サブミニチュア管DCプリアンプの製作~その2・プリント基板,電源編~ [オーディオ]
2020年5月24日の日記
かつて,
月 月 火 水 木 金 金
―帝國海軍
だったらしいですが,
日 日 土 日 土 日 日
―iruchan
という毎日です。
コロナ禍で皆さん,大変なことになっていると思います。iruchanの場合はそうじゃなくて,もう会社からは何にも期待なんかされていないし,コロナ禍の前からなんですけどね.....orz。
さて,と言うことで,家で何か作れるものはないかと考えて,いろいろプロジェクトが進行中です。今日は,前回ご報告した,サブミニチュア真空管を使ったDCプリアンプの製作です。
今日は,プリント基板の製作過程と,電源部について,ご紹介します。
回路自体は,金田明彦氏がMJ無線と実験'03.12月号に発表された,DCアンプシリーズNo.174です。
もう,今じゃ,ずっと進化していて,電流伝送タイプになっています。初段もKORGと伊勢電子が共同開発した,Nutube 6P1ですね。iruchanもいずれ使ってみたいと思っています。
ただ,はっきり言って,iruchanの頭じゃ,電流伝送タイプはよく理解できないので,やっぱり昔ながらの電圧伝送タイプです。
回路自体は,金田氏も,最初はEF86+ECC81などの欧州管やWEの403A+396Aといった米国球で,iruchanもヒーター電圧違いの408A+407Aで作りました。記事はこちらをご覧ください。
ところが,MT管を使っても,電源は別筐体で,プリント基板も7枚以上必要,という大がかりなシステムで,iruchanは大きなアンプは嫌いなので,電源一体型で作りましたが,それでも半導体のパワーアンプ並の大きさになっちゃいました。それに,11球という多数の球を使うと,筐体の発熱はすごく,これじゃ,夏は使えそうにありません。
と言う次第で,サブミニ管で作ることにしました。
回路自体はほぼ,No.174と同じですが,真空管はEQアンプこそ,オリジナル通りで5702ですが,フラットアンプは同等管の旧ソ連製の6N16B-Vと6N17B-Vを使います。
ただ,前回書きましたけど,原型の米国球6111,6112とは微妙に特性が異なるようで,オフセット調整は少し手間取ると思います。WEプリの時も,AOCでちょっとトラブりましたしね。
また,金田氏はEQアンプ用に,105V→100Vとレギュレータを2段構成ですが,iruchanは小型化のため,リップルフィルタを使ってレギュレータ1段構成にしています。まずは電源部から。
☆電源部
電源は,金田氏は整流管を使っておられます。
ただ,さすがにWEの412Aや同等管のBENDIX6754はとても高いので断念します。それに,さすがにヒータ電力だけで2本で12Wも消費するのでは,ケースの中は熱くなりすぎです。といって,シリコンDiじゃ面白くないので,部品箱を探したら,Siemens製のセレン整流器が出てきたので,それを使おう,と思います。
セレンだと,国内ではオリジン電気や富士電機が有名でした。これはSiemens製ですが,ちょっとマークが変!
