SSブログ

キャンドルICの使い方 [ラジオ]

2011年4月2日の日記

一昨年,滋賀県彦根市の近江鉄道ミュージアムへ行ってきました。ED14をはじめとして,近江鉄道歴代の電気機関車が展示され,こぢんまりとしていますが,とても見応えのある博物館でした。

そこで,娘に土産として,ひこにゃんの行灯を買ってきました。米原市の岩佐表具店さんの製品のようです。とてもユニークでかわいく,また,子供は結構,こういった明かりのおもちゃって喜ぶので買ってきました。案の定,娘はとても気に入って,毎日ベッドで寝る前に遊んでいます。

2種類あって,ACアダプタを使った電球タイプと,電池式のLEDタイプがあります。やはりACアダプタは大嫌いなので,LEDタイプを買ってきました。

中身はろうそくの形をしたLEDランプになっていて,ゆらゆらと本物のろうそくみたいに点滅します。

ただ,惜しいのはタイマー機能がなく,スイッチを入れると点きっぱなしです。子供なので,切り忘れて寝入ってしまうと翌日にはかなり電池が消耗してしまいます。電池はLR44なので,容量も少ないし,買ってくるにもそんなに売っている店もないので,苦労します。

と言う次第で,電子工作マニアなのでタイマーつきに変更してやろう,と思いました。ついでに,電池も一般の電池にしてやれば入手は簡単です。

さて,タイマーと言えば,簡単に555のICを使ってやれば簡単です。555は便利なICで,このような分単位とか,時間単位のタイマーも作れます。

555を使って,単安定(ワンショット)マルチバイブレータの回路を作ってやれば,トリガ信号を入れると一定時間,出力がonになります。

単安定マルチバイブレータというと,74123が有名ですが,74123はDIP14ピンのICなので,555の方が小型にできます。

早速作ってみました。日曜の朝から始めて昼にはできあがりました。

回路.jpg クリックすると拡大します。

ゆらゆらとLEDを点滅させるICはキャンドルICと言って,CDT3460という型番がついています。中国の其朋半導體股份有限公司という会社が作っています。英語だとChip Design Technologyという会社のようです。日本ではマルツやシリコンハウス共立で入手できます。

ただ,このIC,規格表を見ると電源電圧が絶対最大定格で5Vと規定されていますので,555の出力が5Vちょうどくらいなのでぎりぎりです。そこで,シリコンDiを1個入れて,電圧を0.6Vほど下げました。

IC.jpg CDT3460

回路は555の単安定マルチバイブレータで,トリガ信号として,#2ピンをlowにすると出力の#3ピンが一定時間highになります。その時間は#6と#7ピンにつながっているCとRの時定数で決まり,t=1.11×R(MΩ)×C(μF) (sec.) です。↑ の回路の定数だと約8分半点灯します。

candle1.jpg 基板ができました。

LEDはゆらゆらと点灯する方がHRD社の炎色と称する,φ3mmのLEDで,型番はHCWH-A32A-32といいます。いろいろwebを調べたら,皆さん,常時点灯するLEDと組み合わせて使っておられるようなので,1個,普通の電球色LEDをつけています。色の違いがわかりますね。

電源は6V以上あればよいので単三×4でもよいのですが,結構大きくなるので006Pを使いました。

組み付け.jpg 組み付けました。

candle2.jpg 夜になるとこんな感じです。

とてもいい雰囲気に仕上がりました。子供がいじりすぎて,すでに和紙には穴が開いてしまっていますが,娘に責任を取らせて直しました。

時間を計ってみるとぴったり8分30秒で消灯します。電池も長持ちしそうです。

 

2011年4月16日 追記

せっかくタイマーをつけたつもりでしたが,テストしてみると電池がやはりすぐ消耗します。

電流を調べてみると,点灯していないときでも3mAくらい流れています。006Pの電池の容量はよくわかりませんが,充電式の6Pタイプのものには170mAhと書いてあるので,これくらいだとすると60hくらいで消耗しますね。実際にはLEDやICの動作電圧までですから,これよりずっと早くLEDが点灯しなくなってしまいます。

問題は,最初の回路では555のICが動作しっぱなしと言うところにあります。そういうこともあろうかと,実はC-MOSタイプの555Cを使っていたのですが,3mAも消費するのは大きいです。TTLタイプの555の規格表にも3mAとあるので,C-MOSでもTTLでも消費電流は同じようです。

仕方ないので,別に電池にスイッチをつければよいですが,点灯用のスイッチと2つもつけるのはちょっといやですし,なにより,電源SWをoffにし忘れると同じことになります。

と言う次第で,タイマの555の出力にTrをつけ,そのTrで,ICの電源もoffするようにしました。

キャンドル回路.jpg 強制電源断回路をつけました。

タクトSWを押すと,タイマ555が動作し,キャンドルICを動作させ,LEDを点灯しますが,タイマがoffになると,2SC945もoffになり,レギュレータIC 78L05とGNDとの間の接続が切れるので555に流れる電流が0になります。

実測してみると,LED消灯時は0.1mAで,点灯時は10mAくらいです。消灯しているときの電流は1/30になりました。これなら電池が長持ちしそうです。

 

2017年4月8日追記

PICで作り直してみました。よろしければこちらもご覧ください。 


nice!(0)  コメント(3) 

nice! 0

コメント 3

吉田

はじめまして。


555の使い方を調べていて、こちらのブログを拝見いたしました。

質問があります。
強制電源断回路追加の回路図で、電源からトリガーのスイッチに
バイパスする線も追加されているようですが、この状態でスイッチONにするとICも電源ON状態になるということでしょうか?

電気回路の知識は素人レベルであつかましいと思いますが、よろしくお願いいたします。
by 吉田 (2016-11-02 00:11) 

iruchan

吉田さん,どうもコメントをありがとうございます。

ご指摘の通りで,トリガスイッチを入れると555の電源が同時に投入されます。

なお,その後,555Cを使う方が断然,消費電力が少ないことがわかりました。オリジナルの555はバイポーラTr仕様だし,IC自体,非常に古いので消費電力が大きいのです。555を普通に,電池で使用すると単3の電池でも数日で消耗してしまいます。

C-MOS版の555Cをご利用ください。
by iruchan (2016-11-02 07:41) 

吉田

iruchanさん。
ご回答大変有難うございました。
555のアドバイスまでいただいて恐縮です。
C-MOS版を使用してみようと思います。
では、失礼いたします。


by 吉田 (2016-11-03 21:43) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント