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オールゲルマニウムトランジスタ6石スーパーの製作~プリント基板編~ [ラジオ]

2012年5月19日の日記

とうとう,ゲルマニウムトランジスタを使った6石スーパーラジオを作ることにしました。昔から,奥澤清吉さんの本とか,いろいろ製作記事は読んだのですが,どうも作る気がせず,真空管ラジオやICのラジオばかり作っていました。やはりトランジスタのスーパーはむずかしいというイメージがありますね。それに,スーパーだとキット,と言うのが定番で,6石スーパーはキットで作った,と言う人ばかりだと思います。結構,TrやIFTなどの部品を集めたり,なおかつプリント基板を作るのが非常に厄介で,そのためにキットで作った,と言う人が多いと思います。

と言うことでキットで作るのが簡単だと思いましたが,昔懐かしいACEやHOMERのキットはとうに製造中止で,秋葉原などでも見かけなくなりました。あれほど昔はどこのパーツ屋さんに行っても並んでいたのに,と言う気がします。特にACEの6石や8石のスーパーというとパーツ屋さんのガラスのウィンドウの中に恭しく並んでいて,値段も3,000円以上するので,中学生としてはいつかこいつをものにしてやろう,という気がしていましたが,小遣いもなく,なかなか手が出ずにいつまでも憧れのままだった,という思い出があります。あのとき,すでに真空管の時代は終わっていて,5球スーパーなんかのキットはとうになかったと思います。

今はCherryの6石と8石のスーパーのキットがあります。ただ,残念ながら秋葉原へでも行かないと北陸の田舎では手に入りません。当面,東京出張もないし....,と言うことで作ってしまいました。Cherryの8石キットは今度,買ってきましょう。

それと,ACEやCherryのキットもそうですが,最近のはゲルマニウムTrじゃなく,シリコンになってしまっています。まあ,時代から考えれば当然なのですが,2SC1815なんかじゃなくて,ゲルマの2SA52とかで作りたい,というわがままを言うとやはり作るしかありません。

まあ,部品についてはそれこそ中学の頃からの部品のあまりがありますので,それほど困らないと思います....(^^;)。

と言うことで部品箱をひっくり返してTrやバリコンなどを探します。

Trは2SA522SB54と言った東芝の石はどれも新品でリード線も長く,ちょっともったいない気がしたので,中古で探しますと,2SA15とか2SB75などの日立のスーパー用の石が揃いました。2SB75はHitachiの旧ロゴのやつも出てきました。ただ,ちょっとこのメーカのHDDには散々泣かされたので,このメーカはちょっとね.....,と言うのがあるのですが,まあいいとしましょう。2SB54は最近までたくさん残っていましたが,ギターアンプのエフェクタ用に買う人がいて,一瞬で市場から消えました。でも,ギターマニアの人のおかげで真空管も残っていますし,ゲルマニウムTrもエフェクタ用じゃないのはまだたくさん残っています。

ゲルマTr1.jpg 部品箱から出てきたTrたち。

日立の最初期のTrである,HJ15とかでもスーパーが作れそうですが,新品なのでやめにしました。本当に最初の頃のTrはこのように扁平な形でした。CK722は米Raytheonのもので,米国では1石ラジオを作ったりするのに,いまでも人気があります。日本のメーカはこのTrを目標に頑張ったような気がします。

サーミスタも古い円盤みたいな形のが出てきましたが,リード線が切っていないので,新品の200Ωくらいのを買ってきました。バリコンは中学の頃の残りです。それこそ20年ぶりの使用です。最近,韓国製のポリバリコンが秋葉などで売られていますが,どうも不良品が多いらしいのでお気をつけ下さい。ポリのシートが破れていたり,ひどいのは一部,抜けているものがあって羽根がショートしているらしいです。

IFTやバーアンテナはまだ手に入ります。OPTも山水のトランジスタラジオ用を買いに行きました。

Ge-Tr6石スーパー回路.jpg 最終版の回路です。

回路はごく標準的な6石スーパーの回路です。定数は現代風にしました。極力,古い余り部品を使うことにしました。使用した日立のゲルマニウムTrは'70年代のものだと思います。結構,意外に最近までゲルマニウムTrは製造されていて,安価なラジオ用としては重宝していたようです。トランジスタラジオのフタを外してみると,ケースは新しそうなモダンなものなのに,中身がゲルマニウムTrでびっくりすることがあります。ラジオ用として'80年代に入る頃まで,製造されていたのではないでしょうか。

さて,問題はやはりプリント基板ですね。6石とは言っても実際にパターンを作るとなるとたいへんです。お絵描きソフトで描いて,OHPシートに印刷して感光基板で作りました。特にゲルマニウムTrは電源は-9Vとか負の電圧ですので,ややこしく,お絵描きソフトでは-Vccを赤で描いてパターンを考えました。OHPに印刷するときに黒で印刷すればよいですからね。

プリント基板は100×75mmのサイズの感光基板を使いました。これでもスペースが余ったので,電池ケースも基板につけることにしました。

PCB.jpg -Vccは赤で描きます。

  最終版のパターンはまた後日,発表します。

今回,表側(部品側)でパターンを考え,後でミラー反転してパターン側にしました。やはり裏側からパターンを考えるというのはたいへんです。

焼き付け.jpg 焼き付け中

感光基板は結構作るのが面倒で,失敗も多く,泣かされましたが,紫外線ランプを使うようになってからはうまく行くようになりました。日光では無理だと思った方がよいです。

現像.jpg 現像中

2,3年前にこのタイプのものは製造中止になり,現像液も変わりましたが,古い泡状のものをまだ使っています。基板の有効期限は2006年なのでとうに切れていますが,冷蔵庫で保管しているためか,まだ十分使えます。

なお,現像中は動かさないよう,十分お気をつけ下さい。できるだけたくさんの現像液につけて,そうっと放っておく,と言うのがコツです。最後に水につけて完成ですが,このときも水を勢いよく当てるとパターンが流れてしまうので,ご注意ください。静水中に静かに置いておく,と言うのが正解です。

エッチング.jpg エッチング中。

さて,明日は部品をハンダ付けして実際に動作させることにしましょう。

PCB.jpg エッチングできました。

次回は製作編です。 


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