2019年12月30日の日記
壁紙は9月にパリに行ったときのミロのヴィーナスです#59116;
とうとう,現在使用しているパソコンがやばそうで,突然死するようになりました。
なんの前触れもなく,画面が真っ暗になり,再起動します。
もうこの記事を見てみると6年も使ったPCと言うことになります。本当は今年の夏に作り替える予定だったのですが,いろいろ忙しくて,冬に延ばしていましたが,この状況では早く作り直さないとまずいです。
直前にフリーズすることも,また,一瞬でもブルー画面になったりすることはないし,イベントビューアを見ても "予期しないシャットダウン" と記録されているだけで,ソフト的なエラーが出ているようには見られません。突然,画面が真っ暗になるので,おそらく原因は電源のトラブルと思われます。
そういえば,Athlonを使っていた前々作はある日,まったく電源が入らなくなり,BIOS画面すら表示しなくなりましたが,これも電源のトラブルだと思います。電解コンがパンクしたか,液漏れでリップルが増えて,起動しなくなったのだ,とあとから思いました。実際,結構,PCの電解コンを取り替えておられる人も多いようですね。
ただ,今のPCはほとんど電解液を使った昔ながらの電解コンデンサを使用しなくなり,導電性高分子固体電解コンデンサを使っていると思います。iruchanの現用機もそうですし,今回のも本来は産業PC用と思われるので,基板上のコンデンサは固体電解でした。とすると,電解液漏れではなさそうです。
と言って,固体電解コンデンサは導体が固体になっている分,一度,ショートすると極めて危険なので,もしその故障だったら火を噴く,と思いますから,そうでもなさそうです....。
まあ,こういう状況だったらあっさりメーカ製だったら買い換え,自作品だったらマザボの修理なんてことを考えずに作り直した方がよさそうです。
それに,iruchanのPCはA4 5300なんてしょぼいCPU(AMDではグラフィックが一緒になっているので,APUと言っていますけどね)を使ったのがたたり,ここ数年は遅くて腹が立つ,と言う状況でしたから,そろそろ作り替えようかと思っていました。それに,bluetoothがどうにも使いづらく,せっかくFILCOのワイヤレスキーボードを持っているのに,2回に1回は認識しない,と言う問題があって,いろいろドライバをいじったりしても直らないので,あきらめて有線のキーボードを使っていたりしました。
☆マザボ&CPU
PCの自作,というのはそもそもマザボ選びであるわけですが,今回,とにかくiruchanは小さいものが好きなのでmini ITXにしました。これ,最小170mm×170mmなので,非常に小さいです。
マザボのサイズを決めちゃうと,次はCPUですが....。
iruchanはいつもならAMD派なので,AMDから選びたいんですけど...。
実は,Amazonでマザボを見ていたら,ファンレスものがあるではないですか!
これにしよ,と思いました。
iruchanは仕事でファンレスのPCを使っているんですけど,何より小型だし,ファンがないので静かなのにはいつも感心しています。いつか,自作してみたい,と思っていましたが,まだ本来は産業用のPCなので,民生用としては販売されていません。そんなに値が高いものではないのですけど.....。
JR東日本の電車など,車内に液晶モニタがついている電車が増えてきましたけど,これ,ほとんど,産業用の組み込み型PCというのを使っていて,台湾AAEON社の産業用PCを使っています。
性能は低くてもよいが,とにかく安定して動作してほしい,というニーズがありますけど,電車などはまさにこれで,振動も激しいし,特に温度条件は厳しく,高温に耐える必要があるのに,ファンがあるとそれ自体が寿命があるため,信頼性が低くなってしまいます。
そこで,筐体自体を放熱器にして,CPUや内部の熱を筐体で放熱しよう,と言うアイデアに基づいて設計されています。また,記憶媒体も動く部分があると故障の原因になるため,SSDを使っている場合がほとんどです。
温度的には驚くべきもので,周囲温度60℃でもWindowsが動く,なんてものもあります。
実際,iruchanも実験しましたけど真夏の炎天下にノートPCなんかを持ち出した日にゃ,5分と安定して動作しませんけど,こういう産業用のPCはちゃんと動きます。
と言う次第で,1台欲し~な~と思っていましたが,自作することは難しく,あきらめていましたが,すでにファンレスのマザボが市販されているようです。HTPCと言って,ホームシアター用に静かなPCとして使われているそうです。そう言うニーズがあるんですね。確かに,CPUのファンはうるさく,それがブンブン言っている環境では落ち着いて映画も見られませんよね.....。
