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KATO EF57入線 [模型]

2013年2月2日の日記 

kato EF67-10.jpg    

  スナバ回路を設置してからの写真です。でないと動いちゃうのでこんな写真が撮れません。

昨年夏にリニューアルされたKATOのEF57をようやく入手しました。予約するのを忘れていて,今ごろ買ってきました。

KATOのEF57はNゲージ最初の旧型電機で,とても思い入れがあります。ただ,EF65などに比べると高くて,なかなか手が出なかったのを覚えています。まだ機関車と言えばEF65とEF70,ディーゼルではDD13しかなかった頃にEF57が出て,非常にうれしかったのを覚えています。その後,TomixからEF15が出て,多少バリエーションが増えたと思いますが,その後,なかなか旧型電機は増えず,学研からEF57東海道が出たり,エンドウからEF58が出たりしましたが,本家? のKATOからEF58が出るまでずいぶんと長かったと思います。今でも1年1作という感じで,やはり旧型電機はむずかしいのでしょうか。

EF57はKATOの旧型のほか,マイクロエースの上越タイプEF57 7東海道,それに学研を持っています。EF57は最初に東海道線に投入され,その後,上越,東北へと移動していますが,その際,上越投入時に運転台にひさしがつき,東北へ移動するとボイラを撤去して電暖対応となり形態が変化しています。奇しくもこの3形態がいずれも模型化され,楽しむことができます。KATOのは最後期の宇都宮機関区時代を再現しています。折りから,1978年に本物のEF57が引退し,EF57ブームとでも言う時期がありましたが,KATOはその頃の製品化ですので,時代的にも一番最後の頃の形態となっています。ただ,EF57と言っても宇都宮にしかいませんでしたし,両数も15両では全国的な人気に欠け,引退時も私の住んでいる北陸ではそんなに話題にならなかったと思います。その点,EF58は両数も多かったし,引退時はそれなりに話題になりました。

昨年夏のKATOのEF57は過去の旧型とは異なり,新規に金型を製作した全面リニューアル品で,旧型とはいくつかの点で異なります。もともと旧型と言ってもさすがにKATOだけあって,ディテールも優れていましたが,今回のリニューアル品はデッキのステップにも滑り止め加工してあったり,屋根上も大宮工場施工車らしく,黒く塗られています。実を言うと,屋根の黒いのはあまり好きじゃないので,私は旧製品の方がなじみがあります。また,KATOやマイクロエースはぶどう色2号で塗られていますが,学研のはぶどう色1号の時代なのでより黒っぽい感じで,ちょっと色も異なります。

リニューアルしたEF57は電気的には前照灯は当然のことながらLED化されていますが,例によって後ろ側の前照灯が線路の継ぎ目などでチラチラと点灯する対策としてコンデンサがパラにつけられており,このせいで停車中に前照灯を点灯させることができません。旧製品のように,電球を使っているとフィラメントの熱的な時定数のおかげで,チラチラと点灯するようなことはありませんが,LEDは瞬間的に点灯してしまうので,このような現象が出ます。厄介ですね。PWM式のコントローラを使うと,ごく小さなデューティでDCを出力すると,モータが回転する前に前照灯を点灯させることができ,停車中に前照灯を点灯させることができますが,このコンデンサのせいでモータが回転してかなりデューティ比が高くなってからでないと前照灯が点灯しません。

私は後ろ側の前照灯がチラチラ点灯するより,停車中に点灯しない方がよっぽど気になるので,このコンデンサを撤去してしまいます。

もっとも,国鉄時代の末期まで,昼間は前照灯を消していましたから,前照灯をつけて走行するのは変,と言う意見もあるのですが,やはり模型の場合は点灯してないと雰囲気が出ません。

ただ,単に前照灯にパラについているコンデンサを撤去しただけでは確かに後ろ側の前照灯がチラチラと点灯します。EF57の場合,例によって前に飛び出したパンタグラフの影に隠れてそんなに目立つものではありませんが,通常の電機は割に目立つ位置についていますし,DD51のように前照灯の位置が低いと次位の貨車の妻面をチラチラと照らしてしまうので結構目立ちます。

