KATO EF81 300ローズピンク入線 [模型]
前回,KATOから出たEF81の300番台を整備しました。銀釜と呼ばれるステンレスのボディはとてもかっこよく,一度,写真を撮りに行きたいと思っています。特に,今年の秋は302と303が富山機関区に貸し出され,北海道からのじゃがいも臨運用に入って,日本海縦貫線で使用されたのが記憶に新しいですね。
KATOからは5月にステンレスの銀色ボディのが出たあと,7月にラウンドハウスブランドで,ステンレスのボディの上からローズピンクに塗った車体のバージョンが出ました。
ご存じ,EF81の300番台は関門用にステンレスのボディを持ち,1973年から4両製造されています。そのうち,301と302だけは1978年に常磐線に転属し,EF80の置き換えに使われていたので,車体がローズピンクに塗装されています。のちに門司機関区に復帰しますが,塗装はそのままで,現在もローズピンクのままです。おそらく,塗膜をはがすと下地を傷つけてしまうので,そのままになっているのだと思います。また,ステンレスと言っても腐食しないわけでなく,表面の不動態皮膜が破壊されると腐食が進みますし,溶接から腐食が進んだりしますので,結局は塗装しておいた方がよい,と言うことになったのだと思います。EF30は塗装車はありませんでしたが,EF10は5両のうち,4両が塗装されていますね。
さて,KATOのEF81 300ローズピンク塗装は本来は無塗装の303,304用の車体をローズピンクに塗ったもので,前面のコルゲートが本来の301,302と異なりますし,常磐線用列車無線アンテナが取りつけられていません。それで,型番と名称も "3067-2 EF81 300ローズピンク塗装タイプ" となっています。ブランドもKATOじゃなくて,ラウンドハウスなのも,本来のKATOのブランドイメージを傷つけないように,と言うことからだと思います。
まあ,でも十分雰囲気は伝わりますし,細部はこだわらない主義なので,これで十分です。
さて,買ってきたEF81 300ローズピンク塗装を整備します。カプラーの交換,前照灯回路の常点灯および後ろ側点灯防止回路の組み込み,高圧引込み配線の変更などを行います。
まずは前照灯回路の改良です。ご存じの通り,最近は前照灯もLED化されていますが,困ったことに応答速度が速いので,モータのインダクタンス分により発生する逆起電力のため,本来の前照灯とは反対側の前照灯がチラチラと点灯します。それで,どこのメーカもLEDにコンデンサをパラに組み込んで,この対策としていますが,このコンデンサはローパスフィルタとして働くため,PWM式のコントローラを使っても停止中に前照灯が点灯しません。
後ろ側の前照灯がチラチラ点灯するより,停止中に前照灯が点灯しない方がいやなので,いつもこのコンデンサを撤去していますが,こうすると後ろ側がチラチラと点灯します。
何とかこの両方を解決する手段はないかと考えて,スナバ回路を組み込む方法を思いつきました。スナバ回路はモータやリレーなど,誘導性の負荷に対して逆起電力を吸収する回路のことで,一般には直流回路なら逆向きにDiを入れますが,鉄道模型の場合は,極性が逆になることがあるので,交流回路用のスナバ回路として,CRの直列回路を入れます。わずか,抵抗とコンデンサ1個の追加で済みますので,ぜひお試し下さい。回路については拙ブログをご覧下さい。
まずは,もとの基板のLEDの根元についているコンデンサを撤去します。普段なら,このコンデンサをスナバ回路用に利用しますが,1005サイズ(1.0×0.5mm)らしく,あまりに小さすぎるので,3216サイズ(3.2mm×1.6mm)のものと交換します。といって買ったものじゃなくて,KATOやマイクロエースなどで使われていたものの余りです。詳しくは写真をクリックしてください。拡大します。
モータの端子に並列に,コンデンサと抵抗を直列にしたものをハンダ付けします。
なお,前照灯のLEDの電流制限抵抗はKATOは560Ωと小さく,明るすぎるので,今回,1kΩに変更しています。もとの560Ωのままだと電流も20mAくらいとLEDの最大定格に近いので,少し電流を下げてやりました。電球色LEDを使っていますが,発光色が少し白すぎる感じなので,この後,LEDにポスカのうすだいだいを塗っています。
