2010年4月25日の日記

いよいよ機関車も国鉄型が消えつつあります。東海道線もEF210を見かけることの方が多くなりましたし,地元の北陸でもEF81よりEF510を見ることが多くなりました。ディーゼルの方はと言うと,幸い,DD51の方はDF200がすでに登場していますが,本州への投入はないようで,まだ後継の機関車が登場しておらず,しばらくは安泰という感じです。ただ,ハイブリッドのHD300が来年から量産されるようで,DE10から置き換えが始まるようなので,今後の動向が注目されます。でも,本線用のDD51の置き換えだと出力が2000psくらいはいりますから,HD300の踏面出力で660psというのはまだまだ力不足です。次期DD51後継機はどんな機関車になるのでしょうか。

さて,模型のDD51は何両か持っていて,つい最近もマイクロエースの貨物更新機を買ったばかりです。こう言うのを買ったりしていますが,鉄道模型の国鉄分割民営化反対派としては,オリジナルの国鉄色のものが一番だと思います。中でも気になっているのが3つ目と呼ばれた五稜郭機関区にいた,ボンネットに1つ,補助灯を追加したタイプです。これ,最初に見たのがRail Magazineの創刊2号で,なんてかっこいいんだろうと思いました。あらためて本棚を見たら'84.3月発行ですね。

私も北陸出身なので,特に吹雪くともう前が見えなくなり,冬の雪道の怖さはよく知っているので雪が降ったら車を運転しないことにしていますが,北海道ではなおさらで,吹雪いているときに少しでも視界を確保するために補助灯がつけられました。五稜郭機関区配置の5両(710, 716, 741, 742, 745)に補助灯がつけられています。このうち,741以降の3両が本州に帰ってきました。745号は磐越西線で客レを牽いたりして最後まで人気者でした。

模型もぜひほしいと思いましたが,Tomixから人知れず出ているのは知りませんでした。'95年に磐越西線の客車列車が廃止になるときに 92905 "なつかしの磐西客レセット" としてDD51 745号が50系客車4両とセットで発売されていました。何とか入手したいと思いましたが,もう15年ほども前の発売でとうに市場にはなく,ヤフオクで何度もトライしてようやく入手できました。オク価格は1万円以上するようですが,安く落札できました。

  ヤフオクで入手しました

ところが.....。あれほどほしかったのに,いざ手にしてみるとがっかりです。スプリングウォーム駆動式のかなり古いTomixのDD51で,ディテールも甘く,今の感覚から見れば非常に寂しい出来です。本来なら,メーカ製のものには手を加えない主義なのですが,さすがにこの状態では走らせる気がせず,いろいろと手を加えようと思いました。

    

                     オリジナルの状態

特に,寂しいのは端梁。アーノルトカプラー仕様なので開口部が大きいのは仕方ないとして,スノープラウすらなく,非常に寂しいです。ボディも何か変。よく見たら手すりやHゴムがまったく色差ししていなくて,目立たないんですね。また,ランボード横の側梁がプラの灰色のまま。ここは白で塗られていますね。それに期待していた補助灯も電球仕様なので暗くて,ほとんど目立ちません。

まずは端梁部分の改良をすることにします。

ところがボディの外し方が現在のものと違っていて,わからない。ようやく,下部の燃料タンクについているネジを外すとボディが観音開きみたいに上に開くので,キャブを外せることがわかりました。現行のTomixやKATO,マイクロエースのはまず,キャブから外すのですが,この頃のTomixのDD51は床下からですので,ご注意ください。

    燃料タンクのネジが前後のボンネットを留めています。

 ボディの前側はこのツメを外します

とりあえず,もとの端梁部分をニッパーで切って,ルーターとヤスリで形を整えます。幸いにもKATOからassyでDD51エンドビームとデッキ手すりが発売されていますので,これを使います。また,ついでにTomixのEF63用ブレーキホースというのも買ってきました。端梁に取り付けようと思います。

 今回使用するKATOのassy

 もとの端梁部分

 こんな風に加工しました。

 完成した端梁部分

TomixのEF63用ブレーキホースはφ0.5mmの穴を開けてそこに差し込みました。あとからブタノン(メチルエチルケトン)で接着しました。

さて,実を言うとちょっと悩んだことがあり,今回,KATOのassyでDD51後期耐寒形の手すりを使用しましたが,↑ の写真のように重連用ジャンパ受けとSGホース受けが赤く塗ってあります。ところが,磐越西線の745号の写真を見るとここは白。本来なら赤のはずなのでおかしいなと思ったら五稜郭時代は赤だったようです。どうも新潟に来てから白く塗られてしまったようです。他の710号などはちゃんと赤のままなので,このままにしておきました。 

次は台車。スノープラウをつけてやろうと思います。カプラーは当然KATOのナックルカプラーです。いつもの通り,今回のDD51はMカプラーなので,交換が厄介です。EF30のときと同様,M1.0のネジを使って取り付けます。EF30のときはナットをスペーサと兼用して高さを調整しましたが,今回はスノープラウにM1.0のタップをたてて,スノープラウの取付と同時に,カプラーの高さ調整をします。

肝心のスノープラウですが,KATOもTomixもDD51用のを発売していませんね。この前のEF15用のスノープラウが使えるかもしれませんが,GMのものを使いました。結局,これの方がネジ留めできてよかったかもしれません。

   台車(裏,表)。スノープラウとナックルカプラーをつけました。

ようやく台車が完成です。まず,スノープラウにM1.0のタップをたててカプラーポケットに差し,裏からM1.0のネジで固定しました。そのネジにナックルカプラーを差してあります。

前照灯はいつもの通り,電球色LED化します。もとの基板についていた,電球とダイオードを撤去し,それぞれ元の場所にLEDと電流制限抵抗(1kΩ)をハンダ付けしました。使ったLEDはいつものHRD社のφ3mmのリードタイプのものです。ただ,LEDの場合は保護用のシリコンDiをつけておかないとLEDが壊れますので,ご注意ください。

     

      オリジナルの電球使用回路           電球色LED化後の回路

 LED化後の基板

     LEDの根元に保護用のシリコンDiをハンダ付けしてあります。

最後に,ランボード部分を塗装します。最初に白で吹いて側梁と手すりを塗った後,マスキングして濃灰色で塗りました。

ボディの手すりとHゴムは烏口で塗りました。スノープラウもないとしまりません。Hゴムは745号は新潟での写真では黒ですが,北海道時代は白だったようです。

 前照灯も明るいです。

前照灯のみならず,ボディの改造までやらねばならず,大幅な改造となってしまいました。でも実感度は大幅アップと言うところでしょうか。運転会が楽しみです。