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SHURE STEREO PREAMP M64について~その2~ [オーディオ]

2019年12月7日の日記

SHURE M64 stereo preamp.jpg 音を聴いてみました....。

さて,今日は前回,ご紹介した米SHUREのM64ステレオプリアンプを聴いてみたいと思います。1960年代初めに米SHURE社が自社のMMカートリッジ用に開発した,2石(片ch.)のディスクリートEQアンプです。80年代末頃まで発売されたようです。非常に息の長い製品で,音もよいとされ,特にSHURE V15やM44などの同社製カートリッジの愛好者には人気があるようです。

iruchanもジャンクで音が出ない,というものを入手しました。驚いたことに新品未使用で元箱入りでしたが,音が出ない,と言うことで安く入手できました。

前回,f特を測ってみましたが,カタログとおりの40Hz~15kHzで±2dB偏差に収まっており,特に問題はなさそうなので,今週,音を聴いてみます。ただ,偏差は大きいですね。±2dBなんて,自作のアンプだったら再調整,というレベルです。初期の半導体アンプは有名なJBLのSG520もそうですけど,EQ素子にセラミックコンデンサを使っていたり,EQカーブの誤差は大きいと思います。

さて,家のプリアンプにつないで聴いてみます。現在,iruchanは長年愛用したMarantz#7プリアンプはお休みで,オクで入手して,自分で修理したPioneerのC-21を使っています。自作マニアなんで,自分で作ったプリアンプが何台かあるのですけど,どうにも使いにくく,やっぱりメーカ製で聴いちゃいます......orz。

さて,音出しをしてみます。なんの問題もなく,すっと音が出ました。ハムなどの雑音もありません。

聴いてみて正直,こんなものか.....と思っちゃいました。

特にC-21と変わった感じはしません。

と言うことはC-21自体,古いプリアンプですけど,初段が2SA906(三菱),2段目が2SC1775A(日立)を使った近代的な2段差動アンプになっていて,それほど古い回路ではないので,M64はそれなりにいい性能を持っている,と言うことが言えると思います。S/Nが悪いし,ひずみも多くてあまりいい音がしないのでは,と思っていたので逆に言えば,非常にいい音だと思います。

高音が美しいのは特筆ものでしょうか。トライアングルやトランペットが明るくきれいに音が出てくるのがいい感じです。

と,思っていたのですけれど....。

しばらくすると,ch. R(ch.1)だけ,音が小さくなります。あれっという感じで,しばらくすると戻ります。

う~~ん,こういう故障が一番困るんですよね.....。

でも,iruchanは前回,測定中に気がついていました。だったら直しておけよ。

どうもプリアンプの真ん中にある,PHONO, FLAT, TAPEの切り替えをするスライドSWが接触不良のようでしたから,ちょっと不安に思ってはいました。

やはり現象再発で,仕方なく持ち帰り修理となりました。

スライドSWはこういうことが多く,iruchanは基本的に使いませんが,ちょっとはまってしまいました。

早速,箱を開けてチェックします。

スライドSWをばらして,接点を磨かないといけないと思いますが,さすがにiruchanのM64は新品元箱入り,と言うことで買っているので,それほど接点は汚れていない,と思います。となると,接触片の接触圧不足ですね。

これは厄介で,一度,スライドSWをばらして接触片のばねを伸ばさないといけません。

散々苦労してスライドSWをばらしました。

SHURE M64 preamp7.jpg

  それほど接点は汚れていない,と思っていましたが.....。

固定接点側は割にきれい,と思ったのですが,#4000のペーパーで磨いてみるとこの通り。結構,汚れているんですね。

簡単には,接触不良の場合,接点復活材をシューッとやれば解決しますが,一時しのぎにしかならないし,将来,ノイズの原因になったり,周辺のプラなどを侵すのでiruchanは使いません。やはり,きちんと接点をばらして磨く必要があります。できれば新品に交換したいのですけど,スライドSWがハトメで留めてあって,交換は容易じゃありません。