次はカプラーの交換。ナックルカプラーに交換するのは非常に面倒で,特に,スカートの穴にナックルカプラーを通さないといけないのですが,そもそもカプラーの高さがスカートの開口部の高さより大きく,力を加えないとはまりません。その時に金属の板バネを落としてしまったり,大変なので,このときにやってしまいます。このように,ボディを外して,スカートごと外してやるとわりにスムーズに取りつけられます。
なお,カプラーは付属していたものは長すぎるので,assyパーツとして発売されている普通のナックルカプラーに交換しています。
さて,お次はパンタからの特高圧引込み用配線の交換です。前回もやりました。
屋根上の特高圧配線は最近はプラのモールドじゃなく,わざわざ真鍮線になっていて,非常にリアルになっています。Nゲージでこんなディテールをやるなんて,と思っていましたが,やはり実感的です。プラだと太いし,金型のパーティングラインがどうしても目立つのがいけませんね。
ただ,パンタからの特高圧引込み用配線だけは昔みたいにプラになっています。やはりここも交換したいと思います。
オリジナルのパーツをボディ裏側からつまようじで押して,取り外し,てっぺんのプラの配線をカッターで切って,そのあとにφ0.4mmの真鍮線を差し込みました。
スナバ回路を組み込んだので,このように停止中にも前照灯を光らせることができます。写真を撮るのも便利ですね。
ところで前照灯はオリジナルのKATOのものだと白色に見え,白色LEDだと思いました。ところが,基板だけ外して試しに点灯してみますと黄色く,電球色になっています。なぜ白色に見えるのか,よくわかりませんが,ちょっと白すぎる感じがしたので,LEDにポスカのうすだいだいを塗って黄色くしました。
デジカメの写真だとわりかしいい色に見えますが,肉眼だとちょっと黄色すぎる感じです。KATOのオリジナルの状態が白に見えるのは電流値が大きすぎるからか,と言う気もします。もっと電流を小さくしてやると電球色に見えるのかもしれません。前回のED16も少し白すぎると思っています。
とはいえ,珍しいEF81の300番台のローズピンク塗装を入手できてうれしいです。コンテナ貨車でも牽かせて,北海道からじゃがいもを取り寄せましょうか。
はじめまして。かめこくと申します。常点灯化について大変参考になりました。
初心者なのでよくわからないんのですが、機関車についてはコンデンサーを外せば、常点灯化するというのはなんとなくわかったのですが、TOMIX製の常点灯室内灯については、逆にコンデンサーが入っていますよね。なんか矛盾しているような気がするのですが、これはどういうことなのでしょうか?。
by かめこく (2011-12-17 14:21)
どうもコメントをありがとうございます。
当ブログをご覧いただいてお分かりの通り,私はKATO派なのであまりTomixのことはよくわかりません....(^^;)。あのスーパーマリオみたいな社長さんはどうも好きになれません。
詳しいことがわからないので,少々調べてみました。
Tomixのはレール間にコンデンサを挿入し,それに蓄電してちらつきを防ぐとともに,常点灯にも対応させています。
KATOやマイクロエースは単に後ろ側のLEDのちらつき防止のためだけに,LEDにパラにコンデンサを入れています。Tomixのとは挿入する場所が違います。
で,どちらがいいかと言うことなんですが....。端的に言って,KATOやマイクロのをTomix方式に変更するのはかなり面倒,というのが結論ですね。パターンの変更や部品の追加が増えます。私の方式だとものの10分もあれば改造可能です。ただ,何度も書いていますように,PWM方式のコントローラでないと常点灯になりません。
一方,Tomixのはアナログ式のコントローラにも対応できるのがメリットですし,順方向(正常な向きの走行方向)のちらつきも防げますね。ただし,アナログにも対応できると言っても,LEDの順方向電圧が3Vくらいあり,モータが起動する電圧がこれより低いと,動き出してから点灯する,と言うことになりますので,やはりアナログ式のコントローラで,常点灯というのはむずかしいようです。わざわざモータにツェナーDiを入れて,起動電圧を上げる改造をする人もいるようですが。
では,またよろしくお願いします。
by iruchan (2011-12-18 07:48)