KATO DD54入線

2010年10月3日の日記

ようやく待ちに待った，KATOのDD54ブルトレ牽引機が発売されました。昨日，メールで発送した，と連絡があったので，待っていました。

実車は1966年から'71年まで40両製造されています。大体，本線用のDLだと2,000ps程度の出力が必要ですが，DD51（2,200ps）は2エンジンのため，メンテナンス上は2,000psのエンジン1台の方がよいと考えられて設計されました。しかし，ここに大きな落とし穴があったわけで....，結局，やはりDD51の増備ということで歴史は進んでいきます。

この機関車に限らず，ディーゼル動力車はエンジン出力が大きすぎるとろくなことがないようですね。キハ65も500ps 1エンジンというのがたたり，実際には450psくらいに落として運用される場合が多かったようです。結局，ディーゼルカーは350psくらいのエンジンを2基積むのが主流となり，JR東海のキハ85とか四国の2000系なんかそうですね。さらには最近はJR西日本のキハ187系など，450psくらいのエンジンを2基積むのも増えてきています。

DD54は出力が大きく，国産での開発は無理とのことから，エンジンは西独マイバッハ（Maybach），トルコンは同じく西独メキドロ（Mekydro）社と提携した三菱重工が製造しました。やはり，爪クラッチのついたトルコンの問題が最大のもので，技術者が添乗しながらの走行も多かったようです。また，エンジン出力が過大のため，推進軸折損を起こし，折れた推進軸が線路に刺さって列車が脱線する，と言う事故も何度も起こしたため，1978年末までに全機廃車となっています。製造後，5年で廃車になったものもあり，国会や会計検査院からも指摘されたり，廃車になってからも大変な問題を残しました。

正直なところ，なぜこのような冒険をしたのか，本当に不思議に思います。やはり技術は過去の積み重ねで，少しずつ進歩していかないといけないと思います。特に外国からの技術導入は今の時代でも単なる物まねだけで済むはずがなく，後々のメンテナンスや修理，原設計メーカへのフィードバックや責任追及が甘くなるので，慎重にすべきだと思います。

DD54は，同じく外国機の技術導入で複雑すぎて手に負えなかったED54や，EF52の歯数比を替えただけの特急用だったけれど，2両しかないため使い道がなかったEF54，軽量化しすぎて空転多発で運転面から嫌われたC54など，54のつく番号の機関車はろくなものじゃない，という忌み番号の機関車の決定版として，いまでも失敗作の烙印を押されて誰しもがこの機関車というといいイメージを持たない，と言うのが正直なところでしょう。

ただ，外観は凸型のDD51なんかよりはるかにかっこよく，一時は20系「出雲」の先頭にも立ったことがあり，マニアには人気があります。私もこういった悪い話を別にして模型にして走らせるならとてもいい機関車だと思います。

今年はDD54の当たり年なのか，KATOのほか，マイクロエースからも出るようです。

やっぱり電子工作マニアなので，前照灯が気になります。色は電球色に近く，とても実感的です。ただ，やはり逆向き点灯防止用のコンデンサのせいで，動き出してから点灯します。でも，従来のKATOの機関車より違和感は少なく，動き出すと同時に点灯する感じで，その点，改善されているような気がします。

例によって，逆向き点灯防止用のコンデンサを撤去します。ついでに，電流制限抵抗は従来のKATOの設計通り，560Ωが使用されていますが，これだと最近のLEDだと輝度が高いので，明るすぎると思います。昔のオレンジ色のLEDなんかだったらこれでもよいとは思うんですけどね。使われているのはチップタイプの白色LEDで，導光材に色素を混ぜて電球色のようにしています。白色LEDは輝度が高いので，電流は小さめにしておく必要があると思います。

と言う次第で，実際に走らせてみると，前照灯が明るすぎる気がするので，チップ抵抗の2.2kΩに変更しておきました。まだこれでも明るすぎる気がしますが....。それに，逆向き点灯防止用のコンデンサを撤去したせいで，レールのギャップなどを通過する際に，後ろ側の前照灯がチラチラと点灯します。あまりに明るいと，後ろの貨車を照らして結構目立ちますので，前照灯は暗めの方がよいと思います。

　560Ω　　　2.2kΩ

さて，さすがにKATOの動力だけあって，動きはスムーズですし，ディテールも優れているようです。残念ながら，実機にお目にかかったことはなく，詳しいところは全くわかりません。なんか，ニュースで問題になっている，と言うのを見た記憶はあるのですが....。何せ，こっちも小学生の頃の話ですからね。

これから20系でも牽かせて遊ぶことにしましょう。マイクロエースから出るのも楽しみです。

　きゃ～，かっこい～!