ということで,新しく考案したスナバ回路を設置してこの対策としています。詳しくはhttp://iruchan.blog.so-net.ne.jp/2011-06-05を参照してください。

で,早速バラしてしまいます。

kato EF57-3.jpg 

  こんな風につまようじを差し込んでツメを外します。ツメは窓ガラスにあります。

kato EF57-11.jpg スナバ回路を設置しました。

モータにパラに100Ωと1μFのチップコンデンサを直列にしたのものをハンダ付けします。また,▲の写真で言うと,右側の前照灯の後ろについているコンデンサは撤去してしまいます。これは電流制限抵抗560Ωとローパスフィルタを構成し,PWM式のコントローラを使っても常点灯にすることができません。

スナバ回路はモータのインダクタンス分で発生する逆起電圧を吸収するためのもので,以前は0.1μFくらいのセラミックコンデンサが動力ユニットにはついていました。これも一種のスナバ回路と言えますが,モータの火花によるAMラジオのノイズ対策用だったと思います。逆起電圧の吸収用としてはやはり抵抗分が必要で,この抵抗で電流を減衰させます。

なお,KATOのオリジナルの状態ではLEDの電流制限抵抗は560Ωでした。昔からこの値ですが,これはちょっと小さすぎます。電流も20mAくらい流れていて,これはLEDの最大定格ぎりぎりだと思います。最近のLEDは輝度が大幅に向上しており,このEF57も前照灯が明るすぎると思います。今回,4.3kΩに取り換えました。電流も3mAくらいになります。また,最近読んだ文献では電流値により色温度が変わるそうです。電球色LEDは色温度が5000Kくらいですが,あまり色温度が高いと白味がきつくなり,白色LEDみたいに見えますので,電流は小さい方がよいと思います。この前のKATOのED16はかなり白かったですが,これは白色LEDをつかっていて,導光材で若干黄色くしているためです。導光材の色がすこし透明すぎるようです。

KATOの前照灯の電流制限抵抗が小さいのはレオスタット式や電圧制御式(トラコン)の普通のコントローラを使った場合に,前照灯が暗いためだと思います。PWM式だと12Vのパルスの幅を変えて速度制御しますが,非PWM式だと電圧が変化するので,最初は暗く,電圧を上げると明るくなります。いわゆるスケールスピードで走らせると電圧が低いので前照灯が暗くなります。このときに適当な明るさとしようとすると電流を大きくせねばならず,それでこの抵抗が小さいのだと思います。世の中,まだ非PWM式のコントローラを使っている人が多いのですね。一度,PWM式を使ってしまうと低速が極めてスムーズで手放せなくなるんですけどね。

逆にPWM式だと瞬間的に12Vがかかっていて,明るく光りますし,スケールスピードの状態で,点灯している時間がごく短くても人間の目の残像現象により明るく見えるので,この抵抗を大きめにしないと明るすぎます。PWM式だと数kΩにして,電流も3~10mA程度で十分だと思います。

スナバ回路を設置した後,部屋を真っ暗にして走行させて点検しましたが,後ろ側のLEDはまったく点灯しませんでした。これがないとチラチラと点灯します。

kato EF57-6.jpg 

  テスト中。後ろは点灯しません。部屋を真っ暗にしてテストすると違いがよくわかります。

kato EF57-2.jpg ナックルカプラーを取り付けました。

ナックルカプラーへの取り替えは比較的容易で,先台車のピンをピンセットで押すと先台車が外れますので,端梁と車輪を外して取り換えます。

kato EF57-8.jpg 

   リニューアル品は屋根が大宮工場施工車なので黒いのが特徴です。

kato EF57-9.jpg 側面。

うまく行きました。無事に停車中でも前照灯を点灯させることができますし,走行中は後ろ側の前照灯がチラチラ点灯するような現象はありません。

ただ.....,KATOの動力の性能がよすぎて,常点灯で停車できる範囲はごく小さいです。ほんのちょっとでもコントローラのつまみを回してしまうと動き出してしまいます。あまり動力の性能がよいと言うのも困りものですね.....。

