようです。中心のキーは単なる抜け止めだったようです。五式十五センチ高射砲は分厚いコンクリートで隔てられていましたが,すぐ横で高射砲をガンガン撃っているので,ものすごい振動と衝撃だったことでしょう。

河童さんから送っていただいた写真のUL-6306は不動品で,動かないようです。中心の金属製のキーも錆びて取れてしまっているそうです。

また,蘭Philipsが欧州版ロクタル管を開発した,と書きましたが,実物の写真をいただきました。

真ん中の英STC製の5B/258M5B/205Aの一族で,米国系だと807に類似しているようです。ヒーターが19V/0.3Aで,頭にプレートが出ています。米国のロクタル管はシングルエンドであることが特長で,RCAのメタル管が6A86L7など,トップグリッドで使いにくいのを改良したのだと思います。

もっとも,5B/258Mは送信機用のため,トッププレートになっているのだと思いますが,このように,欧州版ロクタル管はこのように送信機の終段で使えるような807並みの大出力管があるのが特徴です。

英国は9本足のロクタルも作っておりEF50が有名です。Stokesの先述の本によると,1939年に英Mullardが開発して,蘭Philipsと同時に発表されました。英MullardはPhilipsの子会社だったので,同時発表となったのでしょう。最初のバージョンはEF37みたいにガラスの表面にアルミを塗ったメタルスプレー管でしたが,のちにアルミのカバーをかぶせたメタルガラス(MG)管になりました。本来はTV向けのGm=6mSの広帯域増幅用の球でしたが,すぐに戦争が始まったため,レーダー用に大量生産されたようです。日本でもよく知られていて,PX4とかDA30とか欧州の出力管のアンプを作るときにドライバとして使う方がいらっしゃいますね。

河童さんのは米SYLVANIA製のようですが,レーダー用に大量に需要があるのに英国だけじゃ生産が足りず,ロクタル管のノウハウがあったSYLVANIAにも作らせたのだと思います。

もっとも,EF50は9本脚で,もはやoctalじゃないので,ロクタル管と呼ぶのは変な気がしますが,ロクタル管の仲間とされています。

5B/255M, CV327-1.jpg 6L6級のの5B/250MEF52CV327

5B/250Mをトッププレートにして耐圧を高め,送信管としたのが5B/258Mのようです。EF52はMG管です。番号から考えて,EF50のあとに開発されたと思いますが,Gm=10mSで,米国が開発した6AC7(Gm=9mS)よりハイGmです。

鉄ちゃんのiruchanはどうしてもEF50とか,EF52とか,ドイツ版メタル管のEF13とかEF15など,こういう番号の真空管は機関車のように思えちゃうんですけどね。English ElectricのEF50は模型が出たらぜひほしいと思っているのですが.....(^^;)。

sonotone EM71.jpg EM71

一方,ドイツではロクタル管のマジックアイが作られました。Stokesの本にはLorenzが開発して,英国でも販売した,と書かれています。河童さんからいただいたこの写真のEM71はMade in Englandと書いてありますので,どこか,英国のメーカもOEM生産したのでしょうか。

EM71はビーム生成電極が中心からずれていて,同調指示が見やすくなっています。

EM71-1.jpg EM71の同調指示部

ほかに,ロクタルで有名なのはPHILCOのFM1000 7極管ですね。6BN66DT6などのように位相検波(ロックドオシレータ検波)をさせるためのものです。製造はSYLVANIAですが,戦後,FMの普及を目指してわざわざ作ったのでしょう。iruchanはFM1000は持っていた気がするので,いずれ,オールロクタル管FMラジオというのを作ってみたい気がします。


2018年4月9日追記

庭の畑にじゃがいもを植えました。今年はアンデス赤とベニアカリを植えました。赤いじゃがいもって,スーパーじゃ売っていないし,珍しいので育てています。味もとてもよいと思います。

シリカ.jpg 連作障害防止のシリカです。

初めて使いますが,果たして効果はどうでしょうか。

じゃがいも植えつけ.jpg 種芋を植えました。

ところどころ,芽が出ているのは去年の取り残しの芋が芽を出しているからです。ちょっと笑っちゃいました。たぶん,取り残したくらいだから梅干しくらいの小さないもだと思いますけど,寒い冬に耐えて芽を出してくれるとはとてもうれしいです。

2018年8月10日追記

7月末にじゃがいもを取り入れました。連作防止剤の効果か,どの芋も割に大きく,ごく普通のサイズでした。今年はコンポストを設置したので,堆肥を撒きました。農薬は一切使わなかったし,有機栽培ですね~~。

皮がむけてしまったり,傷がついたものはすぐに焼いて食べちゃいましたが,それ以外のものは2週間くらい,寝かした方がおいしいそうです。

ということで......。

今日は嫁はんが仕事でいないし[晴れ][晴れ],iruchanは今日から夏休みなので,子供の大好きなカレーを作りました。

アンデス赤.jpg リンゴじゃありません。

アンデス赤は皮は赤いですが中身は黄色いです。中身も赤い品種もありますけどね。

ポテサラ&シーフードカレー.jpg おいしかった~~[exclamation]

カレーはじゃがいものほかは鶏肉とシーフード,カボチャ,にんじん,たまねぎを入れました。ついでに,赤魚の一夜干しもつけました。もう一つはiruchanの大好物のポテサラ。これがまた美味でした.....[晴れ][晴れ]

アンデス赤はポテサラにとても向いているようです。


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