SSブログ

メタルキャントランジスタを使ったスーパー・ストレートDCプリアンプの製作~その1・部品編~ [オーディオ]

2020年4月26日の日記

いちおう,生きております.....(^^;)。

とうとう,戒厳令が施行されてから,ひと月となりました。

おまけに,  反体制派 リベラル派 の不良社員のiruchanは特高の監視下で自宅軟禁状態です....。

子供ら(♀,♂各1匹)はもう2ヶ月も自宅で勉強? なのでもっと大変です。たまに息抜きで散歩くらいしてはどうか,と思いますが,やはり外出禁止令なのでしかたなく家で遊んでいます。

オヤジは,と言うとやはり工作くらいしかすることがないのに,と言って,部品屋さんへ行けないし,たとえ行っても開いてないし,古い部品を買おうと思ったら航空便でも海外からだと3週間くらいかかる,と言う始末では満足に工作もできません。amazonなどの通販で本を買って読もうかと思っても,読みたい本は品切れ,と言う状態です。早くこの状況が終息することを願っています。

と言う次第ですが,過去の仕掛品や古い在庫の部品を引っ張り出して図面を引いたり,ハンダ付けしたりしています。

一応,このところ取り組んでいる,サブミニチュア管を使ったDCプリアンプモノラル盤用EQアンプは基板が完成しました。

ついでに,先週から,ずっと作りたいと思って部品だけ集めていた,オール・メタルキャンTrを使った,スーパー・ストレートプリアンプを作り始めました。

これ,DCアンプシリーズNo.121で,"MJ無線と実験"  '91.6月号掲載ですね。もう,そんなに経つのか,と思ってしまいます。その頃から作ろう,と思って,部品だけ集めてあります。

発掘部品.jpg 部品を発掘しました。

部品箱の底の方から引っ張り出してきました。

抵抗は買っていなかったようで,余り物の進とニッコームを探しました。ぶどう色2号の色の抵抗(進)はもう少なくて,朱色4号(ニッコーム)が多くなっちゃいました。やっぱぶどう色2号だよな......(^^;)。

いくつかない定数のものがあるので,また買いに行くことにしませう。

音量調整とバランス調整用の可変抵抗はVIOLETを使います。この会社,もうなくなっちゃいましたけど,いいボリウムを作っていました.....。ありがたく,使わせていただきます。

レギュレータ用に名石の2SA5662SC1161も袋に入っていましたし,EQ素子の5100pFや1500pFはちゃんとSEコンで買ってありました。2SA566は1991年当時でも,とうにまぼろしの名石で,日本では入手不可能,と言う状況だったと思います。それどころか,iruchanが中坊の頃でも入手はできなかった,と思います。MJ(当時は単に,"無線と実験" でしたけど)でも広告にも載っていなかった,と思います。

2SC1161は今でもオクなどで入手可能だと思いますが,記事発表時はすでに入手困難になっていたらしく,2N3766が使われています。2SA5662N3741が使われていました。iruchanは2SC11612SA566を使おう,と思います。

iruchanが部品集めをしたのは記事が出た10年後ぐらいのことでネットでかき集めました。半導体類は欧州の店で安いのを見つけて買い込みました。まだその頃は中国の店はなく,欧州の純正日本製半導体の代理店が多かったと思います。不思議なことに,2SD218はたくさん入手できましたが,2SA649はまったくダメで,やはりまぼろしの名石だと思います。残念ながら,今,ネットで2SA566を探すといくつかヒットしますけど,間違いなく偽物ですのでご注意ください。

また,原設計は電池式で,±10.5V超高速PPレギュレータ仕様ですが,iruchanはAC電源にします。整流用に往年の日本インターの30DF2を引っ張り出してきました。このDi,確か,日本初のファーストリカバリDiですが,出たときは音がよい,と大評判でしたよね。今だとショットキーDiの方が高速だし,おそらく音もよいだろうとは思うのですけど,古い半導体を残しておくのはもったいないので活用します。iruchanも会社じゃ,とうに用済みですしね......。

それにしても,2SA566は正直,何でこんなに仕上がりがきたないのか,と思ういつもの日立のメタルキャンTrですね~。MOS-FETの2SJ49/K134も表面はこんな感じですよね~~。

2SA566, 2SC1161.jpg 何でこんなにきたないんだよ~~!