Siemensだと,最初の社名はSiemens und Halske AGだったので,SとHの組み合わせですが,これはよく見るとSとfです。
富士電機はSiemensと古河の合弁としてスタートしたのでSとfの組み合わせのマークです。だから,このセレンは富士電機が作ってSiemensのブランドで売っていた,要はOEMなのではないかと....。Made in Germanyと書いてあるのがちょっと疑問ですけど。
規格的には,B250 C75と書いてあるし,ネットを調べると250V,75mAの規格のようです。セレン整流器の場合,電圧は入力のrms電圧で表すので,250Vrmsまでは使用できる,と思います。
次の問題はトランス。
さすがに,前回,Rコアトランスを使いましたけど,あまりにも大きく,まいったので今回はトロイダルにしようと思いました。もう,Rコアは勘弁,って感じです。
とはいえ,最近はRSコンポーネンツなどでトロイダルトランスも安く売られるようになり,助かりますが,さすがにどれも産業用のものなので,せいぜい同一電圧の巻線が2つ出ているくらいのものばかりです。
真空管アンプだと,高圧1巻線,ヒータ用2巻線くらい必要なんですけど.....。
と言うことで,真空管用トロイダルトランス,と言うことだとカナダのPlitronが有名ですから,探してみますが,プリアンプ用はないようです。それに,高圧巻線もDCアンプなので,100V×2くらいの比較的低い電圧の巻線が必要ですが,どれも250Vくらいの巻線で,電圧が高すぎます。
Ali Expressを探すと,多少,真空管プリアンプにも使えそうな,トロイダルトランスが出てきますが,残念ながら1次巻線は230Vのみ。また,ヒータ巻線つきは少ないですし,あっても6.3Vのみでは,1次電圧が半分しかありませんから,足りません。まあ,それに,中国製というのもどうかな......って感じです。
困ったな~~。
と思ったのですが,オランダで真空管プリアンプ用トロイダルトランスを作っているところを見つけました。おまけに,ちゃんと1次側は115Vなので,日米で使えます。
RSコンポーネンツのトランスもだいたい,1次が115V,230Vの2系統のものが多く,欧州と日米で使いわけできるようになっているものが多いですが,このオランダの会社のもそうなっていて,使えそうです。
使うことにしたのは,2N1357と言うトランスで なんか,トランジスタみたいな型番だな,1次:115,230V,2次;120V×2,6.3V 2A×2という非常に使えるトランスです。サイズも,φ80mm×h39mmと非常に小型で,この前のWEプリの半分です。
オランダ東部ネーデと言う街にある,Amplimo BVという会社です。現地で生産しているようです。
ネットで簡単に買えました。たった1台でも売ってくれるのは驚きですし,ちゃんとPDFのinvoice(送り状)を送ってくれました。さすが,オランダは世界に覇を唱えただけあって,貿易に力を入れているので,親切です。日本からの注文でも簡単に買えるようです。
げ~~っ!
とはいえ,ホームページは英語で表示されるんですが,なぜか,最後のカード決済画面はオランダ語なので苦労しますけど.....。〒込みで€65.71でしたから,7,700円ほどです。
ペリー提督が浦賀に来たとき,日本の通詞がオランダ語で話をしてくるので,"こいつ何語でしゃべってんだ",と言うことになったわけですが,幸い,ペリー艦隊にオランダ語をわかるやつがいて,英語⇔オランダ語⇔日本語という形で会話したのを思い出しました。そういや,最近,▼フランスから半導体買いましたけど,そこも同じで,決済画面はフランス語でした。今はgoogleさんが通詞をやってくれるし,なんの問題もないのですけれど.....。
ただ,googleさんも日本語は苦手らしく,英語以外の言語だと,直接日本語にするとわけがわからなくなるので,英語に訳して読んだ方がわかりやすいです。
整流後はフィルタに入りますが,金田氏は2200μFという天文学的数字のフィルタコンデンサを直に入れています。
さすがに,iruchanは昔からの真空管マニアなので,整流管にそんなに大容量のコンデンサを接続することはできません。傍熱の整流管(6X5や5AR4など)でも47μFくらいにとどめておくべきだと考えます。
ただ,この場合,リップル低減量は当然,減りますので,何らかの工夫が必要です。
DCアンプマニアの中には,整流管のあと,LCのフィルタを入れておられる方もいらっしゃるようですが,これはこれでチョークコイルが磁界を発生しますし,何より大きいので場所を取ります。真空管プリアンプ全盛(もちろん,iruchanは生まれていません)の頃,電源にチョークコイルを使うのはタブーでした。そう本で読んだので,敬遠しちゃいます。まあ,当時は磁気シールドも不十分なチョークコイルだったのでしょうけど.....。それに,こちらで,L-CフィルタとTrによるリップルフィルタを比較していますけど,後者の方が断然高性能です。もう,iruchanはパワーアンプでもチョークコイルは使わないことにしています。
