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ヘアドライヤーの修理 [電子工作]

2018年8月18日の日記

National EH5306.jpg National(!)のEH-5306ドライヤーです。

台風16号が過ぎ去ったと思ったら前線が通過し,急に涼しくなりました。今年は猛烈に暑く,参りましたが,少しほっとしています。それにしてもなんだか,このところの気候はおかしい。猛烈に夏が暑かったり,冬に大雪が降ったり,やはり,地球温暖化は恐ろしいと思います。それに,大気の循環が活発になったためか,季節もひと月,早くなっているのではないかと考えています。普通だったらまだ残暑が厳しいし,9月になっても暑い日が続くと思うのですが.....。

さて,今日はiruchanはドライヤーを修理します。

前からうちの女どもがドライヤーが古いので買い換えてほしい,と言っておりましたが,とうとう,"動かなくなった" (......lucky!) ってな感じで言ってきました。

まあ,そもそもPanasonicじゃなくて,Nationalと書いてますし,製造年は2007年のようなので,もう寿命なんでしょうけど,工作マニアのiruchanは壊れているものは直したいと思います。

原因はすぐに温度ヒューズの断線だろう,と思いました。それなら簡単........と思ったのですけれど......。

一応,ばらして回路を調べてみました。ザッとですけど,こんな感じではないかと思います。

National EH5306 ドライヤ回路.jpg ドライヤーの回路

モータは驚いたことにDCモータになっていて,端子部にシリコンDiが4本ついていて,ブリッジ整流しています。もちろん,ブラシ付DCモータなので,モータの寿命の方が短いと思いますが,後でわかりましたが,原因は電源コードでした。

大きめのシリコンDiが1本入っていて,ターボモード以外の時はAC100Vを半波整流してパワーを半減するようです。DCモータなので,この辺の制御は簡単に済んじゃいますね。ヒータは2系統あるようなので,▲の回路図はもっと複雑だと思いますが.....。

さて,まずは原因調査として,こういうときは,まず,コンセントを抜いて(当たり前ですけど),本体スイッチをonにし,プラグの2つの電極の間の導通をチェックしてみます。

もちろん,電源は入っていないのでモータはまわりませんけど,温度ヒューズが断線してないなら,モータやヒータがつながっているので,ちゃんと導通があるはずです。

ところが,予想通り,本機は導通が∞になっています。どこかで回路が切れちゃっています。普通は温度ヒューズが断線しています。

前も,友人の奥さんが使っているドライヤーが動かなくなった,というので調べたらやはり温度ヒューズでした。

今回もそうだと思いました。

でも.....。

なんとかばらして温度ヒューズを見つけたのですが.....。

温度ヒューズ.jpg なんと,こんな付け方です。

当然,ヒータのすぐそばにあるのですが,何らかの理由でモータが止まってしまって送風停止すると温度が急激に上昇するので,火事にならないよう,温度ヒューズが断線するようになっています。今回,使用されている温度ヒューズは142℃のものです。

ただ,温度ヒューズそのものの交換はできないような構造になっています。どうやっても外れそうにないし,無理にはずそうとするとヒータの碍管を割ってしまいそうです。碍管はセラミックですからもろいですしね.....。

おそらく,松下さんはそもそも温度ヒューズが断線した,ということはモータが焼き切れているとか,ヒータが異常温度になったとか,かなり重大な故障なわけで,温度ヒューズ単体で交換するのではなく,ヒータユニットごと交換して修理するようになっているのだと思います。

ということだったんですが.....。

なんと温度ヒューズは断線していませんでした。テスターで測ってみるとちゃんと導通しています。

とすると,原因は電源コードの断線のようです.......orz。

まあ,これが原因だとしてもかなりドライヤーをばらさないとコードが切れているか判断できませんので,同じことですけどね......。

       ☆         ☆         ☆

さて,今度は電源コードが切れているか,またテスターで調べます。

プラグ側にテスターのリードをつけ,本体側のコードの接続部と導通があるかどうか調べます。

と,ありました。

やはり2本ある銅線のうち,1本が切れているようで,抵抗値は∞になります。

まあ,こうなったらコードごと交換しちゃうのが早いんですけど.....。
残念ながら,使用されているコードはAC125V/12Aと規格が書いてあります。
iruchanは工作マニアなので,電源コードも予備がありますが,どれもアンプ用なので7A用です。これじゃ,定格が足りない!! しかたないので,もとのコードを使います。断線箇所を飛ばせばOKのはずです。

となるとどこが断線箇所か,と言うことなんですが......。

まあ,普通はプラグの根元と決まっていますが,その辺のコードをクネクネして折り曲げてみても導通が復活しません。

今度は本体側の根元かと思って同じことをしてみてもダメです。

コードを外から触ってみてもどこが断線しているわかりません。クキっと曲がるようなところがあればそこが断線しているわけなんですけど......。

そこで,少しずつコードを切って中の銅線を引っ張ってみると.......ありました!!

すぽっと中の銅線が抜けるところがあります。

コード破断箇所.jpg ここが断線箇所でした。

どうも切断箇所は緑青が吹いて黒くなっているような感じもしますけど,素線がすべてきれいに切れています。

コード交換.jpg コードをつけ直しました。

割に本体に近いところだったので,コードを短く切って本体のスイッチや端子板にはんだづけしました。絶縁チューブを巻いて保護しました。危ないので絶縁テープで重ね巻きしましたけどね。

この状態で,再度,プラグの電極間の導通を見ると復活していますので,ちゃんと動作するはずです。

こうしてようやく復活!!

さすがに素人修理じゃ危ないので,本機は予備機にして,また新しいのを買いに行くことにしませう。

       ☆         ☆         ☆

午前中に東京・上野の東京都立美術館で開催されている,藤田嗣治展を見てきました。

藤田嗣治展.jpg とても好きな画家です。

やはり,裸体画がとてもきれいでした......[晴れ]

でも,知りませんでしたが,藤田嗣治が主として裸体画を描いたのは1920年代のパリ時代だけのようです。独特の乳白色の肌を実現し,面相筆を使い,墨で輪郭を描くという日本画の手法を取り入れて,一躍パリの寵児となったことは有名ですね。乳白色の下地に赤ちゃんのベビーパウダーを使っていたことがわかったのは最近のことです。

戦雲漂うパリを逃れ,帰国した藤田は戦時中,有名な "アッツ島玉砕" をはじめとして,戦意高揚のための戦争画を描きました。この "アッツ島玉砕" の絵は国立近代美術館所蔵ですが,いろいろ批判があるため,普通は常設展示されていなくて,なかなか見ることができませんが,本展で展示されていました。iruchanも見るのはこれが2回目です。すさまじい戦闘と凄惨な殺戮を描き,戦争の悲惨さを余すところなく描いた戦争画の傑作とされていますね。

戦後,こうした活動を糾弾され,彼は再びフランスに渡り,そこに帰化して二度と日本の土を踏むことはなかったのですが,本当に申し訳ないと思います。あの時代,みんなが戦争に協力した(させられた)わけですし,彼は父親が軍医総監(藤田嗣章)であったこともあり,"オレはもとから戦争は反対だったんだ。悪いのはあいつだ" と頬被りを決め込んで責任逃れをした日本画壇の責任を一身に負ったのでしょう。"選手が勝手にやった" と主張した,最近のアメフトの不祥事などを見ても,日本人の体質は変わらないようです。

大好きな藤田の絵が見られてとてもいい1日でした。

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