Windows10の完全シャットダウン [パソコン]
2019年4月15日の日記
けふは久しぶりにパソコンネタです......(^^;)。
Windows10をWindows8からアップグレードして使っています。本当にクソだった8に比べれば,非常に使いやすくなり,特に,復活したスタートボタンがなかなか使いやすく,スタートボタンの上で右クリックするとタスクマネジャーやデバイスマネージャ,イベントビューアーが簡単に起動できるのは非常に便利です。パソコン自作マニアなので,インストール時やトラブル対応のため,これらを起動することが多いのですけど,今までのOSは結構,これらの起動が大変でしたが,Windows10からは簡単になり,助かっています。ひょっとして,Microsoftのエンジニアたちも面倒だから簡単に起動するようにした? と思っています。
iruchanはWindows7はすっ飛ばしてXPから8→8.1→10と移行したのですが,10は7よりも完成度が高く,使いやすいOSだと思います。
ただ......。
いくつか面倒なことがあります。
せっかくスタートボタンが復活したのに,いろんないらないタイルと呼ばれるものが表示されて幅が広くて邪魔で困っちゃうとか,Windows Updateは強制になっていて,手動でやることができず,自動でしかできないとか,いくつか不満があります。
まあ,タイルは面倒だけど,1個ずつ,ピン留めを外して最後に全部なくなったら狭くできるのでいいですけど,Windows Updateはどうしようもありませんね~。ある朝,パソコンを起動してみたらインストール中です,と出て1時間くらい放っておかれるとか,特にiruchanは古いPCなので,うっかりUpdateがはじまってしまうと非常に遅いとか,下手するとハードウェアが対応してなくて,Update後はエラー出まくり,なんてこともあるので困ったものです。
iruchanのPCのデスクトップは2年前に行った襟裳岬です!
それと.....。
もうひとつ,気に入らないのがシャットダウン。
Windowsは昔から起動が遅い! と文句言われるので,とうとう,Windows10は完全にシャットダウンするのじゃなく,実際にはスリープしている状態になっていて,電源ボタンを押すと,スリープを解除しているだけ,という状態になっています。
まあ,そのせいで,結構,Windows10は起動が速いのでいいのですけど.....。
でも,これはこれで困ったもの。
なにより,パソコンを使っている間に何かがエラーを出して以後,その機能が使えない,と言うような状況になったら,今までは再起動するか,電源を切れば元に戻ったのに,Windows10はスリープから解除するだけなので,このエラーがリセットできない,と言うことになります。
iruchanが困っているのは,Chromeを閉じずにパソコンをシャットダウンすると,次回起動時にまたChromeが立ち上がっちゃう,ということ。まあ,さっき見たWEBをすぐに見られる,というメリットもありますけど,やばいWEBを見たあと,次に起動した人に見られちゃ,具合が悪いですよね~~~~。
再起動してもまた開いちゃいます。なんでこうなるんだ~~...orz
それに,最近はなぜかUSB接続のキーボードがたまにエラーを出して認識しなくなるのですが,再起動してもキーボードが使えないので困ったもの。これも完全シャットダウンしないと直りません!
