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Philips CDプレーヤ CD104(マランツCD-34)の整備~基板のメンテナンス~ [オーディオ]

2016年5月1日の日記

オランダ・Philips社の製造したCDプレーヤ,CD104を整備しています。このCDプレーヤは日本ではマランツがCD-34として発売していますし,北米ではMagnavox FD-1040として発売されています。そのほか,少しデザインが違うOEMがMcIntoshなどから発売されています。CDメカニズムとしてアーム式のCDM-1を搭載し,D/AコンバータはTDA1540Dを使用しています。いずれも音の良さで評判のものです。

前回は電源を整備しました。トランスの結線を変更して国内仕様の100Vに変更するとともに整流ダイオードをファーストリカバリ(FRD)に変更しています。 最初のファーストリカバリDiは日本インターの30DF2だと思いますが,1979年に登場し,私も初めて使ったときに音のよいのにびっくりしました。以来,中国LEPY(旧Lepai)社製のデジタルアンプの電源など,自作するものはすべてFRDにしていますが,今回,CD104もFRDに交換しました。

さて,先日は電源を整備して,まずは音出しをして正常に音が出ることがわかったので,内部の基板をメンテします。正常に音が出たので極力,いじる部分は最小限とします。

といって,前回も書いていますが,このCDプレーヤに使用されているPhilipsの電解コンデンサは容量抜けが著しく,甚だしいものは0μFになってしまいますので,交換しておきたいと思います。そういうこともあってか,CD104やCD-34の後期のものは日本のニチコン製の電解コンデンサに代わっています。やはり電解コンは日本製が一番だと思います。

私のCD104はかなり後の製造だったようで,基板上のコンデンサはほとんどニチコン製でした。

と言う次第で,これらのコンデンサは交換せず,もとのままとし,一部の交換にとどめました。

【サーボ基板】

ふたを開けて,一番上にある大きな基板です。CDメカから出力される光ピックアップの信号からサーボ信号を取り出してピックアップの位置制御を行います。普通,CDプレーヤのサーボ機構はトラッキング,フォーカス,ラジアル,スピンドルの4種類ですが, CDM-1はアーム式なのでフォーカスとラジアル,スピンドルのみです。

線番.jpg 必ず線番を振っておきます。

CD104は古いCDプレーヤなので内部にたくさんのジャンパ線があります。今だとフラットケーブルでしょうし,そもそもICの大規模化が進んでIC内部の配線で終わっちゃっていますからCDプレーヤの中の配線は非常に少ないのですが,CD104は20本くらいありますので,差し間違えしないよう,サービスマニュアルに沿って番号をテプラで貼り付けました。 

サーボ基板(オリジナル).jpg オリジナルの基板。数字はコネクタ番号です。

問題となるのは青いチューブラの電解コンデンサで,Philips製です。030という型番で容量は33μFですが,耐圧は16V/40Vの2種類があります。Vishayの47μF25V/40vに交換しました。 VishayはPhilipsの電子部品部門を買収したので,製造の工場は同じでしょう。型番も021 ASMとなっていて,RSコンポーネンツの説明を見ると,用途は汎用,産業用,自動車,オーディオビデオ,モバイル/携帯機器となっています。同じ33μFが入手できませんでしたが,回路を見る限り,47μFでも問題ないと思います。

サーボ基板.jpg 変更後。

Vishayの電解コンデンサに交換したほか,スピンドルモータ制御回路に入っている4.7μFの両極性電解コンデンサはWIMAのフィルムコンに取りかえました。小容量のバイポーラケミコンはフィルムに置き換える方が安心です。

なお,同じスピンドルモータ回路に入っている4.7Ωの抵抗はフューズ抵抗で切れていることがありますのでテスターでチェックしておきます。 端の白帯がフューズ抵抗の印です。

【デコーダ基板】

サーボ基板の下にあるのがデコーダ基板で,D/Aコンバータのほか,エラー訂正やデジタルフィルタなどのデジタル回路,出力のバッファアンプが入っています。

デコーダ基板(オリジナル).jpg デコーダ基板(オリジナル)

この基板には普通,Philipsの035シリーズという青い25V 33μFのアキシャルリード型電解コンが林立していて,それが軒並み容量抜けなんですが,私のCD104はニチコン製のものにすべて代わっていました。ニチコンのは大丈夫だと思いますのでそのままとしました。

1個だけ,Philipsの035 6.3V 150μFがあったので,Vishayのものに交換しました。 

ただ,問題なのは本機で片ch.にたった1個だけあるカップリングコンデンサ。 オリジナルはPhilipsのおなじく035シリーズの22μFが使われています。本機はニチコンの22μF 35Vに代わっていました。

ただ,この部分はオーディオ信号が通る部分だし,きちんとしたオーディオ用部品に交換しておきたいと思います。 使われているPhilipsの035シリーズはこのCDプレーヤの音がよい理由ともされているのですが,さすがに容量抜けはまずいです。CD-34で音が出ない,と言うトラブルは多くの場合,このカップリングコンデンサの容量抜けが原因です。それに,035のシリーズはごく普通の汎用品です。

