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実験用定電圧電源の設計と製作~その3:完成しました~ [電子工作]

2021年10月7日の日記

トラッキングレギュレータ1.jpg

このところ取り組んでいたトラッキングレギュレータが完成しました[晴れ]

OPアンプ回路やHiFiアンプの実験用に,±3~±22Vまで可変できる両電源となっています。5Vや9V,12Vなどの固定出力も設けました。

最高出力電圧は±35Vくらいにできると金田式にぴったり,と言う気もするのですが,さすがに使用したOPアンプNJM2147Dの耐圧が28Vで,あきらめました。

可変出力もつけたので,プリアンプの基板のテストの時など,様子を見ながら,徐々に加圧して,と言うこともできそうです。

ケースはタカチのSYH-110Bを使いました。サイズは110(W)×76(H)×140(D)mmです。コンパクトなサイズで,なかなか機能的ですが,ちょっと小さすぎました。もう少し大きなケースにして,電流容量も500mAくらいにしてもよかったかもしれません。

トラッキングレギュレータ内部.jpg 内部です。

一応,回路的にはTrを使った電流制限型保護回路をつけていますが,念のため,ポリヒューズも入れておきました。

こういう電源装置があると何かと便利です。これから本機を使っていろいろ実験してみます。

     ☆          ☆          ☆

2021年10月24日追記

いよいよ完成したので,早速,今取り組んでいる,金田式IVCイコライザアンプ基板のテストをしてみようと思います......,っと思ったのですが,やっぱりトラブル。

多少,基板自体は問題があったものの,無事に動くようになりました。

ただ,どうもオシロで見てみるとスゴいノイズ.........[雨][雨]

最初はイコライザアンプ基板が発振しているか,ノイズを拾っているかと思ったのですが,どうも変。

単純に,電源の波形を見てみるとかなりのノイズ。これが原因です。

DE-2645出力波形.jpg 出力波形

270Hzくらいのノイズが載っています。p-p値で220mVもあるのでびっくり[雨]

それに波形もおかしく,普通,シリーズレギュレータが発振したり,ノイズを拾っている場合でもこんな風にはなりません。

と言うことで怪しいとにらんだのは台湾製のデジタル電圧計。

こういうのは内部にマイコンを持っていて,そいつがクロックを持っているし,そもそもこいつは電源は被測定回路から取る,という,まあ,配線が簡単,と言う利点はありますけど,どう考えてもこれは横着。被測定回路の電圧は何Vか,決まっていないから,内部にDC/DCコンバータが入っているはず。DC/DCコンバータはスイッチングレギュレータですから,ノイズが出ないわけがありません。

実際,電圧計の配線を外すときれいなDCになりますから,やっぱり原因はこいつ!

ということで内部を見てみると,確かに,測定線が引き出されている部分に怪しげな空き端子があります。

ネットを見てみるとすでに研究した方がおられて,この配線を変更して別電源とするとよいらしいです。

そもそも,3V以下になると表示が消え,何Vかわからなくなる.....という欠点もあるので何とかしよう,と思っていましたけど,ノイズの点でもこれは解決策になりそうです。

DE-2645(改造).jpgこんな風に配線やり直しです。

また,内部に中国・Shanghai Mingda Microelectronics製の3VレギュレータMDX7133H(こいつはスイッチングタイプでなく,リニアタイプです)を使っています。

どうもこれが発振しているのは間違いありません。出力にセラミックコンデンサ(C3)がついているので,オシロのプローブを当ててみると激しく発振していて,完全に容量不足のようです。

データシートも入手できるので調べてみると出力コンデンサは最低10μF必要のようですが,セラミックなので足りないのかもしれません。3端子レギュレータはどれも同じで,出力コンデンサが小さいと発振しますので,ご注意ください。

ここに手持ちの10μFを追加してみましたが,かなりまだ発振しているので,470μFをつけたら静かになりました。

ただ,結局,このICの発振を止めても現象は同じで,やはりノイズが載っています。

と言うことで,測定するときはメータをカットしようかとも思ったのですけれど,電源を別にする,と言うアイデアを親切な方からコメント欄でご連絡いただいていて,JH1NDMさんのWEBに出ているとご教示いただいていたのですが,ノイズ対策にも使えそうなので試してみました。

▲の写真のように,DE-2645の電源線(赤)を隣に移設し,電圧の測定線を空いている,inと書かれたところに配線します。たぶん,この切り替えのため,ジャンパ線(0Ω)の表面実装抵抗があるので,これも撤去します。

DE-2645出力波形(改造後).jpg これなら使えそうです。

ようやくノイズも消え,きれいな直流になりました。まだ少しノイズが載っていますが,これは誘導によるものでしょう。

やれやれ,これで大丈夫と思ったら,なぜかマイナス側の電圧が低く,どうも過電流保護回路が動作してしまうようです。

結局,これは松下の2SD317のはんだづけ不良と判明し,脚が短くて酸化していて,はんだづけ不良になったようです。新品の2SC5171に変更しました。2SD317は以前,fTが低いのでコアレスモータ対応コントローラからリストラしましたけど,そのときに捨てておけばよかったです。

IVCイコライザアンプの基板から,きれいな正弦波が出力されるようになりました。


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