で,Windows10を完全シャットダウンするには,よく言われるのはSHIFTキーを押しながらシャットダウンする,と言うことなんですが.....これはダメで,▲と同じ結果です。
でも,shutdownコマンドを使うと,完全にシャットダウンできる,と言うのがネットに出ています。
これ,iruchanもよく使っています。特に,リモートデスクトップを使っているときに,相手のPCをシャットダウンしようとして,普通に画面中のスタートボタンを押してシャットダウンすると自分のパソコンがシャットダウンしちゃって,間抜けなことになっちゃいますが,リモートのPCをシャットダウンするにはこれが便利です。
さっきのスタートボタン上で右クリックし,"ファイル名を指定して実行" を選択して,▼のようにコマンドを打つとOKです。
/sだとシャットダウンで,/rとすると再起動します。また,/tはシャットダウン(再起動)までの時間(秒)で,しばらくパソコンを動作させたままにしておいて,一定時間後にシャットダウンする,と言うときに使えます。/t 0だと直ちにシャットダウンします。たまにiruchanも会社早く帰るときなんか,/t 3600とかしてアリバイを作っています.......。
☆ ☆ ☆
とはいえ,毎回こんなことやるのは面倒! ですよね~。
何かいい方法はないかと考えてみたら,バッチファイルにしちゃえばいい,と思いつきました。
さっきのコマンドをメモ帳に書き,適当にfull-shutdown.bat などという名前で保存し,デスクトップにでも保存しておけば,バッチファイルになるので,そのアイコンをダブルクリックするだけでシャットダウンできます。
デスクトップにでも置いておきます。
完全シャットダウンします。
なお,このコマンドは中止できません。バッチファイルにコマンドを組み込んで,キャンセルするように組むことも可能ですけどね....。
面倒なので,一応,/t 60とかにしておいて,1分間はシャットダウンしない,と言うことにしておけば,"サインアウトしています" の横にある "閉じる" を押せばもとのデスクトップ画面に戻りますので,うっかり文書作成中だったりしたら,急いでファイルを閉じればセーフです。▲の画面もそうやって保存したものです。/t 0にはしない方がいいと思います。
まあ,デスクトップじゃ,うっかりダブルクリックしちゃう,ということもあり得るので,マイドキュメントとか,何か別の場所にバッチファイルを保管しておいた方が無難だと思います。
ACE 6石スーパートランジスタラジオキットAR-606~ゲルマニウムTr版~の音質改善・NFBの利用 [ラジオ]
2019年4月6日の日記
先週,OPTを交換して高域のf特を改善しました。カットオフは2.5kHzから6kHzに改善でき,かなり音質もよくなりました。
もうひとがんばりして,高域を改善したいと思います。それに,低域も少し悪くなってしまったので,改善したいと思います。実際,聞いてみても,まだ音質は悪く,アナウンサーの声も少しひずんでいます。
もう,ドライバ段のトランスもOPTも交換してしまったので,あと,打つ手としてはNFBくらいしかありません。
前回,6dBほどのNFBをかけてやれば,80Hz~20kHz(-3dB)くらいになりそう,と予想したので,取り組んでみます。
☆LTspiceによるシミュレーション
まずは,回路シミュレーションソフトで確認してみたいと思います。
トランス類は今回使用したものをLCRメータで測定したインダクタンスなどを入力しました。残念ながら,ゲルマニウムTrのSpiceモデルは非常に少ないので,iruchanが以前作成した,2SB54と2SB56で代用します。
f特はこんな風になりました。
1kHzを基準として,帯域幅は-3dBで824Hz~1.34kHzと言ったところです。
OPTの2次側から,LFの2SB54のエミッタに帰還します。
25dBものNFB量になってしまいますが,かなりf特は改善され,74Hz~5.4kHzとなります。
こんなに大量のNFBをかけることなんてできひんやろ,と思ったのですが,とりあえず,この定数で実験してみようと思いました。
☆実験結果
ただ,シミュレーションではちょっとNFB量が過大で,間に2つもトランスが入っているのに,こんな大量のNFBをかけることは実際には絶対無理,と思ったので,最初はもとのAR-606の回路のとおり,R5=1kΩのままとし,付加したNFループ内の抵抗はR10=1.6kΩ,R11=2.2kΩにしてみました。NFB量は▼から,7dBほどです。
かなりf特は改善され,-3dBで,180Hz~90kHzとなりました!!