できれば,この部分はフィルムコンにしたいのですが,さすがにフィルムで22μFというとサイズが大きく,交換は難しいです。上にあるサーボ基板に支えてしまいますしね。無理をすれば入れられないことはないと考えたのですが,サイズが大きいとノイズをひろう原因にもなります。

ということで音のよい電解と言うことでLEPY(旧Lepai)のアンプの改造にも使用した,OSコンにしました。 これは電解コンとは言っても普通の電解コンとは異なり,中の電解液はありません。導電性アルミ固体電解コンデンサというのが正式な名称で,イオンによる電荷の移動を利用するのではなく,イオンよりはるかに軽い固体中の自由電子を利用します。そのため,高周波特性は非常に良好でフィルムに匹敵します。エポキシ樹脂で密封されているので容量抜けも少ないようですし,耐熱性にも優れ,自動車などにもよく利用されているようですが,音もよいのでオーディオ用としても適しています。

LEPYのアンプでこれを使って非常によかったので,今回もこれにしました。サイズが小さいのも何よりです。

ついでに,OPアンプはSigneticsのNE5532Nが使われていますが,これもいずれ交換しようかとDIP8ピンのソケットを取り付けました。ちょっと8ピンのICを外さないといけないので面倒ですが,これをやっておくと後々便利です。

出力OPアンプ周辺(オリジナル).jpg Before

出力OPアンプ周辺.jpg After ICソケットつけました....。

OPアンプを交換すると音が大きく変わります。NE5532自体,音がよいとされていますので,当面,このまま使用することとします。

NE5532は名門Signeticsが開発したものですが,1975年にPhilipsに買収されています。と言うことで自社製品を搭載しているわけですね。でもロゴはSigneticsのままです。 あとでPhilipsブランドのNE5532を搭載している機種もあります。Philips Semiconductorは2006年に大部分の株式をファンドに売却され,今はNXPとなっています。その前,1995年には旧Signeticsの工場だった韓国の工場が売却されていて,そこが今,Signeticsを名乗っています......orz。

まあ,Philips自体,とうにオーディオ事業からは撤退していて,CDプレーヤなどの家電製品は作っていません。欧州で家電メーカの巨人だったんですけどね。今年は祖業の照明事業を売却したようです。時代の流れでしょうか。 

LepaiのアンプではナショセミのメタルキャンOPアンプLF-355HLME49720HAを使って高音が澄み切って非常に音がよくなったので,いずれこれらのOPアンプに交換したいと思います。やっぱ,OPアンプはメタルキャンだと思います.......(^^;)。

【パイロットLEDの取付】

残念ながらCD104は電源投入後はCDを入れない限り,蛍光表示管に -- と表示されるだけで, 何も表示されません。せめて何か照明がつくとか,LEDが点灯するとか,してほしいものです。自作マニアなので,よくわかりますが,パイロットランプがない機械というのは危険で,自作するときは必ずパイロットランプをつけることにしています。

pilot lamp.jpg ピンクのLEDにしました。おしゃれでしょ....(^^)。

1984年当時,ピンク色というLEDは存在しなかったのでおかしいという話もあるとは思いますが.....。 

最近はiruchanはマルツで売っているピンク色のLEDがお気に入りで,Lepaiの電源にも使いました。チップ自体は青色で,樹脂に混入された蛍光体でピンク色にしています。だから青色LEDがなかったらピンク色もできないわけです。

CPU基板1.jpg CPU基板から電源を取りました。

パネルはABS樹脂製なので簡単に穴を開けられます。φ3mmの穴を開けてφ3mmの砲弾型LEDを接着しました。

問題となるのは電源ですが,CD104はフロントパネルの裏にCPU基板というのがあり,そこに5Vが供給されているのでそこから取りました。 

CPU基板.jpg こんな風です。

52番というソケットがあるので,そこの#3ピンと#5ピンに5Vが来ているのでそこから取りました。LEDの電流制限抵抗は10kΩにしています。普通,5Vくらいの電源だと300Ωくらいなんですが,これだと明るすぎ!! 最近のLEDは輝度が高すぎて1mAでもまぶしいくらいです。10kΩだとわずか0.2mAくらいです。さすがにちょっと暗めかな,という感じですがあまりパイロットランプは明るくてビカ~ッと光るのも何なので暗めにしています。これでも真っ正面から見るとまぶしいくらいです。

さて,お楽しみ......。音を聴いてみます。

まずは小林研一郎指揮名古屋フィルのサン・サーンス交響曲第3番 "オルガン" (OXTON OVCL-00079)です。最近,近くのホールでコバケンさんじゃないですけど実演を聴いて感激しました!! やっぱパイプオルガンの音はいいですね~。

この盤は名盤として知られています。1998年7月のサントリーホールでのライブです。のっけからコバケンさんのうなり声が聞こえる迫力満点の超名演です。

コバケン.jpg WaveradioはFM専用です。

使っているアンプはLEPY(旧Lepai)のLP-2020A+です。音のよいことにびっくりの中国製デジタルアンプです。私はアンプ自作派なんですけど,このアンプの音には脱帽です!! これには勝てません。スピーカはBW-800です。バックロードホーンのため,たった8cmのSPユニットでもいい音を聞かせてくれます。