アルミの無塗装かと思っていましたけど,磁石にくっつくので,鉄のようです。でもこんな粉を吹いたような仕上がりって,どういう加工なんでしょう。てっきり,アルミの白さびだと思っていました。ニッケルメッキしたあと,バフ仕上げしてないのか.....なんて思いますけど。また,東芝や松下も同じような仕上げですよね。その点,2SC11612SA627など,NECのメタルキャンTrはちゃんとクロムメッキがしてあって,仕上がりはきれいですよね。東芝のTO-3のパワーTrが人気ないのもこのせいかも.....。松下は論外だな....。使ってある記事を見たことがありません。

さて,本機は金田明彦氏の設計のひとつの頂点だと思っています。実際,音のよいことでも知られ,発表から30年近く経つのに,いまだに某掲示板でも話題になったりしています。iruchanも発表当時,作ろう,と思いました。

回路自体は2段差動アンプですが,各段は定電流回路が挿入され,2段目はカレントミラーが付加されています。初段のデュアルFET以外はメタルキャンの2SA606/C959のコンプリTrが使われています。本来はパワーアンプ用のTrで,ちょっとこれらがプリアンプに使われている,というのはギョッとしちゃいますけど,音はよいようです。さすがに電源部は超高速PPレギュレータですが,記事にもあるとおり,2SA8722SB716などのモールドTrの方がよかったらしく,メタルキャンは制御Trの2SA5662SC1161のみです。

2SA606, C959.jpg 2SC9592SA606

2SC959と書いてあるTrは最初期の頃の2SC959です。LA34と書いてありますので,1973年4月の製造のようです。2SA606の方はこのタイプを持っていません。こちらは1980年の製造のようです。

2N3954.jpg ソリトロンの2N3954

初段は原設計ではFD1840ですが,それは2N3954の漏れ電流選別品です。最初,金田氏は2N3954を使っておられましたが,あとでFD1840に代わりました。同じチップなので,2N3954でもいいはずです。

それにしてもVcc=±50Vに直接,カスコードアンプなしで接続できる,と言う希有なJ-FETです。新電元のUN,UPシリーズもそうでしたけど,高耐圧のFETがあった時代がうらやましいです。本機でもEQ初段の2SK245はカスコードアンプつきですが,フラットアンプ初段のFD1840はカスコードアンプなしです。

驚いたことに,2N3954は今でもMOUSERなどで売られています。値段はかつての3倍位しますし,製造は製造中止品を主として手がけている半導体メーカのようですが,今も現役のようです。

2SA798, C1583.jpg 三菱の2SA7982SC1583

三菱がオーディオ用に開発したデュアルTrですね。PNPの方は名石2SA726のデュアル版です。といって,金田氏は音が違うと言うことで,アンプ本体の回路には使いませんでした。レギュレータの差動アンプに使用します。どちらも入手は難しいです。特に2SA798の方は絶望的です。非常に高いですけど,まだ2SC1583の方は入手可能です。

かと思うと,中国でJSCJと言う会社が互換品を作っているようです。SOT-23パッケージで表面実装用なのが驚いちゃいますけど.....。

     ☆          ☆          ☆

また,次号のNo.122はオールFET版で,こちらも作った方は多いようです。ただ,残念ながら,FETはモールドタイプばかりです。iruchanはどうもFETは好きになれず,半導体アンプならバイポーラと思っていますので,No.121を作ることにしました。それに,差動アンプ2段目の2SJ72はもう,入手は絶望的ですしね.....。

カップリングは本来はSEコンの33000pFですが,さすがにこんなの買う小遣いはないので,この前,ウクライナから買った,旧ソ連軍用の0.4μFのスチコンを使います。これ,まだ音は聞いていないんですけど,円筒形のスチコンをケースに入れてエポキシで固めてあり,絶対に音はよいと思います。ともかく,スチコンでこんな大容量のものは入手できないと思います。EQ素子用の5100pFや1500pFはSEコンです。今買うと,ステレオで2万円超えですね......。カップリングまで買っていたら,SEコンだけで4万か.....。

SEコン.jpg EQ用のSEコンです。

それに,金田氏はフラットアンプの音量調整はNFB回路の帰還抵抗を6段階でロータリーSWを使って調整することにしておられて,アッテネータ用抵抗はスケルトンです。

さすがにこの方法じゃ,6段階にしか音量を調整できないし不便です。

そこで,iruchanは昔どおり,フラットアンプの入口にVRを入れています。

ただ,この場合,抵抗値により,EQアンプの低域が下がってしまうのでカップリングは比較的大容量が必要です。最低,0.1μFは必要で,SEコンでは容量不足です。

SEコンだと最大100000pF(0.1μF)があるんですけど.....。2個で5万くらいします.....ガクガクブルブル.....。そんなブルジョワじゃないので,とても買えません。全部,金田氏の指定通りSEコンで揃えると,SEコンだけで10万円近いコストがかかります......[雪]

続きはこちらへ.....。

     ☆          ☆          ☆

コロナ禍のため,志村けんさんや岡江久美子さんがお亡くなりになりました。中坊の頃,"8時だよ! 全員集合" を毎週,土曜日に楽しみしていたので,残念です。ご冥福をお祈り申し上げます。はやくこの疫病が終息することを祈っております。

nice!(9)  コメント(0)