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ALTEC 405Aが届きました [オーディオ]

2022年4月16日の日記

altec 405A-1.jpg ALTEC 405A

ALTECのスピーカーが昔から好きでした。いつか,604-8Gを買って鳴らしてみたい.....って思っていました。

真空管アンプの時代,出力がそれほど大きくないので,このような高能率のスピーカーが愛用されていました。

38cmという大口径のSPの中央に同軸のホーントウィータを備え,フルレンジ的な使い方ができましたし,なにより103dB/w/mと言う高能率は驚き。ホーントウィータと揃える意味もあったでしょうけど,コーン型スピーカーとしては異例の高能率でした。

604のシリーズは古く,最初の604Aは1945年の発売のようです。終戦の年にこんなスピーカーを発売するのですから驚きます。マグネットは当時ですから当然ですけどアルニコ5を使っていますが,最後までアルニコのようです。ちなみに8Gだと1975年発売のようです。

残念ながら,3年後の8H以降はマルチセルラーホーンをやめてしまい,マンタレーホーンと呼ばれる普通のホーンになっちゃたのが残念です。

ライバルのJBLはこういう同軸スピーカーを出していませんし,フルレンジとしてはLE-8Tくらいだったのとくらべると異色ですが,なにより真空管時代には最高峰のスピーカーのひとつで,マニアの憧れだったと思います。

と言う次第で,iruchanもいずれは604を.....なんて考えていたのですが,さすがに,もう今からこういう大きなSPを使う元気はありません。

と思っていたのですけど,より小さな 全然違うやないか 405Aはいつか手に入れたい,と思っていました。パンケーキと呼ばれる6インチ半の755Eなんかも欲しかったのですけれど.....これはもう手が届かないほど高くなっていますね。パンケーキはレンズもとても好きなんですけどね。

405は4インチ径で,日本で言えば,10cmですね。604とは大きな違いです。

でも,Altecの音がするし,何よりこのフルレンジはボーカルにぴったり,と言われていて,ジャズボーカルなんかを聴くと最高の音がする,と言われています。iruchanも300B持っているので,300Bシングルで405Aを鳴らしてジャズ聴くと最高......という気がします。

実際,You Tubeなどでエア録音? した音を聴くとまさに絶品,と言う感じですね......[晴れ]

まあボーカル用,と言うのはそもそも405Aの設計条件が空港やホールなどのパブリックアドレス(PA)用なのですから,当然でしょう。

そういえば,新幹線など,電車のスピーカーも大体,10cmくらいのフルレンジが使われていて,このサイズのスピーカの主要な用途はそのようなものでしょう。新幹線のスピーカを1個,持っていますが,どう見てもFE-103です。

とはいえ,iruchanは新幹線の音が我慢ならないんですけど......。

確か,金田明彦氏も同様のことを何度もMJ誌で書かれていた,と思います。"耳を破壊する" って書かれていた,と思いますけど,まったく同感です。

なんで正直,あれだけひずんでいて,特に高域,低域ともにまったく出ないひどい音なんでしょう。アンプもひどいんだと思いますけど,いくら,人の声が明瞭に聞こえる,と言うのが最大の目的としても,新幹線や電車にはもっとHiFiなスピーカを使うよう,要望します。

ちょっと脱線しちゃいました.....(^^;)。

その点,このALTEC 405AはPA用としても最適で,非常によい音がする,と思います。やはりこの点,日米の力の差,なんでしょうか。

驚いたことに,Western Electricに源流を持つ,604755と異なり,古いユニットか,と思ったら1968年の発売で,マグネットはBa-フェライト系のIndox Vマグネットを使っています。米Indiana Steel Productsの製品のようです。フェライト磁石なので,外磁型となっています。

ちょっとその点,残念なんですけど,能率は93dB/w/mと高いのはマグネットの磁束が大きいからで,その分,普通の10cmスピーカーにくらべてマグネットが大きいので,バックロードホーンなどの場合,スピーカー背面のスペースに注意が必要です。パイオニアのPE-101やFOSTEXのFE-103用のキャビだと要注意です。

高能率なのは驚きで,裸で鳴らしてもCORALの4A-70が負けちゃうくらいでした....。4A-70は90dB/w/mなので,音量は半分です。

Indox Vマグネットは音がよかったようで,ALTECは409B411Cでも使用しているようです。

残念ながら,後で書きますけど,ALTECの経営が代わって405-8Hからデザインも大きく変わり,フレームは丸形に変わりますし,エッジもウレタンエッジに変わります。ウレタンエッジはすぐにボロボロになっちゃうので困ったものです。おまけに,センターコーンまで,アルミ製だったのがコーン紙に変わり,ちょっと残念に思います。