と言う次第で,iruchanは高圧Trを使ってリップルフィルタを挿入します。これを使えば,L-C型やC-R型のフィルタより効果ははるかに大きいので,ほぼ完璧にリップルは取れますし,時定数のせいで,高圧の立ち上がりがおそくなる,というメリットもあります。
問題は高圧のTrがあまり品種がないのと,iruchanみたいにTO-66のメタルキャンTrを使おう,なんて考えると絶望的なんですが.....。アホですね....。
高圧用メタルキャンTrについては,こちらにまとめておきました。ご参考にしてください。もちろん,TO-220などのモールドでよければ,たくさん品種があります。
使ったのは,前回同様,2SC1864,2SA653と言ったTrです。1個だけ,PNPの高圧Trはあまりいいものがなくて,モトローラの2N6421を使いました。VCEO=250V,IC=2A,PC=35Wという定格です。国産のものはVCEOがやはり低いです。今も現役のTrですが,MOUSERで2,000円以上します。iruchanはeBayで中古の取り外し品を20個ほど安価で入手しています。2SC1864は2SC1161でもいいのですが,耐圧がギリギリのため,代役です。
なお,もちろん,釈迦に説法ですけど,メタルキャンTrは外被がコレクタですから,感電には十分気をつけてください。シャシーと両方触らなければ問題ないんですけどね.....。くれぐれも気をつけてください。
と言う次第で,電源部の回路図です。
ちなみに,MJの回路図は,2SC1775Aのエミッタと5702のSGの交点に●がついていませんので,ご注意ください。どの号もおなじで,100Vレギュレータの回路図には誤記があります。
レギュレータの誤差増幅器にはEQアンプ用の5702を使うよう,指定されていますが,同等品の旧ソ連軍用6J1B-Vを使います。これは,まったく5702と同じ特性です。もちろん,5702はMTの6AK5や403Aと同規格です。
ところが.....。
驚いたことに,ウクライナから買った6J1B-Vには変な球があります。
なぜか,6111みたいに,電極が円形に引出されているんです。普通は5702同様,インライン(直線)配置のはずです。
左から5702(Raytheon), 6J1B-V(インライン配置), 6J1B-V(円形配置)
なんや,これ,って思いました。てっきり球屋のオヤジが間違えたのだ,と思いましたが,管壁には6Ж1Б-Вと書いてあります。
どうもネットを調べてみると,このタイプの6J1B-Vが存在するようです。
残念ながら,規格表が見つからないので,電極配置もわからないし,返品しようかと思ったのですけれど.....。
まあ,いらない子なのはiruchanも同じだし,かわいそうになって電源で使うことにしました。
幸い,拡大鏡で電極配置を調べた米国人がいるようで,ネットに出ていました。こういうの,米国人ってあの大きな身体の割に,まめな人がいますね......。
あとで,規格表つきでeBayで売っているやつを見つけました。その画像を見ると,ピン配置は間違いありません。
いったい,それにしても,どういう理由で,同じ型番なのに電極配置が違う球があるのか......ロシア人の考えることはようわからん......。まあ,それに,そもそも敵国の開発した真空管をたぶん,自国のミサイルに搭載していたのだと思いますけど,この辺もソ連の技術力不足なのか,米国も別に真空管なんてハイテクじゃないし,自由に輸出してメーカが儲ければいいや,なんてことだったのかなんなのか,よくわかりません。
そういや,零戦のク式帰投装置に米国製の真空管が使われていましたね。どうしてもRCAの6F7が国産化できず,開戦直前に東京電気が代替球UG-6P7Gを開発できたので何とかなった,というのは有名な話ですね。
ちなみに,ク式はクルシーの略ですが,ずっとiruchanはメーカの名前だと思っていましたが,メーカは半導体でも有名なFairchildで,クルシーは開発者のGeoffrey Kruesiの名前だそうです。でも,これだったらクルーシーだな.......。
また,ヒータ用電源は金田氏はLM338を使っておられますが,これはモールドのTO-220だし,5Aの定格なので,iruchanはひとつ下の3A定格のTO-3型のLM350Kにしようと思いました......。やっぱ,メタルキャンがいいので.....。同時期の開発で,同じナショセミだし,問題ないと思います。
また,LM317やLM350にはメタルキャンがあるのを知っていましたので.....。
ところが......。
RSコンポーネンツを見てびっくり!!
