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倫敦消息~ロンドンから~ [紀行]

2018年9月15日の日記

先日,黒部峡谷へ行ったばかりですが,iruchanは今日まで,ロンドンに仕事で行っておりました。ロンドンは実に18年ぶり。さすがに子供が生まれたので最近はほとんど行っていませんでした。ずいぶんと街は変わったかな,と思ってもほとんど変わっていません。昔ながらの古い建物が建ち並ぶ街並みは本当に美しいですね。家はおろか,ビルまで古くなると建て替えちゃうどこかの国とはえらい違いです。だからそんな国の首都はちょっとの年月ですっかり町の風景が変わっちゃいますが,さすがロンドンはいつ行っても荘重な雰囲気は変わらず,街並みは美しいですね。

さて,なんとか夕方,早めに会議を終え,地下鉄Circle線のEmbankment駅へ。ここからナショナル・ギャラリーに行くことにします。

trafalger square.jpg ナショナル・ギャラリー

正面はトラファルガー広場で,1805年,仏=スペイン連合艦隊をトラファルガー沖で破ったネルソン提督が立っています。

う~~ん,なんか,日本だと東郷元帥が銅像になって東京駅前の広場に立っているようなものなんですが,銅像と言えば日露戦争の時の旅順港閉塞作戦中に戦死して,万世橋駅前の銅像になった広瀬中佐が有名ですね。おそらく,この像を参考にしたのだと思います。太平洋戦争後,日本の軍国教育のひとつとされて撤去され,再建されることはありませんでした。

さて,ナショナル・ギャラリーでのお目当てはこの子。

the execution of lady jane grey.jpgレディ・ジェーン・グレイの処刑

  Delaroch's "The execution of Lady Jane Grey"

夏目漱石がこの絵を見て,恐怖感を覚えて短編 "倫敦塔" に書いていますね。英国留学中に抑うつ状態となって下宿に引きこもっていたのはよく知られていますが,この絵の影響もあったのでしょうか。

iruchanもこの絵のことを最初に知ったのは中学の時に朝日の日曜版に出ていたのを見たのが初めてですが,これほど残酷で怖い絵はない,と思ったものです。

一度,実物を見てみたい,と思っていたのですが.....。

昨年10月から,東京・上野の森美術館に来ていたので,見に行きたかったのですが,3時間待ちなんて大人気で,とても見に行く気がせず,今度ロンドンに行ったらナショナル・ギャラリーに行こう,と思っていました。

ところが......。

残念ながら,今,この絵はナショナル・ギャラリーで展示されていないのです。

事前にググってみて大ショック[雨][雨][雨]

さすがに,もう幽霊になっちゃったので,どこかで化けて出ているのだろう,と思いましたが....。どこほっつき歩いてんだよ.......。

しかたないので,インフォメーションの親切なおばさんに聞いてみると,やはり "on the loan" (貸し出し中)とのこと。さすがにそれだけじゃ面白くないので,今どこ? と聞いてみたら,端末をチョコチョコ叩いて調べてくれ,今はヒューストンらしいです。ついでに,今度,ロンドンに帰ってくるのは来年2月だそうです。

アメリカなんかでボ~っと遊んでんじゃねぇよ~~(チコちゃんの声で!)

と思いました。そもそもお前さんが死んだとき,アメリカなんて国はなかったろう,そんなとこで化けて出ててもど~しようもないやろ,と思いました.....(^^;)。

と言う次第で,よほどiruchanはこの子に嫌われているのか,いまだに会ったことがないのです。

        ☆           ☆           ☆

1537年,ヘンリー8世の異父兄であったサフォーク公の長女して生まれたジェーンはヘンリー8世の唯一の生存男子で,9歳で即位したエドワード6世がわずか15歳で死去すると,その跡目争いに巻き込まれていくことになります。

もちろん,そんな幼い子供が即位すると周辺の重臣達が政治利用するのは明らかなので,ヘンリー8世は集団指導体制を遺言していくのですが,豊臣秀頼同様,こういう体制がうまく行くわけはなく,重臣の1人で枢密院議長に就任したジョン・ダドリーがジェーンを利用し,息子と結婚させた彼女を即位させて後ろで操ろう,と考えました。