ALTECは1927年にWE在籍のエンジニアが設立した名門で,1941年にはLansing社を買収してAltec Lansingとなったのですが,LansingはJBLの創始者ですね。

ところが,1958年には買収されLTV社となりますが,1974年,連邦破産法11条を申請し,破産します。日本で言えば民事再生法ですね。その後,10年間,ALTEC社として再活動しますが,1984年に再び破産し,Gulton Industoriesに買収され,先に書いたように,同社のElectro-Voiceブランドとなりました。この間,GultonはMark IV社にすぐに買収されています。

1986年には,カーオーディオ専業のSparkomatic社がALTECブランドの使用許諾を得て,1992年にはAltec Lansing Technologiesとして社名変更します。

2002年からわずか3年間のことでしたけど,Mark IV社から代わったTelex Communicationsから業務用スピーカー部門が独立し,ALTECブランドが復活しましたが,2005年にはPlantronics社に1億6,600万ドルで買収され,携帯音楽用SPを作っていました。

2011年からはProphet Equity,さらに2012年10月にオークションで1,750万ドルでInfinity Lifestyle Brandsが買収しました。

なんか,1桁違うのが気になるのですが.....。それだけ,企業価値が毀損した,ということなのでしょうか。それに,こいつら,なに? って思ったのですけど,どうもどちらもファンドのようです。またいずれ,どこかへ売却,ということになるでしょう......[雨]

もう.....ややこしい......[雨][雨][雨]

それに,今,amazonでALTECと検索してもPC用のSPとか,ヘッドホンとかしか出てこないので,もはやHiFi用スピーカーやそのユニットの販売はしていないようです[雨]

そういう状況のせいか,405のシリーズも後になるとエレボイ製の405-8H以降,廉価版205-8AというものやAltec Lansing TechnologiesのCF-404-8ACF-204-8Aがありますが,この会社の性格から考えて,カーオーディオ用という感じです。いずれも405の流れをくむものですが,商標権の関係か,405とは名乗っていません。

iruchan的には,よく知っているのは405-8Hから,なんですけど,なんでも古い方が好きなので,405Aを探していました。とはいえ,もうALTECはSPユニットは製造・販売していないようなので,これらのユニットはとても貴重だと思います。

2月にeBayでペア$200で出ていたので,これでも安い,とは思ったのですが,最近,eBayはWatchlistに登録するとsellerからofferが来て,値下げしてくれることが多いので,そうして待っていたら,翌日,$175のofferが来て,即落札。送料で$60も取られましたけど,まあ,いい買い物だったんじゃあ,ないでしょうか。

とてもきれいな状態のもので,シリアル番号も4違うだけで,ほぼ同じでした。

売り手は驚いたことにドイツ人でしたけど,発送はSalt Lake cityからでした。米国に店を持っているのでしょう。

altec 405A.jpg 黒ラベルです。

一番古いものはラベルが緑色で,DIACONEと書かれているもののようですが,iruchanのはシリアル番号は#40000番台でした。比較的,新しい方のようです。

コーン紙の周りのビスコースが1個所,少し垂れていて,汚れていましたが,ホワイトガソリンできれいに拭き取れました。

ということはこれらのユニットは天井SPじゃなく,ちゃんと立てて使われていた,と思われます。

テストをかねて,裸のまま,松たか子さんの "Let it go~ありのままで~" を聴いたらもう絶品でした.....[晴れ]

さて,キャビネットはどうしようか......。

まずはバックロードですけど,普通の10cmフルレンジ用バックロードは高さ600mmくらいのものが多く,できれば,サブロクの板の横を使って910mm位の高さにしたいところです。

ただ,長岡鉄男氏の過去の記事を見ても,あまり10cmのバックロード,と言うのはないですね....。それに,普通のSPでいえば,側面にユニットをつけたタイプが多く,壁掛形のようです。

普通の? バックロードタイプだとD-10くらいでしょうか。

有名なのはスーパースワンですけど,さすがにちょっとこれは場所も取るし,なによりSP部が小さく,バッフル効果があまりなく,なにか不合理な気もして作る気がしません.....。

長岡氏の10cmバックロードはSPユニットを幅広の面に取りつけ,バックロード開口面を縦長の側面にした,壁掛け用のものが多く,通常のバックロードのものは見つかりません。

と言う次第で,ネッシー 出た~~ か......という気もしています。


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