テキサスのLM350K(もう,ナショセミはテキサスに買収されて消えちゃいましたので.....)がなんと1万円超えです。LM338Kも同じです。IC1個で1万円とは驚き!! モールドのLM350ATなどなら350円ほどなんですけど......。
今どき,TO-3など,メタルキャンのものを作るとこんな値段になる,と言うことなんでしょうか。おそらく,それだけではなく,宇宙用とか,何か特殊用途向けなのでこれだけ高い,と言うことなんだと思いますけど。
こういうときはeBayで古い不良在庫品を探すに限ります。
やっぱり,新品のLM338KやLM350Kを@100円くらいで売っているやつがいるではないですか!!
でも,これはフェイク。LM350K steelなんて型番になっていて,ナショセミのSマークがついています。実際,テキサスもLM350K STEEL NOPBという型番らしいのですが....。
あまりに怪しいのでパス。どこか,中国の地下メーカが作って勝手にナショセミのマークを印刷して売っているのだと思います。実際,フェイクのLM338Kなどは5Aの定格なのに,1Aにもならない電流で切れちゃうそうです。ヒューズかよ。
と言うことですが,リニアテクノロジー製のLM350Kを安く入手できました。@$3.99でした。まあ,こんな値段が妥当だと思います。LT社はかつて,LM350Kを作っていたし,正規のセカンドソース品だと思います。
LM350やLM380,LM317は可変電圧レギュレータなので,GND端子に接続した2つの抵抗で出力電圧を可変できます。
またまた,ところが.....。
テキサスインスツルメンツのHPからLM338の規格表をダウンロードして,抵抗の計算式を見ると.....これじゃ,どうやって計算するんだよって感じです。
まあ,iruchanは過去,規格表の間違いを結構見つけていますので,今回もミスですが,規格表にまちがいあっちゃいかんな~,って思います。
日本語版は正しい計算式が載っています。
ということで,LM350Kを使おうかと思っていたのですが.....。
フランスで,SGSトムソン製のTDC2912KMという3端子レギュレータを安く入手しました。これ,ナショセミのLM7912同等品です。-12V,1.5Aの定格で,本機はヒータ用に,1.2A食いますので,ちょっとギリギリですけど,本機にぴったりです。
それに,-12Vだと,どうしてもフラットアンプ出力の下側の球がEh-kの定格がギリギリで毎回,問題になりますが,この点,少しでも楽になります。
まあ,WEプリで使った407Aだと90Vしかないので,前回,-40Vで点火しましたけど,今回,使用する6111や6N16B-Vはそれぞれ,200V,150Vなので+12Vで点火しても,問題ないっちゃ,問題ないんですけどね。
ただ,金田氏はそれでも-45Vのバイアスをかけて点火しておられます。今回,面倒なのでやめちゃう予定です。
☆アンプ部
次にアンプ部ですが,基本的に金田氏と同じ回路です。
ただ,フラットアンプには6111,6112の代わりに旧ソ連軍用6N16B-Vと6N17B-Vを使いました。
また,AOCのFETは,オリジナルは2SK170BLですけど,2SK30にしています。これは,gmが低いFETの方が,オフセット調整範囲が広いためで,前回,WEプリでは2SK170BLの調整可能範囲を超えてしまい,25Vくらいのオフセットが出てしまいました。
そのほか,レベルシフト用のTrはオリジナルは三洋の2SA1967ですが,今回,ここにメタルキャンの2N5416を使ってみます。TO-5のメタルキャンパッケージです。オリジナルはRCA? のようですが,iruchanはSTマイクロのものを使いました。今も現役で,高価ですが入手可能です。VCEO=300V,IC=1A,PC=1W(Ta=50℃)という定格です。2SA1967は900Vという耐圧がオーバースペックな割に,IC=10mAではちょっと心許ない感じです。音が悪い三重拡散型なのもちょっと気になっています。2N5416は音がよいとされるエピタキシャル・プレーナ型です。
EQアンプには,定電流回路が追加されています。WEやTELEFUNKENのMT管プリにはない特徴です。
☆ ☆ ☆
プリント基板を作りました。まだ一部,部品が足りないので未取り付けの部品があります。
今回,真空管を5702と6J1B-Vとで比較しようと思っているのと,やはり真空管はソケットがいるだろ,ということでソケットを使いました。せっかくサブミニ管なのだから,基板に直付け,と言うことも考えられるのですけれど.....。