と言う次第で,何社か出しているファンレスマザボを使いました。条件としては,VGAがついていることと,できればWiFiがついていることです。iruchanの液晶モニタは古くて,CPRM非対応なので,VGAがないと地デジDVDのディスクを見られませんので.....。といって,mini ITXだとHDMIのみ,というのも多いので注意が必要です。
候補はいつも使っている,AsusのPRIME J4005I-Cにしようかと思いましたが,CPUがCeleron Dual-core J4005のため,クアッドコアのJ4105を使った,ASRockのJ4105-ITXにしました。ASrockは一度も使ったことがないので不安ですが.....。
ファンレスなので,CPUを覆うように大きな放熱器がついています。オーディオ部にはELNAのオーディオ用コンデンサをおごっています。リチウム電池も日本製でした。
残念ながら,AMD派なので,AMDのGPUを使ったファンレスマザボを探しましたが,ありませんでした。あるかも。
CPUオンボードなので,CPUで悩むことはありません。また,値段はマザボとCPU別々に買うより断然安いです。この組み合わせだと15,000円以上するでしょう。それに,途中でCPUを載せ替えることはできませんけど,iruchanは過去,1回しかやっていません。CPUを載せ替えるくらいなら,マザボごと交換しようと考えています。
メモリはDDR4ですが,ASrockのマザボはノートPC用のを使うので間違えてはいけません。Asusのはデスクトップ用でした。買ったのはTranscend製の8GB1枚もの。mini ITXだとメモリスロットが1カ所しかないものもあるので,4GB×2という具合にはいきませんので,お気をつけください。
残念ながらWiFiはついていないのですが,M.2スロットはついているので,後付けしたいと思います。また,ファンレスPCは産業用に使われることが多く,少なくなってきているVGAがついているものがありますし,今回のASrockのは驚いたことに,もはやノートPCにもついてない,COMポートがついていました。
☆ケース
さて,やはり小さいPCと言うことなので小さなケースを探したいと思います。
前作はmini ITXケースなのに,巨大で,机の下に置いているんですが,邪魔でしようがありません。当時はこれでも小さかったのですが,やはりキューブ型はでかいです。
最近はAmazonなんかを見ても、弁当箱くらいの結構小さなケースが出ていますね。
といって,あまりに小さいものはHDDが1台しか積めないのがほとんど。最低,ケースの高さ(幅)は60mmくらいは必要です。
iruchanは,必ずデータ用に,C:ドライブとは物理的に別なドライブを用意することにしているのでHDD2台収容可能というケースが必要です。別に外付けでもいいんですが,それじゃ,また邪魔ですしね.....。
こうしておくと,C:ドライブがクラッシュしても,データは助かるし,OSの再インストールをするときでも,データ用HDDの電源を抜いておけば,間違ってデータ用をフォーマットする,なんて間抜けなトラブルも防げます。
ということで,iruchanはC:ドライブは125GBのSSD,データ用はE:ドライブとして500GBを積んでいます。いずれ,2TBくらいにしようと思っていますが,今回はドライブ類は前作を流用するので,コスト低減ができました。こういう点,PCを自作するメリットのひとつですよね。
今回,ケースは中国製の全アルミ製の弁当箱くらいのサイズのものにしました。大きさは197×197×60 mmです。
これでもiruchan的にはまだ大きいのですが,HDD2台を収納できるもの,と言うとこれが最低サイズくらいだと思います。
結構,シルバーのカッコよいもので,届いてみると,メッキがしてありました。アルミだから,アルマイト加工してあるのか,と思いましたけど....メッキの方がアルマイトより安いんでしょうか。多少,縁にバリがあるのが気になりますが,ダイカスト製のボディはとても丈夫だし,格好もよいです。
こう言うの,Amazonでも売っているんですが,残念ながら,フロントパネルにUSBがないものがほとんど。これは困りますね~。挙げ句の果て,縦型になっていて,てっぺんについているものもあります。
買ったのは正面にUSBスロットがあり,残念ながら,USB2.0なのは残念ですけど,ないよりマシです。
電源はHTPC電源なので,DC12V入力のものです。
マイクロATXなどのケースと異なり,mini ITXだと電源非内蔵というものも多く,これもそうなのでACアダプタ仕様です。
仕方ないので,ACアダプタを買わないといけないんですけど,12Vのアダプタなら手持ちがたくさんあるし,それでいいや,と思って買わなかったのですが.....。
ここで落とし穴にはまっちゃいました。
本機は5Vの電源も必要なため,別途ACアダプター電源キットを購入し,ATX電源と同じ機能を持たせる必要があります。5VのDC/DCコンバータを内蔵しています。これはAmazonで2,000円ほどでした。それをマザボの電源ソケットに差し込んで使います。SATAなどの電源も出力してくれ,コネクタもついています。