問題となるのはヘンリー8世の長女のメアリーです。それに,妹にはエリザベスがいます。

そこでジョン・ダドリーはメアリーがカトリックなのを利用し,エドワード6世に次はジェーンと遺言させてジェーンの即位を宣言しますが,メアリーの拘束ができなかったのが失敗のもとで,逆にジェーンが拘束されてロンドン塔に幽閉され,処刑されることとなってしまいます。彼女が即位してから9日後に処刑されたので,9日間の女王,とも呼ばれます。処刑されたときは16歳でした。うちの娘と同い年だな......。

デラローシュが19世紀に描いたこの絵は実際の処刑の場面ではない,ということが明らかになっています。

本来は反逆罪なので,衆人環視のもと,黒い囚人服を着て,目隠しもされず公開処刑されていて,実際には最後に勇敢にも "Please dispatch me quickly." (早くあの世に行かせて)と言ったそうです。

ところが,この絵は白い服をまとい,従容として死を受け入れ,密室で最後に自分の首を載せる台を手探りで探し,と言う絵になっています。奥では侍女が絶望のあまり,壁に倒れかかっていますし,彼女の耳元では教誨師? が最後のお祈りを捧げています。床には血を吸うためのわらが敷き詰められ,処刑人も気の進まない仕事を押しつけられ,女王に憐憫の情を寄せている感じがします。

斬首刑と言っても,当時は斧で力任せに首を切り落とす,と言う手法が普通で,ただ,のちの断頭台でもそうでしたけど,結構,首って切り落とすのは困難で,失敗することが多く,実際,エリザベスに殺されたスコットランド女王のメアリー1世(先ほどのメアリーとは別人。在位1542~1567)も1刀目ではまだ生きていて,何かお祈りを捧げていたので2刀目を振り下ろしても,まだ首が切断されず,ようやく斧をのこぎりのようにして切り落としたと言われています。それでフランスのギヨタン博士が断頭台を発明するのですが,これとてうまく行かないことがあり,フランスのルイ16世も刃が落ちた後,何か叫んでいて,そこでしかたなく,処刑人が体重をかけて首を切り落とした,と言う話が残っているくらいです......。ゾ~ッ!。

メアリーはイングランド女王として即位し,徹底的にプロテスタントを迫害します。カクテルのブラディ・メリーは彼女にちなんだものであることは有名ですね。iruchanも好きなお酒です。

実はこの絵は,彼女は国王として権力を振るって国を支配するつもりなどなく,単に世間に対して無知で,義父に利用されただけと彼女の潔白を証明するため,あえて史実とは異なる状況で描かれた,とされているのです。

あまりにもiruchanも気の毒で見るに堪えない絵なのですが,一度,本物を見てみたいと思っています。いまだにその夢は叶っていないのですが......。

絵はがきを買ってきたので,毎日,拝んで彼女の霊を慰めることにします。

しかたないので,と言うわけじゃありませんが,もう一つのお目当てはやはりフェルメール。ナショナル・ギャラリーには2枚,展示されています。

vermer.jpg 大好きなフェルメールです。

"ヴァージナルの前に立つ女" と "ヴァージナルの前に座る女" の2枚が展示されています。狭い第16室で展示されていて,まあ,誰かに聞かないと行けないような奥の狭い部屋で,iruchanもスタッフに聞きました......(^^;)。


rembrandt.jpg 

  レンブラントの有名なこの絵はここにあります。

どうもiruchanはオランダ絵画が好きなのか,レンブラントも大好きです。1669年,彼が63歳の時の自画像です。この年,世を去っています。

わさび.jpg わさびってなんだよ~

帰りはどこかで食事を,と思っても,1人じゃレストランに入るのも気が引けるし,時差ぼけでそんなに食欲もないしな~と思っていたらEmbankmentの駅前に持ち帰りの寿司屋があり,結構,OLの おばさん お姉さん達で賑わっています。