やはりiruchanは真空管はソケットがないのはおかしい感じがします。
SIP7pinソケットを使いました。6J1B-Vのピンはさすがに50年経っているので少し錆びちゃってました。
IC用の,シングルインラインタイプの7pinと言うのがマルツなどで売られていますので使いました。ちゃんと真空管も差せますし,割にしっかり固定します。
EQ素子はSEコンじゃなく,スチコンにしました。ついでに,カップリングの0.4μFもスチコンです。もう,貴重品ですね.....。EQ素子のスチコンは日本製ですが,カップリングは旧ソ連製です。
6J1B-Vは米国系サブミニ管のように,●をペイントして#1ピンを示すのではなく,ガラスに←が刻印されています。
丸い円筒状のコンデンサはデカップリング用の0.1μFスチコンです。緑の抵抗はフラット電子のやつですが,ニッコームすら製造中止なので代替品です。でも,値段は5倍もしますね.....。もう,使いません。
LF356Hなどのメタルキャン8ピンのOPアンプ用に,このような円形配置のソケットも売られています。マルツで買いました。
6N16B-Vの管壁に9207と書いてありますが,旧ソ連軍用の真空管には製造年月 or 受入年月が書かれています。1992年7月とすると,すでにソ連邦が崩壊したあとです。そんな頃まで真空管製造していたのか.....って思っちゃいます。
なお,こちらにも書きましたけど,旧ソ連製真空管はやはり,材質や品質管理の点から,古い方がよいそうです。
レベルシフト用のTrはSTマイクロの2N5416です。メタルキャンのTO-5なのがうれしいです
リップルフィルタ用にモトローラ2N6421とNEC2SC1864を使いました。+100Vレギュレータは往年の名石NEC2SA653を使いました。誤差増幅管は▲の6J1B-Vの円形配置版です。こちらは8710と書いてあり,1987年10月の製造のようです。ちなみに,EQアンプに使った6J1B-Vは69(月不明)と書いてありました。eBayで出品されている6J1B-Vを確認すると,1976年にはこの円形配置版があるようなので,おそらく,1970年代に入って,なにか,電極が円形配置のものが必要になり,どういう理由かわかりませんが,型番を変えなかったようです。アンプを作る上では,円形配置の方が便利だし,次回,アンプでも使ってみようかと思っています。
☆ ☆ ☆
自宅待機中に何枚もプリント基板ができました。
コロナ治療に携わっておられる医療関係者の皆様,また,われわれ自宅待機者の生活を支えてくださっている,郵便や宅配便業者の方々,ゴミ収集に携わっている方々に感謝したいと思います。
2020年6月12日追記
5月21日にオランダ・Amplimo社に頼んでいたトロイダルトランスがもう届きました。コロナ禍の最中,郵便局をはじめ,航空会社や空港,税関など,物流に携わっておられる皆様に感謝したいと思います。
オランダから来ました。
送料は€18.60で,トータル€65.70でした。約8,000円です。送料含めても,Rコアトランスより安いかもしれませんね。
最初,この取り付け金具とボルトがトランスの小箱に入っていないので,ビビりましたが,郵送用の段ボールの底に入っていました。ホッ。
Made in UKと書いてあるのに驚きました。欧州製なので安心です。
1次は115Vで,2次は120V,0.1A×2,6.3V,2A×2と真空管式DCプリアンプにぴったりだと思います。50/60Hzと書いてあるので,iruchanが住んでいる北陸でも安心です。
余談ですけど,そもそも日本で50Hzと60Hzに分かれているのは大きな問題ですね。世界的にも極めて珍しい状況です。
東京電燈が独AEGの発電機を買う,と言ってきたときに明治の役人が電気をよく知らなくてOKしちゃったため,と言うのが定説ですが,先に大阪電燈が購入したGE製と一緒にしろ,と役人の誰かが言えば,問題なかったはずですね.......。
おまけに,実は品川電燈や深川電燈などのエリアは米Westinghouseの機器を使って東京でも60Hzで電化していたのですが,それを東京電燈が買収しちゃったので,結局50Hzに統一されちゃいます。ほんまに東電は今も昔も悪い会社だな~~~。東京電燈のAEG機器の購入を許可した役人も,買収を認可した役人も,国家百年の計を誤った一例だと思います。
それに,やっぱ,周波数なんてわからない,文系はダメだな~~。
来タ~~~~~~ッ!! "アナと雪の女王2" BD & DVD
2020年5月13日の日記
とうとう待ちに待った,今日は発売日です......
