金田式IVCイコライザ搭載プリアンプの製作~その2 試作・測定編~ [オーディオ]
2021年11月3日の日記
前回から2ヶ月が経ちました。No.251 ダブルアーム対応超多機能プリアンプ(MJ '17.2,3月号)を作っています。ようやくプリント基板も完成したし,テスト用の電源も準備できました。
実験なので,ミクシングアンプはLF356Hでも使ってやるつもりです。この基板で一応,OPアンプ使用のミクシングアンプまで載っています。
プリント基板はいつも通り,感光フィルムを使って自作しました。
残念ながら,SEコンが製造中止になる関係で品薄になっていて,15000pFと2200pFが手に入らないのでスチコンで代用です。
さて,テスト用の電源は+,-の絶対値が等しい電圧を出力するトラッキングレギュレータを作ったので,それでテストしてみます。
トラッキングレギュレータで±20Vを供給します。原設計では±25Vですが,±15Vくらいから動作するようです。ついでに,レギュレータ出力に1Ω 1/4Wの抵抗をかまして実験しています。こうするとトータル電流が簡単に測定できますし,何かあったらこの抵抗が焼死してくれて,基板を救ってくれますしね.....(^^;)。
まずはEQアンプから。
2個,半固定VRがありますので,調整します。
MJ '17.3月号が後編で,調整方法が載っています。EQアンプの出力につながっている7.5kΩとSAOCの2SK170BLのゲートを接地し,そのドレイン電圧を10Vにします。その後,配線を元に戻し,初段の2SA995のエミッタに入っている500Ωの半固定で出力のオフセットを0VにすればOKです。
う~~ん,でもこれ,やってみると非常に大変です。最初,後編は買い忘れたので,SAOCのFETのドレイン電流を適当にあわせていていたんですが,それでもちゃんとオフセットの調整ができるので問題ない,と思っていたのですが,よく観察すると+600mVくらいからー800mVくらいにオフセットが飛ぶ,と言う現象が出て,困りました。どうしても0V近辺だけ,オフセットが飛んじゃいます..... 最初,うまくいったのですけどね.....。
ようやく図書館で後編の記事を見つけて調整しました。やはり無手勝流に調整しているとダメですね....。
さて,今度は特性を測定してみます。きれいな正弦波も観測できるので,期待できます。
事前にLTspiceで調べておきましたので,結果を一緒に載せておきます。
━━と━━が実測結果で,……がLTspiceの結果です。予想していましたが,1kHzのゲインは55dBもあり,たった▲の回路でこれだけのゲインがあるのに驚きます。まあ,無帰還アンプだしこんなものなのでしょうけど,驚いちゃいますね。これでMCカートリッジも十分です。
ただ,前回も指摘していましたが,イコライザの定数は金田氏オリジナルでは低域に大きなピークができるので,560kΩを200kΩとしましたが,逆に200Hzくらいから低下しすぎてしまっています。
一方,LTspiceの方は1kHzのゲインが2.5dBほども大きく,また,イコライザ偏差は20Hzでも-0.1dBと小さいです。
う~~ん,なんでこれほどシミュレーション結果とずれるのかも不思議ですが,560kΩを240kΩとするとLTspiceでのシミュレーションでは+1dBくらいになるので,実機では偏差はほぼフラットになると思います。
次回,EQ素子を変更してテストしてみます。
また,金田氏の記事はまだイコライザアンプのあとにラインアンプがあり,そこでセレクターを経てミクシングアンプを使うのですが,イコライザアンプだけでプリアンプとしてのゲインは十分な感じです。
ということもあろうかと,ミクシングアンプはまだプリント基板を作っていませんし,なによりiruchanも電流伝送アンプは初めてでわからないことばかりなので,とりあえず実験用に,LF356HなどのOPアンプを使って反転増幅器をつくり,それでミクシングアンプの代用にしようかと思っていましたが,ミクシングアンプは不要なようです。
ラインアンプから直接出力するようにしたいと思います。