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マイクロエースC55 20改良版 [模型]

2010年9月23日の日記

今日は前線の通過で朝から大雨に雷,という大荒れの天気です。さんざんな秋分の日ですね。でもこれから涼しくなるとのことでうれしいです。

さて,せっかくの休みなのにどっこにも行けないので家で工作です。

マイクロエースから再発売された,C55流線型をいじります。2000年12月の発売ですが,改良品として,今年再発売されています。何が前回問題があったのか,よくわかりませんが,C53 43同様,フレームを兼ねた金属製のボディが割れてしまう,と言う問題があったのだと思います。

さて,C55を買うのは初めてです。1両しかなかったC53 43をよくぞ模型化してくれたもの,と思いましたが,C55の方はどうもあまり好きでなく,前回買いませんでした。

実車は1935年から71両製造されていますが,そのうちの20~40が流線型として登場しています。折からの世界的な流線型ブームに乗って,流線型のカバーをかぶっていますが,諸外国の3次曲面を多用した流麗な蒸気機関車と違って,2次曲面が主体で,いささかかっこよさに欠けます。ただ,模型マニアとしては,超特急「燕」を再現したい,と言うのがあるので,模型としては人気のある形式だと思います。

実質的なC51の後継機で,のちのC57同様,亜幹線旅客列車用です。超特急「燕」の牽引は幹線用のC53やC59で,C55流線の牽引は10分前に走る,臨時「燕」だったのですが,C55流線型は当時も今も人気がありますね。

例によって最高速度95km/hでは,流線型の効果もほとんどなく,石炭の消費量も通常型と変わりなかったようです。最高速度もこの程度でしかなく,デザインもこの程度,と言う国が世界を相手に戦争を始めた,というのは本当にどうかしていたと思えます。

模型の方は大変よくできていると思います。例によって,カプラーを交換しないとうちでは走れないので,KATOのNカプラーに交換します。また,前照灯もLED化します。

C55-4'.jpg このネジを外します

マイクロエースの蒸機は分解がやりやすく,助かります。まず,先輪の裏にあるネジを外し,ボディをキャブの部分で多少広げると簡単にボディが外れます。炭水車はつけたままでもいいですが,面倒なので,先台車のネジを外して,機関車と分離しておきます。

C55-5.jpg 前照灯は電球です

前照灯は予想通り,電球だったので,LED化します。残念ながら,あまりスペースがなく,φ3mmの電球色LEDは使えず,チップタイプの白色LEDを使います。これだと,前照灯が白くなってしまいますので,最後にポスカのうすだいだいを塗って,電球色化? します。

C55-6''.jpg 逆向き電圧測定中

使ったLEDは秋葉原で買ってきた3020サイズ(3.0mm×2.0mm)のものですが,前にも書いたように変な挙動を示します。逆電圧を測ると普通のLEDなら3Vとか,∞を示しますが,なぜか0.7Vくらいの電圧を示します。これって,逆向きに何かDiが入っているか,PN接合があることを示します。まあ,逆に幸いで,このLEDは逆耐圧保護用のDiが不要です。

C55-7.jpg LED化しました

C55-1.jpg こんな感じです。

残念ながら,C53 43でもそうでしたが,前照灯の導光材がボディ内部にあまり飛び出してなくて,うまくLEDの光を取り込んでくれません。かなり車体の上側から見ると明るく光りますが,正面からだとほとんど光っていません。電球のときも同じだったので,ちょっとむずかしいのでしょう。まあ,鉄道模型だと上から見ることが多いので,それほど気にはならないかもしれません。

C55-3.jpg C55-2.jpg

       正面               炭水車側 カプラーはNカプラーにしました

【おまけ‥‥‥本の紹介】

ある機関士の回想.jpg イカロス出版の"ある機関士の回想"

先日,図書館でこんな本を見つけました。ざっと読んでみて,非常に面白かったので,早速,アマゾンで買いました。

イカロス出版からでている,"ある機関士の回想" 川端新二著です。筆者は太平洋戦争さなかの1943年に名古屋機関区に奉職され,民営化前に定年退職されています。名古屋地区のB6からC62までの蒸気機関車に乗務したときの体験をまとめられています。

非常に文章は素晴らしく,戦争中から戦後にかけての蒸機時代の国鉄が実に生き生きと描写されています。C55についても,名古屋機関区には4両(24,25,36,39)配置され,その機関車を運転した際の体験についても触れることができます。

鉄道ピクトリアルなどで蒸気機関車の記事がよく出るので,いつも興味深く読むのですが,戦後のマニアか,旧国鉄本社の背広組? の人が書いた記事ばかりで,やはり,実際にハンドルを握った人の記事は実に重みがあります。C55流線型についても,ランボードが傾いていて滑りやすく困ったとか,タービン発電機や砂溜まりが通常の機関車と場所が違う上,カバーがついているのでそもそもどこについているか,誰かに教えてもらわないとわからないとか,非常に興味深い内容です。

写真も驚くべきものばかりです。戦後のマニアやプロが撮った写真はそれこそたくさんあるわけですし,どこかで見たようなものばかりですが,本書は旧国鉄職員や近在のマニアが撮った写真で,今まで見たことがない写真ばかりです。

一番驚いたのは流線型カバーを外したC55 24の写真(p.60, 61)でしょう。これは実に驚くべき写真です。よく,「戦中,戦後の物資不足の折,流線型のC55はカバーを外してみすぼらしい姿だった」などといろんな雑誌などの記事に書いてありますが,じゃ,一体,どんな姿だったんだよ,と思っても,実際にどんな姿だったか,写真を見たことは一度もありません。モハ52なども同様に,戦中からカバーを外されているのですが,その写真はよく見かけるものの,C55のカバーを外した写真というのは本書で初めて見ました。実に貴重な写真だと思います。

そのうち,マイクロエースから流線型カバーを外したC55なんてのが発売されること.......はないと思います。出ても買いませんね。あまりにひどい姿ですから。もっとも,戦後,浜松工場などで本格的にカバーを外し,正規に改造されたC55は素晴らしかったと,本書の筆者も書いておられます。よく,流線改と言われるやつですね。性能もよかったらしく,C57よりよかったそうです。姿の上でも,確かに模型も,意外に戦後タイプのC55というのは人気があり,その点,うなずけます。

本当に文章も生き生きとして素晴らしい本だと思いました。皆さんにお勧めします。

 


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