長い間待った,"アナと雪の女王2" のBD&DVDがiruchanの家にも届きました。
本当に今回も美しい映像と,松たか子さんと神田沙也加さんの素晴らしい歌声に魅了されてしまいました。
ちょっと,iruchanはエンディングが納得できないんですけど,DVDは楽しみにしていました。
ところが.....。
残念ながら,PCでBDが再生できません......orz。
まあ,使用しているソフトが古いというのもありますけど,メーカーのHPにはちゃんとパッチを当てればBDを再生できると書いてあるにもかかわらず,再生できません。
どうも,昔からこういう問題が多いですね~~。HDレコーダやDVDプレーヤでは無事に再生できるのに,PCではDVDや地デジDVDが再生できない,なんて不具合が多かったですが,いまだに解決されませんね。
しかたないので,PCではDVDで楽しんでいます。
やはり映像の美しさ,キャラクターのかわいさには魅了されちゃいますね。
この岩や草の質感は驚き。
エルサが死に,オラフが溶けて消えたあと,絶望の淵からアナが立ち上がって洞窟から出てきたシーンです。岩の表面のゴツゴツした質感や,草木の1本ずつが揺れ動くのは感動的な映像ですね。
今回のベストシーンでしょうか。クリストフの妄想の中に現れた,アナがかわいい!!
うちの嫁さんも出会ったときはこんな感じだったな~~~。
それに,うちの嫁はんも次女で,性格的にもアナそっくりでいつも大ボケかましていましたけど,いまじゃ,毎日こんなん▼ですけどね......。
何やてェ~~ッ!!
オラフが一人芝居で,過去の経緯を即興で説明しているシーン。"2人の姉妹の物語だよ,1人は魔法の力を持って生まれ,もう1人は何にもなし" って説明されてアナがムクれているのが笑えますね.....。ドン引きしているエルサの顔も笑えますけど....。
エルサのベストかな。
エンディングの水の精霊ノックにまたがってノースシーを疾走するシーンです。かわいいのでPCの壁紙にしました。でも,愚息はエルサのやまんばバージョンと言っています.....。まあ,確かに,女の人のこういう髪型はちょっとiruchanも趣味じゃないですね~....。▲みたいな,編み上げヘアの方がよいです。うちの嫁はんもそんな髪をしてます。全然短いですけど....。
塩をパラパラと.....
ふり塩したあと,焼いたヤモリをエルサはご飯に載っけて食べたさうです.....。千と千尋のリンかよ。iruchanはこのねーちゃんもとても好きです。
"それってどういう意味?"
今回のキャラで人気があるのはやっぱりこいつでしょうね。嫁はんと娘が大好きです。女の人に受けるようです。
でも,これ,オオサンショウウオがモデルとのこと。公式にディズニーがそう言っているのだから間違いないですけど,あんな気味悪い動物がモデルとは思えません。
iruchanはその話を聞くまで,ナミブ砂漠のミズカキヤモリがモデルだと思っていました。アフリカ南西部の砂漠だけど,海に近いので朝,潮風が凝結して水を生じるのですが,このヤモリは目玉についた水をこうやってなめていますし,背中の模様もサラマンダーによく似ています。
ぜったい,モデルはオオサンショウウオじゃない,と思うのですけどね.....。公式見解,ってのも誰かに聞かれたのを,日本のディズニー関係者が口から出任せでテキトーに知っている動物の名前を出しただけのこととちゃうの,と思っています。
昔から,iruchanは動物番組が好きだったので,このトカゲもよく知っています。でも,和名があるのは知りませんでした。水もない砂漠なのに,ミズカキとは......なんか,かわいそう。
☆ ☆ ☆
アナ雪にはまっちゃった,iruchanに嫁はんがクッションを作ってくれました。
TOKAIクラフトさんで売っていた生地です。麻が入っていて,とても肌触りがいいです。落ち着いたデザインが気に入っています。
こちらはよく見かける,エルサとアナのイラスト入りです。こちらもかわいいです。ちょっと品切ればかりになっていて,TOKAIクラフトさんも注文したら品切れで送ってこなかったので,慌てて仙台のマブチさんから買いました。
☆ ☆ ☆
2020年5月22日追記
こちらも,来タ~~~~~~ッ!!
