2015年5月6日の日記

 LP-2024A+

ゴールデンウィークですね~。今年は天気もよくお出かけ日和でした。残念ながら私は引っ越したばかりであまり遠くへ出かけず,近所を回りました。

 

近所の神社にて。湧き水だそうです。でも,いる亀は全部ミシシッピアカミミガメでした.......orz。

さて,先月中国Lepai社のLP-2020A+と言うアンプを買いました。 

ただ,音がよい割に周波数特性が悪く,品質も不安があるため,改良が必要です。先月はずっと改造をしていました。詳しくはブログをご覧下さい。

と言う次第ですが,あまりにも安く,音がよいのにびっくりで,改良するとずっとよくなりますので何枚ものCDを聴き直しているところです。

そこで,結構気に入ったのでもう1台買おうかと思いました。デザインもシルバーとブラックの2種類ありますしね。私が前回買ったのはシルバーなので今度はブラックを買おうかと思いました。

ところが.....。ちょっと異変に気づきました。

私がアマゾンで買ったのは先月8日のことですが,あらためてアマゾンを見てみると,どれも値段が高くなっていて,私が購入したマーケットプレイスのお店の商品一覧を見ても,すでに同じアンプは消えていますし,ほかの出店者も数が減っているようです。

使用しているIC TA2020のメーカであるTripath社はすでに倒産してこの世に存在しませんし,セカンドソースもないため,新規に供給はされません。Lepaiも実際にアンプに使用しているICは抜き球ならぬ抜き石という話があり,私のアンプのICを見ても薄汚れていて中古品というのは明らかです。どうも聞くところによるとパチンコ台の基板から外しているらしい.....。確かにパチンコ台だと大量に製造されてすぐに廃棄されますから,いままでは割に潤沢に手に入ったのかもしれませんが,とうとう払底しつつあるのかもしれません。

と言うことで,さすがに市場からICが消えてアンプ自体も消えていこうとしているんではないかと思います。 Lepai社も最近は後継機としてLP-2024A+というアンプを発売しているようです。

まあ,色違いで全く同じ機種を買うのも何だし,ちょっと前に買ったものより高くなっているのもバカバカしいので,後継機のLP-2024A+のブラックを買うことにしました。

でも,何かLP-2024A+はちょっと高いんですよね~。ACアダプタ付だと4,000円超えるものが多いです。ACアダプタは邪魔だからなしでいいや,と思っても結構値段がします。

仕方ないので,アマゾンで一番安いところに注文しました。

ところが,注文した時点では翌々日の4月27日到着と出ていたのに,店からは中国からエアメールで発送します,と連絡が来てびっくり。注文後に注文履歴を見ると到着は5月14日以降,となっています。このやろ~~!

問い合わせるのも面倒なので放っておきましたが,どうも店自体は中国にあって,直接,中国から送ってくる様子。 こんなのちゃんと書いておいてほしいですね。LP-2020A+を買ったお店はちゃんと日本に店があって,すぐに届きました。

 

     一体,中国のどこから来たのかもわかりません.....(爆!!!!!)

まあ,とりあえず5月3日に届いたので,よいとしましょう。関税も取られませんでした。おかげで何とかGW中にいじることができました。

早速,開けてチェックします。

箱はLP-2020A+のときはLepaiと書いてありましたが,今回は段ボール箱も筐体も中の基板もLepyと書いてあります。米国向けにブランドをLepyと変えたようですが,本格的にLepyで統一するようです。

 箱

ACアダプタ付の場合の段ボール箱のようです。アダプタなしで買ったのでその部分は空になっていました。 

早速,電源を入れて音を聴いてみます。 きれいな音が出ました。ホッとします。

ついでに,この状態でダミー抵抗をつないで周波数特性を調べておきます。前回のLP-2020A+は低周波の特性がひどかったので,チェックしておきます。

 入力は左右逆です! 