SHURE M64 preamp8.jpg 組み立てたあとの状況

そのほか,簡単に修理する方法としては,▲の固定接点の左右それぞれ一番上とすぐ下の端子をジャンパ線でショートするとPHONO固定となります。

可動接点の隣青銅のばねを伸ばして接触圧を高めておきました。接点を磨いたあと,タミヤの導電グリスを塗ってから再度,組み立てました。

オシロで波形を観測しながらスライドSWを何度動かしても出力が0になったり,小さくなったりすることはなくなったので,修理完了のようです。やれやれ。

        ☆          ☆          ☆

Prokofieff for fun.jpg プロコフィエフ交響曲No.1 "古典"(XWN 18701)

iruchanは1950年代の初期盤と呼ばれるLPが好きです。中でも英DECCAのffrr録音は音がよいのでとても好きです。

でも,米WestminsterのHIFIシリーズの録音はffrrをしのいでいる,と思っています。マイナーレーベルでしたけど,優秀な録音が揃っていますし,演奏者もシェルヘンやロジンスキー,Vn.のエリカ・モリーニなど,名盤揃いですよね。なかでも一番有名なのはペーター・リバール(Vn.)のタルティーニのヴァイオリン協奏曲のレコード(XWN 18192)でしょうね。まぼろしの名盤とされています。

iruchanはクラシックファンですが,中でもオケものが好きなので,やっぱり交響曲と言うことになりますが,好きな指揮者はフルヴェンやオランダのベイヌム。そして,Westminsterのロジンスキーも大好きです。

最近,国内でロジンスキーのWestminster盤を安く入手することができました。某放送局の放出品のようです。銀座の某有名楽器店のはんこが裏にあり,65年ほど前,そこから購入したものでしょうけど,もう再生することもないだろうし,ということで中古盤屋さんに売却されたのだと思います。

放送局放出盤はiruchanも学生時分に見つけたことがありますが,結構,当たり! です。

iruchanは基本的に国内で古いLPは買わないことにしていますが,理由は盤質が悪いと言うこと。とにかく国内の古いLPはジャリジャリなんですよね~~~[雨][雨]

おそらく,1枚4,000~5,000円ほどとLPは非常に高かったので(大卒の初任給が1万円くらいの時代です),1枚のレコードをそれこそすり切れるまで聴いていたのだと思います。それに,カートリッジも軽針圧のMC型やMM型なんてなく,針圧の重いセラミックカートリッジを使っていたのですから,当然です。

そういうわけで,特にこういう古いレコードほどひどく,音楽なんて聴いていられないほどのノイズに悩まされることが普通で,基本的に国内でこのようなレコードを見つけてもパス! なんですが,今回は放送局放出品だったのでゲットしました。

予想通り,ほとんどノイズがしない,良質な盤面でした。海外からの中古輸入盤と同様です。放送局だから,DL-103やオルトフォンなどの高級カートリッジを使っていたでしょうし,こういうクラシックのレコードだと,ほとんどかけることもなかったでしょうしね。

ロジンスキーのプロコフィエフ "古典" はすでにCDになっていますけど,やっぱレコードはいいですね~~。それに,B面の "ピーターと狼" はCDになっていない,と思います。"古典" はとても好きな曲で,高校生の時にFMラジオから流れるこの曲に笑い転げた,というエピソードがあるバーンスタイン盤が一番だと思いますが,ロジンスキーのもなかなかよいです。

と言うわけで,久しぶりにレコードを聴いて大満足でした[晴れ][晴れ]

        ☆          ☆          ☆

北陸の実家でレコードを聴いて,しらさぎから米原駅で新幹線に乗り換えるときに昼飯用に井筒屋さんの "おかかごはん" を買ってこちらも大満足でした。最近一番のお気に入り駅弁です。このお弁当,新鮮なおかかがご飯に載っていて,ぬたや黒豆やたらこがおかずで,非常においしいです。ぜひ,一度お試しください。

おかかごはん.jpg 米原駅の "おかかごはん"


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