夜,郵便受けに投函されていました。
正直,今ごろ来ても.....って感じです。市中にマスクが出回っていますし,また,うちは嫁はんが手作りのマスクを量産し,iruchanにもオラフのマスクを作ってくれましたしね。アベ君の嫁はんもマスクくらい,旦那に作ってあげたらいいのに~~。
とても小さいし,うちの嫁はんが笑っちゃってました。
こんなマスクで440億も使ったのかよ....って感じです。そんなお金があったら派遣切りやバイトをクビになって困っている方々,シングルマザーで子育てに苦労されている皆さんの支援に使ったら,って思いました。おまけにどう見てもまたまたまた怪しげな会社にカネ支払っているわけですしね......
例の検事長の定年延長の話も,部下が嫁のケツとか,このアベノマスクとか,モリカケとか臭いところをクンクン嗅ぎ回るのをこの麻雀大好き忠犬クロが,止めてくれていたから,ではないんですくゎぁ~...?
ちなみにiruchanは麻雀できまへん。
メタルキャントランジスタを使ったスーパー・ストレートDCプリアンプの製作~その2・プリント基板編~ [オーディオ]
2020年5月3日の日記
さて,先週から金田明彦氏設計のオール・メタルキャンTrスーパー・ストレートプリアンプを製作中です。MJ無線と実験'91.6月号掲載のDCアンプシリーズNo.121です。
左からEQアンプ,フラットアンプ,超高速±10.5Vプッシュプルレギュレータ基板です。レギュレータは整流部も一緒に作りましたが,フィルタコンデンサは未実装です。この前,基板を作ったモノラルレコード用EQアンプのフィルタに使ったRubyconの3300μF,35Vを使いたいのですが,秋月電子はコロナのせいで臨時休業中。休業する前に買い込んどくんだった......orz。
2SA566や2SA606などの往年の名メタルキャンTrがいいですね たぶん,どれも製造から40年は経っていると思います。昔はよかったな~~~。
掲載されたときに作ろう,と思っていたのですが,まだかなり作るのは技術的に難しそうと思っていたので,実際にネットを駆使して世界中から部品をかき集めたのは10年後くらいのことです。
それからでも,もう20年も経っているのですが,なかなか実際に取りかかれず,とうとう戒厳令まで発令されて外を出歩いていると下手すると射殺されかねない物騒な状況なので家に閉じこもって作り始めました......。
さて,例によってiruchanは万能基板は大嫌いなのでプリント基板で作り始めます。万能基板って,失敗の原因だと思いますし,なにより配線していると頭が痛くなってくるのでよほど簡単な回路でない限り,iruchanは使いません。
とはいえ,今,プリント基板を作るのは非常に厄介です。
本当だったらP板.comなんかでネット発注もできるのですけど.....。
安くなったとは言え,1枚しかプリント基板を作らないのなら,かなりのコストになっちゃいますし,なによりあのプリント基板らしからぬ,ツルツルピカピカの緑色の基板になっちゃうのはなんかな~という気がしますのでいつもどおりエッチングで作ります。
ところが.....。
10年くらい前まではiruchanもサンハヤトの感光基板でうまく作っていたのですけれど.....。
最近,感光剤が変わってさっぱりです。まったくうまくいきません。今回も失敗の山.....orz。
しかたないので,ドライフィルム(感光フィルム)を使って作りました。作り方はこちらをご覧ください。
ただ,この方法もいまいち。
確かに,iruchanも何度も失敗して練習したので,ようやく一発で仕上がるようになりましたけど,とにかく仕上がりがきたない。
何よりパターンのエッジがギザギザになりやすく,下手すると隣のパターンとくっついちゃいます。仕上がってから,テスターでテストが必須です。
そう言う意味で,やはり昔の感光基板の方が断然仕上がりはきれいです。