オシロで波形を見てもどうしても低周波発振器の出力が出てきません。もしや....と思って入力端子を左右逆にするときちんと正弦波が見られました。なんと,RCAのピンプラグ入力は逆になっています。LP-2020の初期の頃もこうなっていて,皆さんピンプラグを逆に差して使っておられるようですが,前回のLP-2020A+は正常になっていて,油断してしまいました。

コードを差すのを逆にすればいいだけなんですけど,工作マニアなので,これも直すことにします。

早速,ふたを開けてみます。パネルはTORXのねじを使っているので特殊工具が必要です。前回のブログを参考にしてください。 

 オリジナル基板

基板はLP-2020A+と同じ電解コンデンサが使われています。割にきれいなデザインで,高級そうな電解です。OPアンプはLP-2020A+は新日本無線のNJM4558でしたが,本機はテキサスインスツルメンツのNE5532Pが使われています。オーディオ用として定評ある石ですね。オリジナルはシグネティクスです。NEという型番がそれを示しています。テキサスが買収してからも同じ型番で製造されています。GB積も4558が3MHzなのに対し,NE5532Pは10MHzで広帯域ですし,ノイズ密度も4558が8nV/√Hzに対し,NE5532Pは5nV/√Hzですから,LP-2020A+より性能はよいでしょう。

残念ながら初期のものは基板にソケットがついていたようですが,私のは基板直付けでした。これじゃOPアンプの交換ができません。スルーホール基板なので,DIPのICでさえ,取り外すのは厄介です。まあ,NE5532Pは音がよいOPアンプですから,このままにしておこうと思います。 

 Tripath TA2024

ご本尊はTripathのTA2024に切り替わっています。おそらくTA2020の在庫が底をついたのでしょう。これだってとうに製造中止なので,いつまでアンプが製造されるか不安です。

残念ながら,周波数特性はやはり悪く,低域は-3dBで40Hzといったところです。この点はLP-2020A+と同じようです。原因は初段の入力に使われているカップリングコンデンサの容量が小さすぎることだと前回まででわかっていますので,この点から改良していきます。

 入力部です。ピン端子は金具を逆にしました。

入力のカップリングコンデンサはオリジナルは無極性電解の2.2μFが使われていました。LP-2020A+だと積層セラミックでした。セラミックは音が悪いので,LP-2024A+は改良されているようです。でも,ここは最低10μFが必要です。10μFでいいとするとWIMAのフィルムコンがありますが,やはり大きすぎ,入りそうにないので今回も電解コンデンサですが,サンヨーのOSコンが手に入ったのでそれにしました。大きさもぴったりです。高周波特性はフィルムコン同等と言っていいくらいよいものです。残念なことに三洋電機が消えてしまったので,OSコンも市中在庫のみなのか,と思ったらPanasonicが生産を引き継いだようです。ホッとしたのですが....。やっぱり残念ながらこのリードタイプのものは品種が少なく,16V 39μFなどはもう製造されていないようです.....orz。

途中のNE5532PTA2024の間のカップリングコンデンサはオリジナルは同じ無極性電解が使われていましたが,ここはニッセイの積層フィルム2.2μFと置き換えました。 

なお,RCAピンプラグの入力が左右逆という問題に対しては,上記のRCA端子の金具を取り外して左右逆に差し込んで解決です。ただ,どうしてもここは接触不良になりやすいので,RCA端子をケースにつけることにしてシールド線で基板に配線した方がよかったと思います。

また,周波数特性を取ったときに気づきましたが,左右でゲイン差があります。バランスボリウムがあれば調整できますが,本機にはないので,基板上の抵抗で調整します。Rチャンネルが0.7dBほど小さいので,入力に入っている抵抗による分圧回路を少しいじりました。チップの1kΩをRチャンネルだけ,910Ωにしました。これでゲインの差は0.2dB程度となりました。 

