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さよなら747&江差線ツアー~その1~ [紀行]

2013年10月26日の日記

747-2.jpg 

    偶然後ろをキャセイの747型機が通っていきました。新千歳にて

今日でANAのボーイング747型機の羽田~札幌便運用が終了します。すでにJALからは2011年3月1日に全機引退しています。ANAの747運用はまだ羽田~那覇便に残っているのですが,これも来年3月までのようです。

747は私にとっては飛行機の代名詞みたいなもので,我々の世代は大きいことはいいことだとされた世代で,ジャンボはその象徴的存在でした。2階建て部分があるユニークな形状は国際線に使用されることも多いことも相まってあこがれのスタイルであり,飛行機でした。

という次第ですが,先日,Joe Sutter著 "747  creating the world's first Jumbo jet and other adventures from a life in aviation" を読んで多少勉強したこともあり,最後にもう一度乗っておきたいと思いました。

747は1969年の登場で,そもそもは大西洋線の旅客増大を狙ったパンナムからの要望で開発され,同社の要求は400人乗りでした。当時ライバルだったダグラスDC8が140人乗りだったことを考えると,破格の搭乗者数でした。そこでパンナムは総2階建てを要望したようです。しかしながら緊急避難時に要する時分の増大や貨物機としての使用の場合,貨物を2階へ移送する手段まで考えると従来通り1階建ての方が経済的で,ワイドボディにしてエコノミーは10席配置とすればパンナムの要求に応えられるとしてSutterはパンナムを説得し,設計変更します。また,ボーイング自体も超音速機2707を開発中で,いずれ旅客機はすべて超音速機になることが計画されていたため,747は途中から貨物機に改造できるように設計されました。だから操縦席が名鉄のパノラマカーみたいに2階に上げられ2階建てになっていて,それは先頭部から荷下ろしができるように考えられていたためです。それで新幹線みたいにノーズ部分が上に跳ね上がるようになっているのですね。

ただ,このようにすると,CD値が上がってしまうので,抗力を下げるためにその操縦席のフェアリングを伸ばすと新たにスペースができるので何かに使おうと考え,最初は2階席はラウンジの予定だったようですが,客室にして,搭乗者数を増やすように考えたのは誠に名案だったと思います。

超音速機が不経済で,開発にも膨大な費用がかかることが判明し,ボーイングも超音速機をあきらめ,747などの亜音速機に注力することになったのはよく知られているとおりですが,747は大量旅客輸送時代に非常にマッチし,ボーイングの経営上もエアラインの経営上も大きなメリットをもたらしたのは事実です。

747はその後,いろんなバリエーションが作られ,特に日本向けに本来は長距離用だった747を短距離仕様にした747SRが作られたのはよく知られているとおりです。

1964年に日本に最初の727が投入されたとき,羽田~札幌,福岡便などでは727ではすでに航空需要がまかなえないことがわかり,747を投入することが検討されます。しかしこのような短距離では1日に2回以上,離発着を繰り返すこととなるため,機体や着陸装置の強度アップを図り,1973年10月に525人乗りのSR型が投入されました。SRはShort Rangeの略です。

御巣鷹の尾根に墜落した747もSR型です。当初からそのような短距離運用を想定して設計されていなかったことも日航機墜落事故の遠因になったと思います。

1993年からは機体の老朽化に伴い,89年から登場した747-400型機を改良した568席の747-400D型が投入されます。DはDomesticの略です。400型機はダッシュ400と呼ばれ,2階部分が延長され,翼端にも抗力低減のため,ウィングレットがついたタイプですが,400D型は日本向けにウィングレットを持たない機体になっているのが特徴です。日本の狭い空港ではオリジナルのダッシュ400では大きすぎたようです。

今回のANA札幌便最終機は1993年製造のものでした。実を言うとダッシュ400は2階建て部分が長く,不格好に見えて747の中であまり好きなタイプじゃないのですが,最後なのでバシバシ写真を撮らせてもらいました。

747-1.jpg 5分遅れで出発となりました。

さて,今日が最終とわかったものの,先週からの台風の動きが気になります。27号と28号のアベック台風にはやきもきさせられました。日本に近づいた27号は幸い,南海上を離れて通ったため,私の住んでいるところは夜中にちょっと雨が降った程度で,助かりました。

朝7:00のNHKのニュースでも羽田空港からの映像が出ましたが,いきなり一番手前に747が映っていました。札幌行きの53便ですね。これが札幌まで1往復して今日私が乗る,65便になります。ということで今日は飛ぶな,ということがNHKのニュースでわかりました。ホッ。

747.jpg 2階への階段。これも見納めです。

一度だけですが,747の2階に乗ったことがあります。静かだし,何より普通の客席より狭いので,とても快適だったのを覚えています。

札幌発の56便の到着が遅れたため,65便の出発は5分遅れでした。

Dornier Dox.jpg Dornier Do X

新千歳空港に着いて,皆さん写真撮影中。かなりの人が今日,最終だと言うことを知っていたようですが,そんなにマニアの人は多くなかったように思います。私もそこで写真を撮って,すぐに3Fの展望デッキへ。やはり多くのマニアが来ています。と,なぜか偶然キャセイパシフィック機が滑走路を移動しています。香港発の580便のようです。偶然,ジャンボ同士の写真が撮れました.......(^^)。

新千歳空港の3Fには大空ミュージアムがあって,模型がたくさん展示してあります。結構好きな独ドルニエ社のDo Xの模型があったので写真を撮りました。1929年に開発され,全長40mで12発のレシプロエンジンを搭載し,169人の乗客を運びました。しかし,エンジンのパワー不足は決定的で,スイスのボーデン湖で初飛行しましたが,低空で飛行するのがやっとで,大西洋横断をもくろんでいたのでしたが,全然ダメでした。今から思えば,巨人機747の元祖だったかもしれません。

スタジオジブリの "風立ちぬ" に1921年製の伊カプローニのCa.60が登場します。これは飛びませんでしたが,ドルニエのDo X同様,大西洋横断を夢見ていました。

もっとゆっくり模型を見ていたかったのですが,スーパー北斗16号の時間が近づいているので,地下の新千歳空港駅に向かいました。 


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