ところが.....。
この電源キットはDC12Vを入力としているのですが,ACアダプタのプラグが外径5.5mm,内径2.5mmセンタープラスのものが必要です。
非常によく見かける,ごく普通の5.5mmのプラグなんですけど.....。内径はφ2.5mmでした#58944;
以前も書きましたけど,φ5.5mmのプラグは2種類あり,内径が2.1mmのものと2.5mmのものの2種類があります。
まあ,iruchanはどちらも半々くらい,と思っていたのですが.....なんと,12Vはほとんどが2.1mmのようです。
秋月電子やマルツも,12VのACアダプターはすべて内径2.1mmのものでした。iruchanの手持ちも全部,2.1mmです。
これじゃ,この電源キットに入りません。
今,このタイトルの本がベストセラーになっていますね。来年,映画化もされるようです。まあ,確かにそんなに簡単に入らないものだし,よく,離婚理由として,性格の不一致といわれますけど,実際には性器の不一致というのも多いと聞きます。中学生が1回セックスしただけで妊娠する,なんてよく聞きますけど,そんなに簡単に入るものじゃなく,ちょっと信じられないのですけど.....。
しかたないので,ACアダプタのプラグの不一致,というのもシャレにならないので,手持ちが結構あるのでプラグだけつけかえてもいいのですが,余ったのは全部実家に置いてあるし,1個,買うことにしました。
といって,わざわざ内径が2.5mmのものだけ買うのも馬鹿らしいので,各サイズのプラグと,電圧が変えられるタイプのものを買いました。
出力電流は2Aなので,ちょっと心細いのですけれど.......でも,なんともありませんでした。Windows10もちゃんとインストールでき,起動してからも突然電源が切れる,と言うことはありません。ACアダプターもまったく発熱していませんし,問題ないと思います。ただ,基本的には60VA(12V,5A)級以上のものが必要だと思います。
中央の赤いロータリーSWで、出力電圧を切り替えられます。
☆パイロット&HDDランプについて
さて,ケースはAli Expressに注文しました。よく似たものは売っていますが,同じものはAmazonでは売っていません。やはりAliの方が安いし,なによりAmazonばかりで買うのもなんだし,Aliも驚いたことに大部分,送料無料なので助かります。今度のもケースは$45でしたが,送料無料で,深圳から送られてきて,11日で届きました。
そういえば,昔はネット上にもパーツ屋さんがたくさんあって,部品買うのに,お店を選ぶだけでも苦労するくらいでしたけど,改めてネットを探しても部品屋さんがありませんね。Two Topもパソコン工房に買収されて,部品も中古部品ばかりです。だから結局,Amazonばかり....ということになっちゃうんですよね~。
あとは,普通だったらメモリを取り付けたマザボをケースに取り付け,電源キットを取り付けて,HDDやドライブをSATAケーブルで接続し,フロントパネルのLEDや電源スイッチの配線をして終わり,なんですけど,本機はちょっと工夫しました。
電源SWは周りにLEDがついていて,照らされるようになっています。
ところが....。
予想通り,LEDはやはり青色。青色LEDは好きじゃないので,これは電球色LEDにしようと思いました。青色LEDははっきり言って,趣味が悪いと思っていますが,中国製品はこれ見よがしについていますね~。中国の人は青色が好きなんでしょうか。
ついでに,電源用のパイロットランプと,HDDのアクセスランプ用のLEDをつけようと思います。C:ドライブはSSDなので,ランプがないとSSDが動いているかどうかわかりませんからね。ところが,残念ながら,マザボにはHDD LEDのピンヘッダがついていますが,ケースにはLEDがついていません。
じゃ,まあ,どうせアルミ製だし.....ということでφ3.0mmの穴を2つ開けて,これらのランプにしました。
基板だけの状態なら,ちゃんと点灯するんですが......#58944;
またまたところが.....。
ちゃんと基板だけの時は3つのLEDが点灯するのに,ケースに取り付けると点灯しません。
どこか,電源ラインがケースに触れているかと調べてもそうはなっていません。
よくアンプを作っているとありますけど,プリント基板をねじで固定したあととか,フタを閉めた途端,音が出なくなることがありますが,たいていは,こういう場合,どこかでハンダミスがあったり接触不良があったりするのが原因なのでいろいろ調べてみたのですが.....。
どこにもこうにも原因箇所が見つかりません。
ようやく,電源用のLEDをアルミパネルにはめると点灯しなくなる,と言うことに気がつきました。
なんで~~~ぇ~っ!!