 電源部。2200μFは移設しました。

電源はやはりフィルタコンデンサをオーディオ用に交換します。今回もニチコンのオーディオ用標準品FWシリーズにしました。オリジナルは2200μFがついていますので,これを3300μFにしました。ケースの高さの制限がありますが,4700μFでもよかったかもしれません。捻出したもとの2200μFはOPアンプの電源に入っている470μFと交換しました。上級品のファインゴールド(FG)シリーズなど,オーディオ用のものは若干大きく,同じ容量でもケースに収まらないことがあるのでご注意ください。

ついでに,前回同様,スイッチにはスパークキラーをパラにしました。 

 出力のLPF

デジタルアンプなので,1MHzくらいの高周波をPWM変調して出力します。最後の最後にローパスフィルタを通して低周波分のみとしてスピーカを駆動します。

この部分は良質の部品が必要で,前回のLP-2020A+はオリジナルもフィルムコンをおごってありましたが,今回は積層セラミックです。さすがにこれじゃダメと言う気がするので積層フィルムにします。今回はPanasonicの積層フィルムコンデンサに交換しました。

なお,LepaiのアンプのLPFはスピーカが4Ω用に設計してありますので,Tripathの規格表にあるとおり,8Ω用に定数を変更しました。基板上にある,C32, C33, C36, C38をそれぞれ0.22μFに交換します。本当言うと▼のf特を見ると0.1μFくらいが正しいのかな,と言う気もするのですが,あくまでも測定は純抵抗を使っていて,スピーカじゃありません。厳密に言うと,LPFの定数はスピーカを使わないと決まりません。それに,Tripathなど,メーカの規格表に載っている数値はいろいろと実験した結果でしょうから,規格表どおりにしておきます。

ついでに,インダクタを交換したいところですが,今回は部品手配が間に合わず,もとのままです。東光のデジタルオーディオ用と称するDASM1620は直径がφ17mmもあり,でかすぎて使えませんでした。

 改良後の基板の様子 

さて,ここまで来たらオシロと発振器をつないでチェックします。 

 周波数特性

大幅に低周波が改善され,10Hzでも-1.2dBといったところです。高周波もLPFの定数を8Ω用にしたので30kHzのピークが1.3dB→0.6dBに抑えられています。全体として,15Hz~45kHz(-1dB)といったところです。

 パネルは電球色LEDにしました

最後に,ボリウムつまみのまわりの照明はまた電球色LEDにしました。なかなかいい感じでしょう? 

【試聴記】

早速,デイヴ・ブルーベックの "TAKE FIVE" を聴いてみます。アンプと一緒にアマゾンに注文していました。3枚組で893円というのは驚き!

 レーベルが泣かせる~~っ!

あまりにもHiFiなのに驚き。クラリネットの響きの豊かさにも,シンバルのすきとおった響きやスネアドラムをブラシで叩いたときのシャッ,シャッという響きの繊細さにも感激します。 やはり音のよいアンプだと思います。

それにしても "TAKE FIVE" 凄すぎ! ここんところ毎日聴いています。

さて,LP-2020A+との音の違いですが,ほとんどありません。どちらを買ってもよいと思います。まだ,LP-2020A+の方が安いし,今後,こちらの方が入手難になるでしょうから今はLP-2020A+を買っておいた方がよいかも。

でも,OPアンプがNE5532Pだし,入力のカップリングもOSコンにしたので,どちらかと言えば本機の方が音がよい感じがします。 次はLP-2020A+の方のカップリングコンデンサとOPアンプを交換してみることにします。

 

なお,本ブログには続きがあります。まだ読んでみたい,という奇特な方は続きをどうぞ......。 

 

2015年12月12日追記

本機はLとRが逆になっていましたが,うっかり,ミニステレオジャックの方を調べるのを忘れてしまいました。こちらも逆になっています。

本ブログのようにRCAジャックのところでLとRを交換すると,ミニステレオジャックの方が逆のまま残ってしまいます。

RCAジャックの後,基板の裏側(下側)で入力のカップリングコンデンサへ行くまでの間やカップリングコンデンサから音量調整用のボリウムまでの間で基板のパターンを切り,そこで入れ替えた方がよいです。