どうにも気になるので買ってみました。iruchanはレストランを選ぶ基準として,おばさん お姉さんが多い店,と言うのを基準にしています。おばさん お姉さんというのは味にうるさいですからね.......。ホテルに帰って調べてみると,わさびという英国のチェーン店のようです。

食べてみてびっくり[雷]

まあ,わさびは外人さんには受けないので,別の袋に入っていますし,アボガドが入ったカリフォルニア巻が入っているのはご愛敬として,マグロやサーモンの握りはもとより,巻き寿司も非常に美味[晴れ][晴れ] 少なくとも,うちの嫁さんが近所のスーパーで買ってくるサーモンより断然おいしい! お米もちゃんと短粒種(当たり前か~~)だし,おいしい寿司でした。値段もリーズナブル。▲の寿司セットは£8くらいです。まあ,日本より少し高い,くらいでしょうか。ほかにDonburiと称して鳥の照り焼きのどんぶりや,カレーの弁当もあり,おいしそうでした。

なにより,ちゃんと日本の文化であることを紹介するため,わさび なんて店の名前にしているのも好感がもてますし,親切な兄ちゃんは ”Kotchi!" なんてかたことの日本語をしゃべっていました。

こうして古いものは古いものとして大切に保存し,新しいものも優れたものには敬意を払い,受け容れていく,という国民性は大いに見習うべきだと思いました。

以前,ワシントンのダレス空港で,韓国人が経営する寿司の売店がありましたけど,いきなり "アンニョンハセヨ" っと挨拶されたのにはさすがのiruchanもブチ切れた経験があります。"You must say, 'Konnichiwa'" と言ってやりましたけど......。

さすがにこの寿司だけじゃ,足りないと思ったのでカップ麺を買いました。といって,結構寿司は量が多く,これでお腹がいっぱいになっちゃったのですけど.....。

ワシントンでちゃんと日清が作っている,カップヌードルを買って帰ってきたことがありますが,あまりにまずくて子供らは誰も食べず,iruchanが一人で食べた経験があります。カップヌードルと言っても米国人向けの味付けになっていて,とても食べられたもんじゃありませんでした....。

そのときの経験もあるので警戒したのですが,このラーメンは意外においしかった[晴れ]

麺はそうめんみたいに細くて丸い麺です。スープは豚骨らしく,意外においしいです。ただ,うまくかき混ぜなかったらしく,底の方は酸っぱくて参りましたけど.....。一応,日本風にKabutoというブランドになっていて,"Samurai must stir first." なんて注意書き? もありました。オレはサムライじゃねえってば!

といっても,側面には "He who knows others is wise, he who knows noodles is enlightened." って書いてありました。それは老子だっちゅ~の!!

さて,翌日はもう帰らなきゃいけないので,あまり遠くへ行っちゃいけません!

都心へ行くのはあきらめた方がよいので,ホテルから近いキュー・ガーデンへ。一度,行ってみたかったんですよね~。

さすがにキュー・ガーデンは地下鉄District線の終点Richmondに近いところなので,都心のホテルからは遠く,ツアーなんかにも入っていないことが多いと思います。iruchanもここへ行くのは初めてです。

District線の電車に乗ってものの30分もしないうちに緑豊かな田園地帯となり,ひろいテムズ川を渡るとKew Gardensの駅に着きます。さすがに周囲は高級住宅街だけあって,静かなところです。

それにしても地下鉄で30分ほどの距離のところに豊かな田園風景が広がり,こんな大きな公園があるなんて,やはり,英国はやはり素晴らしいですね! 日本じゃ,電車で30分乗ったって周りはビルだらけ,ですからね.....。

palm house.jpg 有名なパームハウスです。

キュー・ガーデンは1759年に王立植物園として開設されました。今はユネスコの世界遺産に指定されています。このPalm houseはその名の通り,ヤシなどの熱帯の樹木を育てるための温室で,1844年の建設です。大英帝国の領土内から運ばれた熱帯植物が栽培されています。中は上から雨粒みたいに温かい水滴が降っているくらいのきわめて高湿度になっています。あまり日本でもここまで熱帯の気候を再現した温室はないと思います。