ただ,残念ながら,SPの代わりに8.2Ωのダミー抵抗をつないで,両端の電圧をオシロで観測してみると,100Hz以下の周波数では▼のように発振しており,残念ながら,この定数はNGのようです。
こんな風に,100Hz以下の信号を入力すると,寄生発振しています。これだとNF量は過大で,減らさないといけません。
その後,いろいろ定数を変えて実験してみました。
やはり定数はかなりシビアで,驚いたことに,チューニング用のダイヤルを回すと所々で発振したり,放送を受信すると発振が止まったりする現象が出ます。それどころか,ボリウムを大きくすると発振する,なんて現象もあります。音量が小さいときはOKだけど,音量を大きくするとSPからビ~~ッと発振音が聞こえます.....。
また,実際に使用しているLFの2SB175のエミッタ抵抗は1kΩくらいでないとまずいようで,これまでの定数だと2kΩを超えるのですが,こうなるとコレクタ電流が小さすぎ,かなりひずむようです。
結局,あれやこれや変更してみて,ようやく▲のLTspiceの回路の定数としました。
最終的に,このグラフで決着です。━ ━が実際の低周波部のゲインで,… … は1kHzを0dBとした相対レベルです。
NF量は5dBほどで,帯域幅は-3dBで300Hz~20kHzくらいとなりました。低周波の発振も消えましたし,今回はチューニングダイヤルの全帯域で発振するところはありません。まあ,40kHzにピークがありますが,やはりこのあたりの周波数は不安定のようですが,可聴帯域外なので問題ありません。
さて,実装の方は大変でした。AR-606は比較的基板も大きいし,部品も余裕をもって取り付けられているので楽そうなんですけど.....。ただ,低周波部は混み合っていて,CR類を取り付けるスペースはあまりありません。結局,基板の裏表を使い分けて実装しました。
写真では,抵抗は1.6kΩですが,あとで470Ωに交換しています。
OPT2次側から負帰還しますが,OPTの接続によっては正帰還になって,思いっきり発振しちゃいますので,気をつけないといけません。
残念ながら,オリジナルのOPTの接続状態では正帰還となってしまい,SPをつないでスイッチオンしたら,大音量でビ~~ッと発振しちゃいました。
慌てず落ち着いて,OPTの2次側の配線を逆にします。OPTの2次側のGNDを逆に配線しないといけないので,パターンを切って,▲の写真のように,ジャンパ線で2次側の配線を逆にしました。もちろん,2次側の電線を入れ替えてハンダ付けしてもOKです。
こうして発振音もせず,きれいに放送が聞こえればまずは成功です。▲の写真のチューブラ電解コンデンサ100μFをつけたり外したりしてみて,つけたときにSPの音量が小さくなれば,NFBがかかっています。オシロがあると,実際に波形が小さくなるのを観測できれば,ひとまず成功です。
あとはf特を測って検証しますが,今回,iruchanはチューニングダイヤルやボリウムの位置によっては発振したりしたので,その点も注意してチェックします。
低周波~高周波で全帯域に渡って発振しなければOKです。ひずみも改善され,きれいな正弦波が観測できました。
なお,NFBをかけると低周波部のゲインがその分,低下し,音量が小さくなります。AR-606は低周波のゲインには余裕があり,ボリウムを一番小さく絞ってもかなりの音量なので,前回まで,アッテネータ抵抗を入れていたくらいですから,NFBをかけても十分なゲインがありました。今回,その抵抗を撤去しましたが,一番絞っても音が聞こえないくらいになったので,逆に使いやすくなったと思っています。
☆ ☆ ☆
やはり,SPをつないでみると,非常に自然な音になり,HiFiとなりました。さすがにSPの口径が小さいので,低音があまり出ないので,やはりAMラジオだな,という音ではありますが,非常に音がよくなりました。オリジナルの状態とは劇的に改善され,聞きやすいです。いくら小型ラジオとは言っても,少なくともこれくらいの音質でなきゃ,という感じです。これなら長時間聞いていても疲れないし,自然な音で聞きやすいと思います。
小型Trスーパーラジオの音質改善にはやはりNFBが有効であると実感できます。今後,iruchanが作るTrラジオにはNFBをかけることにしたいと思います。
実際,AMラジオでも低周波部にNFBを使う,というのは古くからあり,iruchanが持っている,奥沢清吉著 "新しいトランジスタ製作集" (誠文堂新光社'67.3)では,7石スーパーの回路にNFBをかけています。TrラジオではNFBを使った記事は少ないようで,iruchanが持っている資料でもNFをかけたラジオの製作記事は見たことがありません。そもそも,Trのスーパーの製作記事はほとんどないし,あってもキットの製作記事であることが多いので,なかなか資料探しも大変なんですけどね。