これでわが機関区のEF57も5両となりました。スハ43系を牽かせるとぴったりです。急行「八甲田」でも再現しましょうか。それにしても「八甲田」はよく乗ったな~~。と言っても私の時にはすでにEF65+14系客車になっていました。あり得なかったですけど,オリ急でも牽かせたいところです。

2013年2月17日追記

一番上の写真を見て気づいた方もおられるかもしれません。車体が右に傾いちゃってます。

全然気がつかなくて,ブログにupしてから気がつきました。やはりNゲージは小さいですね。でも,気がついちゃうと気になってしようがありません。

と言うことで原因を調べます。

最初はスナバ回路を取りつけたので,チップ部品が車体の天井につかえて車体が傾いているんだと思いました。でも,どうもそうではなさそうです。ちゃんとツメはウェイトにかかっていますし,そもそも車体がフワフワと上下しますので,どうも車体側に原因があるわけじゃなさそうです。

KATOの特許であるサスペンションメカニズムの不具合のようです。KATOの創業者である加藤祐治氏の特許によるものです。車体側の集電板を薄い板バネのようにし,台車側の集電板との接触を改良したものです。このメカのおかげでKATOのスムーズは走りはまた一段と磨きがかかったと思います。

EF57集電部.jpg 台車の集電板が外れちゃってます(部分)

よく見てみると,台車側の集電板の突起が車体の集電板から外れ,外にはみ出しています。これが原因ですね。実を言うと,車体をバラしたとき,台車が外れてはめ直した経緯があります。その時に外れたのですね。

EF57集電部1.jpg 正常な状態。

kato EF57集電台車.jpg 台車側の集電板を修正します。

台車を外して台車側の集電板の突起を若干内側に曲げておきます。もちろん,曲げすぎると今度は内側に外れてしまうので,ご注意下さい。

kato EF57車体傾斜修正後.jpg 直りました。ホッ。前照灯の色合いもいいと思います。

できれば今度はスノープラウつきのEF57を発売してもらいたいものです。それに,KATOから東海道仕様を出してほしいですね!


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トータン

iruchan さんのスナバ回路を採用させて頂いています これの工事でKATOのEF66の配線で単純なミスを犯してしまったのです 気づいたのはだいぶ後の事なのですが 後ろのライトのチラつきが全く無かったので これは良いとおもったのですが この車輛のみでした 以後その間違えたままの配線を他の車輛にも採用させたのですが効果の程はないようです 個体差なのでしょうかね? その間違えた配線って言うのは iruchan さんの図面で+側に抵抗を入れてあったのですが 自分の配線では+側に付いた560Ωの抵抗を通り過ぎたところに新たに抵抗をつなげてしまったようなのです が、結果が全く問題なかったものでそのまま使用しています 味を占めて他の車輛にもってやってみたのですが 改善はするもののチラつきがあります 気になるほどではないのですけれどね で、今度はスナバ回路に忠実な配線を推し進めてみたのですが この方がチラつきが気になります 結構難しいですね 抵抗値が問題なのでしょうかね コンデンサーの容量を増やしてみたらどうなのか?って思ってもいるのですが なにせ電気計算が出来無い者でして トホホなんです(vv;
by トータン (2013-02-03 11:47) 

iruchan

どうもコメントをありがとうございます。

残念ながら,KATOの基板で言うと,560Ωを通り過ぎる前にスナバ回路を挿入します。別のいい方だとモータに直接パラに接続する形になりますし,別の見方だとレールを直接またぐ形でCとRを設置します。お分かりいただけますでしょうか。

560Ω通過後だとこの抵抗がスナバ回路の定数に加算されてしまうので,抵抗値が大きくなりすぎます。

大体,抵抗値としては100Ωくらい,コンデンサは0.1~1μFといったところでしょうか。秋葉でチップ抵抗やコンデンサを売っていますので,買ってこられるとよいと思います。

ただ,PWMのパワーパックのスイッチング周波数に依存しますので,最適値は実験してみないと何とも....というところです。周波数が高いほど,C×Rの時定数は小さくする必要があります。
by iruchan (2013-02-03 13:15) 

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