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アッテネーターボックスの製作 [オーディオ]

2016年8月13日の日記

アッテネーターボックス.jpg こんなに小さいです。 

このところ,アンプの修理をしています。国鉄型ファンの私は残念ながらとうとう被写体がなくなってしまい,鉄ちゃんの方は休業状態です......。

さて,私は自分で作るパワーアンプの場合は入力にボリウムを入れることにしています。やはりあるととても便利ですからね。

ところが,本来は音質を考えるとない方がよいのです。ボリウムは当然出力インピーダンスがあり,回転角度により異なりますが,中点で一番出力インピーダンスが大きくなり,最大抵抗値の1/4となります。つまり,100kΩのボリウムだと,最大の出力インピーダンスは25kΩと言うことです。

このあとに接続される真空管やFETの入力容量とローパスフィルタを構成してしまいますので,このブログにもありますとおり,12AX7ECC83)の場合で実稼働状態で100pFくらいありますから,カットオフ周波数は60kHzくらいになります。

これなら十分な値ですが,真空管アンプの場合はプリアンプの負荷を軽くするため,100kΩじゃなくて500kΩとか,1MΩのボリウムが使われていることが多いです。 プリアンプの出力が12AX7のプレートから取っている,と言う回路が多いですが,これだとあまり低い負荷にはできません。この場合,上記と同じ計算で,仮に500kΩだと12.7kHz,1MΩだと6.4kHzとなっちゃいます。

まあ,真空管時代だとLPですし,モノラル時代の初期のLPだと高域は10kHzくらいでしょうからこんなf特でもよかったとは思いますが,今だと問題ですね。 

半導体のアンプの場合はFETやTrの入力インピーダンスが低いので高抵抗のボリウムを設置しても意味がないのと,FETの漏れ電流の影響を避けるため,ボリウムは10kΩくらいのことが多いので,カットオフの問題はありません。 

それに,ボリウムは接点ですので,ここを通過すると音が劣化するのは明らかです。

ということで自作マニアの方でもパワーアンプの入力にボリウムをつけない人が多いかと思います。金田式DCアンプにも入っていませんね。メーカ製のアンプにも入っていないことが多いです。

でも,これってやっぱ不便です。調整中に何か音を出そうと思うと入力を何かで絞っておかないといきなり大音量で鳴り出す,と言うことになります。

それでiruchanは外付けのボリウムを作っちゃいました。

回路は簡単なもので,こんなものです。

アッテネーターボックス回路.jpg 

ボリウムは部品箱から出てきた懐かしいVIOLETを使いました。バイオレット電機は真空管時代からの名門で,とてもしっかりした高品質の可変抵抗を作っていましたが,もう今はありません。 品質がよいのに安価だったのでiruchanは愛用していました。消えてしまったのは残念です.....。

ケースは秋葉で見つけた赤いアルミダイカストケースを使います。 とても小さく,53×53×34mmというサイズです。値段は1,000円ほどです。製造は宣叉實業有限公司という中国メーカのようです。いろんな色がありますが,iruchanは赤がお気に入りなので赤にしました。なぜかチヂミ塗装になっていて,表面はでこぼことしています。むかし,カメラとかこんな感じでしたね~。カツミのパワーパックなんかもこんな感じでした。でもチヂミ塗装というのはなかなか自作では難しく,専用のチヂミ塗装用というスプレーもありますが,高いので自作ではあきらめています。

部品.jpg 部品です。 ボリウムはVIOLETです。

内部.jpg 

   中はこんなのです。ちょっとギリギリですけど......(^^;)。

やはり使ってみるとなかなか便利で,これからパワーアンプの調整に使ってみたいと思います。 


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