そのほか,真空管時代のラジオもLPレコードが登場してHiFiがキーワードとなる1950年代末にはNFBをかけることが盛んに行われました。もっとも,5球スーパーでは検波に6Z-DH3Aや6AV6と言った球を使うのですが,これらは2極部と3極部のカソードが共通になっていて,NFBをかけると2極部の動作点が変わってひずみを生じてまずいので,これらのカソードを独立させた,6W-DH3Sや6AV6Sが発売されています。6Wとなっているのはカソードを分離してピンが1本増えてためですが,Sってなんや? という気がしますけど......。separateの略でしょうか? A電池の消耗を減らすため,フィラメント電流を小さくした,電池管の1T4-SFなどのSFも昔からイミフなんですが....。こちらのほうは,save filamentの略のようです。
もう,大昔の話ですし,こんなこと知っている人も少ないと思いますけどね.....。
☆ ☆ ☆
最後に,ACEのAR-606形トランジスタラジオキットの回路を載せておきます。残念ながら,オクで入手したAR-606キットは未組み立て品でしたけど,説明書がなかったので,回路は推定です。標準的な6石スーパーの回路なので簡単です。
丁寧に2段あるIFに中和がしてあるのに感心します。後期のTrラジオは中和してないことが多いのですが,本機は中学の技術家庭の教材としても使われることが多かったため,中学生が組み立てても,無事に動作するように設計されているのだと思います。
赤字部分が今回の改造部分です。オリジナルを尊重するのがiruchanの主義なんですけど,今回は大幅に改造しちゃいました.....(^^;)。
アンテナコイルとバリコンに直列に挿入されている5.6ΩはQダンプ用です。こうするとHiFiになりますし,同調もやりやすくなります。逆に,感度が下がってしまうので,低感度のラジオじゃNGですが,ACEのキットはとても高感度なので,十分利用できます。
以上で,ACEの6石スーパートランジスタラジオキットAR-606の記事は終わりです。どうもありがとうございました。
☆おまけ‥‥‥‥LTspiceによるトランスのシミュレーション
LTspiceにはトランスという部品はありません。
トランスのシミュレーションには,2つのコイルを用い,インダクタンスを設定するとともに,2つのコイル間の結合係数を追加します。結合係数は,LTspiceでは,ツールバーのEditメニューから,Textを選択すると追加できます。
1次巻線が発生した磁束が漏れることなく,2次側コイルに入れば結合係数は1です。実際には漏れや損失がありますので,若干小さくします。
と言うことなんですけど.....。
iruchanは今回ドはまりでした.......orz。
今回,NFBの効果を見ようかと,6石スーパーの低周波回路をシミュレーションしようとしたのですが,何度シミュレーションをチェックしても,出力は0です。
最初は初段のLFの2SB54の定数が悪くてカットオフしちゃって出力が0なのかと思いましたが,そうでもないし,いくら調べても原因がわかりません。
困ったな......。
結局,原因がわかるのに2ヶ月もかかっちゃいました。なんでそんなにかかるのか!
頭にきて,トランス単体にして,AC電圧源をつないでみて気がつきました。
やっぱり出力は0なのです....。
ようやく,トランスの結合係数をきめる,コメントがフツーに,Commentとなっていて,単なるメモになっちゃってて,LTspiceは結合係数とは理解していないため,と言うことに気がつきました。なぁんだ,という原因なんですけど....。
まるでこれじゃ,心停止!! 出力は直線のままです......。
先ほどの,結合係数の定義のテキストをCommentから,SPICE directiveに変更します。
ちゃんと,高校の物理でならったように,2次側は90゜位相のずれた波形が表示されればOKです。
こういうミスのないよう,最初から,ちゃんとトランスの部品が用意してあれば,問題なかったと思います。
こんなことに気がつくのに,かなり時間がかかっちゃいました。皆さんお気をつけてください。
ACE 6石スーパートランジスタラジオキットAR-606~ゲルマニウムTr版~の音質改善・つづき [ラジオ]
2019年3月31日の日記
このところ,オクで入手したACEの6石スーパーラジオキットに取り組んでいます。非常に感度もよく,近所のすべての民放も入りますし,夜になるとSTVラジオ(札幌)や大陸や朝鮮半島の局も入るので,なかなかよいラジオです。