そもそもLEDは樹脂でできているし,完全に絶縁しているので,パネルに固定すると点灯しなくなる,というのはあり得ないと思います。もう,まるで超常現象。電子工作しているとこういう現象に遭遇しますけど,まさかパソコンの単にLEDを点灯するだけの回路でこういう現象に遭うとは思いもしませんでした。それも,もし,ハンダ付け不良なら,パラにほかのLEDが接続しているので,全部点灯しなくなる,と言うのもわかりません。
オレンジのLEDはHDD表示用です。別に何色でもいいんですけど,iruchanは暖色系のLEDが好きなのでオレンジにしました。マザボ上のHDD LEDというヘッダーピンに差せばOKですが,やはりそのままじゃ,明るすぎるので,3.3kΩを挿入しています。
しかたないので,そのまま,パネルに点灯する状態で少しだけ挿入しました。原因がよくわかりません。一応,これらのLEDはマザボに端子がついているので,何らかのノイズを拾ってCPUが点灯しないよう,端子の電圧を制御しているのか,と想像しています。
ということで,これで半日潰れちゃいました。
電源はピンク,HDDはオレンジにしました。とてもきれいです。
☆OSのインストール
ここまで来たら,いよいよモニタとキーボード,マウスをつないで,電源を入れています。
無事にBIOS設定画面が出たのでひと安心です。
それにしても "出口" ってなんだよ~~
驚いたことに,ASrockのBIOSは日本語にできます。日本語のBIOSというのは初めて見ました。
さて,C:ドライブは,前作からの流用で,PLEXTORのSSDを使います。
あわよくば,同じC:ドライブなので,Windowsの修復セットアップでいいか,と思ったのですが,これはダメで,最初から,領域確保→フォーマットに進まないといけないようです。WindowsXPや8だと,修復セットアップ画面が出て,そこから再インストールでしたけど....。
また,旧C:ドライブをつないだだけでは,OSインストール画面に進みません。起動ドライブと呼ばれる,USBメモリが必要です。
iruchanは別にDVD-Rでもいいんですけど,Windows10のセットアップディスクのイメージをUSBメモリにコピーして起動しました。Microsoftのホームページの,Windows10のダウンロードというページにあります。
これ,すでに何回かやりましたけど,非常に速いですね.....。ものの10分ほどでWindowsのインストールが終わっちゃいます。かつてはHDDのフォーマットに数時間,OSのインストールで2時間,という感じで,遅かったですけど....。ずいぶんと速くなったものです。
これで通常通りWindowsが起動しますが,特にビデオのドライバがMicrosoftのデフォルトのドライバなので,解像度が低いです。ASrockのマザボの箱に入っているDVD-ROMでグラフィックほかのドライバを入れて何度か再起動してOKです。
☆ ☆ ☆
こうしてようやく新しいPCが起動です。なによりファンレスだし,HDDも1個はSSDなので,たまにデータドライブがカリカリ言うくらいで非常に静かです。もう,動いているかどうかわからないくらい,静かなのは感激です。やはりファンレスはいいな~と思っています。それに結構,速い。会社のPCより速い,と思えるくらいなのでストレスはありません。特に,ネットを見ていても,Chromeの応答が速く,いいです。それにしてもChromeって重いんですね~。前のPCでも,本機でもCPU100%になっちゃうのはどうかしていると思います。ほかに,前作では再生できなかった,Bluerayも再生できて満足です。再生ソフトもPCも対応しているはずなのですが,どうしても再生できませんでした。
いろいろトラブって,結局,きちんと起動するまでに2日かかりましたが,ようやくファンレスPCが完成です。来年からはがんばってもらうことにしませう。
最後になりましたが,本年もご愛読,大変ありがとうございました。iruchanは今年は喪中なので,新年の挨拶は欠礼させていただきます。皆様よいお年をお迎えください。
☆ ☆ ☆
2020年8月3日追記
LEDをパネルに取りつけたら点灯しない,という現象,原因がわかりました。
なんと,LEDのチップ部分がモールドの外に出ていて,アノードがパネルに接触していました!!!!
モールドの中に閉じ込められてないといけない部分なんですけど....。完全に絶縁されているどころか,ショートしています。
あきれちゃいました。
これ,秋月電子で売っている,OSK5DK3131Aという香港Optosupply社の製品ですが,深圳で作っているようです。同社のLEDは安いし,秋月でたくさん売っているのですが,この会社の製品はどれも調べてから使う必要があるようです。オレンジや青色のも触ってみると露出しているようです。
親切に秋月にメールで教えてあげたのですが.....返事はありませんでした......orz。またクレーマーか,と思われたのでしょうか。
と言う次第で,同社のLEDは一度,調べてから使うことをお薦めします。