temperate house.jpg Temperate house

もう一つ,ヴィクトリア朝の様式で建てられた温室があります。世界中の熱帯,亜熱帯の植物を栽培していて,日本の竹やサゴヤシの展示もありました。Native distribution:JAPANと書いてあるのが気になりましたけどね.....。Native distributionというと,原産地かと思いますが,まあ,日本でも宮崎などサゴヤシを植えているところがありますが,普通はインドネシアかそこらだと思いますが.....。

temperate house1.jpg Temperate Houseの中

   このように,中は美しい花が咲き乱れています。

cactus.jpg おみやげのサボテン

"たまに水をもらうのは好きだけど,窓越しの直射日光は避けて。焼けちゃう~~" ってのが笑えます。

日本では見たこともないような色とりどりのサボテンが売られていました。

おみやげに....と思っても,土がついている植物はいかなる種類でも持ち込み禁止ですので,日本に持って帰ることはできません。

まあ,英国人は園芸好きで,この公園も朝早くから賑わっていました。大好きな映画 "北京の55日" のラストで英国公使役のデヴィッド・ニーヴンが帰国したら何をする,と聞かれて田舎に帰って庭の手入れでもするよ,と答えているのはまるで日本人と感覚が同じ,と思っています。ちなみに,この映画,義和団事変に際して諸国軍が介入したときの話を描いていますが,日本からは伊丹十三がちらと顔を出していますね。

英国の人は日本人に似ているなと思っています。iruchanも毎日,誰からも頼りにされず冷や飯食ってるし,早く田舎に帰って庭いじりしたい.....。

        ☆              ☆              ☆

まあ,ヒースローへはPaddington駅からのHeathrow Expressの方が断然速くて快適ですから,そっちの方がいいです。地下鉄だと狭いし,スーツケース置く場所もありませんからね.....。

heathrow airport terminal5.jpg 大混雑のterminal 5

ヒースロー空港は2008年にターミナル5が開業し,大幅に改造されています。以前のターミナル1は2015年に閉鎖されています。iruchanもターミナル5を使うのは初めてです。

ただ......。

はっきり言ってゲロ混み。

出発に利用した羽田より混んでいて大変。それこそ人とすれ違うのも苦労するくらい混んでいるところもあって,帰りに空港でフィッシュ&チップスで昼飯,なんて考えていたらレストランもゲロ混みで,こんなんじゃおいしく食べられないのでドラッグストアで買ったサンドイッチで昼飯。まあ,イギリスのサンドイッチは結構おいしいので,これはこれでいいんですけどね.....。

それにしてもゲロ混みなのはあきれた。おまけにいつまで経っても出発ゲートが表示されない。普通はゲート横の椅子に座って本でも読んで待っているんですけど,それもできそうにない。

これじゃ,大変だなぁと思ったら,すでにターミナル6の計画があるらしいです。

まあ,やはり空港というのはその国の景気や利益ばかりじゃなく,そもそも国力を反映しているわけで.....,混んでいると言うことは結構なことです。帰りに着いた成田は薄汚く,がらんと空いているし,今の日本の状況を反映しているな,と思いました。おまけに東京まで1時間もかかる成田エクスプレスはやっぱりいただけない。駅の出札は大混雑だし,単線だからホームは逆方向の列車も来るし,出たと思ったら延々と田んぼの中を走るし.......,初めて日本に来た外国の人は驚くと思います。切符も日本語表記しかないのは驚き。外国からの観光客の皆さんはみんな聞いていました。

NEX切符.jpg 

 これじゃ,どこに座りゃいいのかわからへんやろ!

東京着はなぜか7分延! なんでこんなに遅れるの~~?。E259系も車内が薄汚いし,シートの赤いところも黒くなっていました.....orz。

アナ雪2.jpg アナ雪やってます[晴れ][晴れ]

帰りはBA(英国航空)にしました。行きの飛行機は777だったけど,帰りは787。国際線の787に乗るのは初めて!

