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PWM式自動加減速コントローラ(パワーパック)の製作~シミュレーション編~  [模型]

2015年1月10日の日記

年末に実際の電車のようにマスコンとブレーキを持ち,自動的に加速し,惰行→ブレーキをかけるように運転できる自動加減速PWM式コントローラを試作しました。 

本当ならケースに入れてちゃんと完成させたいのですが,まだケースを買っていません。どうも申しわけありません。

と言う次第で,今週はシミュレーションをしてみました。

使ったのはSPICEです。古くから電子回路のシミュレーションソフトの定番ですね。製品版もCADソフトのように高くなく,数万円で買えますので,使っている人も多いかと思います。といって,やはりソフトで1万円を超す物は買いにくいのでフリーの物を使っています。これもアナログICのリニアテクノロジー社が無償で提供しているLTspiceが定番です。LTspiceはここでダウンロードできます。登録も不要です。私もこれを使ってみました。フリーと言っても部品点数や使用期間に制限はなく,いつまでも使えるのがいいです。残念ながら英語版しかありませんし,部品として添付されているICなどはLT社のものばかりで他社のものは自分でモデルを作ったりしないといけませんけどね。

全体の回路図については前回のブログをご参照下さい。

LTspiceでシミュレーションした回路は▼のとおりです。

simulation circuit.jpg シミュレーション回路

コンパレータは私が使ったのはナショセミのLM393ですが,LTspiceにはなかったので,LT社のLT1017です。タイマICのNE555は標準でついていました。

PWM波の生成は555ICの#6ピンにコンデンサの充電電圧が出ていて,それが三角波となっていますので,基準電圧の直流電圧と比較し,基準電圧>三角波電圧の時だけ,コンパレータがonするようにしています。

PWM波生成.jpg PWM波の生成原理

シミュレーションの結果からもこのようにしてPWM波が生成されるのがわかりました。赤い線が基準電圧を示し,自動加減速とするので,この赤い線が力行時は徐々に上に上がっていきます。今回,C=2200μFで,Rは1kΩでシミュレーションしていますので,時定数C×Rは2.2秒ですから,指令電圧9.8Vに対し,約60%の5.8Vに上昇するのがほぼ2.2秒と言うことがわかりますね。一方,ブレーキ時はすみやかにこの電圧が下がるようにしています。 

なお,シミュレーションは前回ブログの回路図にある加減速調整用の可変抵抗VR1を上記のように1kΩにセットした状態にしました。大体これくらいがよい感じです。 

では,4Nに投入し,出力の電圧がどうなるか見てみました。

4N total.jpg 10秒間の変化

4N投入直後~10秒後までをシミュレーションした結果です。青い線が出力電圧です。

何の結果か,よくわからない図で申し訳ありません。青い線に注目していただくと,マスコン投入直後は出力は0Vで,1.4秒後に基準電圧が4Vに達するとコンパレータがonし,PWM波が出力されます。PWM方式はいきなり最大の12Vを出力し,パルス幅によりモータの速度を制御する方式なので,こんな波形になってしまいます。部分は0V~12Vのパルスが出力されている部分です。最後はデューティ100%となるので,12V一定電圧となります。4N投入後,1.4秒後に起動し,7.2秒後に最高速度になることがわかります。もちろん,この値は可変抵抗で変更できます。実際の電車はもっとゆっくり加速しますが,模型だと案外,これくらいの方が実感的です。 

わかりにくいので,最初の部分を拡大してみました。

4N-1.jpg 初期状態

最初のうちはこんなに幅の小さいパルスの連続として出力されます。 

4N-2.jpg 後半部分 

最後の方はパルス幅が大きくなり,デューティ比も100%に近づいてきます。 パルス幅が時間により,大きくなっていくのがおわかりいただけるでしょうか。

面倒なので常点灯の部分はシミュレーションしていませんが,力行制御回路と同じ原理なのでうまく動くでしょう。

それにしてもspiceは便利ですね。これから実際に製作する前にspiceでシミュレーションしてから作ることにします。 

さて,何とか早くケースを加工して完成します。 


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ぼち吉鉄道

おはようございます。
シミュレーションでの解析ですか?
このグラフも表示されるのでしょうか?

というか回路図入力時点で、挫折しそうです。
英語版で部品記号も相当品を探す時点で、気が遠くなりますね(^^;
by ぼち吉鉄道 (2015-01-12 09:37) 

iruchan

どうもコメントありがとうございます。

spiceは意外に簡単で,1日で使えるようになりました。回路図は部品を選択し,画面上に配置し,直線で結んでいくと配線できます。抵抗値などはプロパティで設定します。

図ができたらrunすればシミュレーションできます。オシロスコープみたいにプローブが画面に現れるので,回路中の電線を指定するとそこの電圧,電流がグラフで表示されます。

一度,お試し下さい。
by iruchan (2015-01-12 10:07) 

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