まあ,とにかく,今回のプリアンプ用に,EQアンプ,フラットアンプ,電源レギュレータと,基板用トロイダルトランス用の計4枚の基板を作りました。
部品類は前回,ご紹介したとおりですが,手持ちの抵抗の関係で,いくつかはカーボン抵抗としました。代替品のニッコームですら,一部,入手難の値もありますし,しかたないですね。
Trはほぼオリジナルどおりですが,初段のデュアルFETは手持ちの関係からソニーの2SK245ではなく,2SK97にしました。まあ,これはどちらでもよいと思います。ほかに,定電流回路用の2SC1775の手持ちがなく,1個だけ,2SC1400にしました。こちらは本当は2SC1775の方が代役です。
熱結合中です。
今まで,某社の透明エポキシという接着剤を使っていましたが,少し接着力が弱いのと,なぜか,主剤か補助剤のどちらかちょっと忘れちゃいましたけど,液と化学反応するのか,キャップが必ず割れて,液が漏れてくる,という困ったちゃんで,全部使い切らないうちに捨てないといけなくなったのでクビにして,今回,コニシのエポクリヤーにしてみました。
これ,非常によいです。接着力も強力で,10分ほどで硬化するのもよいです。
ただ,ちょっと臭うのが難点.....サバの水煮缶みたいな臭いがします.....ウップ。
2SA606なとTO-5のメタルキャンTrも接着剤のみで接着&絶縁できますが,油断は禁物です。必ず乾燥後にコレクタが接触していないかチェックしてください。
また,回路としては,原設計はオフセット調整が初段の差動アンプの負荷抵抗を変化させ,最終的に固定抵抗で置き換えることにより調整するようになっていますが,従来どおり,共通ソース抵抗を可変する方式としました。
また,音量調整は原設計ではNF帰還量を調整する方式ですが,これも普通のプリアンプ同様,可変抵抗で信号電圧を可変する方式です。また,バランス調整も入れてあります。これ,ないと不便だと思うのですけど.....。iruchanはフルレンジで聞くのでどうしても左右のアンバランスは気になります。
また,カップリングはオリジナルはSEコンの33000pFですが,もう,こんなの買えないので旧ソ連軍用のスチコンにしました。0.4μFなんて大容量でびっくりです。スチコンだと音はよいと思います。
また,電源はオリジナルは電池ですが,AC電源にするのでトランスを設置します。さすがにEIコアやRコアのものはもう使いたくないのでトロイダルにします。やはりトランスはトロイダルだと思います。漏洩磁束もほぼ0にでき,プリにぴったりだと思います。値段も安くなりましたし,下手するとEIコアのトランスの方が高かったりするくらいですね。これなら使わない,と言う手はありません。
☆Spiceによるシミュレーション
さて,一応,LTspiceで回路の動作を検証してみます。2SA872や2SC1775はSpiceモデルを見つけられましたが,2SA606/C959などは見つからないので,別のモデルで代用します。2N3954はオリジナルのLT社のモデルに入っていました。
初段は2SK97のモデルがないので,とりあえず,2SK30で代用です。
少し,低域で偏差が大きく,30Hzで+1dB超えています。何かおかしい気もしますが,NF型EQ回路だとこんなものでしょう。サブソニックフィルタ特性を持たせることも考えられるので(IEC規格のRIAAカーブなど),低域はマイナスになるくらいの方がよいはずです。
まあ,ちょっと眉唾なのですけど.....。本来,実装してみるとこんなによいわけはありません。Spiceのシミュレーションなので,配線のインダクタンスや浮遊容量は考慮していないし,入出力のシールド線の容量も入っていないので,非常に広帯域になってしまいます。
でも,金田氏のDCフラットアンプは,前回のオールWE真空管式DCプリでもそうでしたけど,フラットアンプは仕上がりを見ても非常に広帯域です。
では,次は電源を組み立ててテストしてみることにします。