やっぱり787は広いし,きれいなので快適。大気圧も1800mくらいなので少し気分も楽,という感じです。

残念ながらBAは映画がショボく,ロクなのがなかったけどアニメでアナ雪があったのに感激!! おもわず成田に着くまで4回も見ちゃいました.....(^^;)。

というのも日本語のほか,英,仏,伊,露,中,韓の7カ国語を選択できます。DVDだとリージョンの都合で日本じゃ,英,仏,伊版以外は見られませんし,そもそも日本版のアナ雪は英語しかついていませんからね。

まあ,韓国語,中国語で見る気はしないし,それに,どう聞いてもイタリア語じゃ,コメディーに聞こえちゃうのでフランス語とロシア語でも見てきました。また,仏,露,伊とも,アナではなくアンナと発音していました。

でも,やっぱり日本語版が最高。もちろん,意味がわかるというのは当然ですけど,何より松たか子さんと神田沙也加さんは歌も吹き替えも非常にうまくて最高!

"Let it go!" は以前,こちらで少し書きました。

フランス語版はどうにもみんな声がハスキーで,声域が低すぎ。歌はエルサのはちょっと違和感あり。特にエルサはシルヴィ・バルタンか,ブリジッド・バルドーみたいな感じがしてしかたない。どうもフランス人って,こういうダミ声が美人の条件,なんでしょうか......。

歌っているのはAnaïs Delvaさんで,カナダのフランス語版も歌っています。ただ,なんか,巻き舌で "Libérée, délivrée" ってどうにも耳についちゃってやな感じです。エンディングは日米は別の歌手でしたけど,フランスは同じ人が歌っています。

ロシア語版は結構,きれいな人が歌ってます。"ヤー,オラフ" ってのだけわかりましたけど。"ヤー,チャイカ"(私はカモメ)なんて言ったおばさんもいたな......(古っ!)

でも,なんかロシア語版もやたらダーと耳につきますね。それに......,

アナの最後のセリフも

frozen no!-1.jpg ニェッ~~~ト!!

でした。

エルサの首を悪党のハンスがはねようとしたとき,止めに入ったアナが最後に叫んだ言葉.....神田沙也加さんのダメ~~っ!! もいいですけど,英語版はNo! なのでロシア語版もやはりニェットでした。

iruchanは,お前はウィッテかよ,樺太全部よこせ~って思いました.....(^^;)。

    ☆          ☆          ☆

ところで,ジェーン・グレイは反逆者とされているので,Queenの称号じゃなく,単にLadyと称されています。

彼女は家柄と長女という立場から厳格に育てられ,ほとんど外出も許されず,読書を唯一の楽しみとして育ったそうです。なんかエルサと似ているな~。聡明な彼女はもし,女王として君臨していたらイングランドの歴史に名を残したかもしれません。

ただ,歴史上,わずか9日間だけだったとは言え,女王として即位しているのですし,そもそも歴史というのは勝者が記録,記述するので,歪曲している可能性もありますから,歴史はのちの歴史家が公正な立場で考えるべきです。

公正に考えればやはり彼女は歴史上,最初のイングランドの女王とすべきでしょう。おそらく,メアリー1世が "She was not Queen." と言った(言いそうな)のを歴史家が忖度してそのように書いていたのでしょう。

それにしても悪党のハンスがアナを見殺しにして,エルサを斬首して権力を握れば正統性を主張して歴史が枉げられていたでしょう。後で牢獄にぶち込まれたハンスを国外退去処分にしたのはいただけない。アレンデールの国内法できちんと裁くべきだったでしょう。とはいえ,殺人未遂で終わってしまっているので,ロシアのニコライ皇太子に斬りかかった津田三蔵同様,死刑にするには難しいかと......。

彼を殺人未遂罪で裁き,無期徒刑に処した大審院長の児島惟謙は日本が法治国家であることを国内外に示した偉人だと中学の時に習いました。しかし,児島は翌年,花札賭博の罪を着せられ,職を追われているし,後世はパッとした活躍をできていないようです。結局は,正しいことを言ってもこの国では正しく評価されないんだ,ということを知ったのはずっと後のことです。


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