それにしてもパイプオルガンの音がいいのに感激!! 第2楽章でダ~~ンとオルガンが出るところなんかしびれます。後半の盛り上がりはものすごいもので,やはり超名演ですね。 

続いてはマーラーの "大地の歌"。ビバリーヒルズでゆっくり余生を送っていたワルターのステレオ録音です(SONY SRCR 2336)。  

walter lied von der erde.jpg 

このワルターのステレオ録音はさすがに玉石混淆で,さすがにワルターも年取ったのか,名演と凡演(こんなこと書くとワルターのファンにしかられちゃうな)が入り混じっているのですが,この盤は超名演ですね。

聴いてびっくり。いつも聴いているCDなんですけど,フルートが美しいし,ニューヨークのマンハッタンセンターのホールの響きがとても美しいです。いつも聴いていた感じとは全然違います。 やはり,CD-34やCD104は音楽性の優れたCDプレーヤと言われるのがわかりました。

ちなみにマーラーの "大地の歌" はやっぱりワルターが一番で,モノだと例のフェリアー&パツァークのDECCA盤,ステレオだとこれだと思います。 

最後はアナ雪の "Let it go~ありのままで~" 以来,すっかりはまっている松たか子さん。アップのお顔がとてもきれいな "Cherish you" (BMG BVCR-18096-97) です。"明日,春が来たら" が入っています。

cherish you1.jpg 美しいジャケットです。

澄んだ歌声に魅了されます。 癒やされる~~!! 2007年4月の発売なので声も若い感じですけど,圧倒的な "Let it go" の歌唱力を彷彿とさせる伸びやかな高音の歌声が魅力のアルバムです。

さて,肝心のCDプレーヤの音ですが,やはりいい感じです。今まではソニーのSACDプレーヤを使っていましたが,やはりこちらの方がいい感じです。アナログチックな音がする,と言う評判はその通りのようです。

まだOPアンプを交換したりしていませんが,カップリングコンデンサは効果あったようです。電源をとりあえず修正して音出しをしたときは眠い感じでしたが,カップリングをOSコンにしたらずっと解像度も高まり,高音も非常にきれいです。音の分離も向上した感じです。改造したLEPYのアンプの音がよいのもOSコンのせいかと考えているので,やはりなかなかです。

と言う次第で,ようやくPhilipsのCD104を使うことができるようになりました。当分はこの状態で聴いて,将来はOPアンプをメタルキャンにしたり,クロックをVCXOを使って高精度のものにしたりしたいと思います。

ただ,CDが消えていこうとしているのは残念。配信で十分だし,ハイレゾも配信されている現状では配信の方が音もよいし手軽だ,と言うことになれば時代の流れ,と言う気もします。CDプレーヤも命運をともにするのかと言う気もするのですがこれだけ膨大な過去のストックを考えるとまだ残るとは思っています。ソニーやPanasonicも製造中止しちゃっているんですが,そのうち,マニア向けでCDプレーヤが復活すると思います。でもそのときは1台何十万円もするんでしょうね~。

それと,明るい希望としてはレコードの復活。最近は若い人たちの間でカセットも人気が出ているそうですが,ちょっとこちらの方は驚いていますけどね。

要はハイレゾもいいけど,データだけの配信じゃおもしろくない,というのとか,▲の松たか子さんのジャケットもそうですけど,CDやレコードというのはジャケットを集めるというのも楽しみのひとつなので,配信じゃ物足りない,と言うこともあるのでしょう。レコードやカセットだと鳴らす手間を楽しむなんてのもあるのでしょうしね。ボタン押すのだけ,とか触れるだけというのではあまりに物足りないですし,デジタルのあまりに大きなダイナミックレンジや,重低音や超高音に疲れた,と言うのもあるのかもしれません。

いいぞ~~。やっぱこうじゃなくちゃ。デジタル時代だからといっていいことばかりじゃないし,昔のものだっていいことも多いんだ~と,思いました。 


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清水輝雄

楽しく拝見しています。
ところで故あって、CD-34のデコーダ基盤そのものを探しているものなのですが、なにかアドバイスはいただけないでしょうか
by 清水輝雄 (2017-11-12 09:18) 

iruchan

清水様

どうもいつもご覧いただき,ありがとうございます。

さて,おたずねの件ですが,基板のみで販売しているところはマランツも含め,ないと思いますので,ヤフオクかeBayなどでジャンクと称するものを購入して取り出すしかないと思います。

ほかに,CD-34専門の修理業者さんがいらっしゃいますので,ご相談になってはいかがでしょうか。

また,もし,技術がおありでしたら基板の修理をする,と言うのもありかと思います。サービスマニュアルもネットで入手可能ですし,CD-34は古い機種なので表面実装じゃなく,スルーホール基板ですから部品も大きく,基板の故障だったら修理可能ではないかと思います。
by iruchan (2017-11-12 11:24) 

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