ただ,どうにもポケット形スーパー特有のキンキンというかん高い音で,あまり音質はよくありません。もっとも,これはACEのこのラジオだけが悪いわけでなく,小型のTrスーパーラジオは全部,こんな音ですよね......orz。
その点,真空管式のものは結構音がよいし,iruchanも普段はオールロクタル管5球スーパーで放送を聞いています。FM同等とまでは言いませんけど,かなり聞きやすく,いい音で鳴ります。
で,Trラジオの音が悪い原因は,やはりスピーカの口径が小さいし,筐体も小さいので仕方ない,と思ってはいました。
ただ,以前作った,英Mullardの初期のTrを使った6石スーパーが音がよいので,ひょっとしてSPのせいばかりではないのでは,と思って調べてみたら,何のことはない,電気的な特性もかなりひどく,低周波部のf特は前回書きましたとおり,高域のカットオフ周波数(-3dB)が2kHz程度でした。これじゃ,音が悪いわけです。
前回はとりあえず,ドライバ段のf特を改善しましたが,今回は終段も改善したいと思います。実際,f特はOPTが決めてしまいますので,OPTを改良したいと思います。せめて,目標としてはカットオフを5kHz程度にしたいと思います。
じゃ,どうするんだ,と言うことなのですが......。
低周波部のf特が悪いのは,どうやらOPTのせいのようです。漏れインダクタンスも大きい上,線間の分布容量が大きく,カットオフが下がっているため,と考えられます。
そこで,改めて,6石スーパーTrラジオのOPTについて調べてみると....。
奥沢清吉氏の "新版 図解ラジオの作り方" を見ると,氏の設計した6石スーパーはなんとOPTが200Ω:8Ωとなっているではないですか!! 山水のST41です。
普通,ゲルマニウムTrの出力段の負荷インピーダンスは1kΩくらいが普通で,iruchanもいつも,ST-32(1.2kΩ:8Ω)を使っています。もし,1次インピーダンスが200Ωなら,巻数は平方根に比例しますので,1.2kΩのものの1/2.5になっているはずですから,分布容量も小さく,高域のカットオフ周波数も高くなっているはずです。
奥沢氏の他の記事を見るとやはり1kΩ程度のOPTを使っている記事もあるので,氏は高音の問題点をすでにご存じだったのかもしれません。
と言う次第で,もっと1次インピーダンスの低いOPTにしたいと思います。
現行品だと,ST-62が120Ω:8Ωと低いのですが,残念ながらコアのサイズが大きすぎ,ボツです。
小型のものだと,ST-83が400Ω:8Ωですので,比較的,1次インピーダンスが低いです。
1次:2次の周波数特性を実測してみました。ST-83のf特は発表されていないので貴重だと思います。
ただ,実際にはドライバトランスと同じ,互換品がありましたので,そちらにしました。インピーダンスは600Ω:10Ωのものです。こっちの方が値段は半額ですし....。また,▲のf特を見ても,ST-83より広帯域です。UT-32は前回までのものです。
OPTは600Ω:10Ωのものに交換しました。
さすがに,レベルも低くなっていますが,きちんと正弦波を保っていますし,良好な波形です。
ちなみに最大出力は150mWとなりました。上側が先にクリップしちゃうので,プッシュプルのTrの特性にばらつきがあるようです。本来ならペアの石を使うべきですね~。
-3dBで180Hz~6kHzというところで,前回だと60Hz~2.5kHzと言うところでしたから,ずいぶん改善できました。
それにしても全然フラットじゃないし,低音はほとんど出ませんね~。まあ,口径が50mmほどのSPを使っているので,これでも問題ないと思いますけど.....。
実際,放送を受信してみますと,非常に音質が改善され,自然な音質になりました。You TubeにAR-606や他の6石スーパーTrラジオの動画が出ていますが,残念ながら,やはり音が非常に悪いので,それに比べれば,大きく改善されています。
無帰還のB級トランス結合プッシュプル出力段のf特なんて,こんなものなのでしょう。▲のf特を見ると,6dBほどの負帰還をかけてやると80Hz~20kHzくらいになりそうですから,負帰還をかけてみる,と言うのも手だと思います。
ということで,今回のACEのAR-606形6石スーパーTrラジオの話はここまでとしたいと思ったのですが,前回までの特性だとNFBをかけてもむだ,という感じでしたが,今回は効果ありそう,なのでテストしてみたいと思います。
2019年4月7日追記
NFBをかけて実験してみました。こちらをご覧ください。