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超音波式加湿器のパワー制御 [電子工作]

2018年1月2日の日記

超音波式加湿器.jpg 少しパワーを弱めました.....。

どうも皆様,明けましておめでとうございます。また本年もどうぞよろしくお願いします。

さて,iruchanは新年早々,工作を開始しました。

年末に娘が暖房に電気ストーブを使っているので,加湿器を買ってあげました。インフルエンザもはやっていますしね。それに,加湿器も最近はかわいいのがありますしね。

"加湿器を買うたる" と言ったら,娘は開口一番,"[猫] ねこ やろ [猫]" だって。図星でした。最近のガキは....と思いましたけど.....(^^;)。

年末にポチッとしてしまいました。ねこの耳の部分から蒸気が出て,とてもかわいいです。加湿器はタンクが汚れて掃除が面倒ですが,こんな風にペットボトルを使うやつは掃除が簡単で便利です。ペットボトルからの水を内部のタンクにため,底部の超音波発振子で振動させて蒸気を発生するようになっていました。

超音波式加湿器1.jpg もうもうと蒸気が発生します。

でも.....。

やはり,スイッチをonしてみるとかなりの勢いで蒸気が噴き出し,それこそ加湿器としては効果ありまくり,という感じでなかなかよさげだったんですけど......,数時間もすると周囲はベトベト。周囲が濡れるとまずいかと布を敷きましたが,朝になるとその布を絞ると水が出てくる始末でビチャビチャです。

それに,ファンも結構うるさく,寝室だと気になるレベルです。

困ったな~[雨][雨]

せめて,強弱2段階くらいにパワーをコントロールできればよかったのですけど,スイッチonと同時にフルパワーで蒸気を噴き出してコントロールできません。

と言う次第で,工作マニアのiruchanはさっそく改造しちゃいます。もちろん,こんなことやるとメーカの保証が効きませんので,自己責任です。

iruchanは仕事で超音波センサなどもいじっているので,加湿器もある程度わかります。超音波式の加湿器は圧電セラミックを使っていて,それに高周波をかけてやると振動して,水を拭きかけてやると表面で水滴に変化するので,それをファンで吹き飛ばしている,という構造です。

パワーを低下させるには超音波発振子に加わる電圧を下げてやればよいです。蒸気の噴き出し量としては,ファンを低回転にしてやればよいですね。PCのケースのファンなども非常にうるさいですが,これも電圧を下げて低回転にしてやると静かになります。

まずは超音波発振子から。

超音波発振子は圧電セラミックを使っていて,等価回路としては水晶などと一緒です。適当なキャパシタンス分をパラにしてやって,同調周波数を変えられますが,一般的な加湿器だとコンデンサはなく,圧電セラミックの自己共振周波数近辺の周波数で発振していることが多いと思います。可聴帯域だと耳障りだし,20kHz以上の超音波を使うのが普通です。

電流はほとんど流れませんが,発振させるためのTrはそれなりに電力を食いますから,本機もTO-220の大きなTrが使われています。調べてみるとオンセミのBU406というTrらしく,IC=7A,VCEO=200V, PC=60Wという超強力なTrです。おまけに構造はエピタキシャルプレーナ型で,音もよいはずだと思いました。金田式真空管アンプに使えるかも,とも思いましたが,Cob=80pFのため,断念しました。

パターンを追っていくと,超音波発振子はベースとコレクタの間に入っていますので,ピアース型発振回路のようです。

電圧を変えるには直列に入っているコンデンサか,抵抗を変更すればOKです。

さっそく,分解して基板をチェックします。

予想どおり,ディスクリートの発振回路が入っていて,それで超音波発振子をドライブしています。

BU406のベースにパラになった10Ω×2の抵抗と0.047μFのセラミックコンデンサを介して超音波発振子につながっています。

この,0.047μFのセラミックコンデンサを小さくする(インピーダンスとしては大きくなる)か,抵抗を大きくしてやれば圧電セラミックの発振出力を小さくできます。ただ,あまり大きくしすぎるとQが低下して発振しなくなってしまいますので,注意が必要です。

基板裏2.jpg 発振回路の抵抗を小さくします。

10Ωのチップ抵抗をパラにはんだづけしてあったので,最初,22Ωに取り替えたら,弱くなりすぎたので,もとの10Ωを1個撤去してみたらいい具合だな~と思ったのですが,やはりこれでも蒸気量が多すぎ,朝になると台がベトベトだったので,結局,15Ωくらいがよさそうでした。

発振波形(10Ω).jpg発振波形(オリジナル)

1MHz以上で発振しているのに驚き。また,電圧も126VP-Pもあります。これくらい電圧をかけないと水を蒸気にできないんですね~。

ただ,出力も最大のようで,波形はひずんでいます。

発振波形(33/2Ω)'.jpg

結局,BU406と超音波発振子の間の抵抗は15Ωくらいがよさそうです。電圧は118VP-Pとなりました。実は,22Ωにしてみたら108VP-Pとなり,発振はしているのですが,振動の振幅が小さすぎるようで,水を蒸気にしてくれませんでした。非常にどうもシビアな感じです。

     ☆           ☆           ☆

あとはファン。

これは単にDC24Vを直接つないでいるだけで,簡単なドライブ回路です。ファンも24V,0.04Aのものが使われていますが,さすがにダイレクトに24Vを直接印加すると回転数が速すぎます。

ということでPWM制御してもいいんですけど,簡単には113系みたいに抵抗制御でOKです。

パターンを追っていくと,5.7kΩがDC24Vとの間に入っていますので,これか,と思ったのですが,抵抗値を変えても変化ないのでこれではなさそうです。

欠水時にファンを止めるためのTrが1個入っていて,2SC1815でした。なんか,表記が怪しかったので,純正の東芝製ではなさそうでしたけど.....。

これのコレクタに圧電セラミックがつながっているので,一度,パターンを切って,そこに330Ωを入れてみました。もう少し小さい方がよかったかもしれません。これでモータの端子電圧を変えられます。

超音波式加湿器基板.jpg ファン用の抵抗を大きくします。

これでOK。発振子もわりに静かに振動するようになり,蒸気もモウモウという感じではなくなり,少々弱めに発生するようになりました。ファンも静かに回るので助かります。動作しているのかわからないくらい,静かになりました。これで周囲がベトベトになるようなこともなく,これで快適に過ごせそうです[晴れ][晴れ]



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